●二人のクリスマス〜プレゼント交換〜
「あ、そうでした。プレゼントお渡ししませんと!」
クリスマスパーティーの帰り道、突然声を上げたのは香。
持っていたバックをごそごそと漁って取り出した包みを白夜に差し出す。
「メリークリスマス、ですよ♪」
「え、俺に?」
かわいらしい笑顔を浮かべて、取り出した包みを白夜に差し出す。まさか自分にと思っていた白夜は、戸惑いながらプレゼントを受け取る。
驚いた様な表情は消え、嬉しそうに微笑み香を見る。
「ありがと。……実は俺もプレゼント用意してたんだ」
コートのポケットから小箱を取り出す白夜。「大したモンじゃないけど」なんて言いながら、香の方に差し出す。
香はとても嬉しそうにそれを受け取り、すぐにリボンを解き箱を開けてみる。
「うわぁ……素敵な腕時計……あっ、リボンも入ってるんですね! ありがとうございます♪」
中に入っていたのは上品な腕時計と青いリボン。嬉しそうに<腕時計を胸に抱え、白夜を見つめる。
「すげ……マフラーだ、あったかそうじゃん。ありがと」
白夜も包みを開けてみると、青いマフラーとクリスマスクッキーが入っていた。
互いに嬉しそうな笑みを浮かべる。相手が喜んでくれてよかったと思える一瞬。
二人は本当に嬉しそうに、貰ったものをつけてみる。
香は腕時計を腕に、白夜はマフラーを首に。
もちろんクッキーだって待っていられないから、袋から取り出して、ひとつ口の中に放り込む。
「うん、うまい♪」
手作りのクッキーはとても美味しく、それを伝えるべく白夜は香に笑顔を向ける。
二人とも嬉しそうな楽しそうな笑みを浮かべて、「ありがとう」と、互いに告げる。
最後の最後にやってきた、とっても嬉しい出来事。
それを胸に包み込むように、二人は見つめ合い笑い合った。
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