●星空の下で二人だけのダンスパーティー
冬の空はとても澄んでいて、夜の空には沢山の星が瞬いている。
今も学校の中では、沢山のイベントが行われている。そんな中、のぞみと奈々は屋上のパーティー会場に上がってきた。
屋上は冬の凛とした空気に包まれてひんやりとしていた。「ちょっと寒いね」と笑い合いながら、互いにクリスマスプレゼントを取り出す。
のぞみから奈々へは白いリボン。それを彼女の紙に結わえてあげる。
奈々からのぞみへは羽二重絹で作られた特製の黒リボン。奈々ものぞみの髪の毛に黒いリボンを結えた。
ふたりでにっこりと「ありがとう」とお礼を言い合ってはまた笑う。
楽しくパーティーが進む中、一緒にダンスを踊ることにする。
のぞみが奈々の手を取り、ダンスフロアとなった屋上に躍り出る。
以前一度のぞみからダンスを教わっている奈々。ここは上手に踊って楽しみたいと意気込んでのぞみの手を取り、ステップを踏み出す。
しかし優雅に踊るのぞみとは違い、まだまだ不慣れな奈々の動きはぎくしゃくしていて、なんとかのぞみに追いつこうとばたばたっとステップを踏んだ。
慌ててしまったのがバランスを失い、自分のドレスの裾を思いっきり踏んづけてそのまま盛大に転びそうになってしまう。そんな奈々を見てのぞみが慌てて奈々の方に手を伸ばし、彼女の体を支えようとした。
だが奈々は既にパニック状態。うわーっと伸ばした両手はのぞみのドレスを思いっきり掴んでしまった。ドレスをつかまれ奈々は転びそうになっていと、のぞみもそれ以上踏ん張りが利かず、二人一緒に屋上の上でひっくりかえってしまった。
転んだ二人は顔を見合わせたとたん、楽しそうにかわいらしい笑い声を上げた。
「仕方ないわね」
「うふふ。ごめんなさい」
上体を起こしたのぞみが奈々に向かって手を出す。奈々も悪いと想いながら、二人で転んでしまったのが楽しかったのか、笑いながらのぞみの手を取った。
そうして二人はゆっくりと立ち上がる。
今度は焦らず、ステップを踏んでいく。
まだパーティーが終わるには時間があるから、それまで、あともう少しだけ。
そう二人は踊りだした。
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