異黙・義和 & 黒百合・朱華

●これからも共に在る未来を聖夜に願って

 聖なる夜。
 いつの間にか夜は深い時間になっていて、義和の部屋で二人きりのクリスマス。
 ベッドに横たわっていた義和が突然ベッドから飛び降りると、何かを取ってまた戻ってきた。
「あ〜……朱華。これ」
 再びベッドの上に体を横にすると、その隣で同じようにベッドに横になりながらも少しまどろんでいるような朱華の側に近づく義和。すぐそこまでくると、彼女にそっぽを向き、今取ってきたものを彼女の目の前に差し出す。
 少し驚いたような彼女は差し出されたプレゼントと、照れたように頬を掻く義和の様子を交互に見つめてから、プレゼントを受け取る。
「あら……これは?」
「ん……ほ、ほれ、あれや。その……クリスマスプレゼント」
 朱華の言葉に、チラリと彼女の顔を見て答える。
 そんな義和の言葉を聞きながら、赤いリボンを解いて包みを解いていく。
 小さな箱の中に入っていたのは、シルバーリング。
 嬉しそうな小さな笑みを携えながら、朱華は冷たい輝きの指輪を指にはまる。それは彼女のためにあつらえたかのようにぴったり。
「……どう、似合うかしら」
「……ああ、似合うとる」
 指輪をした手を翳して、くすくすと笑いながら義和に尋ねてみる。義和はちらりと指にはまった指輪と彼女の笑みを確認してすぐに視線をそらし、照れたように頷く。
 朱華は飽きることなく嬉しそうに微笑んで、はめた指輪を眺める。
 翳してみたり、近くでじっくり見てみたり。
 そんな指輪には彼の手作りだとすぐに分かる「守禍」という文字が掘られていた。
 すると朱華がおもむろに、義和の方に顔を向けた。
「……私が欲しいですか?」
 その言葉に照れていたはずの義和の表情が変わった。  くすりと笑っている朱華の顔を真っ直ぐに見つめ、照れずに微笑み返す義和。
「……ああ、欲しいな。ずっと傍に居て欲しい」
 照れずにはっきりと、気持ちを伝える言葉。
 そのまま義和は朱華の体を抱きしめる。
 とても愛しいと思える存在。
 この愛しい時間がずっと続くように。
 二人は微笑みあいながら、顔を寄せそのまま口づけを交わす。




イラストレーター名:荻下いつき