●二人で、共に歩く
一杯騒いできたクリスマスパーティー。
そんな高ぶった気持ちを冷ますかのように、忍とハクヤは星空の下をゆっくりと散歩。
実は二人で迎える学園のクリスマスは今年が初めて。
楽しい沢山の思い出が出来た。
「んじゃー今日も手を繋いで帰ろーぜ!」
「きょ、今日もって!」
手を繋ごうと言うが早いか、忍の手を取りしっかりと繋ぐ。もちろん忍の返答など待っていない。言葉とほぼ同時に手を繋がれたことにびっくりした忍だけれども、繋がった手をしっかりと握り返す。
きゅっと握り返してくれる。そんなことが嬉しくて、ハクヤは忍をもの凄く嬉しそうな顔で見ると、そんなハクヤを見ているのがとても好きだと言うように、忍も見つめ返す。
「ちょっと散歩する?」
「! おう!!」
忍の申し出に大きく頷くハクヤ。
そんなハクヤの嬉しそうな顔を見ると、くすぐったいけれどもとても温かい気持ちになる。
とても自分は頼りないと思う忍。そんな自分だけれども、少しでもハクヤの支えになっていられるのなら嬉しい。
忍のそんな想いとは別に、ハクヤはいつも忍に支えて貰っていると思っていた。だから自分も忍を支えられたら良いのに、というか支えていたいと思っている
二人がそんなことを想いあっているうち、自然と顔と顔を合わせていた。
そんな風に忍ぶと目があうととても嬉しくて、幸せ一杯の笑顔を顔中に浮かべるハクヤ。
お互いをお互いが支え合っていられたらと、幸せそうなハクヤを見ていた忍も頬を少し赤く染め、小さく笑みを返す。
「これまでもこれからも一緒にいよーな!!」
「……うん、これまでも、そしてこれからも一緒にいれたらいいな?」
繋いだ手よりも更に、忍の体にぴったりとひっつくハクヤ。
視線は真っ直ぐに忍に向けられて、にこーっと幸せそうな嬉しそうな笑みで顔一杯にする。
それに忍も笑みを浮かべる。小さなはにかんだような笑みだけれども、それだけで二人は充分だった。
これまでも、そうしてこれから先も。
繋いだこの手が離れてしまわないように。
ぎゅっと握りあって、お互いの存在を確認して安堵する。
互いに互いを支えあえられるように。
一緒に歩いていけたら……。
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