●〜〜〜♪〜〜♪〜
外は華やかなクリスマスイルミネーションや、クリスマスソングで溢れかえっているけど、ここも負けないほど楽しい雰囲気に包まれている。
英二と小夜がやってきたのは、二人っきりで楽しめるカラオケ。
「わあ……ご馳走とか、いっぱいなのですよ〜」
「今日はクリスマスですからね。思いっきり楽しんじゃいましょう」
「はい、楽しんじゃうのですよ〜!」
まずはクリスマスな料理を頼んで、テーブルの上を沢山のクリスマスの料理や、ケーキで一杯にしてからマイクを握る。
「じゃあ、次はデュエットなのですよ〜♪」
「ん、この曲は得意ですよ」
二人で元気に一緒に歌ったり、一人ずつしっとりと歌い上げたり、この時間をとても楽しむ。
楽しい歌。
元気な歌。
落ち着いた歌。
大好きな歌が歌えて満足な小夜は、終始笑顔。
そんな彼女を満足げに見つめる英二は、彼女の歌う歌に合わせて手拍子をいれたり、聞き入ったりしていた。
かれこれずいぶんと歌い続けた頃。
少し歌い疲れてきたのか休憩と、小夜が英二の隣に戻ってくる。
「……小夜ちー、ご苦労様♪」
ソファに腰掛けた小夜に英二が飲み物を差し出した。
「ありがとうございますなのですよ〜♪ ……頂きますのですよ♪」
小夜は嬉しそうに、そのグラスを受け取る。
ほっと一息つく小夜の横顔。
それがとても可愛らしくて。
英二は不意打ちにも似た口づけを、彼女の頬へと落とした。
「ふえ!?」
何が起こったのか、一瞬分からない。
小夜はきょとんとした後、びっくりと目を丸くして英二の方を見た。
「メリークリスマス」
驚いた表情のままの小夜に、英二がにっこりと笑いかける。
それに小夜の表情も驚いたものから笑顔へ変わり、彼のキスによってかそれとも、そのキスによって彼女自身が照れてしまったからなのか、赤くなった頬を緩く指先で触れる。
さぁ、今夜はまだまだ長い。
次はどんな歌を歌おうか。
| |