●プレゼント交換〜今年は何かな?〜
カップルにとって、クリスマスというのはなんとなくやっぱり特別で、それが付き合って1年目ともなると、特別はもっと特別になる。
昨年のクリスマスに蒼からの告白で、付き合い始めた二人。
やっぱり今日は記念日。ふたりきりでゆっくり祝わないと、とミニスカサンタ姿の千歳は、すでに胸がドキドキしていた。
蒼もまた同じ気持ち。
来年は高校3年になり、再来年は卒業してそれぞれの進路へと進むことになるだろうけれど、卒業後もその後もずっと一緒に過ごす日々にしていきたいと思う。
神社の中。境内でふたりきり。
まずはプレゼント交換。
「はい、プレゼント♪」
「今年は何かな?」
「うにゃ、中身? 秘密だよっ♪ 開けてみてのお楽しみって奴♪」
「有難う、大切に使うよ」
千歳から蒼へと渡された掌サイズの小さな包みは、ピンク色のリボンでラッピングされている。
プレゼントの中身はなんであっても、彼女からもらえるというのはとても嬉しい。プレゼントを受け取ると、とても嬉しそうな顔を千歳へと向け、今度は蒼が千歳へとプレゼントを手渡す。
千歳へと渡されたプレゼントは、白虎柄のリボンでラッピングされている。
「ありがと〜♪」
とても嬉しそうな笑顔でプレゼントを受け取る千歳。
「開けてみて良い?」
千歳からの問いかけに、蒼が頷く。
ワクワクした面持ちでリボンを解き、中身を開けて行くと、そこには鮮やかな真紅のリボン。
蒼が前々から用意していたのは、しっぽのリボン。
以前に黒ネコメイドな千歳を見たときに、しっぽにリボンを付けても可愛いだろうと思って、用意しておいたのだった。
リボンを嬉しげに手に持った千歳を見て、やっぱり良く似合うと再確認。この場ですぐに見れないのが残念だけれども、次への楽しみが大きな期待に膨れる。
「大事にするね〜♪」
千歳は大はしゃぎで、勢い良く蒼に抱きつく。と、そのまま彼の唇に自分の唇を重ねた。
咄嗟の出来事に、蒼は千歳を抱きとめることに気を取られ、その間に唇が彼女によって塞がれる。そのとたん、照れてしまい蒼の顔が赤くなる。
少し名残惜しかったけど、キスをやめて蒼が千歳の顔を覗き込む。
「メリークリスマス、千歳さん」
「蒼君、メリークリスマスだよっ♪」
今日の特別の言葉。
ふたりは最高の笑顔で見つめあうと、これからもずっとふたりで一緒にいられたらいいのにという想いが大きくなる千歳。
ここは神社だけれども、今日ぐらいはキリストの神様にお願いしたって、罰は当たらないよね? と千歳がまた蒼にキスをした。
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