●二人のクリスマス
メリークリスマス。
ならんだ沢山の料理にケーキ。
銀麗とジュゼッピーナのふたりのクリスマスパーティー。
おいしい料理を食べれば、自然と会話も弾む。
ジュゼッピーナの肩のひよこのじゅうべえも、パーティーに参加して、時折ピヨピヨと可愛らしい鳴き声をあげて応える。
ほどよくお腹も満たされ、そろそろデザートのクリスマスケーキを食べようかという時、ジュゼッピーナが銀麗の方を向いた。
「わたくしは、お姉さまの絵をプレゼントするのです」
にこにこの笑顔で少し大きめの包みを取り出し、銀麗に手渡す。
「ありがとう。開けていいかな?」
「もちろんです」
受け取った銀麗は、にこやかにそしてすこしドキドキして包みを開けていく。
ジュゼッピーナの言葉通りにそこには、銀麗の姿が描かれている。
「ありがとう。大事にするよ」
銀麗は嬉しそうにジュゼッピーナを見て、お礼の言葉を口にすると、今度は自分の番だと小さな箱をジュゼッピーナへと差し出す。
「これはあたしから、ピナコへ」
「ありがとうございます。開けいいですか?」
満面の笑みで、銀麗から包みを受け取ったジュゼッピーナは、銀麗が頷くのを待ってから、箱のリボンを解き箱を開ける。
「まぁ」
箱の中には、銀麗の髪留めを素材に使用した銀製のロザリオが入っていた。
「お姉さま、ありがとうございます」
とても嬉しそうな笑みを浮かべて、ジュゼッピーナは早速ロザリオを身につけてみる。
「ありがとう」
「ありがとうございます」
顔を見合わせれば、もう一度礼の言葉を交わしてから、ケーキを切り分ける。
綺麗な皿の上にのせて、もう少し二人だけのクリスマスパーティーを楽しむ。
ケーキに紅茶、それに貰ったプレゼント。
まだもう少し、パーティーを終わらせてしまうのは惜しいから。
少女達は、にこやかに語らう。
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