●winter magic for …
楽しい楽しいクリスマス。
友達と騒ぐのに不可欠なのは、おなかいっぱいの食べ物。
そんな賑やかなクリスマスを過ごすために、紅霞とリリエルは、仲間達が集まる前に、買出しへと向かった。
「思ったよりも大荷物になってしまいましたね、先輩」
「でも、これくらいあれば、ばっちりっすよ」
リリエルの言葉に紅霞は、にっと笑みを浮かべ、大きく頷いた。
買出しはほぼ終わり、後は帰るのみ。
（「早く帰らないと、料理間に合わないっすかねぇ？ でも、ちょっとぐらい寄り道しても大丈夫かな？」）
クリスマス風にライトアップされた町並みの中、紅霞は一番、綺麗なツリーの前で足を止めた。
「この季節になると、どこもライトアップされてて、綺麗になるっすね」
「そうですね……」
寒さに震えながらも、リリエルは煌びやかなツリーを見上げた。
そのツリーに瞳を細め、リリエルは笑みを浮かべる。
と、そのとき。
「くちゅんっ」
どうやら、リリエルの鼻は寒さに耐え切れなかったようだ。
可愛らしいくしゃみがその場に響く。
「あ、ごめん。ちょっと寒くなってきたから、早く帰った方が良いっすね」
寒そうなリリエルを見て、紅霞は自分のつけていたマフラーを、ふわりとリリエルの首にかけてやった。
「あ、ありがとうございます」
ちょっぴり驚きながらも、リリエルは笑顔で応えた。
と、思い出したように紅霞は、口を開く。
「俺、多分リリちゃんの事、好きっすよ？」
一瞬、何を言われたのかわからず、リリエルはきょとんと言葉を失う。
そして、段々と後から、何か思い出したらしく、徐々に顔を火照らせて。
「先輩……今、何てっ……！？」
駆けてゆく二人。
煌びやかなツリーを後にしていく。
突然の告白に動揺するリリエルと、彼女に告白した紅霞。
これから始まる仲間とのクリスマスは、無事に過ごせるのだろうか？
その答えは、二人だけの……。
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＆
リリエル・カンノ 
