●秘密広場でクリスマス！
そこはふたりの秘密の広場。
雪はあるとこにはあるらしく。
そこには日差しを浴びて、キラキラ光る雪が積もっていた。
「ねえねえ、鷹ー。一緒に雪だるまつくろうよ！ でっけーやつ！」
「雪だるまですか？ いいですよ、作りましょうか」
「やっぱ、二人で遊ぶのも楽しいよねえ」
鉄太が雪だるまを作ろうと鷹を誘う。
それに異存のない鷹は、ふたつ返事で頷く。と、同時に、鉄太が楽しげな声を上げた。
「ね、雪合戦しよ！」
「……雪つぶてを投げるなら、雪だるまはお預けですよ？」
無邪気にアレをやろう。コレをやろう。と、鷹を誘ってくる鉄太。
その無邪気さを少し羨ましくも思うけれども、鷹は少し困ったようにそっと吐息を吐き出す。
「どちらかにしなさい」
「あ、雪だるま作るんだったー」
「まったく、鉄太は飽きっぽいんですから」
鷹の一声に、そうだったと当初の予定を思い出す鉄太は、その後に続く鷹の言葉など待たずに、すぐに雪が沢山積もっている方へと走っていく。
無邪気な鉄太の後を追うように、鷹も後に続いていく。
「うんせ、どっこいせ」
「こんな風に転がすと丸くなりますよ」
鉄太が雪玉をつくろうと、雪をかき集めて固めていくのを見ると、鷹が小さな雪球を作り、雪の上をコロコロと転がして大きくしていく方法の手本を見せる。
「僕たちとおんなじくらいでっかいの作るべー」
鉄太は鷹の手本を見ては、おおーっと、声を上げて鷹を真似て雪玉を雪の上に転がしていく。そんな鉄太を見守る鷹は、主に彼の手伝いとして動く。
元気に雪野原の上を駆け回る薄着の鉄太を見て、こんなに寒いのに元気だなと思う、鷹はファーがついた分厚いコートを着込んでもこもこして、頬が赤くなっていた。
「できた！ わーい！ やったね、鷹！」
しばらくふたりで一生懸命、雪玉を転がして大きな雪玉を二つつくって、少し小さいほうを大きい雪玉の上に重ねれば、自分達の背丈と変わらないぐらいの大きさの雪だるまが出来上がった。
嬉しげに声を上げる鉄太が、雪だるまを見てから満面の笑みで鷹を見る。
「鷹に教えてもらったおかげだね！ 皆に見せびらかしたいけど秘密基地だもんね。二人だけのヒミツだよ？ めりーくりすます！」
「上手にできましたね。……メリークリスマス、鉄太」
大きな雪だるまの前で、おつかれさんのハイタッチ。
二人の顔にはとても満足げな笑みが顔一杯に溢れる。
「じゃぁ、今度は雪がっせーん！」
笑みの後すぐに鉄太が鷹を引っ張って、雪合戦に誘っていた。
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黒祀・鷹 
