●幸せな白 〜一緒に楽しく食べるのです〜
クリスマスイブは2人で過ごそう。
そう約束していた戯雄と沙子は、当日、お互いのためにとびっきりのプレゼントを用意した。
「メリークリスマス♪」
クリスマスツリーの飾られた、可愛らしい部屋の中、まずは沙子のプレゼントを公開!
「わぁーっ! おっきなクリスマスケーキなのです♪」
とびっきり大きくて、とびっきり美味しそうなクリスマスケーキに、戯雄は驚嘆の笑顔を浮かべ、今度は自分が驚かせる番とばかりに、大きな包みを取り出した。
「すごーい! お揃いのサンタ服!」
喜びと驚きの混ざり合ったような表情で、服を手に取り広げてみる沙子。
それでは、早速2人でお着替えしましょう♪
───そして数分後、そこには、可愛らしい2人のサンタクロースが立っていた。
「ぎおちゃん、すごくよく似合ってるー♪」
「スナコたまも素敵なのですー★」
きゃっきゃと歓声をあげながら、クリスマスケーキにロウソクを飾り、ゆっくりと火を灯してゆく。
「それじゃ、準備はいい?」
「はーい!」
ぱちり。
部屋の明かりが消されれば、ふんわり浮かぶロウソクの炎。
あたたかで優しいオレンジ色をはさみ、向かい合った戯雄と沙子は、目が合うと同時にニッコリと微笑み合った。
「……こうしてると、天使さまみたいなのに」
クスッと笑いを零しながら、沙子が言う。
「じゃあスナコたまは僕の神様ですねー」
戯雄もまた、喜び一杯の満面の笑み。
ロウソクに照らし出された2人の頬は、ほんのり色付き幸せそう。
ほんとうに、互いが互いの神様で天使様。
そんな優しい想いを込めて、2人は再度微笑み合った。
ロウソクの柔らかな灯りが消され、電気がまた室内を明るく照らす。
「いっただーきまーす♪」
大きなケーキを切り分けて、戯雄が早速口へ運ぶ。
「わぁ、とっても美味しいです★」
「本当? そう言ってもらえるとすごく嬉しいなー!」
口のまわりに付いた真っ白なクリームを舐め取っては、また次の一口をパクリ。
甘くて美味しいクリスマスケーキは、2人で食べれば美味しさ2倍。
そして勿論、ハッピーも2倍。
……ううん。
きっと3倍、4倍、5倍……もっとかもっ★
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