●Happy Surprise Christmas
楽しいクリスマスパーティーを終えた京也と雲英は、街角のイルミネーションの前で、どちらともなく足を止めた。
「綺麗だねー」
毎年とても楽しみなんだと、雲英が京介に笑顔を向ける。
「そうなんだ! すっごく綺麗だもんね♪」
来年も2人で見られたらいいねと、京介が照れ臭そうに返す。
「うん♪ 私も来年また京也さんと見たいな〜……」
彼につられたのか、雲英の声もどこか小さく恥ずかしそうだ。
「えへへ……」
「えへへへ」
頬をほんの少し朱に染めて、照れ笑いを交わす2人。
「そうだ!」
ふと、何かを思い出したかのように、京也がちょっと大きな声をあげた。
「はい、クリスマスプレゼント♪」
そう言って京也がポケットから取り出したのは、リボンが掛けられたピンク色の小箱だった。
「わぁ、ありがとうっ♪」
驚きつつも、とても嬉しそうにそれを受け取った雲英は、実は私からも京也さんへと、鞄の中からエメラルドグリーンの包みを取り出した。
「わっ、くれるの?」
勿論、大喜びで受け取る京也。
「ありがとー! 開けていい?」
「うん! ……あ、私も開けていいかな?」
京也の言葉に、雲英は笑顔で頷き返し、京也もやはり満面の笑みで頷く。
そして、2人ドキドキしながら開けたプレゼントの中身は……。
「……ま、マフラーだ……!!」
京也の貰った包みの中身は、ストライプの手編みのマフラーだった
「編み物は慣れてないから、上手くないかもだけど……」
けれどそんな僅かな雲英の不安は、キラキラとした京也の笑顔の前に、あっと言う間に吹っ飛んでしまった。
「私の方は……わっ、凄く可愛いヘアピンっ!」
雲英の小箱に入っていたのは、こちらもやはり手作りの、緑の貝殻で出来た花のヘアピン。
「そのヘアピンに付いてる貝は、夏に虹のみんなで海に行った時拾ったんだよ!」
雲英ちゃんに渡そうと思って。
照れた表情でそう付け加える京也に、雲英も笑顔で喜びを返す。
「私も、京也さんに渡すならやっぱり自分で作りたくて。何色か迷ったけど、京也さんの目と同じ青にしたんだよ♪」
こんな綺麗な貝殻を集めてくれて有難う。
そう言いながら、雲英は早速ヘアピンを髪に付けてみた。
そして京也も、早速マフラーを巻いてみる。
「……似合うかな?」
「うん、すごく似合うよ♪」
2人はニッコリと顔を見合わせ、もういちど「ありがとう」を言い合った。
「えへへ、大事にするね♪」
「私もずっと大事にするね!」
それは、どんな高価なプレゼントよりも素敵な、世界でたった1つだけのプレゼント。
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