●サンタ迎撃、今年も失敗…
「今年こそサンタに、お礼を言う!」
それが今年の目標。
一刃と紫辰はその目標の共に追撃準備を始める。
今年こそは。
今年こそは。
実はサンタの正体は分かっていたりする。だけど明日お礼を言っても、きっととぼけられてしまうのも分っている。
だからこそ、現場を押さえれば、お礼もちゃんと受け取ってもらえると思うから。
サンタはいつやってくるからわからない。
今日の夜は長そうだ。
「コーヒーよし!」
「トランプよし!」
「「ケーキよし!!」」
一刃と紫辰が交互に指差し確認。最後は二人一緒に。
コーヒーで目を覚ましながら、トランプで時間を潰して、残ったケーキを少しずつ食べればきっとまた目が覚める。
完璧なプランだと、ふたりはにやりと笑う。
今年こそはいけそうな予感がする。
そうしてふたりはコーヒーを飲みながら、トランプをはじめた。
全然眠くならない、むしろ白熱してくる。
ちょっとお腹が空いたらケーキ食べて。
トランプが一段落し、何か手応えを感じているのか二人の少年は顔を見合わせてにやりと笑う。
さぁこいサンタクロース!!
と、ばかりに扉を見据える。
しかしまだ時間は早く、扉が開く事はないから、トランプがもう一戦繰り広げられる。
だけどだんだん時間が過ぎていくのと同時に、なんだかまぶたが重たくなってくる。
どうしたんだろう。
ついさっきはあんなに元気で、眠たく何てなかったのに、。
きっとこれはコーヒーが足りないせいだと、ブラックにして顔をしかめてコーヒーを飲んでみる。
………さぁ、来い。サンタクロース。
今年も何時の間には眠ってしまった二人。
プレゼントが二人の間に置かれ、毛布に加えて掛け布団までしっかり掛けられて風邪対策もバッチリ。
そんな状況に二人が気がつくのはもう少し、先の時間。
今はまだ夢の中。
起きたらきっと二人揃って言うのだろう。
おのれ、サンタ!
また来年!
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