●キミと二人で〜聖夜〜
コノハの部屋の扉がノックされる。
どきん。と、心臓が飛び上がった様な気がした。
緊張した面持ちで扉を開けるコノハ。
扉を開けた向こうに同じ様に少し緊張しているやみぴが立ってる。
「どーぞ」とコノハがやみぴを部屋へと案内する。
「ここがコノハの……えと、お邪魔します」
それじゃぁ。と、机の上に置かれるケーキの箱に、隠さないコノハの期待の視線。
「ん、それじゃあ、開けるヨ……」
「わぁ……ありがとう! ね、ね、早く食べよっ♪」
やみぴとコノハは机の前、寄り添ってケーキの箱を開ける。
出てきたケーキにコノハが手を叩いて喜び、待ちきれずすぐに二人は食べる事にする。
「あの、ね……やみぴくん………」
「えと、な、な〜に……?」
ケーキも食べ終わり、楽しい会話の途中、俯いたコノハが耳まで赤くしてやみぴにもたれかかる。
意識をしていたのはふたりとも。
だからやみぴはコノハの肩を抱き寄せて、コノハは抱き寄せてくれるやみぴの胸に手を当てる。
そうして重なる唇。
長い長いキスはそのまま二人をベッドへと誘う。
「……大丈夫、そんなに、怖がらないで……」
潤んだ瞳でやみぴを見つめるコノハに、優しく呼びかけ、優しく優しく壊れ物を扱う様に抱きしめる。
それにコノハは小さく頷いた。
優しい口づけを幾度となく交す。
そうしてそのまま…………。
窓から朝日が差し込み、朝がやってくる。
同じ布団の中、やみぴはすぐそこにあるコノハの髪の毛を優しく撫でる。
コノハはまだ眠っていて、すぐそこで安らかな寝息が聞こえる。
心地よい彼女の寝息を聞きながら、更に顔を彼女の顔へと近づけるやみぴ。
「メリークリスマス……そして、ハッピーバースディ、コノハ……」
彼女の耳元で囁く、優しい言葉。
まだ眠っているコノハに、やみぴは優しく微笑んだ。
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