ネオン・ステイル & カリュア・キトリス

●くりすますのはぷにんぐ

 今日はネオンがカリュアの家に泊まりに来る。
 今日ぐらいはネオンも温かく過ごしてもらいたい。
 ネオンも折角だから、のんびりさせてもらおう……。なんて考えているうちに、座っているソファが気持ちよすぎて、うつらうつらと眠気が襲ってきた。
 人様の家に来て、寝るのはどうなんだろうかと、一瞬考えたものの、まぁ、カリュアの家だからいいか。という考えに収まると、後はもう睡魔に任せた。
(「寝てしまえ」)
 そう思うのが早いか、ネオンはあっという間に緩いまどろみの中。
「っと……ネオン、こんなところでうたたねをしていると……」
 カリュアが彼に声を掛けるもすでに夢の中なのか、彼からの返答はない。
「風邪を引くぞ?」
 気持ちよさそうに眠っているネオンの姿を見ると、思わず笑みがこぼれ、たまにはいいか。と、カリュアもネオンの隣に腰掛ける。
 ゆったりとした時間は、ゆっくりと眠りを運び、カリュアもだんだん眠たくなってきて、少しだけとそのまま目を閉じ夢の中へ……。

 カリュアは身体に、衝撃を感じてはたと目を覚ました。
 そういえば今は、どういう状況なのだろうと焦りながらも、寝ぼけた頭で考える。
 ……確か……ソファで……うたたねをしていて…………。
 
 確かに最初は座っていたはず。
 しかし背中にソファを感じる。
 目を開ければ物凄く近いネオンの顔。
 まだ寝ぼけているからだろうかこんな時はどう反応したらよいのかなんて緩く考える。
「ネオン、起きているか…?」
「……なんだか衝撃が……んん。…………まだ眠いんだか、頭がボーッとするな……」
 まどろみからゆっくり現実へと覚醒したネオンが、近すぎるカリュアの存在に気が付く。
「ん? ……カリュア? 何をそんなに驚いて……」
「あの……ドキドキするので……その……どいてもらえると……」
 なぜカリュアが驚き、顔を赤らめているのか良く分からなかったネオンだが、続くカリュアの言葉で一気に現実へ引き戻され、カリュア以上に慌てふためく。
 最初は二人並んで寝ていたのだが、眠りが深くなるうちにネオンがカリュアの方へ倒れこみ、その結果、ネオンがカリュアを押し倒したような格好になっていたのだ。
「ハぁッ!!? な、なんなんだ、この状況……!! あ、悪い。そんな、そんなつもりは……ッ!」
 大きく慌てるネオンがおかしくて、小さく笑うカリュアが下から彼を見上げる。
「……ぁ。……もう24時か……。メリークリスマス、ネオン」
「えっと、その……メリークリスマス、だな 」
 非常に焦ったネオンだったが、カリュアの言葉に落ち着きを取り戻し、そう優しく声を返した。




イラストレーター名:Hisasi