〜富士山麓〜
平等院鳳凰堂に封印されていた、平家の巨大妖獣兵器『不滅の災い』……。
無限の蘇生力を持つ恐るべき怪物は、今はここ、富士山の内部で眠りについている。 源平合戦の後、京都の書道使い達は、銀誓館学園に所属するにはまだ未熟だった者達を集め、富士山麓に鳴子の陣を敷いた。
十年後か、百年後か……いずれ目覚めるであろう不滅の災いを、監視するためである。
そして、その時は予想よりも早く訪れようとしているのかもしれない。
「……鳴子が、反応した?」
「空を見よ、あれは不滅の使者!」
「不滅の災いが、蘇ろうとしてるのか!? 急いで連絡を!」
その間にも、1体、また1体と、不滅の使者が出現する。
突如として現れた妖鳥達を見て、大慌てで連絡を取り始める書道使い達。
しかし書道使いは気付いただろうか。その使者達の顔に浮かんだ、切迫と焦りに満ちた表情を。
そして、かすれるように絞り出す、苦悶に満ちた使者達の声を……。
『集え、集え! 我等が主の危機なれば……!』
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