≪com*≫【4月】誕生日会スレ
 今日は4月23日。
 もうすっかり春の日差しが差すようになって暖かくなった昼下がりに、桜の木の下に集まる5人の能力者たち。
 結社『com*』に所属する彼らが今日この場所に集まったのは他でもない。
「「「「お誕生日、おめでとう!」」」」
「あ、ありがとう……わざわざオレの為に祝ってくれるなんてな……」
 今日で19歳となる仲間、翡翠の誕生日を祝う為だ。
 普段はクールな翡翠の表情も、仲間の用意したイベントに、どこか嬉しそうな色を隠せない。
 折角の桜の季節、という事でリボルバーの提案により、屋外の花見パーティーとなった今月の誕生日会。
 桜の真下、特等席はもちろん主役の翡翠が座って、それを囲うように仲間達が口々にお祝いの言葉を述べていく。
「色々大変ですっかり忘れてましたけど、花見の季節だったね」
 亜利亜がひらひらと自らを散らせながら咲く桜を見ながら、感慨深げに呟いた。
 銀誓館学園の3月末から4月頭はまさに激動の期間だったといってもいいだろう。
 そんな忙しさで忘れてしまった春の到来を今、彼らはかみ締めているのだ。
「さて、日本では、花見には花見団子らしいね。ともすれば紅茶ではなくグリーンティーでいただくのが礼儀というやつかな?」
 そう言いながらリボルバーは、いつもの紅茶ではなく緑茶をカップに注ぎ、皆へと配る。
「お道具あったらお茶点てたんやけどなぁ……」
 それを受け取りながらポツリ呟くのは柊一郎。
「あら、柊一郎様はお茶が点てられるのですか? それは是非とも見てみたいのですけど……」
 聞き逃さず、ドルチェは期待のこもった眼差しで柊一郎を見る。
「テレビで見るようなきちっとしたのんとは違うんやけど。……いやああいうんもでけへんこともないんやけど……」
 でも、足がしびれるんよ……と、ぶつぶつ呟きながら、慌てて手を振る柊一郎だった。
「ずいぶん遅くなったが、誕生日おめでとう朝原!」
「な、何とか間に合いましたね(ほっ)」
 そこへ食べ物の買出しの為に遅れてやって来た、隆哉と香世子が合流し総勢7名となって、より一層盛り上がっていく。
「朝原さん、お誕生日おめでとうございます。誕生石が名前だなんてとっても素敵ですね」
「あぁ、ありがとう。オレも自分の名前は嫌いじゃない」
 4月23日の誕生石は翡翠。宝石言葉は幸運だ。
「皆、ありがとう。オレにとってこの仲間達と出会えた事が正に『幸運』だったと思う」
 翡翠は立ち上がって、今ここに集まっている6人一人ひとりの顔を見つめていく。
 彼らの顔は、皆笑顔だった。
「さぁ、まだまだこれからだよ。もう少しの間楽しむとしようか」
 リボルバーがポン、と翡翠の肩をたたき、笑いかける。
「五月ももうすぐ、春が過ぎて夏になるか。桜も散っていく姿がはかないけど美しいよね」
 リボルバーが見上げる桜は、またも一枚一枚花を散らしていく。
 けれどもそれは、桜が生きて成長を重ねている証でもあるのだ。
【マスター候補生:道端のウサギ

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