≪草わんこと橋の下≫【RP】こちら河川敷放送局【自己紹介:ハインケル・ノヴァ編】
「みなさんこんにちは。今日から趣味の無線で河川敷の魅力を電波の届く範囲でお伝えすべく、取材活動を始めようと思います」
 ハインケル・ノヴァ(悲運の翼ノヴァシチリア・b82162)はつとめて冷静に、マイクの前で口を開いた。
「とはいえ新参者の身としては、河川敷にはどんな人がいるのかまったくわかりません。というわけで、自己紹介をお願いして回ろうかと思っています。まずは僭越ながら私、ハインケル・ノヴァが身をもってご提案させていただきます」
 ハインケルが手もとの紙を取り出すカサリという音をマイクが拾った。
「基本的な質問を一気に片づけてしまいましょう。名前はハインケル・ノヴァです。学年は中学3年、得意な教科は数学です。では、次の質問に答えます。『バナナはゴリラに含まれますか』……これは私への質問ですか?」
 ハインケルが目に見えて動揺した。しかし次の瞬間には冷静ないつもの態度に戻り、
「含まれます。ゴリラの生態にバナナは必要不可欠です」
 と答える。質問も彼の回答もずいぶんズレているが、当人は大まじめなのだろう。
「おや、これはマトモな質問ですね……『ノヴァさんが二人になったっすけど、どう呼べばいいっすか?』私は普通にハインケルでいいですよ。ところで……」
 そこで彼は一旦言葉を区切る。酷く動揺して数秒口を閉ざしたものの、その後すぐ堰を切ったようにしゃべり始めた。
「なんですかこの『美味しいですか?』というのは。私のことを言ってるんですか? 『焼いたら美味しいですか?』『煮たら美味しいですか?』ノヴァは秋の味覚ではございません」
 冷静なのは口調だけだ。回答がどこかおかしい。混乱しはじめたハインケルの横で、アンカー・ノヴァ(運命との対峙・b76082)が声をあげる。
「ちょっと待ってください、そのノヴァには私も入るんでしょうか? むしろ食べ方が議論されてるってどういうことですか!? あの……食べられたくないんですけど……」
「もちろん含まれます。むしろ食われろ。きよい先生、お願いします」
「呼んだ?」
 額に青筋を浮かべてハインケルの背後に立ったのは、浅倉・きよい(スカーレットウィザード・b60821)だ。彼女に気づいたハインケルは、
「救いの女神が。ささ、これで」
 と言って、なぜかバナナを差し出した。ところでゴリラの生態にバナナが必要不可欠なのは前述の通りである。
 ピキリ、ときよいの額に浮かんだ青筋が動いた。ハインケルに差し出されたバナナを奪い取って、彼女は叫ぶ。
「どぉおおおぉいう意味だぁああああああぁあっ!」
 次の瞬間、黄色い皮の果物が内部から爆ぜる音がその場に響き渡る。
 河川敷に集まる誰かが言った。河川敷で一番怖いのはツンデレきよいたんです。歩く火薬庫です。何でも爆破します。なお私の得意技は炎の魔弾です、と。
 ちなみに、バナナが爆発した原因は未だ不明である。
【マスター候補生:都神ナナエ

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