≪漢部≫【RPスレ】ナギ先輩引退式
 漢部所有の道場の、その中心に立ったナギ。彼の周りには、最高の別れの勝負を刻もうと微笑む漢部のメンバーがずらりと並んでいた。
 切れ間なく申し込まれる勝負に、ナギは嬉しそうに応えていく……が、水走の持ち込んだゲームの対戦には大差で破れ、天宮とのヘルメットとハンマーを使ったじゃんけんも惨敗。
 次なる挑戦者敷島九十九式が駆け寄る。
「最高の技を見せてやるから最高の技で勝負しよーぜっ」
「良いだろう! 敷島九十九式、かかってこい!」
「はーっはっはっはぁ!」
 拳と拳の一本勝負に、豪快な笑い声が割り込んだ。
 突如乱入したイアハムに思い切り投げられ、関節を極められ、豊満な筋肉でのラリアットでフィニッシュを極められナギは床に沈んだ。
 それ以後も襲撃は続く。湊、柿木坂、椿が三者三様の攻撃を繰り出すも、ナギに軽くいなされてしまう。
 遠巻きに、ナギがある程度手加減し『負けている』様子をキッカと各務が微笑ましく眺めていた。少しだけ各務が首を傾げる。
「皆勝負好きねー……っていうか、不意打ちになってるのもあるんじゃない?」
 その言葉が聞こえていたのか、ナギが忙しく動き回りながらも各務に向かって片目を瞑って笑って見せた。
「確かに勝負好きなのは否めないな。でも、それでこそ漢部だと俺は思うし、これからもそのままでいいんじゃないかな。不意打ちは、まあ、元気があってよろしい! って事で」
 笑顔と懐の深さに、各務もその通りと笑みを返して頷く。
「ナギ殿! はなむけと言っては何でござるが、1本手合わせ願いたい!」
 そしてまた勝負好きが1人……アリゲータが構える。
 ――勝負に次ぐ勝負はその後も続き、さすがに疲れて腰を下ろしたナギへ、お疲れ様です、と声が掛かった。
 振り返った先に居たのはユマと宮古島だ。
「今まで、お疲れ様でございました……少し寂しい気もするのですけれど、きっとまたお会い出来ますものね」
「ナギさんお疲れさまでしたッス! 飯とか奢ってくれたの忘れてないッス!」
 改まった別れの言葉に、ナギの笑顔が少しだけ寂しそうに曇る。
 その背中をトリスターナが軽く叩いた。
「まぁ、ともあれお疲れよね。……後は任せてくれていいんだからねっ」
「そうだな、トリス、後は任せた!」
 ここで育んだ友情や絆、そんな大事な繋がりを皆に『任せた』と心の中で付け加えて、ナギは背を向ける。
 道場の出入り口へ踏み出す一歩毎に、いろんな言葉がかけられる。沢山背中を押される。
「ということでナギちゃん、今まで愚弟子を支えてくれてありがとうねぇんCHU−☆」
 キッカが最後の投げキッスを贈る。
「じゃあ皆、元気でな!」
 片手を挙げて、ナギは新しい一歩を踏み出した。
【マスター候補生:森山樹

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