≪小さな時間≫学園祭、お疲れさまっ!!
 二〇〇九年度、銀誓館学園学園祭。
 華やかな催しが終了しても、身体の中をまだ熱気が動いているようで、このまま終わらせるにはもったいない――穂宮・乙樹(b62156)のそんな呼びかけで始まった打ち上げには、様々なお菓子と仲間達が顔をそろえていた。
「本当に有難うございました」
 鹿瀬・静(b52849)は仲間を見回して労いと感謝の言葉を口にする。嬉しそうに微笑む顔は充実感が溢れていた。それは初めて学園祭を経験した富田・真琴(b51911)も同じだった。
「無事に運営することができて、楽しかったですっ」
「ほんまお疲れはんどした」
 真琴の元気な感想に一神・奈月(b46623)がお菓子を持ったままで応える。
 皆の力で無事に終わることができた。それは楽しかった想い出として皆の心に残って行くだろう。
「皆、お疲れ様でした」
 宮代・さつき(b52693)がそう言って差し出したのは、学園祭を巡って購入したお菓子だった。バライティー豊かなお菓子の様子は祭の賑やかさを伝えてくれる。それは話題でも同じだった。
「喫茶の名前、グルメストリートにあったよ」
「入賞おめでとうございましたっ」
 祝いの言葉に奈月の顔が笑顔になる。賑やかな学園祭の中で奈月が運営する喫茶店が人気投票で入賞を果たしたのだ。静が祝いも込めて乾杯を促すと各自の手に飲み物が渡った。
「入賞と二日間の忙しくも楽しかった時間に……」
『カンパーイっ!!』
 乙樹の音頭にグラスを合わせればお疲れ様と声が続いた。交わされる会話に甘いお菓子が笑顔という華を添える。
「お店でデスソースミルクティーを当ててしまった方が……」
「うわぁ、かわいそう」
 巡ったお店やイベントで出会った新しい友人達――自分達の新しい時間を共有すれば自然と笑みが溢れてくる。疲れてもはしゃぐことができるのは、この楽しい時間が疲れを凌駕してくれるからだろう。
「チョコミントアイスを貰ってきたよ〜」
 けれど、癒すのも大事だ。
 甘い癒しの登場に参加者の歓声が応え、冷たい甘露に舌鼓を打った。ふんわりと広がるアイスの口どけは疲れた身体に心地良い涼をもたらす。八乙女・舞華(b54352)がやって来た時には、数人がその優しさにうたた寝を始めていた。
「この場で寝るのもいいかも?」
「皆で川の字〜とか」
 冗談めいたさつき達の言葉に皆があくびを始め、フロスヒルト・スィルト(b65449)にいたってはその場で眠ってしまっている。幸せな時間が誘う眠りはお開きの合図になった。
「兵どもが夢の跡」
 いつの間にか参加していた神代・怜里(b52360)がゴミを持つと、乙樹の手がそれを手伝った。
「ご苦労様」
「……さんきゅーな」
 怜里は差し出されたジュースを飲むと残りのゴミを持つ。片付けも残った皆で行えば早く済むだろう。

 笑顔の絶えない時間。そんな小さな時間が自分達の宝物で。
 学園祭という時間は新たな『小さな時間』として心に残っていくだろう。
 これからも、ずっと――。
【マスター候補生:深水つぐら

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