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さて、ツアーにご参加いただけなかったみなさまにも、TRPG版で、新たな能力者集団との出会いを楽しんでいただこうと思います。 ゲームに登場させるためには、彼ら新しい能力者集団のデータが必要になります。とはいえ、すべてのジョブについて詳細なデータを作成、公開するのは、いささか手に余ります。また、完成したデータだけでは、これからオリジナルのジョブを作成しようという方の参考にするには弱いでしょう。 そこで今回ここでは、登場した11のジョブデータの作成指針を紹介し、それに必要な最小限のデータをご紹介することにしました。 |
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HP回復なら、いつも確実に使えるわけではないよう、なんらかの制限をつけましょう。情報系なら、即座に事件が解決する万能にならないよう、得られる情報を限定しましょう。コントロールやコミュニケーション系なら能力者に通じないなど、あれば便利だが万能にならない、くらいに調整します。 生まれ表の細かい内容を決める必要はありませんが、考えるのは楽しいと思います。 数値的に重要なのは、能力値の基本値です。気魄と術式、神秘の合計が27になります。下限は7で上限は13です。限界まで特化させると、ひとつの能力に偏ったジョブになります。特化型は、組み合わせ次第で、ジャンケンのように勝敗が決まってしまいます。偏らせすぎないのも重要です。
使用可能武器を選ぶ時は、どの攻撃力が高くなるか、アビリティとの組み合わせに注意します。名前などを変更する時は、なるべく形状が似たものにします。武器もアビリティも数が多いので、時間のかかる作業ですが、そういった選択は楽しいものです。 武器覚醒能力などは、自信があるなら完全自作してかまいません。基本的には、そのままにしておいてもいいでしょう。武器の見た目などを変更したなら、ちょっとした改変をするといいでしょう。 初期獲得アビリティと初期獲得武器は、そのアビリティの判定に使う能力に対応した攻撃力が高くなるようにしておきます。 選んだアビリティや武器が、名前の変更だけではさびしいとお考えなら、多少の改変なら大きくバランスを崩さずにすみます。 たとえば、判定能力値を変更するなどです。この場合、あわせて攻撃力の種類も変更されますから、使用可能な武器とのバランスをよく考えましょう。あまりに有利すぎるのも、ゲームをつまらなくしてしまいます。 追加効果などを、置き換える方法もあります。たとえば「魔氷/魔炎/毒」などは、効果が似ていますから、置き換えでバランスを崩す危険性は少ないでしょう。 エンチャントなどは、TRPG版の場合「気術神攻アップ」と「ハイスピード」を等価交換するくらいでもいいかもしれません。 バッドステータス付与をメインとしたアビリティで、与えるBSの変更は、かなり難しいので注意して行ってください。 TRPG版のみのバッドステータスは、敵に使わせることだけを考えて、ゴーストに与えてもそのまま処理できないものもありますが、独自のルールで使いこなせれば面白いかもしれません。特定の能力のロールカードが使えないBSなどは、敵の達成値を2〜3点下げる効果になるでしょうか。 もうしわけありませんが、これらの指針は、デザイナー側でも充分なテストプレイを行ったわけではありません。 これに従って作ってみたジョブデータを、即座に見知らぬ人たちとのセッションに持ち込むのは、オススメできかねます。 まず、仲間内で、GMとプレイヤーが合意の上で試してみてください。そのうえで、微調整して自信がついたら、お披露目も考えてみてください。 同じジョブについて、ほかのGMは異なるデータを作っているかもしれません。違うからといって、それを否定はしないでください。バランスの好みというのも、人それぞれに異なるものです。 |
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ただ、晴恋菜たちが目撃したような、クジラに引かれて空中を舞うようなパフォーマンスを、本業能力のみで可能にするのであれば「エアライディング」などといったよく似た名称にして、効果を「体重を十分の一にする」などといったものにする、ということも考えられます。 ここでは、あの効果は武器覚醒能力としておきます。 支給詠唱兵器は「偽翼」あたりがいいでしょう(この記事と同時に公開されている朱雀拳士のデータに収録されています)。神秘が高いので、相性はいいはずです。 名称を「携帯ハングライダー」や「巨大凧」などに変更してもいいかもしれません。武器覚醒能力名は「カイトフォーム」。自分の肉体と一体化し、凧として空に舞い上がれる、とします。 残る四つの武器は、神秘が高めのもの、術式が高めのものを中心に選びます。エアシューズと詠唱鏡あたりは含めておきましょう。ひとつかふたつくらい、追加効果のあるものをまぜておくと、バイトジョブとの組み合わせで戦術の幅が広がります。射撃ができるもの、シールド効果のあるもの、などがいいかもしれません。 アビリティは、エアライダーの定番として、回避困難技と、ハイスピードのエンチャントつき回復は持たせておくことにしましょう。 リプレイに出てきたように、回避困難技は「アーティスティックスパイラル」という名称で、竜巻のように渦を描きながら落下してくるキックです。データは、ライジングヘッドバットあたりに準拠しつつ、能力と攻撃力を神秘に変更しましょう。 回復は、全身の経絡秘孔を星座の形にきらめかせる「スターライトスパーク」と命名しておきます。ほかのエアライダーにあわせて、使用能力は術式のままにしておくのがいいかもしれません。 最後のひとつは、神秘系のアビリティをどれか持ってきましょう。エアライダーには範囲攻撃がないので、そういったものを選ぶのもいいかもしれません。 こうして、星のエアライダーのデータ部分が完成します。凝り性のあなたは、月と太陽を参考に、生まれ表なども作成してみてください。 リプレイでは、まだ強い不信感を見せており、銀誓館学園と共闘するとはっきり決めたわけではありません。 星のエアライダーにからんだシナリオを作るなら、まずかれらと協力し合う状況になるまでを描くとよいでしょう。一般人による自然破壊を防ぐ手伝いをする、などです。その背後にいる邪悪なゴースト、といった図式でもいいでしょう。 |
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モーラッターには、独自のアビリティはありません。モーラット変身時は、使用回数やあらゆる数値が、変身したモーラットのものと同じアビリティが使えます。 モーラットとしてのアビリティは、CPを圧迫しません。なのでCPいっぱいまで、バイトジョブのアビリティを活性化しておくことはできます。しかし、先に書いたように、モーラット変身中は使えません。どう使い分けるかは、なかなか難しいはずです。 モーラッターの能力値修正は、モーラットに準じて神秘>気魄>術式にするとよいでしょう。 モーラッターには、支給詠唱兵器もありません。バイトジョブに応じて与えることにしてください。武器覚醒なども、バイトジョブのものだけになります。 ルール的には、モーラット以外の使役ゴーストを持つことは可能ですが、設定などを考えると、まずそういったモーラッターはいないはずです。 モーラッターは、すでに銀誓館学園と協調することになっています。彼らと一緒に、野良モーラットを確保するシナリオが、標準的なものでしょう。もちろん、モーラットは、モーラッターが近づくだけで逃げてしまうわけですが。 あるいは、世界結界の消滅によって目覚める、さまざまな過去の妖獣たちの保護といったシナリオも、ふさわしいはずです。 さて、次回は、みなさんからお寄せいただいたジョブ5種について、簡単なデータ作成指針と、ちょっとしたシナリオソースを掲載する予定です。 |
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