問い合わせ先


――ランドアースと呼ばれる世界がある。
そこには神々の残した奇跡、グリモアが存在した。
グリモアを支配した種族は強大な力を手にいれる。
ゆえに全ての種族がグリモアを奪い合い、争いは続く。
――希望のグリモア。
グリモアの恩恵を受けるのは1つのグリモアにつき1種族……
しかし、その理を解さない唯一のグリモアがあった……希望のグリモア。
異種族同士でもグリモアの力を共有できるという特殊な力を持つこの奇跡は、
争いが続くランドアース大陸の新なる希望となるのだろうか……――





<悠久のパストラル>
第4話:死闘・約束の別離!


◆アビリティの活性化と買い物を

GM:それでは無限のファンタジアリプレイ第4話を始めます! 今回から全員5レベルですよね? そうすると“称号”が貰えます。
ナー:称号ですかぁ〜どうしましょう?
エレナ団長:う〜ん、迷うね(笑)

※解説32 「称号」
 5レベル以上の冒険者になると、今までの【「種族名」の「冒険者クラス名」】だったものが、14文字以内なら好きな称号を名乗れるようになります。また以降はレベルが上昇する度に、称号は変更する事が可能です。


ギン:称号もいいけどよ、ロックの街で買い物してから旅立った事にしてもいいだでよ? [裕福度]が増えてるだで(笑)
ペンタゴン:おいっ! それは生活費としてもらったんだぞ? もっと節約してだな――
エレナ団長:買い物かぁ〜それもいいなぁ、新しいオーブとか欲しいし。
ペンタゴン:買い物決定!!!(笑)
ギン:早っ! まぁそれならオラはいつか買おうと思っていた鉢金を買うだでよ。
サクヤ:ペンタゴンも装備を充実しておいた方が良いぞ、【体】攻撃はお前しかいないのだしな。
ペンタゴン:じゃあブロードソード買うか。本当はナイトメイルで鎧強度を増やしたいんだが……。
サクヤ:それで死を回避できるなら安い買い物だろう。両方買えば良い。
ペンタゴン:いや、それはそうだけど……やっぱお金がもったいないし(笑)
ギン:買わないだでよ?
ペンタゴン:ああ、ここは節約しておこう。
ナー:あ、カッコイイじゃないですかぁ、ペンちゃん買っちゃえばいいのに〜。ねぇエッちゃん?
エレナ団長:どれどれ……あ、本当。カッコイイ鎧だね(笑)
ペンタゴン:おっちゃん! このブロードソードとナイトメイル売ってくれ!!(一同爆笑)
GM:はいよ〜!
ペンタゴン:じゃあホクホクしたあと――やべ、なんで俺こんなの買ってんだよ……。
ナー:駄目なパターンです〜(笑)
エレナ団長:このソルジャーマントは良いの? 騎士装備って感じでカッコイイよ?
ペンタゴン:確かに……いや、でもこれ買っちゃったら、[裕福度]が5になっちゃうしな。う〜ん……。
ナー:エッちゃんは洋服買わないの〜?
エレナ団長:別に看護服のままでいいかなぁって、どうせ前衛出ないし。
GM:え!?
ペンタゴン:うむ、俺も今不思議な発言を聞いたよ(笑)
ナー:大丈夫です。エッちゃんは前に出て敵を殴ったりしません。殴るのはペンちゃんだけですから(笑)
ペンタゴン:俺かっ!!(笑)
エレナ団長:あ、でも癒しの水滴は接触だから前衛出ないといけないんだ……。
ナー:わたしは麗しの人形が欲しいけど〜……前回武器を新調したばっかりだし、今回は見送りですぅ〜。サッちゃんは良いのですかぁ?
サクヤ:別に必要無い。
GM:では買い物も終了で良いですね?
ペンタゴン:待った!! 団長、買っちゃったよ! ソルジャーマント買っちゃったよ!(笑)
エレナ団長:うん、かっこいいよペンタゴン(笑)
サクヤ:無駄使い。
ペンタゴン:う゛……俺って買い物するの下手かもしれん。

 ※この後、結局ペンタゴンだけ[裕福度]が貧乏に入ってしまう事が発覚し、エレナとサクヤとナーの3人がそれぞれ1[裕福度]ずつ立て替えていました。

GM:(笑) OKです。では各自活性化するアビリティを宣言して下さい。



エレナ団長:私はオーディナリーオーブに装備を変更して、≪毒消しの風≫と≪癒しの水滴・奥義≫と≪ブラックフレイム・奥義≫です! ついに黒炎が6回使えるようになりました♪
ペンタゴン:さらりと旅団アビリティが決定している(笑)
エレナ団長:駄目だった?
ペンタゴン:いや。何も問題無い(笑)
エレナ団長:称号もそれに合わせて“黒炎の医術士”にしました。
ギン:あまねく地平全てに平和を……とかの意味で“ホライゾン”とかの方が良くねぇだか?
エレナ団長:(ピキッ)――ペンタゴンに【心】の4レベル成功25点。
ペンタゴン:ギャーー! って、なぜ俺!?
エレナ団長:まっ平らは嫌です!(一同爆笑)
ペンタゴン:い、言ったのはギンなのに……。
GM:それで、ペンタゴンはどうなりました?
ペンタゴン:ああ、俺は装備が充実した。ブロードソードにナイトメイル、ソルジャーマントを装備だ。アビリティは≪大地斬・奥義≫と≪砂礫陣・改≫。
GM:称号は?
ペンタゴン:とりあえず後々変えるかもしれないが、今は“黄金の騎士”にしておく。
サクヤ:私は≪ハイドインシャドウ・奥義≫と≪飛燕刃・奥義≫。買い物はしない予定だったのだが、アクセサリーで黒革の手袋だけ購入。称号は“不戦(たたかわず)の”サクヤにした。
GM:確かに……前回何も闘わずに優勝していましたしね。では次。
ナー:わたしは≪ミラージュアタック・奥義≫を活性化です〜。称号は“瞬食の”ナーシサスですぅ(一同爆笑)
ペンタゴン:なんだそれは!?(笑)
ナー:と〜っても端的に現している称号です♪
ギン:オラは予定通り歴戦の鉢金を買って、アビリティは≪エンブレムシュート・奥義≫≪気高き銀狼≫≪土塊の下僕・改≫を活性化。称号は“真の”とするだでよ。これで皆からは“真の”サムライ・ギンジロウと呼ばれるだ(笑)
GM:(正確には“真の”ギンジロウ・サムライだから違う気も……まぁいいか)――了解です。



旅団名:『エンドレスピース』
旅団クラス:最強の誓い
旅団ポリシー:献身
団長:エレナ=ブルーアイス
旅団アビリティ:≪ブラックフレイム・奥義≫




キャラクター名:“黒炎の医術士”エレナ=ブルーアイス
種族/クラス:ヒト/医術士(ナースウィッチ)
レベル:5
年齢(誕生日)/性別:16歳(7月4日)/女性
身長/スタイル:150cm/細身(瞳:紫 髪:紫 肌:白)
生まれ:逃亡した奉仕種族の集落で、追っ手に怯えながら育った
性格:
<理性□□□■□感情>
<狡猾□□□□■純真>
<秩序□■□□□自由>
<説得□□■□□戦闘>
<冒険□□■□□恋愛>
趣味:「献身」「歌唱」「水泳」
幸運度/裕福度:19/8
能力値:【体】15 【技】22 【心】30+2 (成長値:【体】11 【技】16 【心】22)
装備:○オーディナリーオーブ、○看護服、○薔薇のイヤリング
感情:「ペンタゴンへの信頼(2)」「サクヤへの信頼(2)」「ナーシサスへの信頼(2)」「ギンジロウへの信頼(1)」
決めセリフ:『私は……この世界を平和にしたいんです!』


キャラクター名:“黄金の騎士”ペンタゴン=イージス
種族/クラス:ヒト/重騎士(アーマーナイト)
レベル:5
年齢(誕生日)/性別:17歳(1月10日)/男性
身長/スタイル:177cm/普通(瞳:茶 髪:赤茶 肌:白)
生まれ:戦争の続く街で地獄を見て来た
性格:
<理性□□□□■感情>
<狡猾□■□□□純真>
<秩序□□□□■自由>
<説得□□□□■戦闘>
<冒険□□□■□恋愛>
趣味:「献身」「追跡」「採取」
幸運度/裕福度:6/8
能力値:【体】30 【技】16 【心】21 (成長値:【体】22 【技】12 【心】15)
装備:○ブロードソード、○ナイトメイル、○丈夫な盾、○ソルジャーマント
感情:「自分への借り(0)」「エレナ団長への片思い(5)」「サクヤはライバル(6)」「ナーへの興味(0)」「ギンジロウとの約束(3)」
決めセリフ:『俺が護る!!!』


キャラクター名:“不戦の”サクヤ=コノハ
種族/クラス:エルフ/忍び(シャドウ)
レベル:5
年齢(誕生日)/性別:25歳(2月14日)/女性
身長/スタイル:172cm/豊満(瞳:青 髪:銀 肌:白)
生まれ:傭兵の子として明日をも知れぬ暮らしを送っていた
性格:
<理性■□□□□感情>
<狡猾■□□□□純真>
<秩序■□□□□自由>
<説得□□■□□戦闘>
<冒険□□■□□恋愛>
趣味:「商売」「言いくるめ」「話術」
幸運度/裕福度:9/9
能力値:【体】23 【技】25 【心】19 (成長値:【体】17 【技】18 【心】14)
装備:○短刀、○隠密服、ダガー、○黒革の手袋
感情:「自分へのライバル(3)」「エレナ団長への忠誠(1)」「ペンタゴンへのライバル(5)」「ナーシサスへのライバル(1)」「ギンジロウへの興味(5)」
決めセリフ:『我が姫の為に』


キャラクター名:“瞬食の”ナーシサス=カレイド
種族/クラス:ドリアッド/翔剣士(フェンサー)
レベル:5
年齢(誕生日)/性別:18歳(12月24日)/女性
身長/スタイル:167cm/繊細(瞳:緑 髪:緑(先端にノースボールの花) 肌:白)
生まれ:他の列強種族の領地で、ある目的の為に、身を潜めて暮らしていた
性格:
<理性□□□□■感情>
<狡猾□□□■□純真>
<秩序□□□□■自由>
<説得□□■□□戦闘>
<冒険□■□□□恋愛>
趣味:「隠匿」「山登り」「歌唱」
幸運度/裕福度:12/10
能力値:【体】12 【技】26 【心】29 (成長値:【体】9 【技】19 【心】21)
装備:○ブレードウィップ、○革の鎧、レイピア
感情:「エレナ団長との友情(2)」「ペンタゴンへの愛情(2)」「サクヤへの興味(3)」「ギンジロウへの信頼(4)」
決めセリフ:『敵だからって殺さないで下さい〜』


キャラクター名:“真の”ギンジロウ=サムライ
種族/クラス:狐のストライダー/紋章術士(エンブレムマスター)
レベル:5
年齢(誕生日)/性別:20歳(10月10日)/男性
身長/スタイル:160cm/普通(瞳:黒 髪:黒 肌:黄)
生まれ:農夫の家で毎日畑を耕して暮らしていた
性格:
<理性□□■□□感情>
<狡猾□□■□□純真>
<秩序□□□■□自由>
<説得□□□■□戦闘>
<冒険□□□□■恋愛>
趣味:「絵画」「芝居」「楽器演奏」
幸運度/裕福度:9/10
能力値:【体】16 【技】25 【心】26 (成長値:【体】12 【技】18 【心】19)
装備:○マジックワンド、○紋章の服、○歴戦の鉢金
感情:「自分は冒険仲間(1)」「エレナ団長への興味(3)」「ペンタゴンとの約束(2)」「サクヤへの愛情(4)」「ナーシサスへの片思い(5)」
決めセリフ:『まいっちまうだよ、みなオラに惚れてるだぁ』





第1幕 ジャステの街

 ロックの武闘大会でギンが得た情報により、貴族同士が争っている街――ジャステの街――へ向かう【エンドレスピース】の一行。すでにロックを発ち2週間が過ぎていた。

GM:ではロックの街で和気藹々と買い物をし――
ナー:ご飯まだ食べてないです〜!――フォークと包丁で机をドンドンドン♪
ペンタゴン:なんで包丁なんだよ!? だいたい飯は食った事にしろ! プレイ中だと俺が貧乏になる!(笑)
ギン:ナッちゃんは本当によく食うだでよ(笑)
ナー:そうですよ〜♪ と、言うわけで――
ペンタゴン:出発出発。
ナー:はい、出発〜♪ って、まだご飯〜〜!!
GM:――と言うのが2週間前の話。
ペンタゴン&ナー:『おおッ!?』
サクヤ:GM、見事。
GM:今、一行は貴族同士が戦っているとの話だったジャステの街へと向かい、そろそろ到着する頃です。少しすると高い壁に囲まれた街が見えてきます。街の周辺は荒野になっており、遠くからでも草木一本生えていないのがわかるね。
エレナ団長:なんとなく不気味な雰囲気?
GM:そう思ってもらって構いません。
サクヤ:姫、あれが目的地のジャステの街のようですね。
エレナ団長:うん、貴族同士で争っているって言っていたけど……草木一本無いって、どういう事?
GM:まず地面はボコボコに荒れており、近づけば死臭が漂ってきます。外壁には赤と白い何かがこびり付いたような汚れが目立ちます。もちろん大地にも赤黒い痕跡はたくさんあります。
ペンタゴン:大規模な戦いがあった跡……か――微妙に沈黙していよう。嫌な事を思い出す(←子供の頃、戦争が続く街で育った過去を持つ)。
エレナ団長:ちょっと心配気にペンタゴンを見るけど、何も言わないでおく。
ペンタゴン:そんな団長に俺は気が付かないのだろうなぁ……。
ギン:街はどうなってるだ? 死体がたくさんあったりするだでよ。
GM:外壁に近づいて行くと、死体がゴロゴロとかはしていませんね。逆にまったく有りません。そして街の門番がキミ達に気が付き、こっちに来るよう手招きします。
サクヤ:罠か? 周囲を警戒するが……。
GM:別に罠のようでは無いですね。門番は街の外、西と東をキョロキョロとした後、切羽詰ったように手招きします。
エレナ団長:とりあえず走って行きます。
GM:行くと門番はキミ達を街へと入れて、急いで門を閉めます――ギギィ〜バタン。
サクヤ:門番に聞こう――そんなに慌ててどうした?
GM:「ああ、それは……いや、お前達は旅人か、それなら知らない方が良い」
サクヤ:………………。
GM:「宿なら目抜き通りをまっすぐ行けば見つかる。そこに泊まると良いぞ」



 言葉を飲み込んだ門番を疑問に思いつつ、言われた通り宿屋に到着する一行。宿につくまでに通った大通りは活気が無く、人々は誰も皆疲れきった顔をしていた。

エレナ団長:なんか……静かだね。
ナー:お客さんもわたし達以外は誰もいないです〜。
ギン:荒んでいるっつーより、寂れている感じだでよ。
ペンタゴン:街の外でアレだけの戦いがあったんだ、戦争と同じさ……それなら、こんなもんだろう。
エレナ団長:街の人みんな、つらそうだね……。
サクヤ:姫、目的を忘れてはなりません。
エレナ団長:そうか! 戦っているなら止めなきゃ!
ギン:オラはここで戦えて、さらに強くなれればいいだでよ。
ナー:ギンちゃんらしいですぅ♪
ペンタゴン:確かにそれも一理あるが……まずはこのジャステの状況を調べた方が良いだろう。ギン、一緒に冒険者が集まっているような場所へ行こうぜ?
ギン:そうだなぁ、わかった行くだでよ。
サクヤ:では姫、私達は街の様子を見て回りましょう――正直、外壁にあった戦いの跡を調べておきたい。
エレナ団長:じゃあナーシサスも私達と一緒かな?
ナー:そうします〜♪



 ペンタゴンとギンが冒険者の酒場へ行くと、街を護る戦士達が集まる詰め所を教えられる。中央広場沿いにあったその建物に入ると、そこに居たのは20人ばかりの“怪我人”であった。

GM:教えられた詰め所に行くと、そこには病院に入ったと錯覚させる程、足や腕にギプスをつけた人や、頭に包帯を巻いた人なんかもいます。
ペンタゴン:冒険者より、一般人の方が多いのか?
ギン:とりあえず、適当な人に話を聞いてみるだでよ――なぁ悪ぃ、ちっとオラ達に話を聞かせてもらいてぇんだでよ。
GM:「なんだお前達は、見ない顔だな?」――包帯を巻いた兵士が聞き返します。
ギン:サムライだでよ。
ペンタゴン:旅団【エンドレスピース】。冒険者だ。
GM:「冒険者か!?」
ギン:いや、サムライだでよ。
ペンタゴン:いやいや、冒険者だから。そこを訂正する意味解らないから。
GM:「……と、とりあえずその冒険者がなぜここに……もしかして何かの依頼でやって来たのか?」
ペンタゴン:いや、今さっきこの街に来たばかりで、別に依頼は受けていない。ちょっと街に活気が無いから気になってね。
GM:「そうか、じゃあちょっと待っていてくれ!」――と、包帯を巻いた兵士は奥から偉そうな人を連れてきます。そしてその隊長っぽい人が――「もし良ければ、我等の依頼を受けてくれないだろうか?」
ペンタゴン:依頼も良いが……その前にこの街の状況を教えてくれ。何がどうなっているんだ?
GM:「あ、ああ……そうだな私はこの街の自警団の団長なのだが、事の起こりは1年前――

――自警団団長の話した情報――
  ◆今から約1年前、街から西に行った場所に館を構えていたペイルと、東に行った場所に館を構えていたクリムという2人の貴族が小競り合いを始めた。
  ◆小競り合いの原因は『街の利権争い』であり、今となっては意味の無い話。
  ◆つい最近まで小競り合いは続いていた。
  ◆2週間前から、小競り合いがなくなった。

ペンタゴン:ん? 小競り合いが無くなったなら良いじゃないか? なぜ今もあんなに警戒していたんだ?
ギン:それにおめ達の怪我はどうしたんだ? 冒険者じゃないだでよ?
GM:「それは……ああ、話をすればやって来たようだ……――



 ペンタゴン達が詰め所で話を聞いている頃、エレナ達3人は街へ入る時に通った、門の場所まで戻ってきていた。

GM:門の所まで戻るのですね、なら今は門番は居ませんね。
サクヤ:では開けるか。
GM:開けるのですか? なら高い壁の上からさっきの門番の声がする――「おい! 勝手に門を開くんじゃない!」
エレナ団長:ごめんなさーい! でも、外の様子が知りたかったのー――と壁の上の人に。
GM:門番は少し思案した後――「お前達は冒険者だろう?」
エレナ団長:はい、そうです!――何回か頷いて肯定します。
GM:「……わかった、ならこっちに上がって来てくれ! 門の脇にある1人用のドアを開ければ階段がある」
エレナ団長:わかりましたー!――と階段を上がって壁の上に出ます。
サクヤ:姫に続こう。
ナー:わたしも登ります〜。
GM:では壁の上に出ると街の外が見えます。
サクヤ:それで……何か見えるのか?
GM:警戒していた門番が言います――「もう少しすると見えるさ」――それとともに西と東から足音が響いて来ます。ザッザッザッザッ……――

 西の彼方から現れたのは、白くうごめく骨……スケルトンの軍団。
 東の彼方から現れたのは、歪に体を引きずる……ソンビ達の軍団。
 一方は剥き出しの骨を鳴らしながら、その一撃を腐肉に叩きぶつけ、一方はゆがんだ四肢を振り回し、その剛力にて粉砕する。
 両者は不毛とも言える激闘を街の門の前で繰り広げ始める。

ナー:な、なんなんですかコレは!?
エレナ団長:う゛……気持ち悪い。
サクヤ:アンデッドの出現方向は?
GM:街を中心に見て、西と東です。クリムとペイルの話は見張りから聞いた事にして良いです。
サクヤ:奴等はずっと戦い続けるのか?
GM:「いえ、朝日が昇る前にはそれぞれ戻って行きます。たぶん、クリムとペイルの館へ……」
サクヤ:何かに操られているのか? それとも、一定の行動をただ繰り返しているのか……。



 街の詰め所で自警団の団長から、ゾンビとスケルトンの戦いの話を聞くペンタゴンとギン。
 聞けばジャステに駐在していた冒険者達も、気味悪がって街から逃げ出すか、勇気を出して調査に行き帰ってこないか……おかげで、街には冒険者が誰もいない状態という事だった。

GM:「正直、これが始まってからもう2週間が経つ。原因は不明、冒険者達は帰ってこない、いつアンデッドが街に入ってくるかも解らない……このままではジャステは終わりだ。頼む、今までの冒険者よりずいぶんとレベルも高いようだ、今度こそ原因解明と解決をお願いしたい」
ペンタゴン:……わかった。あんた達の依頼を受けよう。
ギン:別に反対する理由はないだでよ。
GM:「すまない」――団長さんは頭を下げます。
ペンタゴン:で、報酬は?
GM:しっかりしてますね(笑)――「これで……」――と拳大の紫色の宝石を1つ出します。
ペンタゴン:でかっ!(笑) ちなみに[裕福度]は?
GM:これ1つで5はありますね。
ペンタゴン:1人1つの[裕福度]か――それと、もう1つ聞いていいか? もし貴族の館を探索中に何か見つけた場合は誰に返却すれば良い?
GM:「それはもちろん、館の主人である……」
ギン:ペンタゴン、いつの間にそんなに金に意地汚くなっただ?
ペンタゴン:何?
ギン:強くなるのに金は必要かぁ?
ナー:ギンちゃんカッコイイですぅ〜♪
ペンタゴン:……確かに。強くなるのに金は必要無いな……でもな、ナーの食費には金が必要だろうが!!
ギン:な、納得だでよ(笑)
ペンタゴン:よし、それじゃあ団長達と合流してこれからの事を話すか。



第2幕 アンデッド退治へ

 その後、ペンタゴン達から依頼の内容と街の惨状を聞いたエレナ達は、二つ返事で依頼を承諾。すぐに自警団も含めて作戦会議へと移った。

ペンタゴン:さて、相手はアンデッドだ。貴族の館に出発するのは朝になってからにするか?
サクヤ:いや、このまま奴らが引き返すのを尾行して、本当に館へ帰っているのかも確かめておきたい。
ギン:確かに。
サクヤ:ちなみに本当に館へ戻っているとしたら、街から各館までの距離はどれくらいだ?
GM:「ペイルの館もクリムの館も、街からは半日弱の距離だ」――自警団団長が答えましょう。
サクヤ:その情報は確かか?
GM:「距離は確かだが……本当にそこに向かっているかは推測でしかない。ただ、1つ不可解な事があってな」
ナー:不可解ですかぁ?
GM:「ああ、毎夜毎夜ヤツ等は争っているが、どうも次の日には傷が治っているようなのだ。前夜に倒されたはずのアンデッドも下手をすると次の日には復活している場合もある」
ナー:繁殖率がグドン並なのですかぁ〜?
ペンタゴン:いや、アンデッドは子供生まないだろ。
サクヤ:普通に考えて……アンデッドが復活する、もしくは生まれる“何か”があるのかもしれない。
ギン:ちなみにアンデッドの数は何体だでよ?
GM:「両方とも20体ぐらいだな」
ペンタゴン:数の暴力が基本な無限のファンタジアじゃ……キツイな。館に着いたら付近に隠れ、ヤツ等が街に向かって出発するのを遣り過ごし、アンデッドがいない間に館を探索した方が何か掴めるんじゃないか?
サクヤ:……そうだな、それが一番確率が高そうだ。
ギン:すると出発は明日の朝、アンデッドが帰っていくのを尾行して館へ向かうだでよ。
ペンタゴン:ああ。
ナー:ところでエッちゃんはぜんぜんしゃべって無いけど大丈夫〜?
エレナ団長:実は……お化けとかゾンビとか苦手で……。
一同:『………………』
エレナ団長:で、でも大丈夫だよ! 街の人たちが困っているんだから、私が何とかしてあげないと!
ペンタゴン:(かー! さすがエレナだ! お前は俺が守ってやるぜ!)――と心の中で(笑)
ナー:じゃあ今日はご飯食べて寝ましょう〜! 明日に備えて活力補給です〜♪
エレナ団長:うう……あんまり食欲無いかも……。

 そして次の日の朝。太陽が昇る前に起きだし、アンデッド達が帰っていくのを尾行する一行。

GM:では朝です。西と東、どちらに向かいますか?
エレナ団長:どっちでもいいけど……とりあえず東のクリムかな?
ナー:なんでですかぁ?
エレナ団長:ん……なんとなく。
GM:クリムだとゾンビですね……まぁ判定しなくても尾行は成功して良いでしょう。ゾンビの軍団はお昼前にはクリムの館と思しき建物に到着して、そのまま入っていきます。
サクヤ:館に帰っているのは確かか……やはり貴族のクリムとペイルに何かあったと考えた方が良いかもしれないな。
ナー:この後はどうするのですかぁ?
ペンタゴン:ヤツ等が街へ出発するまで待機だろ?――GM、館の周りはどんな感じ? 森? それとも原っぱ?
GM:森ですね。ここまで来る道も基本的に森の中を突っ切る道です。ジャステの自警団団長の話だと、西のペイルの館へ行くにも似たような道だと言っていました。
ペンタゴン:じゃあ森の中から館を監視しつつ、ゾンビが出発するのを待つか……。

GM:では数時間経ち、お昼を少し過ぎるとゾンビ軍団が館から出撃していきます。
エレナ団長:もしあのアンデッドが街に入ったらと思うと、ここで止めた方が良いんだろうけど……。
サクヤ:今は館の探索を優先させましょう。姫、我慢の時です。
エレナ団長:……うん。今は黙って見送る。
GM:そうすると、ゾンビ軍団は街へ向かい見えなくなります。
サクヤ:それでは姫、まずは私が偵察して来ます――≪ハイドインシャドウ・奥義≫使用。
GM:サクヤが館に近づくと、その荒廃した様子がわかります。窓という窓は割れ、壁の塗装は剥がれ、館の内部からは腐臭が漂ってきます。とりあえず、見張りなどはいないようですね。
サクヤ:そのまま戻って、姫に報告しよう――と言うわけで、侵入するだけなら容易でしょう。ただ、内部へ入ってから何が待ち構えているかは……解りませんが。
ギン:敵が待ってるなら望む所だでよ! オラ、待ちくたびれちまっただ。
エレナ団長:そうだね、うん。気をつけながらも行こう。
サクヤ:さすがに正面の門から行くのは危険だと思うので、館の裏から入りましょう。



第3幕 クリムの館

 館の裏庭へ回り、そこに面した部屋の窓から侵入する【エンドレスピース】の一行であったが、館の中へ入った途端、そこを満たす微細な空気に息が止まる。
 その館は、冒険者でも息苦しい程の毒霧が充満していたのだ。

GM:では館へ入りましたね。それでは全員[幸運度]チェックをして下さい。
ナー:(コロコロ)……2。
エレナ団長:……1! クリティカル(笑)
サクヤ:不覚。17か。
ギン:運悪いだでよ……19。
ペンタゴン:はっはっはっ、運の悪さなら負けないぞ? 俺も19だ(笑)
ナー:ダメダメです〜(笑)
GM:では失敗した人はバッドステータス[毒]8レベルです。
ギン:すぐに腕を口に当てて――こ、これは……毒だでよ!?
ペンタゴン:いや(笑) 別にバッドステータスなんてすぐ治るから意味無いんじゃねーか?

 冒険者は1ターン(10秒)ごとに1度、[バッドステータスの回復]の判定を行えるので、毒だろうと睡眠薬だろうと、基本的に効かないのだ。

GM:いえ、この毒ですが館全体に漂っています。
ペンタゴン:どういう事だ?
GM:ルールを言いますと、この[毒]に限っては、10分休むか1つ部屋を移動するごとに“1ターン”経過と考えます。1度でも[幸運度]チェックに成功しバッドステータスから抜ければ、その後は毒に侵されません。判定に失敗するごとに8点のダメージです。
ペンタゴン:了解。
エレナ団長:じゃあ≪毒消しの風≫使うね。みんなもう一度[バッドステータスの回復]([幸運度]チェック)していいよ?
サクヤ:(コロコロ)……6。成功。
ギン:……15、オラ駄目だぁ。
ペンタゴン:なめるな! 15だ。無理に決まっている(笑)
GM:ではサクヤだけ治りました。
ナー:男性陣が駄目です〜(笑)
ギン:こんなの、毒のうちに入らねーだ!
ペンタゴン:ああ、この程度で音を上げるほど俺の体はヤワじゃねー!
ナー:黄金ですしねぇ〜♪
ペンタゴン:そう、黄金だからな!! って、おいっ!!(笑) もう第一話以降やってねーだろーが!(笑)
サクヤ:とりあえず、この毒霧を発生させている原因も、あのゾンビ達と関係があるのでしょう。
GM:毒霧は廊下から流れ出して部屋へ入って来ています。
エレナ団長:よし! この霧を辿って行こう!



GM:では廊下に出るのですね? [毒]状態の2人は部屋を移動したので[幸運度]チェックどうぞ。
ペンタゴン:(コロコロ)……16、失敗。
ギン:……13、失敗。
GM:8点ずつダメージです。
ペンタゴン:……さりげなく痛いな。
エレナ団長:霧を辿って進みます。
GM:では霧の発生先、右手の廊下より“ヒタ……ヒタ……ヒタ……”と足音が近づいてきます。
エレナ団長:うう……。
ペンタゴン:団長後ろへ。
エレナ団長:うん。
ナー:ペンちゃんは前へ。
ペンタゴン:おう。……って、何でお前に言われにゃならん!(笑)
GM:と、ここで【心】の目標レベル4で判定して下さい。
全員:(コロコロ)……――(結果、ギンジロウのみ成功)。
GM:上からポタポタと雫が降ってきています。何かが天井に貼りついていますね。
ギン:みんな! 上にもいるだでよ!!
GM:こんなのが(グレイブディガーのイラストを見せる)います。
エレナ団長:イヤァーーーッ!? ホラーモノ嫌い!!! こういうの駄目なのにーーーッッ!!!
ペンタゴン:団長落ち着け! 中というか後ろというか……とにかくイロイロ落ち着け(笑)
GM:全員失敗なら奇襲したんですけどね……そいつはウゾゾと近づくぞ、ズルっと地面に落ちてそのまま近寄ってきます。
エレナ団長:う゛……本当に怖い。駄目、後ずさる。

◇イニシアチブ◇
[1]サクヤ(33)
[2]エレナ団長(31)
[3]グレイブディガー×2、ペンタゴン、ナー(28)
[4]ギン(25)


GM:戦略ポイントはお互いに無し。敵は正面と天井から1匹ずつ来たグレイブディガー合計2体。まずはサクヤからどうぞ。
サクヤ:グレイブAに(コロコロ)……【技】の1レベル成功。
GM:……[ガード]発生。
サクヤ:19点。
GM:ほんのちょっと肉が削られ、そこに灰い……――
エレナ団長:あ゛〜あ゛〜あ゛〜!! 描写しないで良いから!! 私の行動! 同じくAに【心】(コロコロ)……1レベル成功。
GM:それは8レベルで回避した。
エレナ団長:あう、あらぬ方向へ撃ってそう。
ナー:ペンちゃんの鼻先を掠めたり(笑)
ペンタゴン:だ、団長!? 敵を見て攻撃してくれ!(笑)
エレナ団長:嫌!
ペンタゴン:どうして!?(笑)
エレナ団長:こわいもん!――私、こういうシナリオ嫌い!!!(一同爆笑)
ペンタゴン:団長!! それはぶっちゃけ過ぎだ!(笑)
GM:ではこちらの行動……ナーとエレナへ攻撃。
エレナ団長:なんで私なの!?
GM:いや、ダイスで決めたので。≪汚らわしい毒爪≫【体】で(コロコロ)……エレナに4レベル、ナーに8レベル成功。ついでに2レベルの[毒]付き。
エレナ団長:グリモアエフェクト!!!
一同:(コロコロ)……――
エレナ団長:サクヤの4を使って2レベル成功。
ナー:わたしもグリモア〜……やっぱりサッちゃんの1を使って8レベル成功ですよぉ♪
GM:エレナに22点、ナーへ26点!
ペンタゴン:よくも団長を!!
ナー:わたしのことも忘れないで下さい〜。
GM:ちなみにペンタゴンが動く場合は、8レベルの毒も忘れないで下さい。
ペンタゴン:まずバッドステータス回復のための[幸運度]チェック(コロコロ)……失敗。ぐはぁっ!? 8点入った。だが、せめて一太刀! ≪大地斬・奥義≫!(コロコロ)……2レベル成功!
GM:こっちも2レベル。[ガード]発生!
ペンタゴン:ダメージは30点だ!
ナー:エッちゃんが辛そうだし、速攻で終らせてあげます――≪ミラージュアタック・奥義≫……2レベル成功! ダメージ44点!!
GM:死にはしない……が、上半身と下半身が断たれたね。上半身だけで這って近寄ってくる。
エレナ団長:イイって! そんな描写いらないから!!!!
ギン:木刀(ワンド)でその頭を刺す。そして『紋章閃≪エンブレムシュート・奥義≫』――の前に、バッドステータスの回復(コロコロ)……失敗。ガハっ! 8点ダメージだでよ――これくらいがなんだ!!(コロコロ)……紋章閃は2レベル成功の25点!!
GM:(コロコロ)……1レベル成功。頭が四散して1匹戦闘不能。
エレナ団長:うう……。
ギン:よし!(ペンタゴンの方を向き、何かをぬぐう素振り)
ペンタゴン:ん? あ!? 俺の新品のマントに拭くな!!!(笑)
ギン:いや、ゾンビ汁でオラの木刀が汚れちまったで。しょーがねーだでよ?(笑)
ペンタゴン:遠距離から攻撃しろよ!? わざわざその木刀で直接攻撃する必要無いだろーが!?

――2ターン目

サクヤ:普通に≪飛燕刃・奥義≫……4レベル成功。25点ダメージ。
GM:4レベルで[ガード]発生。まだまだ余裕。
エレナ団長:もう見たくない! グリモアエフェクト!!(コロコロ)……ペンタゴンの3で8レベル成功!! ダメージは29点!
GM:1点防いで28点通った。そしてゾンビはエレナに≪汚らわしい毒爪≫で攻撃(コロコロ)……4レベル成功。
エレナ団長:グリモアエフェクト!!(コロコロ)……えっと、ギンジロウの5を取って2レベル成功? 駄目だ。当たっちゃう。
GM:ダメージは22点!
ペンタゴン:感情減らして団長を[かばう]!――大丈夫か団長!?
エレナ団長:う、うん……ありがとう。
ペンタゴン:そして俺の番。(コロコロ)……まず[毒]の[幸運度]チェックは失敗――大丈夫か団長!? ゴフッ!?(笑)
エレナ団長:というか、ペンタゴンの方が大丈夫?
ペンタゴン:あと2点[毒]をくらうと負傷に入る(笑)……と、言うわけでさっさと倒す! 【体】の2レベル成功!!
GM:それは……4レベルで回避です。
ナー:普通に【技】の2レベル成功、17点です〜!
GM:……0レベル成功。い、痛い……。
ギン:[毒]の回復を(コロコロ)……よし、7で回復しただでよ!! ペンタゴンを見てニヤっと笑う(笑)
ペンタゴン:くそー、なんで俺だけ!!
ギン:【技】で斬る!! 2レベル成功!
GM:こっちは0レベルだから当たったけど……その程度じゃまだまだ死なない!

 しかし、残ったグレイブディガーBも、3ターン目の総攻撃で戦闘不能となった。

ナー:やっと終わりました〜。ねぇペンちゃん、拭いて良い?
ペンタゴン:駄目。
エレナ団長:ペンタゴン、≪毒消しの風≫いる?
ペンタゴン:ありがとう。でもさっきのターンで治ったから大丈夫(笑)
ナー:拭き拭き。
エレナ団長:うん、解った。
ペンタゴン:って、駄目って言ったのに拭くなよナー!!(笑)

 その後、ギンがハチ(≪土塊の下僕≫)を使って周囲を偵察させ、10分の休憩を取る一行。

GM:(コロコロ)……ちっ、エンカウントも無しか。
ペンタゴン:よし、毒も抜けた! 元気になった! 行くか!?
ギン:オラのハチは?
GM:廊下の奥へ偵察に行った1匹が戻ってきません。
ギン:みんな! ハチが……やばいだでよ! きっと敵にやられただ!
サクヤ:10分経ったから自動的に崩れたのではないのか?
ギン:はっ!?(一同笑)
GM:………………。
ペンタゴン:とりあえず先を進もう。
GM:廊下は右と左に続いており、右のほうから毒の霧が流れてきています。
ペンタゴン:右だな。
エレナ団長:もう幽霊とか嫌なんだけど……そのままビクつきながら進む。
ペンタゴン:大丈夫さ団長、この俺が付いてる。なんなら……その……手を……――
サクヤ:さっさと姫を連れて進んでいるから。
エレナ団長:サクヤの裾掴みつつ進んでる。
ペンタゴン:………………。
ナー:もう、ペンちゃんもしょうがないですねぇ……ほら、わたしがマントの裾を掴んでエッちゃんの代わりになってあげますから、先を進みましょう?
ペンタゴン:くっ……なぜだ、屈辱な感情しか湧いてこない(笑)
ナー:拭き拭き。
ペンタゴン:って! 貴様はそれが狙いかー!(一同爆笑)



第4幕 謎の光

 一行は毒霧の元を辿って廊下を進む、そして数分が経った――

GM:進んでいくと、毒霧とは違う青い光が周囲を照らし始めます。うっすらと青いと思ってください。
サクヤ:何か不利に?
GM:いえ、ただ風景の色が染まっているだけです。
一同:『???』
GM:ではさらに進むと……全員[幸運度]チェックをどうぞ。……はい、失敗した人?
ペンタゴン:おう!……って、俺だけかよ(笑)
GM:するとペンタゴンだけは見ます。廊下を進んでいる途中、扉が半開きで中が見える場所があったのですが、その部屋で半壊しているゾンビが、ジュクジュクと自動修復していっています。とても気持ち悪い。
ペンタゴン:うげ……団長には言えないな……。しかしなぜ修復? もしかして、さっきGMが言っていた青い光のせいか?
GM:の、ようですね。
ペンタゴン:急げ、みんな!!
ギン:どうしたんだペンタゴン? トイレには先に行っておくもんだでよ(一同笑)
ペンタゴン:違うわ!! どうしてトイレなんだよ!(笑)――さっき見た内容を団長が怖がらない程度に説明する。急いだほうが良いってのが伝われば良い。
エレナ団長:じゃあ毒の霧より、この青い光の方が危険という事?
サクヤ:GM、この光はどこから漏れているんだ?
GM:少し進んだ所に、かなり豪華な扉があります。その扉の隙間から漏れています。その漏れた光が意志を持っているかのように屋敷中に広がっています。
ギン:団長、こりゃあボスの登場だでよ!
ナー:敵だと思いたくありませんけど……原因解明にはなりそうですねぇ〜。
エレナ団長:うん、行くよみんな!!――扉を開け放って部屋に入る!!
GM:部屋には1体、体中が蜂の巣になったアンデッドがいます。青い光は蜂の巣ゾンビの体から放たれています。
エレナ団長:ひッ!?
ナー:さすがに、グロイです……。
GM:では全員【心】で判定して下さい。
ペンタゴン&サクヤ:1レベル成功。
エレナ団長&ナー:2レベル成功。
ギン:クリティカルで8レベル成功だでよ(笑)
GM:成功すれば解ります。着ている服などから貴族だと、たぶん目の前のゾンビがクリムだったのでしょう。
エレナ団長:まさか……なれの果て?
ギン:どうしてこんな姿に……。
GM:キミらを見つけると、欲望光る瞳で襲ってきます。
エレナ団長:え。
ペンタゴン:団長は後ろに下がってろ!
サクヤ:このよう不浄なるもの、姫に近寄らせるわけにはいかぬ!
ナー:ギンちゃん怖いよ〜♪
ギン:………………。
ナー:ノーリアクション!?(一同爆笑)
ギン:いや、悪ぃ、素でボーっとしてただでよ(笑)
ペンタゴン:とにかく! さっき青い光でゾンビが復活しているのを見た。あれを倒す!
ギン:強そうなのがいる。だから倒す!! それ以上に理由はいらねーだ!
エレナ団長:うん、そうだね。ここで震えているのは私じゃない……倒そう! こいつを!!

◇イニシアチブ◇
[1]クリム(42)
[2]サクヤ(37)
[3]ギン(27)
[4]ペンタゴン、ナー(23)
[5]エレナ団長(15)


GM:ではエレナのみ後衛で、残りは全員前衛ですね。クリムから行動します――≪毒蜂の群れ≫でサクヤへ(コロコロ)……16レベル成功。【体】の49点ダメージ。
サクヤ:(コロコロ)……2レベル。一発で負傷に入った――くっ、時間をかけている暇は無い――グリモアエフェクト! ≪飛燕刃・奥義≫!!
エレナ団長:(コロコロ)……8。
ナー:……12。
ギン:オラも8だでよ。
ペンタゴン:くぅ、15だ。
サクヤ:私は7。所詮頼れるのは自分のみか……。4レベル成功の25点。
GM:こちらも4レベルなので[ガード]発生。直撃は外しますが巣の一部を破壊します。
ギン:次はオラだでよ! 『紋章閃≪エンブレムシュート・奥義≫』(コロコロ)……1! クリティカル!! 蜂を吹き散らす!!
GM:(コロコロ)……2レベル成功。
ギン:ダメージは31点の倍、62点!!
GM:かなり痛いが……まだ余裕。
ペンタゴン:行くぜ≪大地斬・奥義≫!!
GM:グリモアエフェクトは?
ペンタゴン:……いや、温存する。使ったら不運入るし……。
ギン:オラに続けよペンタゴン!!
ペンタゴン:まかせろ! でりゃっ(コロコロ)……1!? 凄い俺! 俺じゃないみたいだ(笑)
ナー:ペンちゃんやる〜♪
GM:(コロコロ)……ごめん、こっちも1で16レベル成功。ペンタゴンが切ったのは蜂の群れでした(一同爆笑)
ペンタゴン:なっ!?
ナー:やっぱやらないです〜(笑)
ギン:ペンタゴン、おめって奴ぁ(笑)
ペンタゴン:え? 俺のせい? 俺のせいか?
ナー:ペンちゃん邪魔です! 【技】の2レベル成功!
GM:4レベルで回避!
エレナ団長:サクヤに回復≪癒しの水滴・奥義≫(コロコロ)……4レベル成功。37点回復。
サクヤ:姫、かたじけない。
エレナ団長:私も頑張るよ!

――2ターン目

GM:またサクヤへ≪毒蜂の群れ≫4レベル成功。
サクヤ:(コロコロ)……8レベル成功!――見切った。2度はくらわぬ――返す刀でグリモアエフェクト≪飛燕刃・奥義≫(コロコロ)……――ペンタゴンの4を拾って25点!!
GM:こっちは1レベルか……削られた。
ギン:同じ場所に『紋章閃≪エンブレムシュート・奥義≫』グリモア!!(コロコロ)……――
ペンタゴン:おお、また俺じゃね? 2だ(笑)
ギン:ペンタゴンの2で、8レベル成功! 31点ダメージだでよ!
GM:かなり痛いな。次はペンタゴン。
ペンタゴン:ここは行くべきだろ……グリモアエフェクト≪大地斬・奥義≫!(コロコロ)……――
エレナ団長:私が2!
ペンタゴン:団長!!! 8レベル成功、36点!
GM:……惜しい、際どく立ってる!
ナー:とどめです〜! グリモア≪ミラージュアタック≫〜!
GM:(コロコロ)……あ、1。16レベル成功で回避。
ナー:さっきのペンちゃん状態です〜……私は10。
ギン:オラは5だでよ。
エレナ団長:……3!!
ペンタゴン:悪い、11だ(笑)
サクヤ:3。
ナー:あれ? 3が2人だから8レベルの倍で16レベル成功?
GM:[ガード]発生!?
ナー:防御を突き破って押し切ります〜!!!
GM:はい、それで落ちます。
ナー:ふぅ♪



第5幕 クリムの日記

 クリムだったゾンビはナーシサスの一撃で粉々に砕け散った。
 腐肉を撒き散らして消滅したその跡には、拳大の青く光る石だけが残っていた。

エレナ団長:これは……。
ペンタゴン:持ってみよう。
サクヤ:青い光はまだ? 周りのゾンビは復活しそうか?
GM:光ってますし、クリムの残骸がピクピクしています。
ギン:ペンタゴン、やっちまうだでよ!
ペンタゴン:おう!――剣で叩き壊す。
GM:“キンッ”と弾かれます。
ペンタゴン:何!?
ナー:ペンちゃんでも壊せないなんて……。
GM:“普通”に斬るぐらいじゃ壊せそうにありませんね。
サクヤ:とはいえ、ここに置いておくわけにもいくまい。
エレナ団長:ゾンビが復活するなら、青い光が届かないように遠くに持っていかないと。
ギン:とりあえず適当な布で包むだでよ。
ナー:じゃあペンちゃんのマントでグルグル〜っと♪
ペンタゴン:なんで俺のマントを使うんだよ。アクセサリーのボーナス無くなるじゃねーか。
ナー:ならイラストにあるエッちゃんのストールで。
エレナ団長:え、私の?
ペンタゴン:待て……。俺のマントを使え。
ナー:さっすがペンちゃん♪
ペンタゴン:うう……ケシケシ(一時的にデータを消している)。
サクヤ:この死体がクリムか確認するためにも、その蜂ゾンビの装飾品などを多少持って帰るぞ。
GM:かまいません。街で見せれば確認できるでしょう。
ギン:GM、今の時間は?
GM:真夜中ですね。
ギン:ならゾンビ達は街の前で戦っている所だで。
ペンタゴン:……1時間ぐらいは館を調べる時間がありそうか?

 そしてクリムの部屋で日記を発見する一行。

GM:日記には自慢話と、弟ペイルへの恨み言が綴ってあります。しかし、今から2週間前――『ある男達から、不思議な石をもらった。この石を使って……』と書かれています。
エレナ団長:石っていうのがこの青い石のことだよね?
サクヤ:たぶん。
ギン:他に何も手がかりがないなら、さっさと街へ戻るだでよ。
サクヤ:そうだな、ゾンビと鉢合わせしても困る。



GM:では帰り道。街道を通って街へ戻りますか?
サクヤ:いや、街道を外れて森の中を行く。ただし街道が見える程度の端を進む。
GM:では街道をゾンビ軍団が戻ってくるのを発見できますね。しかも――
ナー:青い石を持つわたし達に一直線だったりしますか〜?
GM:その通りです。
エレナ団長:どうしよう!?
ペンタゴン:気がつかれたか。
GM:いえ、なんとなく向かっているだけです。
ギン:どうやら石に惹かれているようだで。
サクヤ:これはあくまで私の予想だが……たぶん、西に住んでいるペイルの館にも、この石と同じようなものがあると思う。
エレナ団長:それがスケルトン軍団の鍵?
サクヤ:はい……たぶん。
ペンタゴン:まぁ、それは俺も同じ意見だ。だが、こいつらの目的は何だ? どうしてスケルトンとゾンビは争う?
ギン:そりゃ、クリムとペイルが争っているんだで、ボスが争ってりゃ兵隊も同じように戦うだでよ。
ペンタゴン:確かに、百歩譲ってそれが相争う理由だとしてもだ。どうして両方とも街へ行く? まるで街に入る権利を得るために争っているようじゃないか?
ギン:戦う相手の方に向かうと、ちょうど中間に街があるから、そこで戦ってるだけでねーか?
ペンタゴン:う〜〜ん、それだけなのか……。
ナー:お腹すいた〜〜!(一同爆笑)
ペンタゴン:緊迫感ねーなお前は!(笑) ここにいてもゾンビ達に追いつかれるだけだしな、いっそペイルの館に向かうか?
エレナ団長:……うん、そうだね。このまま石にゾンビが向かってくるなら、街に入るわけにはいかない。ペイルの館で調べれば何かわかるかもしれないし。
サクヤ:ゾンビの速度は?
GM:徒歩程度で遅いです。
ペンタゴン:なら俺達は走ろう。



第6幕 ペイルの館

 森の中を遠回りしつつも、なんとかスケルトンの棲家たるペイルの館に到着する一行。
 そこもクリムの館と同じように、数年放置されたかのような荒廃ぶりだった。

サクヤ:ゾンビが追いついてくるまでは? スケルトン軍団は追い越せたか?
GM:(コロコロ)……スケルトンはあと30分もすれば館へ戻ってきます。ゾンビは足が遅いので4〜5時間後に館に到着します。
ペンタゴン:30分か……急ごう。
サクヤ:あまり時間をかけられないが、裏口を壊してそこから進入する。
GM:では入った所で全員[幸運度]チェック。毒8レベルです。
サクヤ:またか……成功。
エレナ団長:(コロコロ)……成功。
ギン:今度は成功しただでよ!
ナー:あ、失敗です〜。
ペンタゴン:うむ。失敗だ(なぜか堂々)。
エレナ団長:≪毒消しの風≫発動します。
ペンタゴン:すまん団長(コロコロ)……失敗!
ナー:……わたしは成功です〜♪
エレナ団長:も、もう一回≪毒消しの風≫!!
ペンタゴン:(コロコロ)……17、失敗。
一同:『………………』
ペンタゴン:な、なんだその目は!? 俺だって好きで毒になってるわけじゃないんだぞ!? ちょっとダイス目が通常人より悪いだけで……。
サクヤ:さ、行きましょう姫。
エレナ団長:う、うん。
ギン:今度はどんな強ぇ奴がいるだでよ?
ナー:お腹空きましたね〜〜。
ペンタゴン:………………。なんだろう、この孤独感。

 そして、館を捜索すること十数分後、ペイルの部屋らしき場所の前までやってくる。

GM:部屋に入ると、そこには騎士の格好をした4本腕のガイコツがいます。キミ達を赤い瞳が捕らえる。
ペンタゴン:こいつは……。
GM:鎧の紋章は街の人に聞いていたペイルのものです。
サクヤ:よりにもよってこんな強敵に……。
ギン:望む所だでよ!!
ナー:頑張りましょ〜♪
エレナ団長:みんな、勝つよ!!
一同:『おうっ!!』



 ガランガランガラン……。
 乾いた音を立てて骨の怪物が崩れ去る。
 消滅していくアンデッドを嘲笑するように、そこには赤く光る石が残っていた。

GM:――くっ、ナーの一撃でペイルは倒れます。そしてクリムの時と同じように赤い石がガランと落ちる。
サクヤ:赤い石を取ろう。さっさと袋に入れる。
ペンタゴン:お前……袋なんて持ってたんだ……。
サクヤ:ああ、それがどうした?
ペンタゴン:いや……なんでもない……――(なら俺のマントで包んだ青い石はいったい……)。
エレナ団長:さぁ、長居は無用。早く脱出しよう!
GM:では館から脱出する事はできました。森へ入りますか?
サクヤ:その前に街へ続く街道を見る。スケルトンは見えるか?
GM:見えますね。こちらにやって来ています。
ギン:あれもやっちまうだでよ!
ナー:やめませんかぁ〜? かなり連戦でボロボロです〜。
ペンタゴン:ここはナーの言うとおり、さらに戦闘を繰り返すのは辛い……と、言うわけでこの石を何とかすればアンデッドが消えたりするんじゃないか?
エレナ団長:消えるって……どうやって?
ペンタゴン:まぁこういうアイテムは、古来より対になっている2つを合わせると効果が消えたりするもんだ。
ギン:自信あるだでよ?
ペンタゴン:まぁ見てな!――マントから青い石を取り出して、サクヤから赤い石を受け取って、それを合わせてみる。どう?
GM:何も起こりません。
一同:『………………』
エレナ団長:えっと……急がないとゾンビとスケルトンに!
ペンタゴン:くっ、団長のフォローが逆に心に突き刺さる(笑)
ギン:なぁ、さっきは適当な攻撃だっただで、一度本気で石に攻撃してみたらどうだでよ?
サクヤ:そうだな……さっきはペンタゴンが攻撃したから、次は【技】か【心】で試したい。
ナー:なら≪ミラージュアタック≫を青い石に(コロコロ)……1レベル成功、45点です〜♪
GM:その程度じゃ壊れません。
ペンタゴン:【技】じゃ駄目なのか?
エレナ団長:なら私が≪ブラックフレイム・奥義≫をグリモアエフェクト!!!
サクヤ:(コロコロ)……3。
ギン:オラも3だでよ!
エレナ団長:両方で16レベル成功! ダメージは49点!!
GM:その程度じゃ壊れません。
サクヤ:【心】【技】【体】で駄目か……。
ギン:これ、壊れないんでねーか?
エレナ団長:でも、これがあるとゾンビが……。
ペンタゴン:くっ、無駄と思いつつ団長のためだ!――団長、これで無理だったら諦めよう――グリモアエフェクト! ≪大地斬・奥義≫! これなら最低でも2倍ダメージだ!

※解説33 「建造物へのダメージ」
 ≪大地斬≫などは建造物の破壊に使用した場合、通常の2倍のダメージを与えるアビリティである。この建造物という単語だが、劇中では石や木など、“物”に対して2倍と解釈して構わない。


ギン:壊れない事を解っていて、グリモアエフェクト使うのは持ったないだでよ。
ペンタゴン:いいんだよ! 団長を安心させるためになら、俺は喜んで不運にも大凶にもなってやる!! ほら、みんな振れ! 赤い方の石に攻撃だ!!(コロコロ)……――
エレナ団長:あ、私が1だ。
ペンタゴン:ならクリティカルで2倍! 建造物扱いで2倍! 36点×2で72、その2倍で144点ダメージ!!
GM:………………。
ペンタゴン:どうしたGM?
GM:……まさか、強引に壊されるとは思いませんでした。その瞬間、赤い石は粉々に砕けて消滅します。
一同:『なに〜〜!?(←まさか力押しで壊せるとは思っていなかった面々)』
ペンタゴン:やっちまったか!?
エレナ団長:壊しちゃ駄目だったの!?
GM:もう消滅しました。
一同:『………………』
ペンタゴン:どうする? もう一方も壊すか?
サクヤ:……いや、その前にスケルトン達を観察。奴等の動きは止まったか?
GM:いえ、さっきより動きがランダムになっただけで、ちゃんと動いています。
サクヤ:石は支配するだけなのか? 普通のスケルトンに戻った?
GM:そんな感じですね。ただ、スケルトン達は無目的に動いているようで、皆してゆっくり街の方向へと歩き出します。
ペンタゴン:おい、それなら壊す意味無いんじゃないか?
エレナ団長:みんな! とりあえず今は――

 エレナの号令の元、急ぎジャステの街へ戻る事にする一行。
 クリムとペイルの館に情報が無かった今、クリム達に石を置いていった謎の男達と手元に残った青い石だけが手掛かりだった。
 統率の無くなったスケルトン軍団と、足の遅いゾンビ軍団を遠回りながら追い越し、一向はジャステの街へ到着する。



第7幕 第三の石

GM:街に戻ってくると自警団の団長が慌てて出てきます――「どういう事なんだ!? 門番から報告があったぞ、奴等の行動パターンがガラっと変わったと!!」
エレナ団長:それはたぶん、ゾンビとスケルトンの親玉になっていたクリムとペイルを倒したからです。
GM:「おお、やはりあの2人はそのような事に……しかし良かった。これでこの街も平和に!」
エレナ団長:それは……。
GM:「何だ? 違うのか?」
サクヤ:これを見て欲しい。この青い石はゾンビを毎夜修復していたものだ。
GM:「そんなものが……ん? これはアレに似ていないか?」
ギン:何だでよ? 何か知っているだか?
GM:「あ、いや、キミ達に渡す予定だった報酬の宝石だよ。そこのペンタゴン殿にはお見せしたと思うが」
一同:『………………』
ペンタゴン:おお! 確かに似てる!(笑)
エレナ団長:ペンタゴン〜。
ギン:さっさと気がつくだでよ。

GM:では詰め所の会議室に移動すると、自警団の団長は紫色の拳大の宝石を出します。
サクヤ:ゾンビもスケルトンもコレを狙って街にやって来ていたのか?
GM:「これはやる、約束だしな。ってか、いらん」――紫の宝石を押し付けられます。
エレナ団長:じゃあ受け取って――ねぇ、この宝石をどうやって手に?
GM:「これは黒い服の男達が宿をとった時、宿代代わりに置いていったんだ」
サクヤ:それは2週間前か?
GM:「ああ、その通りだ」
ペンタゴン:そいつ等はどこにいる!
GM:「この石を大事にしてくれと言って、さっさと旅立って行ったぞ。どこへ?と問われてもわからんよ」
ペンタゴン:くっ……手掛かり無しか。
エレナ団長:やっぱ石をちゃんと調べた方がいいのかなぁ。
GM:では街に来て落ち着いて見られるだろうから、全員【心】の目標レベル8で判定して下さい。
一同:(コロコロ)……――
エレナ団長:私だけ8レベル成功。
GM:ではエレナだけわかります。この宝石や石ですが、どこかグリモアに似ている。
エレナ団長:でもグリモアじゃない?
GM:そうですね。
エレナ団長:模造品かな?
サクヤ:しかし邪悪なものどもを操るとは……。
ナー:とりあえず、青い方は壊した方が良いのじゃありませんか〜? ゾンビが復活する石だし。
ペンタゴン:確かに……GM、さっきと同じ要領で割った事にしていいか?
GM:まぁいいでしょう。青い石は破壊され消滅しました。
ペンタゴン:よし、どうする……紫のも壊すか?
サクヤ:いや、コレを目的に向かってくるなら、最悪の場合は街から引き離す鍵になる。
ギン:それで、これからどうするだでよ?
サクヤ:自警団の誰かに言おう――黒服の泊まった宿屋に案内してくれ。何か手掛かりが残っているかもしれない。
GM:では宿屋です。1人で行きます?
サクヤ:ああ、1人で詰め所を出て宿屋に向かう。



GM:ではサクヤは1人で来ました。【技】で判定してみて下さい。
サクヤ:失敗したくないな……グリモアエフェクト(コロコロ)……――姫の9で2レベル成功。
GM:1つだけわかった事があります。ベッドの下にメッセージと何か紋章があります。
サクヤ:メッセージ?
GM:『この地に死を』
サクヤ:………………。紋章は?
GM:わかりません。
サクヤ:ふむ……紋章の形を写してから皆の所へ戻ろう。



第8幕 決別、背を向けて……

 謎のメッセージと不思議な紋章を書き写し、サクヤは再び喧々囂々と話し合いが続く詰め所へと帰ってきた。

GM:ではサクヤが詰め所に帰ってきます。
ギン:どこ行っていただでよ? 今、この紫も壊すべきかどうかで議論中だでよ。
ペンタゴン:ああ、サクヤはどう思う。もちろん壊す派だよな?
ナー:壊しちゃ駄目ですよ〜。
ギン:んだ。何が起こるかわかんねぇ。
サクヤ:姫は?
エレナ団長:うーん、壊さない方がいいかな。
ペンタゴン:まったくだ! ちなみに俺も壊さない派だ!
サクヤ:それなら議論の必要はないだろう?(一同爆笑)

 ――閑話休題――

サクヤ:――というメッセージと、これがあった――と紋章を見せよう。
GM:ギンは紋章術士だし判定して下さい。【心】です。
ギン:グリモアエフェクトを使うだでよ!(コロコロ)……――サクヤと団長が2人して1だで、16レベル成功(笑)
GM:一般には使われていない紋章です。それは全て“死”やそれに関する紋章が組み合わさった形。そしてギンは噂に聞いた事がある。死の紋章を司る旅団……結社【ボトム】という組織の名を。
ギン:くっ……――それを見た途端、クラっとする。
GM:そんな感じ。そしてもう1人、判定も必要無く理解できる人がいます。
ペンタゴン:誰だ?
GM:ペンタゴン、キミの街を襲った奴等と同じ紋章だ。
ペンタゴン:なんだってー!?(笑)
GM:キミの故郷が、戦争となるまで激しい戦いをしていた相手こそ【ボトム】だ。
ペンタゴン:そうだったのか……久々に生まれを思い出すとおもってたら(笑) なら俺はその紋章を見た瞬間からプルプルと震え出そう。
エレナ団長:どうしたのペンタゴン?
サクヤ:おいペンタゴン?
ペンタゴン:こ、この紋章は……。
ギン:この紋章は全て“死”を司る。そしてその紋章を使う組織は……謎の結社【ボトム】。
一同:『ボトム……』
GM:【ボトム】は世界に死をもたらすのが目的だと噂されている謎の存在です。
エレナ団長:怖い噂しか聞かないんだろうな。
ナー:世界を破壊するのが目的だっていう……あの……。
GM:いえ、破壊ではなく“死”です。破壊とは違います。生き物だろうと無機物だろうと、全てを殺すのが彼等の目的です。
ナー:残酷です……。
サクヤ:この街はターゲットにされた……そういう事か。

ペンタゴン:俺は普段とは違うセリフを言おう――この街は……もう、終わりだ……。
エレナ団長:どうしたの? 諦めるなんてペンタゴンらしくない。
ペンタゴン:俯き気味に抑えるような声で――無理なんだよ団長。あいつらに目をつけられたからには……この街は、もう駄目なんだ。
エレナ団長:何を言っているの? まだできる事はあるはずでしょ。
ペンタゴン:できる事なんて……もう、何一つ残ってちゃいない。いや、唯一ひとつだけ残ってるか……。
ナー:まさかペンちゃん……。
ギン:逃げる……なんて言うんじゃねーだでよ!!!
ペンタゴン:……それ以外に……それ以外にどんな選択肢がある!! あいつ等に狙われたからには、どんなに抵抗したって死が増えるだけだ! 諦めて逃げ出す以外に何ができるっていうんだ!!
サクヤ:ふん……愚か者が――会議室を去ります。議論の余地は無い。
エレナ団長:サクヤ!?
サクヤ:戦いの準備をしに――姫に一礼していなくなる。
ギン:ナッちゃんの手を引いて、オラもサクヤの行った方に。
ナー:ちょっとギンちゃん! このままじゃペンちゃんが!?
ギン:あとは団長に任せるだでよ。これは本人と【エンドレスピース】旅団の旅団長が決めなきゃならない問題だで。
ナー:うう……ペンちゃん、信じているからね――と引っ張っていかれます。
GM:自警団の団長や他の人も会議室を出て行きます。2人の只ならぬ気配に気を利かせたのでしょう。そして――

 会議室に残るは2人、沈黙だけが部屋を支配していた……。

エレナ団長:ペンタゴン――
ペンタゴン:と、団長の言葉より早く! その両肩に手を置いて――駄目だ団長、それ以上言うな! 一緒に逃げよう。ここにいたらこの街とともに死んでしまう!!
エレナ団長:ペンタゴン……。
ペンタゴン:俺は……俺はキミに死んで欲しくない!!
エレナ団長:肩を掴むペンタゴンの手に手を重ねて――……違うよペンタゴン。私達は逃げちゃいけない。強くなるって……あの日、初めて会った時に約束したじゃない。
ペンタゴン:強くなる前に死んだら、元も子も無いだろうが!!
エレナ団長:ペンタゴン!!!!!
ペンタゴン:………………。
エレナ団長:………………。
ペンタゴン:……駄目なんだ。あの紋章だけは……。何をどう頑張っても無意味なんだ……。
エレナ団長:じっと見つめます。
ペンタゴン:……戦っても無駄なんだ。どんなに足掻いたって死の影からは逃れられやしないんだよ……。
エレナ団長:ペンタゴンの手を持って肩から外し、私は背を向ける。そして少し俯き加減で辛さを飲み込んでから……言う――……私達、ここでお別れね。
ペンタゴン:団長!?
エレナ団長:たとえ敵がどんなに強敵だろうと、今の私達じゃ適わない相手だとしても、私は背を向けて逃げるなんてできない。私は……この世界を平和にしたいから……。たとえ、この命にかえても皆を救いたい。
ペンタゴン:………………。――沈黙の後、ダッと走って逃げ出します。団長を置いて。
エレナ団長:ペンタゴンが居なくなってから膝から崩れ落ち、地面に座り込む――なんで……どうして……ペンタゴン……。

 エレナの唇は噛み締められ、瞳からは一条の涙が流れていた。



第9幕 絶望に相対す

 紫の宝石に吸い寄せられるように、街の外ではゾンビとスケルトンが集まって来ていた。
 城門に爪を突き立て、その壁を激しく打ち鳴らすアンデッド達。
 時刻はまだ夕暮れ前、青と赤の石によって紡がれていた行動パターンは崩壊し、ただただ街中へ入ろうと怨念にも似た咆哮を響き渡らせる。

ギン:城門が破られるまでのタイムリミットはどれぐらいだでよ?
GM:遅くとも明日の朝には破られるでしょう。もちろん、ソレより前に破られる可能性も高いです。
サクヤ:普通に考えて……勝てる戦いでは無いな。
ギン:勝つための戦いじゃねぇ、誰かを護るための戦いだでよ!!
ナー:護る……か。ペンちゃん……どうしたのかな。
サクヤ:………………ふん。
エレナ団長:じゃあ、皆の所にきぜんとした態度で戻ってくる――皆、準備は良い?
ギン:万端だでよ!
エレナ団長:頷いて――無茶な戦いになるかもしれないけど、この街を私は護りたい。わがまま言ってごめん。
サクヤ:姫に忠誠を誓ったあの日より、覚悟はできています。
エレナ団長:ありがと。でも、無理示威はしたくないんだ……戦いたくないなら、無理はしないでいいよ。
ギン:ナッちゃんは逃げなくていいだでよ?
ナー:確かに逃げたくはありますけど〜……わたしは、ギンちゃんや皆と一緒にいたいですから〜♪
ギン:そうか……。
サクヤ:こちらには紫の宝石もある。いざと言うときは使えるだろう……勝機はある。
エレナ団長:うん、そうだよね。
GM:では全員【心】で判定して下さい。
ナー:みんな1レベル成功だけど、わたしだけ4レベル成功ですよ〜♪
GM:ではナーだけ気がつきます。いつの間にか後ろに気配が出現します。
ナー:!?――ブレードウィップでなぎ払う!
GM:そこに居たのは黒服の男です。男は後ろに飛んでブレードを避けます。



 アンデッド達が襲撃をかけている城門の間逆に位置するもう一つの門。
 今なら、その門を抜けて街から無事に逃げられるはずだった。
 その門の前に、1人の男が立っていた……――

ペンタゴン:間逆にある街の門の所、その門を見上げながら――ここを出たら本当に団長ともお別れか……。
GM:ペンタゴンの後ろ、街の正門がある方からアンデッド達の音が響いてきます。
ペンタゴン:それは……団長や仲間の顔が思い出されるけど、目をつぶって振り払う! そして……門の扉に手をかけよう。
GM:「逃げるか? 正しい選択ではある」
ペンタゴン:!?
GM:ペンタゴンの後ろから、男の声がしました。
ペンタゴン:門を背に振り返る。
GM:そこにいるのは黒服の男です――「生物は死を恐れる。故に死から逃れようとする行動は、その本能の警告」
ペンタゴン:【ボトム】……。
GM:「ほう、我等の事を知っているか」
ペンタゴン:俺の街を殺したのはお前達だ!! 俺の名はペンタゴン=イージス、お前達の事はひと時も忘れた事などない!!――と剣を抜く! しかし足はガクガクだ(笑)
GM:震えてるんだ(笑)――「貴様……あの街にいたイージスの家系か。まさか生きていたとはな」
ペンタゴン:ゴクリ。
GM:「だが、お前はいらぬ。お前の親たちは良い贄だった。だが、お前は生きようとすらしていない。そんな命は、死の贄にもならん」
ペンタゴン:くっ……! う、うるさい! 俺は、お前らを殺すために強くなったんだ!!
GM:「なら……」――ザッ、と一歩前へ。
ペンタゴン:同じくピクっと一歩後ろへ(一同爆笑)
GM:「所詮その程度か……やはり贄にすらならん。残りの4人に期待しよう」
ペンタゴン:ま、待て!! エレナ達をどうするつもりだ!!
GM:「どうする? 我等【ボトム】の目的は1つ。仲間を殺されたくなければかかってこい」
ペンタゴン:エレナに手を出すな! もし何かあったらただじゃおかないぞ!!!――と叫びつつも、震えは止まらず(笑)
GM:「口だけは威勢が良いな。本当にそう思っているなら、やってみるがいい……できるものならな」――その口元には嘲笑が浮かび、男は一歩ずつペンタゴンに近寄っていきます。
ペンタゴン:俺は……剣の柄に手をかけるが、中々抜けない! でも――くそ、くそー!! うあああああああ!!――と必死で剣を抜き、男に切りかかる!!
GM:ダイス振ります?
ペンタゴン:いや、いい。太刀筋もめちゃくちゃの素人以下の攻撃だと思うし。
GM:ならその剣を、男は指2本で挟みます。
ペンタゴン:そこまで俺は弱いのか!?(一同爆笑) 避けてさえくれない!
GM:ダイスも振れない攻撃なんて、そんなものです。
ペンタゴン:そ、そんな!?
GM:「イージスの家系、期待した我が馬鹿だったか……お前は死を与える価値も無い。いや、お前を殺せば死が穢れる」――2本指で手から剣を抜き取ると、門に向かって捨てます――「さっさと逃げるんだな。そして惨めに生き続けるが良い」
ペンタゴン:………………。
GM:そして男は街の中へと――
ペンタゴン:やめろ! やめてくれ!!――男の足にしがみ付く!
ナー:え〜〜かっこ悪いですよ〜〜。
ギン:何言ってるだ! ここでベシっと足蹴にされてこそペンタゴンだで!(笑)
ペンタゴン:いや、違う! それなら男の前に回りこんで土下座だ!(一同爆笑)
エレナ団長:そこまでするんだ(笑)
ペンタゴン:頼む! エレナは、エレナ達だけは――
GM:「屑が……だが、キサマのようなゴミを見ていると怒りを通り越して、哀れに思える……1つ、良い事を教えてやる。この街の門番は我等が仲間だ。そして今頃、奴の牙はキサマの元仲間達へと向けられている頃だろう」
一同:『そうなのかーーー!?(驚)』
ギン:門番だとは思わなかっただでよ(笑)
GM:石ころを蹴るようにペンタゴンを足蹴にすると、クズは目に映らないとばかりに無視して街の中へ消えていきます。
ペンタゴン:その場でへたり込みながらつぶやいてる――やめてくれ……頼むから……。



第10幕 その敵の名は……門番!

 ナーシサスを背後から奇襲した一撃は、間一髪の所でドリアッドの緑の髪を数本散らしただけに終った。
 標的を失った奇襲のフレイルが、勢いのまま地面に激突し轟音を上げる。
 エレナ達の前にいたのは、ジャステに来て最初に話した街の門番だった。

ナー:何であなたが!?
エレナ団長:どういう事!――門番さんに聞きます。
GM:「この殺気を向けられてまだ解らないのか? 俺は【ボトム】の一員だ」
ギン:ナッちゃん、離れろ!!
ナー:後ろにバク転して避けます!!
GM:その瞬間。ナーの立っていた地面が砕ける! フレイルが突き刺さっています。
ナー:あ、危なかったです〜。
GM:「もうすぐ、俺の上役も来る。それまでの命だ」――そう言ってフレイルを構え直す門番。
エレナ団長:そう簡単にやらせはしない!
GM:「せいぜい抵抗し、価値ある死を」

◇イニシアチブ◇
[1]サクヤ(42)
[2]門番(40)
[3]ギン(34)
[4]エレナ団長(32)
[5]ナー(24)


サクヤ:キサマなどに時間をかけている暇は無い――グリモアエフェクト≪飛燕刃・奥義≫!(コロコロ)……――
ギン:オラの5だか?
サクヤ:……そのようだ。4レベル成功の25点。
GM:それはほとんど防いだ。【技】の[ガード]だし……じゃあこっちの番だ。門番はマントを脱ぐと下からごつい鎧が現れる≪鎧進化≫。
ギン:重騎士だでよ。
ペンタゴン:いいなぁ≪鎧進化≫(笑)
ナー:鎧は一般に売っている物だと考えても〜…【心】以外は効かないですかぁ?
ギン:なぁに、[ガード]されなきゃいいだけのことだでよ! オラの番! 『紋章閃≪エンブレムシュート・奥義≫』グリモア!!(コロコロ)……――サクヤの3で8レベル成功!
GM:4レベル成功。当たります。
ギン:31点!!――どうだ! オラの言った通りだでよ!!
エレナ団長:うん、そうだね――≪ブラックフレイム・奥義≫グリモアエフェクト!!(コロコロ)……――自分の6で4レベル成功! 37点ダメージ!
GM:くそ、こっちは2レベルだ。かなり焼かれた。
ナー:よし、わたしも頑張りますよ〜ここで負けたらペンちゃん帰ってこない気がするし……――≪ミラージュアタック・奥義≫グリモア! 皆宜しく〜〜(コロコロ)……――4レベル成功〜♪
GM:8レベル成功で回避――「いつまでも、調子に乗れると思うなよ」

――2ターン目

サクヤ:[幸運度]が危険だ。前回・今回と戦いが激しすぎる。キマイラ化も覚悟で行くしかないか……≪飛燕刃・奥義≫グリモア!(コロコロ)……――1でクリティカル!! 2倍で50点!!
GM:こっちは4レベルか。痛いぞ。
サクヤ:調子になど乗っていない。ただ、死力を尽くす必要があることを皆わかっているだけだ。
GM:「死力を尽くす……か。ならば!!!」――サクヤへ≪大地斬・奥義≫(コロコロ)……8レベル成功!
サクヤ:3以下か……。
エレナ団長:グリモア使う?
サクヤ:使うと自動的にキマイラ化決定。
GM:究極だね(笑)
サクヤ:感情消費! せめてカウンターを狙う!(コロコロ)……失敗!
GM:ダメージは38点。
サクヤ:負傷に入った……だが、まだ戦える。口から流れる血を拭って短刀を構える。
ギン:その程度じゃ、オラ達は誰一人倒せねーだでよ!――『紋章閃≪エンブレムシュート・奥義≫』グリモア!(コロコロ)……――サクヤの1で8レベル! ダメージは62点!
ナー:サッちゃん1を出し過ぎです〜わたしのギンちゃんなのに〜(笑)
サクヤ:いや、そういうつもりじゃ……。
GM:門番は今の一撃で倒れます。
ギン:いくら鎧が強かろうが、心まで強くはなかったようだでよ……お前じゃ、あいつにはかなわねぇ」
GM:「まさか……そんな……ハスター……様……」――ガクッ!!!



第11幕 仮面の白騎士

 倒すべき敵を目の前に何もできなかった男は、ただただ自分の不甲斐なさにうちひしがれていた。

ペンタゴン:GM、俺のうちひしがれている場面をくれ!
GM:いきなり何だ! わかけわからん!!(笑)
ナー:さっきのアレで、まだ苛められ足りないのですか〜!?
ギン:Mだでよ(笑)
サクヤ:Mだな。
ペンタゴン:えーい、黙れ! 俺に立ち直る機会を! そして、なんか正義の味方を登場させてくれ!(笑)
GM:だから意味がわからんっつーの!!(一同爆笑)
ペンタゴン:じゃあ仮面の男とか出してくれ! それでもう問題無い!!
GM:もう何がしたいか解りませんが、仕方ないので出してあげましょう。……赤は危険なので、全身真っ白な仮面の騎士が現れます。髪は銀髪、そして――「いつまでそうしているつもりだ?」――と、希望はこんな所?(笑)
ペンタゴン:OK♪ 俺は見上げるように騎士を見て――だが俺は、あいつらに……勝てない。俺は……俺は、弱い……から。
GM:「本当にそう思っているのか?」
ペンタゴン:………………。
GM:「キミは……キミ自身に負けている。戦う力がありながら、仲間に背を向け逃げた人生は、キミに後悔の道しか残さないぞ」
ペンタゴン:俺が……俺自身に負けている? そんなこと言われても……でも、もしそれが本当なら……なぁ、俺はどうすれば良い? どうすれば良いんだよ!!
GM:「強さとは何か……それは己が想いを貫く事」
ペンタゴン:俺の想い……――とエレナの顔が浮かびます。
GM:「自らの意思さえ貫けるのならば、あの【ボトム】にさえ勝てるだろう」
ペンタゴン:俺は……。
GM:「行け、今ならまだ間に合う」――とペンタゴンに剣を差し出す。
ペンタゴン:何も言わず受け取ろう。
GM:頷く仮面の白騎士。
ペンタゴン:気がつけば白騎士はいない――仮面の白騎士、感謝するぜ――走って行きます――間に合ってくれ……エレナ!!!



第12幕 死宝玉の実験

 ボトムの尖兵たる重騎士を倒すと、その背後、拭き立つ砂埃の向こうから黒服の男が歩いてくる。
 その男は、今まで戦った誰よりも重厚なプレッシャーを纏っていた。
 エレナの、サクヤの、ナーシサスの、ギンジロウの、それぞれの本能が警告を発する。

エレナ団長:あなたが……【ボトム】の……。
GM:「【エンドレスピース】旅団、と言ったかな? 私は【ボトム】の1人ハスター。この街で行っている実験を任された者だ」
サクヤ:聞きたい事は山ほどある。
GM:「死に行く者への最後の褒美だ……答えてやろう」
サクヤ:あの石はなんだ。
GM:「紫の死宝玉の事を言っているのかな?」
ナー:食べれるのですかぁ〜?(一同爆笑)
エレナ団長:ナー!!(笑)
GM:(真面目な声で)「ああ、食べられるとも」
エレナ団長:ちょっと! そっちも真顔で返さないでよ(笑) って……え? 食べられるの?(一同笑)
ナー:ジュル(笑)
ギン:やめろナッちゃん! 結末は見たはずだでよ!
サクヤ:クリムとペインのようになりたいか?
ナー:ああ、そういう事ですか……。
ギン:おめ、さっきは実験とか言っていただな、それはどういう事だでよ!
GM:「簡単な事だ。赤い試作品と青の試作品、その効果を検証して紫の死宝玉を完成させる。ただ、それだけの事」
ギン:石を使っちまった貴族2人も、それに巻き込まれて死んで行った人たちも、たくさんいたんだぞ!
GM:「知っているとも、だからこそ宝玉は完成した」
ギン:おめ達……!!!
エレナ団長:ハスター、あなたの実験がこの紫の宝石を完成させる事だとしたら……今、ここでコレを私は壊す! それでも良いの!!――紫の宝石を出して【心】衝撃波を溜め始めます。
GM:ハスターはちらりと見ると――「かまわんよ。完成までの経過とプロセスは記録した。それ1つ壊された所で私達にとっては何も痛くない。もっとも、アンデッドどもを誘導する為に使えると考えている貴様等が、必要無いというのなら……だがな?」
エレナ団長:……だったら――
サクヤ:姫! 挑発に乗ってはなりません。
エレナ団長:――ギリギリで撃つのをやめる。
サクヤ:それが切り札である事は確かです。
エレナ団長:………………。
ナー:………………。
ギン:………………。
GM:「もう質問は良いのかな? では、真摯に質問に答えたのだ……それ相応の代金を払ってもらおうか。もちろん、お前達の命でな」
ナー:ブレードウィップを構える!
GM:「選択肢をやろう。逃げるか……死ぬか」
エレナ団長:そんな事!!!
GM:「あいつは、逃げたぞ」
ギン:苦虫を噛み潰したような顔を。
GM:「恥も外聞も無く、我が前に土下座し、必死に“やめてくれ”と懇願していたな」
エレナ団長:嘘よ……。
GM:「嘘なものか」
エレナ団長:そんなこと……。
GM:「我がここに来れば仲間の命が危ないと解っていて……お前達の仲間は逃げ出したのさ」
エレナ団長:ペンタゴン……。
サクヤ:一歩前へ出て――ふん、お前は何か勘違いをしている。あいつの心はそんなに弱くない。お前ごときに屈するほど弱くは無い!!!
ナー:サッちゃん……。
ギン:サクヤ……。
GM:「いいだろう。それならばお前達の死体を奴の前へ積み上げてやろう。それでも弱く無いと言い切れるかな?」

◇イニシアチブ◇
[1]ハスター(38)
[2]サクヤ(33)
[3]エレナ団長(32)
[4]ギン(21)
[5]ナー(20)


GM:隊列は?
エレナ団長:後衛です。
ギン:オラも今回は後衛だでよ。
GM:残りは前衛ね。では小手調べに通常の【体】攻撃をナーに(コロコロ)……4レベル成功。
ナー:(コロコロ)……2レベル成功なので避けれないです〜。
GM:42点ダメージ。
ナー:あう、かなり痛い……かも。
サクヤ:≪飛燕刃・奥義≫(コロコロ)……1! クリティカル! 56点!!
GM:サクヤの必殺の一撃は確実に決まります。しかしハスターは埃を払うように体をはたき――「なるほど、ただでは死なんか」
サクヤ:………………。
ギン:[コンビネーション]! グリモア『紋章閃≪エンブレムシュート≫』(コロコロ)……――サクヤの6で4レベル成功! 27点だでよ!
GM:ちっ……こっちは2レベルで当たっているか。
エレナ団長:私の行動! ≪ブラックフレイム・奥義≫グリモアエフェクト!
GM:2レベル成功。
エレナ団長:……ナーの4で8レベル成功! 41点!!
GM:ハスターは全身を焼かれます。
エレナ団長:ペンタゴンは、確かに逃げ出したかもしれない……だけど、きっと戻ってきてくれる! だから私達は……今、倒れるわけにはいかない!!!
GM:ヨロリと立ち上がり――「奴のお気に入りはお前か……まっさきに殺してやろう」
サクヤ:させはしない――[コンビネーション]発動、間に入る感じで(コロコロ)……【技】の4レベル成功、13点ダメージ。
GM:4レベル成功、[ガード]発生でカキンッ!
ギン:そのまま続けて[コンビネーション]だでよ!――気高き月よ! その力を獣へと変えよ!『銀狼牙!!≪気高き銀狼≫』 1レベル成功。
GM:こちらは16レベルで回避。
ギン:最初の銀狼は囮だでよ!! 自分の手番で連続銀狼――『銀狼双爪≪気高き銀狼≫』!!!(コロコロ)……2レベル成功。
GM:4レベル成功。剣の一振りで銀狼×2をかき消す。
ギン:オラの連続攻撃を……。
ナー:皆は殺させない! ≪ミラージュアタック・奥義≫グリモアエフェクト(コロコロ)……――エッちゃんの6を使って4レベル成功です〜!
GM:こちらは8レベル成功。
ナー:避けられた!? この人、本気で強いようですね……。

――2ターン目

GM:では≪流水撃≫で前衛全員!! サクヤとナーに(コロコロ)……低い、2レベル成功!
サクヤ:感情消費で[カウンター]……4レベルで13点ダメージ!
GM:ガキンッ!――鎧で弾いた。
ナー:ここは避けないと(コロコロ)……あれ? 1レベル成功!?
GM:ナーにだけ49点ダメージ!
ナー:それはもう駄目です〜。負傷飛び越えてHPマイナス(笑)
ギン:そいつぁオラが[かばう]だでよ!! ナッちゃんを後ろから引っ張って、オラが前に!!……15点残っただ!
ナー:ギンちゃん!?
ギン:何も言わない。ただ前に立ったまま血がドバドバと流れる。
GM:「ほう、今ので倒れぬか」
ギン:へへ……サムライっつーのはよ、真ん中に一本芯が通ってるだで、それが折れねぇ限りオラぁ立ち続けるだでよ。
サクヤ:そう、不屈の意志こそ我等が力――通常の【技】攻撃(コロコロ)……2レベル。
GM:ふむ……もういいか、その攻撃はワザとあたろう。そして倒れるハスター。
サクヤ:避けないだと!? それに、今の手ごたえは……。
ナー:エッちゃん! ギンちゃんの回復を!!
エレナ団長:う、うん!――前衛に駆け寄ります!
サクヤ:姫、まだこちらには来てはなりません!
ギン:んだ! まだ奴は終わっちゃいねぇ。
エレナ団長:え? 倒したんじゃ……ないの?――足を止めて。
ギン:ナッちゃんも緊張を解くでねぇ。
ナー:……コクリ――頷く。
サクヤ:……私が、トドメを刺そう――



第13幕 キマイラ化ハスター

 ――トス――
 男の……ハスターの首を落とすサクヤ。
 ごろりと転がった首。その時――
 ギロリっ!!
 首だけとなった目が開かれると同時、首を失ったはずのハスターがサクヤをなぎ払う!

サクヤ:吹っ飛ばされる! そして吐血!!――クッ…ハッ!?(笑)
エレナ団長:サクヤ!!!
GM:ハスターは自分の転がった首を掴むと、それを元の位置に戻そうとし、その時に皆は見ます。首の中に埋まった紫の宝石――死宝玉を!!
エレナ団長:あれは……。
ギン:なして……同じ……。
GM:「貴様らのおかげで実験は成功だ。生きたまま半不死となる――」――ハスターは首を完全に戻すと、糸が消えるようにスゥと傷跡が消えます――「――死宝玉は実用段階まで昇華した」

一同:『ゴクリ……』

GM:「さぁ、プロトタイプの成功祝いだ。我が不死となった祝いに、貴様らに完全な死を!」――同時にキマイラ化!!

 その瞬間、ハスターの背中が膨れ上がれり禍々しい邪鳥の黒翼が出現する。
 表皮は薄気味悪い黒光りした鱗になり、むき出しの腕や手までが変質する。

GM:コカトリスの翼、フライングハンドの腕、バルバジェネラルの外皮を形質として顕現化。キマイラ化したハスターが言います――「さぁ死霊の宴を始めよう」

◇イニシアチブ◇
[1]キマイラ化ハスター(43)
[2]サクヤ(31)
[3]ギン(29)
[4]エレナ団長(27)
[5]ナー(16)


――1ターン目

ギン:イニシアチブから仕切り直しだでよ。
GM:「最初の獲物は貴様にしよう。せいぜい折れぬよう避けるんだな」――ギンに向かって≪電刃衝・改≫(コロコロ)……1、クリティカルなので倍で140点。
一同:『なに〜〜!!!!』
ギン:(コロコロ)……4レベル。負けた。一瞬で全員の視界から消えるギンジロウ。その後衝撃音が響く!
ナー:ギンちゃん!!
ギン:衝撃音の方を見れば、建物にめり込んでいるオラがいる!!(笑)
GM:先ほどまでギンが立っていた場所でハスターがつぶやく――「まず1人」
ギン:戦闘不能、一発だでよ。……ん、まずいな、−124を超えるから完全に死亡だ。
エレナ団長:え!?
サクヤ:それは……[かばう]。私はまだHPが残っているから死にはしない。建物にギンが叩きつけられる瞬間、間に入って緩衝材になる。苦痛に耐える声が漏れ、骨が砕ける音がギンは聞こえる。
ギン:ハッとして――サクヤ!? オメ、何やってるだでよ!?
サクヤ:口から血を流しながら――……ふっ、もう私はグリモアエフェクトもアビリティも使えない。姫の足手まといになるくらいなら、全てを仲間に託すのも悪くない。
GM:サクヤは[戦闘不能]ですね。エレナは[戦闘不能]を回復するアビリティを活性化してないから事実上の戦線離脱1人目です。
ギン:GM、なんとなく建物まで吹っ飛ばされちまったが、実際にサクヤは後衛より後ろにいる事にしてもいいか? 敵の範囲攻撃に巻き込まれて欲しくねぇ。
GM:サクヤはこの後、なにかしたいですか? 戦闘に参加しないのなら50mでも100mでも遠くに転がっている事にしてもいいですよ?(笑)
サクヤ:では道の端で倒れていよう。戦力外の私を誰かが[かばう]ような事をしてもらいたくは無い。
GM:了解。では前衛はナーのみ、後衛はエレナとギンの2人です。ハスターは吹っ飛ばしたギンとサクヤは無視して、目の前にいるナーと奥にいるエレナを見て――「さて、次はどちらにするかな?」
ギン:おめの相手はこのオラだでよ!!!――最後の≪エンブレムシュート・奥義≫!――サクヤ、おめの気持ち、確かに受け取っただでよ!! 
ナー:ギンちゃん!!
ギン:身を張ってオラを助けてくれたサクヤの想い、それに答えず何がサムライだ! それに、ペンタゴンがいない今、オラがやらずに誰がやる!―― グリモアエフェクト使用、これでオラの[幸運度]はゼロ! キマイラ化! 形状は『ケイブワームの角』! 前衛に出て必殺の一撃を抜刀する――さぁみんな、オラに力を貸してくれ!!!
ナー:ギンちゃん……――(コロコロ)……14。
エレナ団長:お願い!!(コロコロ)……7!
サクヤ:頼む……11。
ペンタゴン:すまん、8だ。
ギン:2レベル!? まぁとにかく! ハスターに着弾すると共に土煙がもうもうと舞いあがる!!――さぁ、オラの渾身だで……どうだでよ!!
GM:土煙がだんだんと収まっていくと……ユラリ! 無傷なハスターが何事もなかったように立っています――今、なにかしたかな?――4レベル成功です。
ギン:なんつぅ……オラの力じゃ駄目だでよ!?
エレナ団長:そんな事ない! 私たちは1人じゃない! グリモアエフェクト≪ブラックフレイム・奥義≫(コロコロ)……サクヤの2で8レベル成功! 41点ダメージ!!!
GM:(コロコロ)……4レベル――「ぐああ!? くっ……さすが団長、と言ったところか。しかし――」――腕を一振りすると、周囲の黒炎が消滅します――「――この程度で、私に死を与える事は不可能だ」
エレナ団長:汗が流れます。これで私の≪ブラックフレイム・奥義≫も打ち止め。なんかジリジリと絶望が押し寄せてくる……。
ナー:エッちゃんに意識が向かっている間に、死角から≪ミラージュアタック・奥義≫グリモア! 自分の1でクリティカル!
GM:それはナーの方を見ずに剣を突き出す。8レベル成功で[ガード]発生。
ナー:52点の倍で104点! その程度のガードなら突き破ります!
GM:ハスターは自分の血を見て、憎憎しげにナーを見ます――「どうやら、次に死にたい奴は決まったな」



GM:ではここで、2ターン目に入る前に一瞬だけペンタゴンをカメラが映します(笑)
ペンタゴン:俺かよ(笑) なら全力で走っている。
サクヤ:感情が繋がっているのだ、私の意識が途切れた事をわかってくれ。
ペンタゴン:なるほど! じゃあ――サクヤの気配が消えた!? そんな……あいつに限って……。
ナー:そうすると、次はエッちゃんから思考が流れてくるのですよ〜。
エレナ団長:なら、ギンジロウがキマイラ化して驚いている気持ちが――『ギンジロウ……そんな……』とか(笑)
ペンタゴン:そう伝わってきて――!? ギンにもなにかあったのか?……くそ、間に合え!!!(一同爆笑)



――2ターン目

GM:ではハスターはナーに向かって――
ギン:おめの相手はこのオラだ……そう言っただでよ?――ナッちゃんの前に立ちふさがる。
GM:ふむ……ではジリジリと見詰め合ったあと――「いいだろう、ではお前から血祭りに上げてやる!」――≪電刃衝・改≫(コロコロ)……8レベル成功。ダメージは70点ダメージ。
ギン:避ける!!(コロコロ)……駄目だ。4レベル――くっ、避けきれなっ――



第14幕 男の背中

――ガキンッ!

ペンタゴン:そこで登場したい! 感情削って俺がギンを[かばう]!
GM:許可しましょう。ギンが死を覚悟した瞬間、目の前には仲間の姿が!(笑)
ペンタゴン:ギン、大丈夫か?
ギン:2度も死を覚悟して、2度も助けられちまっただな(笑)
ペンタゴン:キンッ――と敵の剣を弾く。
ギン:来ないと思ってただでよ、ペンタゴン。
ペンタゴン:チラリと団長を確認してから――なめるなよギン、俺も【エンドレスピース】旅団の一員だ。
ギン:ふん、素直じゃねーだな。未練があったから戻ってきたんだでよ?
ペンタゴン:へっ……なんとでも言え。
ナー:う〜〜男の会話をしてる……入れない〜(笑)
エレナ団長:カッコイイ(笑)
ナー:でもせっかくだし言いましょう〜――ペンちゃんの馬鹿! なんでこんな遅いのですか〜! みんなボロボロですー!!
ペンタゴン:すまないな、ちょっとイロイロ道に迷ってたんだ。
ナー:ご飯2食分で許してあげますよ〜♪
ペンタゴン:わかった。覚悟しておく。でも……その前に借りを返さなきゃならない奴がいる……そうだろう? ハスター!!!
GM:ペンタゴンもイニシアチブを振って下さい。

◇イニシアチブ◇
[1]キマイラ化ハスター(43)
[2]ギン(29)
[3]エレナ団長(27)
[4]ペンタゴン(23)
[5]ナー(16)
[※]サクヤ(戦線離脱)


GM:ハスターの行動は終了したので、次はギンの番です。
ギン:待機を宣言するだでよ。
エレナ団長:うん、私も待機する!
ペンタゴン:なら俺の番か!……行くぜッ!!
GM:「本当に来るのか? お前は知っているはずだ。我等が【ボトム】に逆らう事など不可能という事を」
ペンタゴン:俺はもうあの頃の俺じゃない! なぜなら俺は1人じゃない。サクヤ! ギン! ナー! そして……団長!! 俺に力を貸してくれ!!!――グリモアエフェクト!!
サクヤ:ああ……2。
ギン:ペンタゴンと戦う約束を護るため……16(笑)
ナー:ヘタレー、なんで団長って言うのですか〜〜……18です(笑)
エレナ団長:ペンタゴンの意気地無し〜呼び捨てで良かったのに〜〜……16。
ペンタゴン:まだ感情溜まってないから告白イベントじゃないんだよ!(笑) だいたいサクヤ以外は何だその出目は! 力貸してくれよ(笑) とりあえず8レベル成功だ!!
GM:「ちっ!」――舌打ちしてハスターはバックステップ、8レベル成功で[ガード]します――「これほどの力……さすがイージス家と言った所か」――逃げようかな……。
ペンタゴン:くそ、受けられたか!!
GM:「――だがしかし、腕は未熟のようだ」
ペンタゴン:そう思うのは少しばかり早いぜ? 俺はまだまだ戦える!
GM:「ふふ……ではお前に1つチャンスをやろう。その石を預ける、その死宝玉を使い、力を得るもお前の自由。どこぞに売り払い一時的な金銭に変えるも自由、どちらにせよその魂を磨くが良い。そして、その糧が溜まった時、我は再び訪れよう。その時こそ、汝に極上の死を与えん」――翼をはためかせて逃げましょう。
ペンタゴン:貴様をここで逃がすと思うか!!――走って向かっていく!
ギン:オラも走るだでよ!!――ここでおめさ倒さなば、オラ達は次に行けねーだ!!!
ナー:エッちゃんはサッちゃんの側に付いていて下さい! ここはわたしが――と走りこみます!
GM:エレナはどうします?
エレナ団長:サクヤの元へ駆け寄ります。これって私も戦線離脱になるの?
GM:そうですね、サクヤを特別に認めちゃいましたしエレナも戦闘外って事で。
エレナ団長:わかりました。ここは3人を信じましょう!
GM:OK! ではハスターは≪流水撃≫で走りこんでくる3人に攻撃! イニシアチブ無視しているけど、2ターン目終って、ここから3ターン目でいいかな?
ペンタゴン:かまわない! こっちは全員で[カウンター]だ!!――≪大地斬・奥義≫グリモアエフェクト!!
ギン:んだ!――気高き月よ! その力を獣へと変えよ!『銀狼牙≪気高き銀狼≫』!!
ナー:うん!――≪ミラージュアラック・奥義≫グリモアエフェクト!!

 流れるようなハスターの剣戟に対し、【エンドレスピース】の3人が一斉にカウンターを仕掛ける。
 チャンスは1度、それが最後の一撃だった。

ギン:翔けろ銀狼!(コロコロ)……2の方で8レベル成功! ダメージは19点!!

ナー:幻惑多重! 舞い踊れ≪ミラージュアタック≫!!
ギン:(コロコロ)……19。
エレナ団長:……8。
ペンタゴン:6だ。
サクヤ:12。
ナー:自分が5なので4レベル成功。ダメージは48点です〜!!

ペンタゴン:俺は、皆を護る!! ≪大地斬≫!!!
エレナ団長:(コロコロ)……2!!!
サクヤ:……4。
ギン:10だでよ。
ナー:8です〜。
ペンタゴン:うおっ! 俺が1だ(笑) クリティカルで8レベル成功! 72点ダメージ!

エレナ団長:それで敵は!?
GM:まだ振っていませんでしたね。では行きます(コロコロ)……1。クリティカルの8レベル成功。
一同:『なにーーーーーー!?』
ナー:それじゃあカウンター失敗です〜、HPマイナスで落ちました〜(泣)
GM:55点の倍で110点ダメージ!
ペンタゴン:それは俺も駄目だ! 同じ8レベルだからダメージは叩き込んだが、俺も同時に[戦闘不能]だ。
ギン:……オラも駄目だでよ。派手に吹っ飛ばされるだ。
GM:しかし2人の[相打ち]ダメージで形質が増えます。胴体を切った……と思った瞬間、新しい臓器が体内から現れ傷を埋める。キマイラ化能力追加『ケイオス・オーガンの臓腑』。
ギン:まだ……強くなるだか!?
ペンタゴン:そんな馬鹿な! キマイラ化の連続顕現なんて……ありえない!?
GM:ハスターの内側から紫色の光が漏れます。
ギン:これが……死宝玉の力?
GM:ハスターは姿勢を正し、ギンの言葉にニヤリとします――「さて、気は済んだかな? 今の私と貴様等では天地がひっくり返ろうと一矢報いる事すら不可能だ。しかし、貴様等はどうも言葉だけでは私の言う事を信じられんらしいな?」――ハスターはゆっくりと近寄ってきます。
エレナ団長:GMはさっき逃げるって言ったのに……。
GM:気が変わりました。エレナも[戦闘不能]にして完全に敗北をキミ達に刻み込みます。
ナー:最悪なGMです〜。
GM:なんとでも言って下さい(笑) ハスターは倒れた3人を無視して、ゆっくりとエレナに近寄っていきます。
エレナ団長:サクヤを後ろにかばう! 片膝を突いたまま、両手を広げて、キッと睨む!
ペンタゴン:団長!!!
ナー:エッちゃん!!
サクヤ:姫……逃げ……。
GM:では≪電刃衝・改≫で行きましょうか。ハスターはその刃に雷を――
ギン:その腕が後ろに振りかぶったところで掴むだでよ。
GM:え?
ギン:(有無を言わさず)その掴んだ手を持って乱暴にハスターを放り投げる! 後ろに引っ張られるように宙に投げ出されるハスター!!
GM:そうなの? でもハスターはコカトリスの翼で空中停止を行います――「なんだと!? どうして動ける!!」――と言うか、どうして動ける!?
ギン:オラは皆を見回しながら絞るように言うだでよ――団長、おめは世界を平和にするまで、死んじゃならねー。
エレナ団長:ギンジ……ロウ?
ギン:サクヤ、悪ぃな、オラ…おめの気持ちに答えられそうにねぇ。
サクヤ:………………。
ペンタゴン:ギン……お前……。
ギン:ペンタゴン……約束、守れなくてすまねぇ。
ペンタゴン:そうか……お前、もう。
ギン:そしてナッちゃん――オラは何も言わず見つめる。その瞳には未練が見て取れるだども、すぐに決意の色に消えるだ。
ナー:なんで……なんでそんな目をするんですか!? これからだってずっと一緒に――
ギン:いや、オラはここで終わりだでよ……皆が最強になると信じて……いる……だで……よ……――と、ここで体が弓なりに反って、背中から翼が生え、手や足から鉤爪が伸び、口には牙が並び、肌は鱗に覆われ始める。そして、オラの目が凶暴な色に染まると同時! 地を蹴ってハスターに掴みかかる!!!
GM:ハスターは言います――「ふははははははっ!! グリモアの加護を失ったか!! 愚かな冒険者よ、全てを失いそのまま死ねぇ!!!」――ハスターは≪電刃衝・改≫の対象をギンに変更、剣を打ち下ろします!
ギン:その一撃は耐える! それと共にオラのモンスター化が進んでケイブワームになっていく――おめだけは……連れて行く……おらハ……さむらいダ。




第15幕 五日後……

 ハスター戦より5日が経過していた。
 街はアンデッドに襲われる事もなく、少しずつ復興の兆しを見せ始めている。
 街の外へ集まってきていたアンデッド達がどうなったか……。
 激闘の後、エレナ達が決死の覚悟で街の門を開けた時、アンデッド達は何者かの襲撃を受けたように双方ともに全滅していた。

GM:ではハスターとの激闘から5日が流れました。最初にやるのは……。
サクヤ:私からやろう。私はハスター戦で重症を負い病院のベッドの上で1人、上半身を起こした状態で黙想している。
エレナ団長:それなら私が、トントン――サクヤ、大丈夫?
サクヤ:目を開け姫の方を見て――申し訳ありません姫。私が不甲斐ないばかりに……。
エレナ団長:そんな事無い。私の方こそ御免なさい。偉そうな事言って、なんにもできなかった……私、団長なのに……――サクヤに背中を見せるようにベッドに座ろう。
サクヤ:いえ、そんな事はありません。あなたが団長として前を見据えて立っているからこそ、私達はみな1つの目的の為に戦うことができるのです。
エレナ団長:それは……解っているつもりなんだけど……だけど……結局私は……――サクヤに寄りかかるように、そのまま少しずつ泣きます。
サクヤ:姫が落ち着くまで少し待って、抱えるように言います――強くなりましょう…姫。姫を信じて戻ってきた者の為にも、そして……もう二度と、このような想いをしないためにも。
エレナ団長:……うん……そうだね。私頑張る。戻ってきてくれた仲間が幻滅しないように、もう戻って来れない仲間の期待に応える為に、そして何より……この世界を平和にするために。
サクヤ:はい、更なる高みへ。
エレナ団長:最強を目指して。



第16幕 ギンとナーシサス

 復興したジャステの街、大通りに面した大衆食堂で人だかりが出来ていた。

ナー:最後の場面にギンちゃんも出てきて下さい〜。場所は復興したジャステの食堂。人だかりの中、わたしはお皿山積みでモリモリ食べてます〜♪
ギン:ならオラは目の前に座って関心してるだでよ――やっぱナッちゃんの食欲は壮観だでよ。まさに【瞬食】の名に恥じない食べっぷりだでよ!(笑)
ペンタゴン:そこに俺もやって来よう――おい、ギン! なんでナーを好き勝手食べさせてるんだよ! また金が減るだろうが!!(笑)
ギン:なに言ってるだぁ? 惚れられてる男としては、ナッちゃんの願いを叶えてやるのが男ってもんだでよ? まいっちまうだ(笑)
ペンタゴン:お前がそんなだから……。
ギン:なんか言っただでよ?
ペンタゴン:別に……そんな女女言ってて、お前は修行になってるのか?
ギン:ふふん、んだら試してみるか? ペンタゴン?――木刀を胸の位置まで引き上げて。
ペンタゴン:ニヤリと笑おう――いいぜ? ただ俺の剣は真剣だ。手加減はできねーぜ?
ギン:望む所だでよ。一度、おめと本気でやりあって見たかっただでよ。
ナー:ちょっと2人とも駄目ですよ〜? せめてわたしが食べ終わってからにして下さい〜♪――と、わたしはいつのも風景に微笑むのです♪

 そして、長い黙祷からナーシサスは目を開けた。
 どんよりと曇ったジャステの街。
 何人もの犠牲者が葬られている共同墓地。そこにある墓石の前でナーシサスは膝を折り祈りを捧げていた。

ナー:ではそこで目覚めます。目の前にはギンちゃんのお墓です。お花を置いたまま、わたしはずっと固まっています。今までの旅の事が、まるで昨日の事のように溢れて来て、ここから……ここから一歩でも動いたら、その思いが全て、思い出になりそうで……――ギンちゃん……。
ペンタゴン:ナー……――後ろで悲痛な顔して立っていよう。
ナー:立ち上がって言います――ギンちゃん、いなくなっちゃった……。
ペンタゴン:だが、死んだわけじゃない――その言葉がただの気休めにもならないのを知っていて、俺は言う。
ナー:でも……でもギンちゃんは!?――ケイブワーム化してハスターを連れて飛んでいった、さっきのシーンを思い出します。
ペンタゴン:………………。
ナー:………………。
ペンタゴン:ギンは……強かったよ。本物のサムライだった。
ナー:うん……――と、ここでエッちゃんにも登場してもらいたいのですが〜?
エレナ団長:わかった。じゃあ墓地の入り口の所で待ってた。
サクヤ:私も包帯で腕を吊りつつ、側にいよう。
ペンタゴン:じゃあナーと一緒に墓地から出てくるって所か。
ナー:そうします。
エレナ団長:ナーシサス……ギンジロウの事は……。
ナー:ううん、誰のせいでも無いですよ…これは、ギンちゃんが選んだ道だから……。
エレナ団長:ナーシサス……。
ナー:1人で決めて、1人で行っちゃって……ギンちゃんったら、本当、我侭で困っちゃいます〜――と無理に笑顔で笑います。
ペンタゴン:我侭で困るって……お前が言うなよ――と俺も笑おう。
エレナ団長:そんな事無い、今のまま我侭言っているのがナーシサスだし(笑)
ナー:エッちゃんまで酷いです〜!(笑)
エレナ団長:あ、ごめん。そういうつもりじゃ――
サクヤ:ひっそりと笑おう。
ペンタゴン:俺も(笑)
ナー:わたしもです〜(笑)
エレナ団長:ちょっとみんな!!!
ナー:ひとしきり笑った後で言います――じゃあ、わたしは遠慮無く我侭を言うね? わたしはここで旅団を抜けようと思います〜♪
ペンタゴン:はっ?
エレナ団長:え、……なんで――
ナー:わたしはこれ以上、皆と一緒にいられないです……エッちゃん達が平和を目指して最強になるなら、これからもずっと戦い続けるでしょう? この道を進むのでしょう?
エレナ団長:………………。うん、進む。
ナー:にっこり笑います――だから……お別れです〜。
エレナ団長:……でも――
ナー:エッちゃん。わたしは、敵だからって殺したりするのは嫌だったんです……たとえそれが、グドンでもモンスターでも……。でもエッちゃん達が進む道は、【エンドレスピース】が目指す道は、そういう事をいっぱい乗り越えた先にある。
エレナ団長:………………。
ナー:だから、わたしはわたしの道を行くのです〜♪
一同:『………………』
ナー:少し……私も飲み込んで――じゃあ、わたしはもう行きますね〜? これ以上みんなと一緒にいると、また決心が鈍っちゃいます〜。
サクヤ:ナーシサス、元気で。
ナー:サッちゃんも。
ペンタゴン:あんまり食いすぎんなよ?
ナー:余計なお世話です〜、それよりペンちゃんこそさっさと勇気を出すんですよ〜?
ペンタゴン:うるせぇ(笑)
ナー:エッちゃん……頑張ってね。
エレナ団長:……うん。頑張るよ、ナーシサスに噂が届くぐらい。
ナー:楽しみにしてますね〜〜……ん、それじゃあ……――

 そして、瞬食のナーシサス=カレイドは、振り返る事なく、去っていった……。



◆レベルアップ作業

GM:ではセッションも終了したので、EXPを算出しましょう。
一同:『お〜〜!!』
GM:まずはプレイ時間……5時間です。
ギン:もっと経っていると思ってただ。
ペンタゴン:後半しゃべりっぱなしだったしなぁ(笑)
GM:では次に旅団シートの[掟チェック欄]とプレイ時間のマスを合計して下さい。
エレナ団長:えっと……――

以下、【エンドレスピース旅団】のチェック欄
プレイ時間(実際にTRPGを遊んだ時間)      :■■■■ ■□□□
「ここからが見せ場」(誰かが負傷状態になる)   :■■■
「返しの一撃は必殺」(カウンターで【強敵】を倒す):■□□
「タイマン勝負」(1対1の戦いで【強敵】を倒す)   :□
「救命の盾」(負傷状態の仲間をかばう)       :■■□□
「自己犠牲」(NPCをかばう)               :□
「無私無欲」(依頼人から報酬を受け取らない)   :□


エレナ団長:――……合計11マスです。
ペンタゴン:「無視無欲」は入らないのか?
エレナ団長:紫の死宝玉は街に返せないでしょ? かといって換金しないと思うし。
ペンタゴン:なるほど。
GM:ではEXPの計算は[掟のチェック数×旅団レベル×10=獲得EXP量]なので、11×5×10で合計550点のEXPですね。[幸運度]は5点獲得して下さい。
サクヤ:7レベルになった。
GM:あとは<性格>をずらしたい人がいたら……いないようですね。
一同:『(頷く)』
GM:それにしても……今日は申し訳ありませんでした。特にギン、キマイラ化状態でHP0以下になると死亡するのを見逃していました。あそこで≪流水撃≫は私のミスです。
ギン:うんにゃ、あれは半分覚悟してオラも突っ込んだだでよ。オラはその結果に後悔してねーだ。それより……オラのせいでナッちゃんまで……すまねぇ。
ナー:そんな事無いです〜、わたしも納得しての結論ですし。
GM:ではナーも本当に次回からは登場しないのですか?
ナー:そうですよ〜? ナーとして考えると、きっとあの後はケイブワームとなったギンちゃんを探して世界を旅すると思うんです。だから、その道はエッちゃん達が目指す道とはちょっと……違うんです。
ギン:そうだったんだでよ!? オラ、ナッちゃんに会うまで死なないでいるだでよ(笑)
サクヤ:ケイブワームのままだがな。
エレナ団長:サ、サクヤ(笑)
ペンタゴン:でも、いつかナーがギンと出会うのもカッコイイな。
ナー:でしょでしょ〜♪
GM:解りました。それでは今回の結末は変えずにこのまま行きます。そしてナーシサスとギンジロウの物語は「それは、また別の物語……」とナレーションってことで(笑)
ナー:OKです〜♪
ギン:想像に任せるだでよ(笑)
ペンタゴン:とりあえず、今日の所はお疲れ…か?
GM:そうですね。それではみなさん、本当にお疲れ様でした〜♪
一同:『お疲れ様でした〜!』


無限のファンタジアリプレイ(4) 了

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