問い合わせ先


――ランドアースと呼ばれる世界がある。
そこには神々の残した奇跡、グリモアが存在した。
グリモアを支配した種族は強大な力を手にいれる。
ゆえに全ての種族がグリモアを奪い合い、争いは続く。
――希望のグリモア。
グリモアの恩恵を受けるのは1つのグリモアにつき1種族……
しかし、その理を解さない唯一のグリモアがあった……希望のグリモア。
異種族同士でもグリモアの力を共有できるという特殊な力を持つこの奇跡は、
争いが続くランドアース大陸の新なる希望となるのだろうか……――




<悠久のパストラル>
第5話:丁半・命の一発勝負!


◆アビリティの活性化

GM:今日から上級ルールブック『フロンティアライン』も追加します!
一同:『おお〜〜!!』
ペンタゴン:って事は別天地へ旅立つのか!
GM:それはありません。
ペンタゴン:ねーのかよ!(笑)
GM:使うのは「新たなるグリモアの加護」と追加された「敵データ」ですね。あと、取れるものなら上級アビリティも取得して良いですよ?

※解説34 「上級ルールブック『フロンティアライン』」
フロンティアラインはTRPG『無限のファンタジア』の上級ルールブックである。そこにはレベル21〜40までの成長データ。新たなる旅団8つ、各職業に追加された新しいアビリティ、そして追加大陸である「ワイルドファイア」「ホワイトガーデン」の詳細と、その大陸に住む新種族データ……その他諸々が載っている。低レベルでは満足できなくなったら購入するべきだろう。





※解説35 「新たなるグリモアの加護」
上級ルールブックを導入する事によって、同盟諸国のグリモアレベルが成長した状態でプレイ可能である。これにより希望のグリモアから冒険者達へ新たなる加護が付与される。それが新たなるグリモアの加護である。具体的には「範囲攻撃のダメージ半減」であり、これによりドラゴンのブレスでさえダメージが半減されるのだ。



エレナ団長:別天地って?
GM:フロンティアラインにはキミ達が冒険を続けているランドアース大陸だけじゃなく、ワイルドファイア大陸という常夏の大陸と、さいはて山脈の天辺の空に浮かぶ浮遊大陸ホワイトガーデンが紹介されているのですが……、まぁそれは皆が20レベルになったらって事で。
サクヤ:先は長いな。
ペンタゴン:まったくだ。
GM:では……活性化したアビリティの宣言を宜しいですか?
エレナ団長:えっと≪癒しの水滴・奥義≫と≪癒しの水滴・基本≫と≪毒消しの風・基本≫と≪ホーリーライト・基本≫と≪ブラックフレイム・奥義≫。
ペンタゴン:≪ホーリーライト≫?
エレナ団長:上級ルールブックで追加されたものを取得したの。1時間光るよ?(笑)
ペンタゴン:ああ、そっちから取ったのか。
GM:えっと……一応、旅団アビリティは≪ブラックフレイム・奥義≫っと……。
ペンタゴン:じゃあ次は俺か……アビリティは≪兜割り・基本≫と≪砂礫陣・基本≫だな。範囲攻撃も持つ事にした。とりあえず中級アビを活性化してみた。
サクヤ:ギンジロウもナーシサスも抜けて攻撃力が格段に落ちたしな。
ペンタゴン:ああ、でも両方基本で活性化だから合計8発しか撃て無い(笑)
サクヤ:それは……。
ペンタゴン:まぁそんな感じ。
サクヤ:とは言え、私も≪ハイドインシャドウ・奥義≫と≪飛燕刃・奥義≫を活性化、前回とレベルが上がった以外は代わり無い。
GM:成長あまり無いですね。
サクヤ:そうだ。前回の最後で性格は動かないと宣言していたが、やはり少し変える事にする。
エレナ団長:性格を?
サクヤ:前回のギンジロウの戦い方に感化され、<理性>から1つだけ<感情>寄りになった。それだけだ。
ペンタゴン:その成長はなんか良いな。
GM:今日のセッションも始まってないし、それは許可します。
サクヤ:すまない。


◆新キャラクター自己紹介

GM:さて、それではお待たせしました。このまま3人パーティーで行くのも良いですが、きっと戦闘で死んじゃうので今日から新キャラが追加されます!
一同:『わ〜〜!!』
ペンタゴン:って! 紹介行くまでにツッコんでおくぞ! どうして追加PLが1人なんだ! 2人追加って話じゃなかったのか!?
GM:ああ、都合が合わなかったので。
サクヤ:それは……リアルな理由だな(笑)
GM:ってなわけで追加される方、自己紹介お願いします。




フォトン:はい! わたしの名前はフォトン=イージス、すいません皆様、お兄ちゃんがお世話になってます。
エレナ団長:ああ、え? はい、お世話してます(一同爆笑)
ペンタゴン:団長、反応早いよ!(笑)
エレナ団長:え、あれ?
サクヤ:というかペンタゴンの妹か……それが来るとは思わなかったな(笑)
ペンタゴン:(フォトンのシートを見て)――マジだ。なんか苗字も生まれも同じだ。
フォトン:どうやって【エンドレスピース】旅団に入ろうか困って、一番簡単な家族ネタに落ち着きました(笑)
GM:私としては助かります。それならペンタゴンが勝手に動いてくれそうだし。
ペンタゴン:た、確かに……。
GM:では自己紹介の続きをどうぞ――
フォトン:クラスは紋章術士(エンブレムマスター)。お兄ちゃんと生まれを同じにしたせいで、能力値が微妙です。
ペンタゴン:俺のせいとか言うな!(笑)
サクヤ:……だが、【体】と【心】を入れ替えたような能力値だな。
フォトン:そう、お兄ちゃんのせいで。
ペンタゴン:じゃあ辞めろよ俺の妹! 誰も頼んでねーだろーが!
フォトン:うう……お兄ちゃんがイジメる……。
エレナ団長:大丈夫! フォトンちゃんをいじめる悪いお兄さんには【心】攻撃しておくから!
フォトン:うん♪
ペンタゴン:あっれ〜〜?


フォトン:性別は女性、年齢は12歳! 誕生日は3月3日で身長は小っちゃめ、瞳の色はお兄ちゃんと一緒だけど、髪の色はもっと明るめ。趣味は騎乗動物に乗ったりする事と、家事や料理! 生まれはお兄ちゃんと同じで戦い続きの街で育ったけど、わたしは後方支援? 炊き出しとかしてた。
ペンタゴン:ああ、妹が来ると俺が料理当番から解放される(笑)
フォトン:性格は感情がマックス! それ以外はそこまで極端に曲がってないよ。感情はエレナさんに仲良し、お兄ちゃんへは愛情。
エレナ団長:愛情!?
フォトン:家族だし。
GM:お兄ちゃんと結婚するんだ!――とかじゃないのね?
フォトン:あ〜〜……それもありかなぁ。
ペンタゴン:いや、それをやられると俺の立場が……。団長からの視線が凄い事になりそうだし……。
フォトン:うん、一発ネタになりそうだし今は固定しない。お兄ちゃんもキツそうだし(笑)
ペンタゴン:ありがとう(笑)
サクヤ:で、どうしてペンタゴンは妹がいるのに、1人で旅をしていたんだ?
ペンタゴン:俺は街の戦いが終わった後、1人ぼっちだった所をエレナと出会った設定だったからなぁ……。フォトンとははぐれていたのかな?
フォトン:たぶん、そうだと思う。わたしはその後、お兄ちゃんを探してるって設定で。
エレナ団長:??? そう言えばペンタゴンってお姉さんがいるって話をしてなかったっけ?
フォトン:お姉ちゃん!!!
エレナ団長:え? なんでフォトンが反応するの?
フォトン:お姉ちゃん……お姉ちゃん……ガクガクブルブル。
ペンタゴン:団長、その話は……その話は……ギャーー!
サクヤ:どうやらイージス家のヒエラルキートップは長姉殿のようだ(笑)
エレナ団長:今は言わないで置こう(笑)
GM:えっと……活性化したアビリティを最後に。
フォトン:≪エンブレムシュート・奥義≫≪マリオネットコンフューズ・基本≫を活性化です!




旅団名:『エンドレスピース』
旅団クラス:最強の誓い
旅団ポリシー:献身
団長:エレナ=ブルーアイス
旅団アビリティ:≪ブラックフレイム・奥義≫




キャラクター名:“黒炎の医術士”エレナ=ブルーアイス
種族/クラス:ヒト/医術士(ナースウィッチ)
レベル:7
年齢(誕生日)/性別:16歳(7月4日)/女性
身長/スタイル:150cm/細身(瞳:紫 髪:紫 肌:白)
生まれ:逃亡した奉仕種族の集落で、追っ手に怯えながら育った
性格:
<理性□□□■□感情>
<狡猾□□□□■純真>
<秩序□■□□□自由>
<説得□□■□□戦闘>
<冒険□□■□□恋愛>
趣味:「献身」「歌唱」「水泳」
幸運度/裕福度:12/8
能力値:【体】17 【技】25 【心】35+2 (成長値:【体】11 【技】16 【心】22)
装備:○オーディナリーオーブ ○看護服 ○薔薇のイヤリング
感情:「自分に対する仲間意識(1)」「ペンタゴンへの信頼(3)」「サクヤへの信頼(3)」「ナーシサスへの信頼(4)」「ギンジロウへの信頼(3)」
決めセリフ:『私は……この世界を平和にしたいんです!』


キャラクター名:“黄金の騎士”ペンタゴン=イージス
種族/クラス:ヒト/重騎士(アーマーナイト)
レベル:7
年齢(誕生日)/性別:17歳(1月10日)/男性
身長/スタイル:177cm/普通(瞳:茶 髪:赤茶 肌:白)
生まれ:戦争の続く街で地獄を見て来た
性格:
<理性□□□□■感情>
<狡猾□■□□□純真>
<秩序□□□□■自由>
<説得□□□□■戦闘>
<冒険□□□■□恋愛>
趣味:「献身」「追跡」「採取」
幸運度/裕福度:6/8
能力値:【体】35+2 【技】19 【心】24+1 (成長値:【体】22 【技】12 【心】15)
装備:○ブロードソード ○ナイトメイル ○丈夫な盾 ○ソルジャーマント
感情:「自分への借り(1)」「エレナ団長への片思い(6)」「サクヤはライバル(6)」「ナーへの興味(0)」「ギンジロウとの約束(2)」
決めセリフ:『俺が護る!!!』


キャラクター名:“不戦の”サクヤ=コノハ
種族/クラス:エルフ/忍び(シャドウ)
レベル:7
年齢(誕生日)/性別:25歳(2月14日)/女性
身長/スタイル:172cm/豊満(瞳:青 髪:銀 肌:白)
生まれ:傭兵の子として明日をも知れぬ暮らしを送っていた
性格:
<理性□■□□□感情>
<狡猾■□□□□純真>
<秩序■□□□□自由>
<説得□□■□□戦闘>
<冒険□□■□□恋愛>
趣味:「商売」「言いくるめ」「話術」
幸運度/裕福度:6/9
能力値:【体】27+1 【技】28+3 【心】22 (成長値:【体】17 【技】18 【心】14)
装備:○短刀 ○隠密服 ○黒革の手袋
感情:「自分へのライバル(3)」「エレナ団長への忠誠(5)」「ペンタゴンへのライバル(7)」「ナーシサスへのライバル(1)」「ギンジロウへの興味(5)」
決めセリフ:『我が姫の為に』


キャラクター名:“ヒトのエンブレムマスター”フォトン=イージス
種族/クラス:ヒト/紋章術士(エンブレムマスター)
レベル:1
年齢(誕生日)/性別:12歳(3月3日)/女性
身長/スタイル:135cm/繊細(瞳:茶 髪:明るい茶 肌:白)
生まれ:戦争の続く街で地獄を見て来た
性格:
<理性□□□□■感情>
<狡猾□□■□□純真>
<秩序□□□■□自由>
<説得□□■□□戦闘>
<冒険□□■□□恋愛>
趣味:「騎乗動物」「家事」「料理」
幸運度/裕福度:8/8
能力値:【体】16 【技】12 【心】21 (成長値:【体】16 【技】12 【心】21)
装備:○マジックワンド ○紋章の服
感情:「エレナさんは仲良し(1)」「お兄ちゃんへの愛情(1)」
決めセリフ:『強くなりたい!』





第1幕 カジの街

 1人の少女がいる。
 年齢よりだいぶ幼く見えるのは、純粋さと天真爛漫さのせいだろうか。
その少女、フォトン=イージスは離れ離れになった兄を探して旅をしていた。

GM:ではフォトンから始めます。キミは気がつくと、街は滅び1人ぼっち。
フォトン:ああ、これからどうしよう……。
GM:まぁその後、冒険者になって旅をしていると【エンドレスピース】という旅団に、ペンタゴンなる人物が所属していると噂を聞きます。
フォトン:そんな変な名前の冒険者はお兄ちゃんしかいない!(断言)
ペンタゴン:全国のペンタゴンさんに謝れ(笑)
GM:で、最後に聞いた噂では、とある街をアンデッド達から救い旅立ったとの話です。
フォトン:どこに旅立ったんですか!――噂を聞いた人に聞きます!
GM:「ん? ああ、なんでもここから北に行った所にある鍛冶の街へ向かうって言ってたぞ」
フォトン:ありがとう!――その人にお礼を言って、北の街へ行く!




 そうしてフォトンが辿りついたのは、大きな派手な看板で街への門が彩られた。
 街全体が歓楽街のような場所だった。
 少し中へ入ってみると、大小さまざまな路地が入り組んだ作りになっており、フォトンはと言うと――

フォトン:えっと……あれ?――と裏路地入って、迷ってる。
GM:じゃあ優しそうな青年――ビジュアルはホストです――が声をかけてきます――「おや、どうしたんだいお穣ちゃん?」
フォトン:あ、あの、道に迷っちゃったの。
GM:「それは大変だね、どこに行くつもりだったんだい?」
フォトン:お兄ちゃんを探してるの……名前はペンタゴン=イージス。
GM:「ああ、それなら知っているよ?」(←めちゃくちゃ胡散臭い)
フォトン:本当!? じゃあお兄ちゃんのところに案内して!
GM:「わかった。お兄さんに任せてくれたまえ」
フォトン:うん!――と、元気にその人に付いて行く。
エレナ団長:ペンタゴンを怒る。
ペンタゴン:えええ!? なんでー!? 意味解んないって!!(一同爆笑)
エレナ団長:だってこのままじゃフォトンが誘拐されちゃうじゃない! ちゃんと「知らない人には付いて行かない」って言っておかないから!!
ペンタゴン:いや、それは俺の責任ってより、ウチの親の責任であって……っつーか、そもそも俺らはその会話を知らないんだから(笑)
フォトン:ニコニコしながら付いて行くよ?
エレナ団長:あああ!?
サクヤ:姫、落ち着いて下さい(笑)
GM:ではホストなお兄さんは歓楽街へ向かいつつ――「そうだ、一応本人か確認する上で書類が必要なんだ。この書類にプロフィールを書いてくれるかな?」
フォトン:お兄ちゃんの詳細って意味かな? とりあえずペンタゴン=イージス……誕生日が1月10日で……と書いちゃおう。
GM:ではお兄さんはニヤリと笑って書類をしまいます。
フォトン:うん、わたしは気がつかない(笑)
ペンタゴン:………………(←なんか嫌な予感がしているらしい)
GM:そこでフォトンは【心】で判定して下さい。
フォトン:【心】は得意♪ (コロコロ)……1レベル成功!
ペンタゴン:駄目じゃないか(笑)
GM:その書類はプロフィールを書く欄の下に、びっしりと小さい文字で何か書いてありましたが、フォトンは読みませんでした。
フォトン:うん、気にしない♪――さ! お兄ちゃんのところに連れてって?



第2幕 カジノの街

 ジャステの街を旅立った【エンドレスピース】旅団の3人は、強くなる為には武器のパワーアップも必要……と、鍛冶師が集る街へ向かっていた。

GM:ジャステを旅立ち十数日が経ちました。
ペンタゴン:しかし、団長とサクヤと3人旅だと、昔を思い出すな。
サクヤ:希望の岬ウキであの2人と出会う前は、ずっとこの3人だったからな。
エレナ団長:うん……そうだね――と、そんな事言われると、私はナーとギンジロウの事を思い出しちゃうよ。
ペンタゴン:あああ!? 団長が再び沈みだした!
エレナ団長:ジャステを出てから時々沈んでそう。
サクヤ:姫……――と心配する。
ペンタゴン:心配するだけか?
サクヤ:ああ(断言)。
ペンタゴン:……いや、まぁサクヤっぽいけどさ……。
エレナ団長:はぁ……。
ペンタゴン:だ、団長! そろそろ鍛冶師の街が見えてくる頃だぜ? そこで強い武器を手に入れてもっと強くなるんだろう? 下を向いてちゃ良い物も見つからないって!
エレナ団長:ペンタゴン?
ペンタゴン:最強になって世界を平和にするんだろ? 上を向こうぜ?
エレナ団長:……うん、そうだね――と、ちょっと元気になります。
GM:と、ペンタゴンが言うように街が見えてきます。
ペンタゴン:ほら団長! 鍛冶師の街だ!
エレナ団長:本当!?
GM:その街の門は、大きな派手な看板が光っており、奥に連なる街はまるで歓楽街のようだね。
サクヤ:あれが……鍛冶師の街か?
ペンタゴン:えっと……じゃねぇの? ちゃんと北に向かって歩いてきたんだし……。
エレナ団長:……とりあえず、行ってようか?

 エレナが先を進み、3人はその派手で煌びやかな街へ――

GM:入り口の門番もビシっと背広でお出迎えだね。
エレナ団長:背広!?
ペンタゴン:えっと……ちょっと聞きたいんだけど、ここって鍛冶師の街だよね?
GM:では門番が――「ええ、そうですとも! ここはカジノの街ですよ!」
ペンタゴン:鍛冶の街?
GM:「ええ、カジノの街です」
サクヤ:ふむ、誤情報に騙されたか。
ペンタゴン:……だな。こんな危なっかしい街はさっさと通り過ぎて――
エレナ団長:ほらほらペンタゴン! サクヤ! 早く行くよ〜♪――さっさと進んでるね。
ペンタゴン:ちょ、待って団長!(笑)
サクヤ:急いで姫に追いつく。
エレナ団長:もう、2人とも遅いよ?
ペンタゴン:遅いとかじゃなくって! とりあえずカジノの街って事を説明して――ってわけなんだ。だからこの街は抜けよう! なんとなくだが嫌な予感しかしない(笑)
エレナ団長:え〜? いいじゃないカジノの街でも。スロットとかで稼げば、二回攻撃が可能な剣とか、すっごい強い鞭とか手に入るって聞くよ?
サクヤ:いや、あの……(笑)
ペンタゴン:それも誤情報だ! ってかさり気に言っちゃいけない危険なセリフだぞ(笑)――まぁ団長がノリノリだし、普通に宿屋を取って泊まるか。
GM:街の大通りは客を狙うカジノの客引きや、それ以外のホストやホステスの客引きなんかがたくさんいます。そして宿屋に入った所で3人は気が付きます。壁に貼られた人探しのポスターに、知っている顔がある事を。
ペンタゴン:ああ、ここで妹の張り紙があるのか。
GM:そうですね――『探し人:ペンタゴン=イージス』って。
ペンタゴン:俺かよ(笑)
エレナ団長:ちょっとペンタゴン? これって……。
GM:ペンタゴンのプロフィールが書かれており、『……お連れの方、フォトン=イージス殿が待っています。By楽園スペース』と最後に地図付きで書いてあります。
エレナ団長:フォトン……イージス? ペンタゴンと同じ苗字だね。
ペンタゴン:その名前を見てピシッ!と固まろう。
フォトン:へ? なんで?
ペンタゴン:いや、過去の思い出がリフレインして(笑)
エレナ団長:嫌な思い出なの?
フォトン:そんな事無いよ! お兄ちゃんと一緒に捨て犬の飼い主探したり、お祭りの屋台を2人で周ったり、雷が怖くて震えていたわたしを勇気付けてくれたり! そういう良い思い出ばっかだよ!
ペンタゴン:そうそう……フォトンが勝手に拾ってきた犬なのになぜか俺のせいになって姉貴にボコボコにされたり、お祭りでフォトンが金も払わず屋台荒らしするから俺だけ怖いおっちゃんに追いかけ回されたり……。そう言えば、雷雨の中家の外に出された後、雷をなんとかするまで入っちゃ駄目とか言って内側から鍵を掛けて、永遠に雨の中突っ立って風邪で死にそうになった覚えもあるなぁ……。
エレナ団長:ペンタゴンの目尻に涙が見える(笑)
サクヤ:というか、良く打ち合わせもせず(笑)
GM:まぁ戦争状態の故郷でそんな過去が紡げるのかどうかって方が気になりますけど……。
ペンタゴン:そこはそれだ。
フォトン:うん、それだよ。
GM:(こいつら……)
エレナ団長:とりあえずペンタゴンの知り合いっぽいし、この『楽園スペース』ってお店? に行ってみようか?
ペンタゴン:それはポスターをびりびりに破く!
エレナ団長:ちょっとペンタゴン! 何するのよ!
ペンタゴン:いや、これはぜんっぜん俺と関係無いから! フォトンなんて知り合いでもなんでもねーから! あ、サクヤは団長と一緒に先に部屋へ行っててくれ!
サクヤ:……お前はどうする。
ペンタゴン:あ、俺? 俺はちょっと……その、トイレだ!――と宿屋から走って出て行く!(笑)
エレナ団長:トイレなら宿屋の中にあるのに……怪しい(笑)
サクヤ:追いますか?
エレナ団長:うん、追ってみよう(笑)




ペンタゴン:GM、俺は付けられてるならそれに気がつけないのか?
GM:じゃあ【技】でお互い判定かな?
ペンタゴン:(コロコロ)……4レベル成功。
サクヤ:なら<ハイドインシャドウ・奥義>を使用。
ペンタゴン:(ぶっ!)――馬鹿かお前は! こんなギャグシーンでアビリティ使うなよ(笑)
サクヤ:姫に嘘を付くなど不届千万。姫のためならアビリティごとき惜しくは無い。
ペンタゴン:こ、このやろう……。
GM:それでエレナは?
エレナ団長:えっと(コロコロ)……1レベル成功?――あれ? もう、サクヤったらまた勝手に迷子になっちゃうんだから!――と迷子になった(笑)
一同:『えええええ!?』
GM:まぁアリでしょう(笑)
ペンタゴン:この街危険なのに!?
サクヤ:ペンタゴンの追尾はキャンセル! 姫探しに移行する!
GM:了解です。ではペンタゴンの方は『楽園スペース』に到着します。周囲は銀メッキとかキラキラで高級そうな壷が置いてあったり……ぶっちゃけ大富豪なお店です。
ペンタゴン:こ、こんな店でフォトンがいったい……――戦々恐々としながら入ろう。
GM:『いらっしゃいませ♪』――数十人の青年達が声を揃えます。
ペンタゴン:あ、あの、ここにフォトン=イージスって子がいるって……あ、俺、ペンタゴン=イージスって名前なんですが……(笑)
GM:少しどよどよしてから――「どうぞ奥へ」




GM:一方フォトンですが、案内された部屋で大富豪並みの扱いを受けています。目の前に豪華な料理が出てきたりね。
フォトン:これって……食べて良いの?
GM:「ええ、構いませんよ。お兄さんにはいつもお世話になっているんで」――と青年は部屋から出て行きます。
フォトン:じゃあ……普通に食べたりしてると思う――あ、美味しい。
GM:では、そんな事をしていると部屋の扉が開いてペンタゴンが案内されて来ます。
フォトン:あ(嬉)!
ペンタゴン:あ゛……。

(一同爆笑)

GM:何! その微妙なニュアンスの違いは(笑)
ペンタゴン:察しろ!(笑)
フォトン:お兄ちゃ〜〜ん♪――抱きつこう。
ペンタゴン:それは離して――お前、フォトン! こんなところで何してるんだ!?
フォトン:お兄ちゃんを探しに来たんだよ?
ペンタゴン:そうか、それはありがとう……俺もフォトンに再び会えたのは嬉しい。
フォトン:うん♪
ペンタゴン:が、それはそれとして、そこにある豪華なのはなんだ? お前、そんなに金持ちになったのか?
フォトン:ううん、お兄ちゃんにお世話になったって人から貰った♪
ペンタゴン:そうか、俺がお世話した人かぁ――(って誰だよ?)(笑)
フォトン:???
ペンタゴン:まぁいいや、とにかく会えて良かった。元気にしてたか?
フォトン:うん♪ 寂しかったけど元気だった♪
ペンタゴン:そうか、それは悪かったな。あのあとイロイロあって街にも戻れなかったからな……。
GM:「あの……感動の再会中、申し訳ないのですが……」――と案内してくれた青年が言います。
ペンタゴン:ああ、こいつ俺の妹なんですよ。お世話になりました。じゃあそれで(笑)
フォトン:じゃあそれで(笑)
GM:ペンタゴンの首を捕まえます。
ペンタゴン:えっと……何か?
GM:青年は一枚の契約書を突きつけます。
ペンタゴン:っと……これは?――汗かきつつ(笑)
フォトン:わたし書いたのー♪
GM:細かくびっしり何か書いてあります。青年はすぐにしまいますが一応【心】で判定して下さい。
ペンタゴン:(コロコロ)……1! なんでこんな所ばっか!!……8レベル成功。
GM:じゃああの一瞬で重要な部分を全て読みきりました(笑) それによると、フォトンはこの『楽園スペース』にて最高級のコース料理を食べたりして、かなりの額を使ったようです。請求額は[裕福度]50です。
ペンタゴン:ブーーーーーッ!!! 50って何だよ!? 4人の全部合わせたって足りねーじゃねーか!!(一同爆笑)
フォトン:どうしたの?
ペンタゴン:そ、それを払えなかったら……おいフォトン、お前は[裕福度]いくつある?
フォトン:8♪(笑顔)
ペンタゴン:わかっていたが……わかっていたが……全然足りない――ちょいと案内してくれた青年さんや、これって払えなかったら?
GM:「その場合は、以下の者がその責務を負うと……先ほどの契約書に書いてありますが?」
ペンタゴン:あっはっはっはっはっ……以下の者って?(笑)
GM:「ペンタゴン=イージス、契約者の実兄との事ですね」(ニヤリ)
ペンタゴン:あ〜〜あ〜〜、やっちゃった〜〜。
フォトン:どうしたの?
ペンタゴン:フォトン、ここにお兄ちゃんの名前書いちゃったかな?
フォトン:うん♪ 家族の名前書けって言われたから!
GM:ばっちりエンブレムマスターフォトンのサイン入りです。
ペンタゴン:あ〜〜……サインも書いちゃったかぁ……。
フォトン:うん♪ キレイに書けたでしょ?
ペンタゴン:……ああ、ばっちりだ。
フォトン:えへへ♪ でもお兄ちゃん見つからなかったら、旅行に行くって話だったの♪ それはそれで残念だったな。
ペンタゴン:旅行……旅行か……。
GM:「北の海は冷たいですよ?」
ペンタゴン:マグロかぁ……(笑)
フォトン:ん?
ペンタゴン:さてフォトン。実は――(メモを書き)――の宿にエレナという美人のナースウィッチがいる。その人に「お兄ちゃんはちょっと事情があって帰れなくなった」と伝えてくれ。あと、今日からはエレナと一緒に行動するんだ。
フォトン:ええ〜〜! わたしお兄ちゃんと一緒が良い!
ペンタゴン:いや、俺は後からすぐに合流するから。先にエレナ達と一緒に待っていて欲しいんだ。
フォトン:お兄ちゃんはどうするの?
ペンタゴン:俺か? 俺は……そうだな……旅行に行ってから合流しようかなぁ……ははは(一同爆笑)
フォトン:お兄ちゃん?
ペンタゴン:心配するな。すぐにもどってこれるさ(笑)
フォトン:……わかった! わたしそのエレナって人のところで待ってる! すぐに帰って来てね♪
ペンタゴン:ああ、すぐさ……すぐ帰って……来れると良いなぁ〜(涙)



第3幕 謎のニンジャ3人衆

 一方、怪しい行動を取るペンタゴンを追うエレナとサクヤだったが、この街は路地が入り組んでおり、それなりに人も多い……つまり――

エレナ団長:あれ? サクヤは? サクヤ〜〜?
GM:『し〜〜ん』
エレナ団長:もう、サクヤったら迷子ね。しょーがないなぁ。私が探しに行くしかないわね(笑)
GM:道を戻りますか?
エレナ団長:ううん、道はどこかで繋がってるものだし、戻ったりせずガシガシ進みます(笑)
ペンタゴン:ああ……嫌な予感だ。
GM:ここはカジノの街、ホストも多いので客引きに会うか[幸運度]チェックをやってみよう。
エレナ団長:(コロコロ)……成功した。
GM:じゃあホストがやって来ます。
サクヤ:待てGM、どうして成功したのに姫に不利な状況になる!
エレナ団長:そ、そうだよ! 成功したんだから何も無くていいじゃない!
GM:この街はホストが多いのです。金持ってそうな冒険者を見逃すわけないじゃないですか。
サクヤ:……確かに。
ペンタゴン:じゃあ何で判定させたんだ?
GM:『エレナが女性と認識されるかどうか』
エレナ団長:………………。
GM:もちろん、女と思われる事が不幸と言うなら、ホストは皆スルーします。
エレナ団長:え? 私? えっと……困るなぁ(笑)
ペンタゴン:団長!! 何、自主的に認めてんだ!!(一同爆笑)
エレナ団長:だってだって! 私も女の子としてチヤホヤされたい〜〜!!
サクヤ:ウブな姫にはこの街は毒だ……。
ペンタゴン:うう……ナンパに引っ掛かるなんて……。
エレナ団長:ナンパ!? そうだ、これはナンパね! だったら断る!――今、忙しいので!――スタスタスタ。
フォトン:おお!?
エレナ団長:思い出した。雪山でナンパ術は危険だとサクヤから教わったんだった(笑)
GM:なんと!? あの話が生きてきた!
フォトン:じゃあキレイに客引きをさばいているんだね(笑)
エレナ団長:そう、今私はナンパ術に対抗する奥義を発動している……と思ってるから。
ペンタゴン:奥義なんだ(笑)
GM:ではエレナがそうやって歩いていると……【心】で判定して下さい。
エレナ団長:(コロコロ)……8レベル成功♪
GM:キミの後ろから気配を感じます。
エレナ団長:サクヤ? もう、迷子になったから私と合流するのが恥ずかしいのね(笑)
サクヤ:(←なぜかショックを受けている)
ペンタゴン:(サクヤの肩叩き)――ほら、団長って自分が一番しっかり者だと思ってるから(笑)
サクヤ:………………。
エレナ団長:………………。
GM:さて、エレナはついでに解ります。気配は3人ですね。
エレナ団長:サクヤが3人?
GM:なんでそーなる!(笑)
エレナ団長:ど、どうしよう……よし、逃げよう! 走る!
GM:ではそうやって走りまわったあと……後ろから3人組に声をかけられます――「お主が【エンドレスピース】旅団の団長か?」
エレナ団長:え? え!?――どんな人?
GM:忍び装束の男が3人です。
エレナ団長:えっと……その格好……サクヤのお友達?
GM:「友達と言うか……旧友でゴザル」
フォトン:ゴザルー!?(笑)
ペンタゴン:ゴザルキター!!(笑)
サクヤ:そこ……盛り上がる所か?
フォトン:もちろん♪
ペンタゴン:もうオレ、こいつら殺せない!(笑)
サクヤ:おいっ!(笑) ……GM、続けろ。
エレナ団長:どーりで似てる服だと思った! あ、そうだ。じゃあサクヤ探すの手伝ってくれないかな?
GM:「……はっ?」
エレナ団長:実はサクヤったらこの街で迷子になっちゃってて、私1人で探してたの。
GM:「それは……サクヤもしょーがない奴でゴザルな」――と1人が同意し、2人目と3人は無言で頷きます――「まぁサクヤの行き場所ぐらい、だいたい見当はついているでゴザルよ」
エレナ団長:え、本当!?



第4幕 ルーレットの天国と地獄

 『楽園スペース』にて1人残ったペンタゴン。目の前には裕福度50を返済する契約書。
 頭の中では今までの楽しい思い出が繰り返し繰り返し再生されていた……。

ペンタゴン:って!! 悲観的になっていてどうする! なんとかしねーと、このままじゃエレナとの旅すら続けられねー!
GM:ではそこで、部屋に成金趣味な男が入ってきます――「おう、兄ちゃん、金の当てはあるんやろうな?」
ペンタゴン:わ、解り易い親分が出てきた(笑)
GM:「払えないっつーんなら、体で払ってもらうでぇ?」
ペンタゴン:誰も払わないとは言って無い。ただ、この契約は明らかに不正だろう! まだ年端も行かない子供を騙してどういうつもりだ!
GM:「騙してとは聞き捨てならねーなー? ちゃんと契約書も読んでもろた、サインかてしっかりと記載されとる。これのどこが不正やねん!!」
ペンタゴン:どこもなにも――
GM:「まぁいいで? 兄ちゃんが払えへん言うなら妹さんに払ってもらうだけさかい」――ニヤニヤ。
ペンタゴン:っくしょう。わーったよ! 俺が肩代わりすりゃーいいんだろうが!! だが、1つ条件がある。
GM:「聞きましょか?」
ペンタゴン:今の俺は50もの大金は持ってない。だが、時間をくれればちゃんと耳揃えて返してやる!
GM:「……つまり、支払いまで何日か時間をくれと?」
ペンタゴン:そうだ。
GM:では成金親父はヒソヒソと黒服と話すと――「良いでっしゃろ。漁船の手配にも時間は必要さかい。その条件飲みましょ。せやけど……期限は3日。今日と明日と明後日や」
ペンタゴン:明々後日の朝にはしっかり裕福度50分返してやるさ。
GM:「たいした自信やな。当てはあるんかい?」
ペンタゴン:ふっ、ここはカジノの街だろう?
エレナ団長:え゛。
フォトン:え゛。
サクヤ:おい。
ペンタゴン:待てぇいっ!!(笑) なんだその不安そうなハモリは!!!
フォトン:あ、あははははは(苦笑)
サクヤ:……まっとうな反応だと思う。
エレナ団長:ペンタゴン、運無いじゃない?
ペンタゴン:………………。いや、ここにいない電波な声は聞こえん!――おい、あんた!
GM:「わいはホーネットや。この楽園スペースのオーナー兼、この街で金貸しもやっとる」
ペンタゴン:じゃあホーネット。この街でルーレットやってる場所を教えてくれ!




 街の大通りに面した一際目立つ賭博場。
 昼間だと言うのに煌びやかにライトアップされたそこに、
 人々は灯に群がる蛾のように集って行く。

GM:――というわけでペンタゴンはルーレット場にやってきました。
ペンタゴン:なんかここにいない3人からの視線が冷たい気がするが……。
エレナ団長:(冷たい視線)
サクヤ:(冷たい視線)
フォトン:(冷たい視線)
ペンタゴン:きっと気のせいなので気にしない(笑) さぁルーレットのルールを説明してくれ!
GM:マジでやるんですね? 後悔しても知りませんよ?
ペンタゴン:おう、後悔なら後でもできる。しかしチャンスは今だけだ!

【ルーレットのルール】
ルーレットは1〜20のマスが描かれている。どのマスにボールが入るかを予想。
プレイヤーは好きな番号の場所に裕福度を賭ける事が可能。または偶数か奇数に賭ける事が可能。
単一の番号に賭けた場合、的中すると賭けた額の5倍の裕福度がもらえる。
偶数か奇数に賭けた場合、的中すると賭けた額の2倍の裕福度がもらえる。
ただし、1と20の数字は賭ける事ができず、ボールがそこに入った場合、賭け金は没収される。


サクヤ:確率から言って明らかに不利だ。
ペンタゴン:早ぇな……計算。
GM:ディーラーが言います――「どうぞ?」
エレナ団長:ペンタゴン! やめるなら今よ!
フォトン:そうだよお兄ちゃん! せめてみんなで話し合ってからにしようよ!
サクヤ:お前のリアルラックじゃ無理だ。
GM:はいはい。いない人は祈りの言葉を飛ばさない飛ばさない(笑)
ペンタゴン:その通り。俺はやる! ここで一発当ててフォトンの失敗を帳消しにして、エレナに何も無かった風に再び会うんだ!

 ペンタゴン、無駄に拳を握らせ、血走った目でヒートアップ中。
 典型的なダメギャンブラーである。

GM:では1〜20の出目は実際に目の前でダイスを振ります。どこにいくら賭けますか?
ペンタゴン:そうだな……7だ! 7番に賭ける!
GM:いくら?
ペンタゴン:……5裕福度。
フォトン:さりげに全額じゃないんだ(笑)
ペンタゴン:全額やっちゃったら本気で身動き取れなくなるだろうが。
GM:「では7番に5裕福度ベッド……他には宜しいですか?」
ペンタゴン:そうか、2点賭けも可能なのか……いや、ここは1点賭けで。
GM:「出揃いましたね……では行きます」――さぁダイスを転がします。ペンタゴン自分で振る?
ペンタゴン:いや、カジノだしディーラーのGMが振ってくれ。
GM:了解、では(コロコロ)……――

 そして、GMの振ったダイスの目は――……『7』

GM:えええっ!?
エレナ団長:うそ!?
フォトン:7だ!!!
サクヤ:ありえない……。
ペンタゴン:ああ、ありえない……。
フォトン:ちょっと! お兄ちゃんがありない言ってどうするのよ!(笑)
ペンタゴン:あ、ああ、まったくだ(笑) 実はここで失敗して、有り金を再び7に突っ込んで全部スるって流れを計算してたから(笑)
GM:いや、えっと、まずいな。これじゃあシナリオが……(←なぜか一番焦るGM)
ペンタゴン:よっしゃ! よりあえず5の5倍で25裕福度ゲット!!
サクヤ:これで私やフォトン、姫の裕福度を上乗せすれば50の返済が可能だな。
GM:え!? あ! 本当だ!? しかし、それじゃあ……。
エレナ団長:あ〜良かった。これで普通に旅も続けられるね。
フォトン:わたしも安心したよ〜。
サクヤ:さぁ、さっさと帰って来いペンタゴン。
ペンタゴン:嫌だ。
サクヤ:……おい。
ペンタゴン:今、俺には追い風が吹いている! ここでやめる馬鹿がどこにいる!!!

 ペンタゴン暴走。

エレナ団長:ちょ、ちょっとペンタゴン!!!
ペンタゴン:たとえ団長の声だろうと、今は聞こえん! っつーかこの場にはディーラーと俺しかいないはず! 誰も俺を引き止める奴はいない!!
エレナ団長:そ、それはそうだけど……。
ペンタゴン:さぁGM! もう一勝負だ!
GM:(にこやかに)いやぁ、そう言ってくれるとシナリオ的にも助かります(笑) で、どの番号に賭けます?
ペンタゴン:はぁ? なんで1点賭けなんて危ない橋を渡るんだよ? もちろん奇数!
GM:(顔がヒクつく)……こう、シナリオに協力して勝った分、スっておこう……とかじゃ?
ペンタゴン:んなわけない! できるだけ裕福度を稼いで良い装備買いたいだけだ(笑)
エレナ団長:ああ、それは良いかも。欲しい買い物もあったし……。
GM:ちょっとエレナまで!!
サクヤ:………………。
ペンタゴン:さて、賭け金はそうだな……奇数に23裕福度だ。
フォトン:また微妙な……。
ペンタゴン:これで勝てればエレナにはバレずに全てを返済できるしな。まずはそこから。
サクヤ:そういう所、微妙に計算高いと言うか、中途半端に度胸が無いと言うか。
ペンタゴン:うるさいな! いいだろうが別に(笑) さぁGM、さっさとダイスを振ってくれ。ルーレットスタートだ!
GM:(お、おのれ……)(コロコロ)……――

 そして、GMの振ったダイスの目は――……『16』

ペンタゴン:あ゛。
GM:よっしゃーーーーーーっ!!!!!
ペンタゴン:うるせーよGM!!(笑)
GM:はい、ペンタゴンは裕福度2ね! あ〜〜良かった(笑)
ペンタゴン:っきしょう(笑)
サクヤ:さもありなん。
フォトン:お兄ちゃんの運だもんね……。
エレナ団長:何やってるのよペンタゴンは! だからあれほどやっちゃダメって言ったのに!!
ペンタゴン:えええっ!?(笑)
GM:さて、残り裕福度は2となりましたが、どうします?
ペンタゴン:くっそ、ニヤニヤしやがって……。今日は帰る。これ以上は本気でスカンピンになりそうだし。



第5幕 ペンタゴンの妹

 一方、エレナを探して街を探索するサクヤだったが、中々見つからないため最初の宿屋へと戻って来ていた。
 そして、その宿屋には――

フォトン:あの、ここにエレナって人が泊まってませんか?――宿屋の人に聞いてます。
GM:宿屋のおばさんが台帳を取り出してゴソゴソやってます。
サクヤ:そこに戻ってこよう。姫も見つからないしな。
GM:じゃあエレナがどうこうって言ってる女の子がいる。年は12歳ぐらいだろうか。装備品からして冒険者のエンブレムマスターっぽい。
サクヤ:あの年でグリモアに認められた冒険者か……と思いつつ台帳をめくっている人に声をかけよう――おい、どうかしたか?
GM:「ああ、【エンドレスピース】旅団の? ちょうど良かった。このお嬢さんがお宅のエレナさんに会わせてくれって言うんでね」
フォトン:お姉ちゃんがエレナさん?
サクヤ:いや、私は【エンドレスピース】旅団の一員だ。姫――エレナ=ブルーアイスはその旅団の団長だが……なにか用か?
フォトン:えっと……私、フォトン=イージスって言います。いつもお兄ちゃんがお世話になってます。
サクヤ:少し固まろう。
ペンタゴン:なんでだよ!
サクヤ:とても利発そうだからだ。
フォトン:あの……お兄ちゃんから、この宿屋にいるエレナさんって人に、伝言を貰ってきたの。それと今日からはその人と一緒に行動するようにって。
サクヤ:(ペンタゴンは何を考えいるんだ)とか思いつつ――そうか。だが今ひ――エレナは外出中でな。私も探しているんだが……。
フォトン:じゃあわたしも一緒に探す!
サクヤ:GM、ペンタゴンとは似ているのか?
GM:似てると思いますよ? ちゃんと血の繋がった兄妹でしょうし。
サクヤ:ふむ……まぁ見たところ1レベルの冒険者。罠だとしてもどうにでもなる……か――よし、いいだろう。私と一緒に来い。
フォトン:うん♪ お姉ちゃんの名前は? わたしフォトン!
サクヤ:サクヤだ。




エレナ団長:ねぇ、いつになったらサクヤの場所に着くの〜?
GM:「もうちょっとでゴザルよ?」――と3人組が先導して歩いていきます。
エレナ団長:まだかなぁ……って思いながら付いて行ってるんだけど。そうだGM、迷子にならないかな?
GM:誰が?
エレナ団長:私が(笑)
ペンタゴン:自分で言うのか(笑)
エレナ団長:だってゴザルさん達は先導してるんでしょ? 気が付いたらいなくなってそうだし……。
GM:それは……あ、ありうる(笑) じゃあ[幸運度]チェックして下さい。成功したら迷子としましょう。このまま忍者について良く方がキミ達にとって不利だしね。
エレナ団長:(コロコロ)……あ、成功。
GM:じゃあ気が付くと前を歩いていた忍び装束の3人がいません。
エレナ団長:ちょっと! 案内するって言いながら迷子になっちゃったのね!? もぅ、サクヤの知り合いだけあって方向音痴なんだから!(一同爆笑)
サクヤ:ひ、姫……それは……。
ペンタゴン:(爆笑中)
フォトン:そこでわたし達と偶然会えないかな? [幸運度]チェック成功だし。
GM:ああ、良いでしょう。永遠と迷われても困るし(笑)
サクヤ:姫!!――駆け寄ろう。
エレナ団長:あ、サクヤ! もうどこ行ってたのよ! 探したんだからね!
サクヤ:それは……申し訳ありません――謝る。
エレナ団長:さっきサクヤの友達っていう忍び装束の3人組にもあったけど、その人たちも迷子になっちゃうし……もうちょっと道に迷わない訓練をするべきね。
ペンタゴン:すごいお姉さんな目線だ(笑)
フォトン:エレナさんが可愛い(笑)
サクヤ:私は謝りつつ冷静に今の台詞を……もしかしたら追っ手か……と。
エレナ団長:それで、そっちの小さな子は?――サクヤが子供連れてるなんて意外だからずっと気になってた(笑)
サクヤ:ああ、この子は――
フォトン:フォトン=イージスって言います。12歳です。いつもお兄ちゃんがお世話になってます――丁寧に挨拶。背負ってたロッドが重くてちょっとバランス崩したり。
エレナ団長:うわぁ、可愛いッ!!!(笑)
サクヤ:どうやらペンタゴンの妹のようです。何か姫に伝言があると。
エレナ団長:うんうん、お姉ちゃんに伝言があるんだ? なぁにかな♪ あ、私はエレナ、宜しくね!
フォトン:はい♪ えっと伝言は――しばらく事情があって帰れない――ってお兄ちゃんが。
エレナ団長:ペンタゴンが帰れない? どういう事?
フォトン:う〜〜ん――と腕組んで疑問符が頭の上にいっぱい。よく考えると聞いてなかったし。
サクヤ:フォトン、とりあえず今、ペンタゴンがいる場所は解るか?
フォトン:うん、それなら解るよ。
サクヤ:じゃあ――と姫に目配せ。
エレナ団長:サクヤに頷いて。フォトンちゃん、そこに案内してくれるかな?



第6幕 借金返済大作戦

 裕福度を2まで減らしたペンタゴンは、楽園スペース付近の路地をウロウロしていた。
 と言うのも、3日という期限をもう少し延ばしてもらいたかったのだが、
 それを言うのは大見栄切った手前、決まりが悪く……。

ペンタゴン:参ったなぁ……絶対3日じゃ無理だよ。かと言って今からあと1ヶ月くれとか言っても聞き入れてくれそうにないし……どうしたもんか。
GM:で、ウロウロしていると?
ペンタゴン:そう、大通り挟んで『楽園スペース』が見える位置で(笑)
エレナ団長:あ、ペンタゴン!――後ろから声をかけます。こっち来てるし良いよね?
GM:どうぞどうぞ。
ペンタゴン:団長!?
フォトン:お兄ちゃんどうしたの? こんなところで?
サクヤ:探したんだぞ。
ペンタゴン:フォトン、サクヤまで……。いや、なんというか、その……。
エレナ団長:ねぇペンタゴン。事情があって帰れなくなったってどういう事? 別の旅団にでも行くつもり?
GM:【北海マグロ漁船】旅団(笑)
ペンタゴン:それは嫌だ!!――ああ、いや、なんでもないんだ。ちょっと……そう、数日の間帰れないだけで、団長のところを抜けようとかそんな気は無くて――しどろもどろ(笑)
エレナ団長:そんな事聞いてない! その事情を説明して!!
フォトン:わたしは疑問符浮かべて見てる。
サクヤ:姫を困らすとは――殺気が漏れる(笑)
ペンタゴン:う゛……じ、実は――と借金50を払わないと行けないって説明しよう。フォトンのせいというのは微妙に誤魔化して。
サクヤ:しかし原因がフォトンにあるのは流れ的にわかるんだろう。
エレナ団長:それは……さすがの私も気が付くんだろうなぁ。でも言えない。フォトンちゃんに責任負わせるのは可哀想だし(笑)
サクヤ:それで、50のうち幾らかでも返したのか?
ペンタゴン:いや、ルーレットで一発当てようと思ったんだけどさ――
サクヤ:全部スったと。
ペンタゴン:違ぇーよ! 一度が大勝ちして25は返せるぐらい行ったんだって! その後、あそこで奇数が来てりゃ。
エレナ団長:ペンタゴン……。
サクヤ:無理に嘘を言わないでもいいぞ。
ペンタゴン:いや、25勝ったのは本当だって!(笑)
エレナ団長:とりあえずそのお店に行きましょう。私もサクヤもちゃんと詳しい話を聞きたいし。
サクヤ:……御意。
フォトン:あの……なんか……ごめんなさい……。
エレナ団長:膝を折って視線を合わせよう――ううん、気にしないで。ペンタゴンは私たちの大切な仲間だから。困った時は助け合うのがあたりまえなの。
フォトン:お兄ちゃんが……仲間?
エレナ団長:うん。大切な……ね。
ペンタゴン:団長――こ、これは良い雰囲気だ! 久々に――
サクヤ:ペンタゴンの首根っこ捕まえて店へ――お前が来ないと話が始まらないだろう。
ペンタゴン:ああ!? サクヤ待てっ! もうちょっとで俺が良い感じのセリフを!!――引っ張られていこう(笑)




 楽園スペースオーナー室。
 豪華な調度品のあるその部屋に、成金趣味な服を着た男が入ってくる。
 そして、エレナ達の目の前にバシンと叩きつけられるのは……サイン入りの証文だった。

GM:「ええ、これが証文でっせ? 裕福度残り50、耳を揃えて返してもらいます」――ホーネットがこれまでのいきさつを話してくれます。
エレナ団長:裕福度50かぁ……どうしよう?
フォトン:なにか依頼とか無いのかなぁ? わたしも1LVだけど冒険者だし……。
GM:1LV用の依頼でそんな報酬のは無いですよ?
エレナ団長:じゃあ私たちぐらいの強さなら可能な依頼は?
GM:[幸運度]チェックして下さい。代表でエレナが。
エレナ団長:(コロコロ)……17、失敗。
GM:じゃあ今、街に依頼はほとんどありませんね。
ペンタゴン:1個もか?
GM:そうですね……――『北の洞窟に住み着いたヴォルケイノサウルスを倒して欲しい』――って依頼なら、[裕福度]50の報酬であります(笑)
ペンタゴン:無理だろうんなもん!(笑)
フォトン:わたし、行く!
ペンタゴン:おいっ! ヴォルケイノサウルスってかなり最強のモンスターだぞ? LV1のフォトンが勝てるわけないだろーがっ(笑)
エレナ団長:うん、ダメだよフォトンちゃん。
フォトン:そっか……。
エレナ団長:団員でもないフォトンちゃんは連れて行けないわ。
サクヤ:姫!?
ペンタゴン:いや、連れて行く連れて行かないじゃなくって、俺達だって勝てないから!
エレナ団長:え、そうなの?
サクヤ:そういうLVです。
エレナ団長:そうなんだ……。
GM:まぁ判定に失敗してるんで丁度良い依頼も無いと思って下さい。
エレナ団長:じゃあどうしようか?
フォトン:げ、芸とかして稼ぐ……とか?
ペンタゴン:いやいや、せっかくカジノの街なんだ。やはりギャンブルだろう?
エレナ団長&フォトン:『………………はぁ』
ペンタゴン:なんだよその溜息は!(笑)
サクヤ:ギャンブルか……悪く無いな。
エレナ団長:ええっ!?
フォトン:何言ってるのサクヤさん! お兄ちゃんの運の悪さは折り紙つきだよ!?
サクヤ:ホーネットと言ったな――目の前のオーナーに聞く――この街でカジノを仕切ってるのは誰だ?
GM:「なしてそないな事を?」
サクヤ:この街はギャンブルの街なのだろう? 期限までの3日間、いくつかの企画を立てるから私たちに胴元を任せて欲しい。
ペンタゴン:なるほど、ギャンブルは客より胴元の方が儲かる!
サクヤ:そういう事だ。だが、その為にはこの街の元締めに許可を得る必要がある。そうだろう、ホーネット?
GM:「なるほど……おもろい事を……。それなら組合の方に話通しときましょ。わいも組合の幹部の1人さかい、わいの管理下にある臨時賭場って事なら余所にも文句言わせへん」
サクヤ:なら決まりだ。
エレナ団長:え、え、え? 結局何をどうすれば良いの?
フォトン:うん、わたしもわかんないよ〜!
ペンタゴン:えっと、つまり――
GM:ちょっと整理しましょうか。

現在の借金は[裕福度]50
返済期限は3日間、4日目の朝には完済する必要がある
完済できない場合はペンタゴンがマグロ漁船
1日目はギャンブルの準備で終了
時間経過・稼ぎはギャンブルの内容と集客率次第


エレナ団長:はぁ……とりあえず、実質動ける時間は丸2日なんだね。
フォトン:じゃあどんな企画を立てるか決めなくちゃ! なんか、面白いね♪
エレナ団長:うん♪
ペンタゴン:しかし、俺はてっきりサクヤ主体で契約書を盗む方向だと思ってたよ。
GM:(シナリオを見つつ無言で頷いている)
サクヤ:いや……その……。
ペンタゴン:ん?
サクヤ:たまには……金を稼ぐのも悪く無い……だろう?(少し顔赤く)

“不戦の”サクヤ=コノハ……クールな外見と似合わず、趣味は「商売」「言いくるめ」「話術」だったり。



第7幕 美人コンテスト開催

 2日目の朝。エレナ達はホーネットに言って借りた店のホールを飾り付けていた。
 舞台には赤絨毯が敷き詰められ、奥には大きく横断幕が吊らされている。
 そしてそこには、こう書かれていた――『美人コンテスト大会!!』――と。

ペンタゴン:(トンテントンテンと大道具仕事完了)……ふぅ、これで完成だな。
フォトン:サクヤさん! エレナさんが受付の方が終了したって!
サクヤ:そうか……。
ペンタゴン:しかしサクヤ、なんで美人コンテストなんだ? 正直……あんまり稼げないと思うんだが。
フォトン:そうなの?
ペンタゴン:ギャンブルとは微妙に違うしな。出場者から参加費を集めても、大半は優勝賞金に消えるだろう? そう考えると……。
GM:しかも時間的に午後の13時とか14時ぐらいまでかかります。
サクヤ:ふ……だから、姫にも参加してもらうんじゃないか。
エレナ団長:あ、じゃあ、そこで受付終わって、コンテストの水着に着替えた私がやってこよう――ねぇ、サクヤ、本当に私も出場するのぅ?
ペンタゴン:!?
サクヤ:出場者の参加費は優勝賞金に消える……だが、姫が優勝すれば何も問題は無い。
フォトン:え、でも、エレナさんが優勝するとは限らないんじゃないの?
エレナ団長:そうだよサクヤ! そ、それに……この水着ちょっと恥かしい……。
ペンタゴン:うおおおおおお!!!――走って行って壁に頭ぶつけてる!(一同爆笑)
フォトン:お、お兄ちゃん?
ペンタゴン:ゴスゴスゴスッ!……ふぅーふぅーふぅー――戻って来てサクヤの肩にポンと手を置き――グッジョブ♪
サクヤ:ペシっと手を叩きながら――にやりと笑う。少し、私に考えがある。




 ちなみにこの美人コンテスト、サクヤとホーネットの間である取り決めがなされていた。

GM:「審査員を仕組むんかいな!?」――ホーネットが驚きます。
サクヤ:ああ。
GM:「せやけど、そないな元金あるんかい? ここの住人はガメついでぇ?」
サクヤ:誰も買収するとは言って無い。ただ、姫のような容姿が好みの者を審査員に選ぶ。それなら買収費は掛からない。
GM:「なるほど……たしかにや……」
サクヤ:具体的に言おう。コンテストの勝ち抜き方法を[幸運度]チェックにしたい。
GM:一般人は[普通(基準が8)]、審査員の好みに合わないと[不運(基準が6)]になる……感じかな?
サクヤ:それだと助かる。
GM:「(少し考えて)……いいでっしゃろ! 審査員の方は任せとき」




サクヤ:では回想から戻って来て――あとは、人数がどれだけ集るか……だな。
GM:それは1D20×5人としましょう。準備費は裕福度5とします。
ペンタゴン:それだと出目が1だと……準備費で消えるな(笑)
サクヤ:ペンタゴンが振らなければ大丈夫だ。
ペンタゴン:………………。
GM:ちなみに私は振りません。GMのせいにされては困ります。
フォトン:じゃあわたしが振る〜! ビラ配りはわたしの仕事だったし! とうっ(コロコロ)……微妙、7だった。
GM:参加人数35人、必要経費の5を引いて賞金に回せるのは30裕福度ですね。
サクヤ:では賞金は優勝20、2位10、3位4に。
ペンタゴン:裕福度が4ほど足りなくないか?
サクヤ:何を言っている、私たちの参加費分だ。
エレナ団長:そっか、私も払っておかなきゃ。
フォトン:わたしも出るんだ!? どんな水着にしよっかなぁ……やっぱワンピだよね♪
サクヤ:……不本意だが、せくしー系か……。
ペンタゴン:おい、ちょっと待て……裕福度4って……俺までメンバーに入ってるじゃねーか!!! 男の俺が参加できるわけねーだろうが!!(笑)
サクヤ:ふっ――パチンと指を鳴らすと、バイト達がペンタゴンを袖に引き込んでいく。
ペンタゴン:バイトってなんだ!! 変なもん雇う金があんなら準備費削れよ!!(笑)
GM:「さぁさ、ペンタゴンどの、観念するでゴザルよ?」
ペンタゴン:ブハァッ!!!(お茶噴出し……大爆笑)
サクヤ:くっ……今のは不意打ちだ(笑)
GM:いや、再登場の機会を狙ってたので。じゃあペンタゴンはゴザル達に連れられて女装させられます――「うむ、似合っているでゴザル」(笑)

――なんだかんだで、コンテスト開催――

 『レディ〜ス、エンド、ジェントルマン! さぁ! 街一番の美人を決めるコンテストの開催だ!!』
 流れるようなマイクパフォーマンスの後、舞台へと1人ずつ登場する参加者たち。

GM:最初は予選です。
ペンタゴン:ちょっと待った!!!
GM:なんです?
ペンタゴン:その……俺は、しっかり女装してあるのだろうか?(笑)
GM:じゃあペンタゴンだけでなく、エレナ達も上手くオシャレできたか判定しましょう。4レベル成功以上ならボーナス。
サクヤ:能力値は?
GM:【技】で成功したら[幸運度]チェックの基準値に+2して判定して良いです。【心】で成功したら+4、ただし【心】で失敗した場合は基準値を−4して[幸運度]チェックして下さい。
エレナ団長&フォトン:『【心】で判定(コロコロ)……成功♪』
サクヤ:無難に【技】だな(コロコロ)……成功した。
エレナ団長:ペンタゴンはどうするの?
ペンタゴン:ゴザル達を信じて【心】で判定!――なんか良くわかんねーけど、バイトの人! 頼む(笑)
GM:「まかせるでゴザルよ!」
ペンタゴン:とぅ!(コロコロ)……よしっ! なぜか成功!
GM:「どこからどう見ても最高の美女でゴザル」
ペンタゴン:………………複雑な心境だ(笑)
GM:では予選と参りましょう。全員[幸運度]チェックをどうぞ!
サクヤ:(コロコロ)……余裕で成功。
ペンタゴン:やばい、俺も予選突破だ(笑)
フォトン:1! お兄ちゃん、わたし予選トップで通過したかも♪
エレナ団長:おっしぃ! 私は2だったから2位通過ね。フォトンちゃんに負けちゃった(笑)
GM:審査員席からは歓声が上がってます。
フォトン(審査員A):『小さい子最高――!!』(一同笑)
ペンタゴン(審査員B):『ペチャパイ最強――!!』(一同爆笑)
エレナ団長:いったいどんな審査委員を集めたのよっ! あと、女装してるペンタゴンの足を踏んでおく!
ペンタゴン:っぐぅ……涙を堪えて我慢!――な、なんで!?
エレナ団長:2位で通過だけど嬉しくないから!
サクヤ:ホーネット……後で殺す。

 予選通過者はエレナ達4人を含めて総勢13名。
 続いて本戦第一回戦(ちなみに判定方法は変わらず)。

GM:人数も絞れたので、今回は各自得意技をアピールタイムです。判定方法は変わらないけど(笑)
ペンタゴン:じゃあさっさと俺からやるぞ?――1番、ペンタン歌います!(コロコロ)……はい20〜ほげぇ〜〜(笑)
GM:それは……バレましたね(笑)――「引っ込めヘタクソ!」「野太い声だすな!」「男じゃね?」
ペンタゴン:いろんな物を投げられつつ舞台袖に退散する。そしてゴザルに――てめぇが化粧ミスるからバレたじゃねーか!!
GM:「そ、それは八つ当たりでゴザル!?」(笑)
サクヤ:じゃあその舞台袖へ冷静に歩いてこよう。
ペンタゴン:お、サクヤ、どうだった?
サクヤ:首を振る(出目が10で一回戦脱落)。
ペンタゴン:ま、俺達は前回の戦いで[幸運度]使い果たしてたからな、この結果は仕方無いさ。あとは――
エレナ団長:ごっめーーん! 私も失敗しちゃった♪――少し可愛く。
ペンタゴン:ドキューーンッ!!(←意味不明)
サクヤ:ひ、姫……どうして!?
GM:じゃあ観客席から「引っ込めーー!」「男じゃね?」
エレナ団長:プチ……ゴゴゴゴゴゴと笑顔で腕に黒炎を(笑)
ペンタゴン:だぁぁぁ! 駄目だって団長! そこでキレちゃコンテスト台無しだから!
エレナ団長:誰の胸が台無しよ!!!――ペンタゴンに【心】攻撃!
ペンタゴン:結局俺かっ!(一同爆笑)
GM:じゃあ二回戦に進んだのはフォトンだけですね。
フォトン:やっほー♪ わたし残っちゃった!(出目が3で成功)
サクヤ:他の参加者は?
GM:(コロコロコロコロ)……4人残った。フォトン入れて5人で最終審査。残った人の中でダイス目が低い人から順位を決めましょう。
サクヤ:この時点で1人とは……計算が狂ったな。
ペンタゴン:勝てフォトン! お前は俺と違ってハードラックを受け継いでないはずだ!
エレナ団長:頑張って! きっと優勝できるよ!
フォトン:うん、じゃあ行ってきます!――舞台袖から舞台へ行くね。
GM:しかし……エレナが好みな審査員を集めて、フォトンが最後まで残るとは……。
ペンタゴン:俺も思った。審査員って貧乳好きっていうかただのロリコ――

 その日、一番鈍い音が響いた。

エレナ団長:パンパンッ!――っとペンタゴンを攻撃した手を叩いて――フォトンちゃん、がんばれー♪



第8幕 奮闘、賭博イベント!

 エレナ達は2日目の夕方、別の賭博を突貫で用意していた。
 広場に近い時計塔の側、特設会場が組まれていた。

フォトン:ごめんなさい……――しょぼーんとしながら手伝ってる。
エレナ団長:そんな事ないよ! フォトンちゃんは2位だったんだから十分だって!
フォトン:でも……。
サクヤ:ああ、あそこで1を出すGMが大人気ないんだ。
GM:………………。
エレナ団長:ほら、でもフォトンちゃんが頑張ってくれたから残り40まで減ったんだし、凄いよ! ほら、ね♪
フォトン:う……うん♪――頑張って笑顔で!
エレナ団長:よしよし♪
サクヤ:では2人を見て一安心しつつ――ペンタゴン、準備は良いか?――と時計塔の上に聞く。
ペンタゴン:(時計塔の上から……なぜか簀巻き状態のペンタゴン)――良いわけあるかーー!(笑) この縄を解け!!(笑)
サクヤ:ダメだ。
ペンタゴン:ふざけるな!! だいたいなんで俺がこんな事する必要がある!!
サクヤ:お前は知らないで良い。
エレナ団長:あ、そうそう、それは私も聞きたかったんだ。どうしてペンタゴンが飛び降りするの?
サクヤ:説明しましょう。
ペンタゴン:おいっ!!!(笑)
サクヤ:先ほど、ホーネットからこの街で実入りの良いギャンブル、人気のギャンブルは何かと聞いた所。『生死に関わる』ギャンブルが人気と聞きましたので。
ペンタゴン:………………。
サクヤ:そこで、ペンタゴンが時計塔から飛び降り、生き残るか死ぬかを観客にベッドしてもらう事にしました。
ペンタゴン:しました……って! 俺は聞いてねーぞ!(笑)
フォトン:サクヤさん……お兄ちゃん、死んじゃうの?
エレナ団長:だ、だめだよサクヤ? いくらなんでもこんな――
サクヤ:大丈夫です姫。死にそうになっても姫が回復すれば良いのです。それに……ペンタゴンがこの程度で死ぬ男ですか?
エレナ団長:そ、そうだね! ペンタゴンがこの程度の高さから飛び降りたって死なないよね!!
サクヤ:ペンタゴンを見上げよう。
ペンタゴン:キラーンと輝き――当たり前だ団長! 俺を信じてくれ!!(笑)
フォトン:う〜〜ん、死ぬと思うけどなぁ……とか思ってる(笑)
ペンタゴン:ああ、妹が信じて無い!? まぁ俺も信じて無いけど(笑)
GM:観客は基本的に血を見たいのも手伝ってペンタゴンが死ぬ方に賭けてます。
ペンタゴン:そりゃそーだ。
GM:落下時のダメージは……そうだな、首男の【体】攻撃の2倍ダメージとしましょう。判定も首男の【体】能力値を使います。
ペンタゴン:それは……つまり俺に【体】で耐えろと?
GM:普通に回避した場合、ダメージは2倍にせず通常のものを使います。配当金はペンタゴンの成功レベル分の[裕福度]で。
サクヤ:十分な条件だ。
フォトン:そ、そうかなぁ……。
エレナ団長:大丈夫! ペンタゴンならきっと大丈夫!!
ペンタゴン:くっ、団長の想いに応えるためにも……ダッっと飛び出そう! アイ・キャン・フライッ!!!(コロコロ)……よし! 成功が8LV(笑)
GM:(コロコロ)……あら、こちらも8LV成功なのでダメージが86点です。
ペンタゴン:おいっ!? しかしガード発生! そして――

 大の字に地面にめり込むペンタゴン。
 固唾を飲み込み観衆たち。
 「死んだ……のか?」
 誰かが呟いた瞬間だった。

ペンタゴン:あっぶねー!! 俺のHP89だよ!
フォトン:お兄ちゃん!!!
GM:では配当金は[裕福度]8です。観客たちは盛り上がりに満足して帰って行きます。
エレナ団長:すぐ回復するから!!
ペンタゴン:さ、さすがに……モンスターと勝手が違って直に地面はキツイ(笑)
GM:重傷ですね。
サクヤ:重症か……姫。
エレナ団長:なに?
サクヤ:旅団シートの経験値枠のチェックを。
ペンタゴン:そこかよっ!(笑)

 その後……――
 サクヤを捕まえられたら裕福度20がもらえる鬼ごっこや(サクヤは速攻で≪ハイドインシャドウ≫で隠れた)。料理対決、腕相撲、etcetc……。
 大きなものから小さなものまでギャンブルを企画・進行し、現在の返済準備金を25(完済まで残り25)まで増やす。
 時刻は3日目の夕方である。

ペンタゴン:あそこで辞めてりゃなぁ……今頃もう完済だったのに……。
フォトン:お兄ちゃん、思いっきりダメギャンブラーの思考だよ!(笑)
サクヤ:しかし、あそこでペンタゴンがヘマしなければ……という部分は同意しておく。
ペンタゴン:なんだよ! 俺のせいかよ! ……いや、俺のせいだけどさ(笑)
エレナ団長:私、なんにもできなかった……――。
ペンタゴン:いや、そんな事無いって! 団長は俺達の心の支えなんだ!
サクヤ:ペンタゴンの言う通りです。それに私とペンタゴンの怪我を姫は治して下さいます。おかげで私たちは次も体を張れます。
エレナ団長:そうだったー!(コロコロ)……はい、27点回復と27点回復♪
サクヤ:これで負傷状態は脱した。
ペンタゴン:同じく。これなら次の勝負に挑戦できる。
エレナ団長:次の?
ペンタゴン:ああ。今夜行われるバトルアリーナ。そこで俺とサクヤが勝てば、裕福度20ゲット。残りが5裕福度ならなんとでもなる。
フォトン:バトルアリーナ?
サクヤ:モンスターとモンスター、または冒険者が闘技場で戦って、その勝敗を賭けにするギャンブルだ。ホーネットからは最初からこれに出場すれば早いと言われていたのだが……。
ペンタゴン:ああ、言われた通りの事をするのも癪に障るしな。
フォトン:あはは(苦笑)
サクヤ:ちなみにGM、バトルアリーナで稼ぐには強い敵と戦って勝てば良いと言っていたが……具体的にはどの程度の敵と戦えば良い?
GM:基本は一騎打ちです。ペンタゴンやサクヤの強さなら……バルバジェネラルやフォーチュンテイカー辺りですね。勝てればそれぞれ10ずつの裕福度が手に入ります。
ペンタゴン:2対2とかは可能なのか?
サクヤ:[コンビネーション]か。
ペンタゴン:ああ(笑)
GM:タッグマッチなら……フレイムガーディアンとフロストガーディアンのタッグに勝てば20の裕福度をもらえます。
サクヤ:もっと強いモンスターで、もっと賞金額が多いのは?
GM:これ以上はモンスターが強すぎてアリーナに存在しません。
ペンタゴン:まぁ、自分達に賭ければいいんじゃないか? トトカルチョももちろんあるんだろう?
GM:ありますが、バトルアリーナ参加者とその関係者はトトカルチョに参加できません。カジノの街なので、その辺は厳しいです。八百長されても困りますしね。
ペンタゴン:そうか……じゃあモンスターはフレイムとフロストの2体を指定だな。タッグマッチだ。
サクヤ:ああ。それで良い。
フォトン:ねぇねぇ、それって凄く危ないんじゃないの?
ペンタゴン:フォトンの頭をぐしゃぐしゃしつつ――心配ねーって! 最強を目指す【エンドレスピース】の一員だぜ? 俺とサクヤが出場すれば負けるわけないさ!
フォトン:でも……。
エレナ団長:私もフォトンちゃんに同意かなぁ。2人だけ危険だなんて……。
サクヤ:姫、私たちが信じられませんか?
エレナ団長:ううん……そんな事ない。でも……私、何もできないなぁ……って。
ペンタゴン:何度も言わせるなよ。団長は俺達の心の支えなんだ。信じて待っててくれ。それだけで俺達は勝つことができる。
サクヤ:頷こう。
エレナ団長:……うん。わかった。じゃあせめて試合まで寝てきなよ。時間になったら起こしてあげる。
サクヤ:それは――
ペンタゴン:サクヤ、今は従おう。試合は万全で臨んだ方が良い。
サクヤ:……わかりました――姫に従って2階の部屋へ。
ペンタゴン:同じく2階の部屋へ。夜まで休むわ。
エレナ団長:さ、私はしっかり起きてるかな。
フォトン:私は『仲良いな』って3人をうらやましく思いながら見てる。



第9幕 フォトンの想い

 ペンタゴンとサクヤが部屋へ休みに行き。
 飯屋と兼用になっている宿の一階では、エレナがフォトンにあれこれと話しかけていた。
 しかしフォトンは上の空、頭の中ではまったく別の事を考えていた。

エレナ団長:ペンタゴン達が起きる時間まで、フォトンちゃんにペンタゴンの昔の話とか聞いてたいなぁ。
フォトン:うん、それは話すよ? 自慢のお兄ちゃんだし! でも、わたしは時々上の空……。
エレナ団長:どうかしたのフォトンちゃん?
フォトン:え、ううん、別に……えっと、そうそう、その時お兄ちゃんったら――って話を続けるけど、わたしの頭の中じゃ借金が自分のせいじゃないかって罪悪感でいっぱい。
GM:じゃあ「気にするな」って言うペンタゴンや、自信満々なサクヤ、フォトンに偉い甘いエレナのセリフがリフレインするのかな?
フォトン:そう。頭の中でそういうのがグルグル回って、わたしもできる事をできる限りやらないと、って。
エレナ団長:ふぅ……何か悩んでるフォトンちゃんを見て話を切り上げましょう――ねぇフォトンちゃん、バトルアリーナは夜中だし、フォトンちゃんもちょっと寝てきて良いよ?
フォトン:えっ? だ、大丈夫! わたしもエレナさんと一緒に起きてるよ!
エレナ団長:ううん、昨日も今日もたくさん手伝ってくれたからね。疲れてるんでしょう? 遠慮しないで寝て来なよ?
フォトン:でも……。
エレナ団長:ちゃんと時間になったら起こしてあげるから、それに真夜中になってペンタゴン達の戦いをウトウト見るのは嫌でしょう? ほら、行きなさい。
フォトン:う、うん……――じゃあ二階に行く。
エレナ団長:うんうん良い子だ――って見送ります。
GM:しかしエレナはフォトンに甘いですね。
エレナ団長:守ってあげたくなるじゃない? なんか、私がしっかりしなきゃ!って思うの。
GM:そういうものですか。
エレナ団長:そういうものです。




 エレナに背中を押されて二階まであがってきたフォトンだったが、
 ふと、足を止めて何かが閃いたように顔を上げる。

フォトン:あ、そうだ……。あの借金返済のお金ってお兄ちゃんの部屋かな?
サクヤ:生活費と分けてるから……ペンタゴンの部屋だな。(生活費はサクヤが持っている)
ペンタゴン:ああ、きっと俺だ。
フォトン:お兄ちゃん、フォトンはお兄ちゃんと一緒に寝る♪
ペンタゴン:なんだと!? 嫌な予感しかしねー! 自分の部屋で寝なさい。
フォトン:だって部屋取って無いし。昨日もそうだったじゃん。
ペンタゴン:そうなのか?
エレナ団長:うんうん、久々の兄妹再会だもんね……と(笑)
ペンタゴン:まぁいい……今は疲れているんだ変な寝相かますんじゃないぞ?
フォトン:うん♪

――そして――

フォトン:お兄ちゃんがぐっすり眠ってるのを確認したら、[裕福度]25を持ち出す!
全員:『やっぱりかーーー!!!』(一同爆笑)
フォトン:それでもって、カジノに走りながら――わたしのせいでお兄ちゃんやエレナさん達が……わたしが……わたしが……なんとかしないと!
GM:起きます?
ペンタゴン:ノー!(笑)
サクヤ:ああ、自分の部屋ならともかく、ペンタゴンの部屋だしな。殺気とか無い?
GM:あるわけありません。
サクヤ:そうか。なら私も寝ているな。しかし一階には姫がいるはず。
エレナ団長:まぁ私も寝てる(笑)
サクヤ:姫っ!!(一同笑)
フォトン:今だっ!! って走っていく。場所は……ルーレットかなぁ?
GM:了解です。では最初にペンタゴンが言ったルーレットのあるカジノに来ました(笑)
フォトン:わたしが……わたしが何とかしなくちゃ!!
ペンタゴン:ま、正直な話、5とか6でもいいから稼いでくれると助かる(笑)
サクヤ:打算的な……だが、その考え方は有りだ!

 そしてルーレットの席へ付くフォトン。
 周囲から珍しいものを見るような視線を受けるが、そこはフォトンも冒険者。

フォトン:チョコンと座ってドカッと掛け金を置きます!
GM:ピクっとディーラーは眉を。
フォトン:ルールは最初に言っていたのと同じ?
GM:同じでいいでしょう。ディーラーがルーレットに球を投げ入れ――「どうぞ?」
フォトン:25の[裕福度]を全部偶数に1点賭け!――ドガッ!(一同爆笑)
ペンタゴン:ま、待てフォトン! それは危険だ! せめて半分ずつにしろ!!
フォトン:寝てる人はしゃべらない! だいたいお兄ちゃんの寝言はそんな言葉じゃないでしょ?
ペンタゴン:た、確かに――エレナ……エレナは……ペチャパイなんかじゃないって〜(一同爆笑)
エレナ団長:ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!
サクヤ:私が殺っときます。
GM:そこそこ! 寝言で会話しない!(笑) ではディーラーが――「良いのですね?」
フォトン:はい!
GM:ではフォトンは自分で1D振って下さい。
フォトン:(コロコロ)……あ、テーブルの下に落ちた!
ペンタゴン:1だと!?
GM:机の下に落ちたのは振り直しです。
フォトン:良かった〜。
ペンタゴン:心臓に悪いぞ(笑)
サクヤ:さっきお前がやった事だがな。
ペンタゴン:さ、さすが兄妹(笑)
GM:では振り直して下さい。
フォトン:じゃあ行っくよ〜偶数出ろ、偶数出ろ!(コロコロ)……――
全員:『あ゛っ!?』
フォトン:……な、7。
GM:全部持っていかれます(一同爆笑)
フォトン:そのまま……帰る……――



第10幕 明日の朝までに借金返済、残り裕福度50

 一階でテーブルにつっぷしつつ寝ているエレナの脇をとぼとぼ通り過ぎ、フォトンはペンタゴンの部屋に戻って来ていた。
 空っぽになった袋を棚に置きつつ椅子に座る。
 何もできない悔しさと、さらに状態を悪化させた浅はかさに胸が張り裂けそうになる。
 自然、目には涙が溜まっていた。

ペンタゴン:じゃあ俺が起きよう。なんか気配を感じたしな――んん〜!!(伸びをしつつ) お? フォトン、どうした?
フォトン:……ごめんなさい……。
ペンタゴン:どうした? 何かあったのか?
フォトン:裕福度いっぱいにしようとしたの……。
ペンタゴン:そうだな。これからお兄ちゃんとサクヤが残り20をしっかり稼ぐからな!
フォトン:あのね……あのね……7がね……7が出たの……。
ペンタゴン:ああ、まったくまったく……って、7? そういえば資金はどうした?
フォトン:空の袋をお兄ちゃんに渡します――うう……ごめんなさい。わたしが……原因だから……だから……いっぱいにして……――
ペンタゴン:何をしたか察するか(笑) はぁ……と溜息を吐いて、フォトンの頭をなでよう――しゃーない。団長達には俺から言っておく。だからお前は泣きやんでおけ。




 エレナとサクヤを起こし、一階のテーブルに集めるペンタゴン。
 そして……おもむろに笑顔で――

ペンタゴン:団長、サクヤ、悪りぃ! 25裕福度なんだけどさ……昨日の夜、泥棒に入られたみたいで……全部盗まれちった!(笑)
エレナ団長:【心】攻撃(コロコロ)……8レベル成功。
ペンタゴン:ぐはぁっ!?(笑)
サクヤ:ワイヤーを手にゆっくり近づこう――貴様、昨日までの苦労を……。
エレナ団長:ペンタゴンの馬鹿! 油断しきって眠るから!!
ペンタゴン:いや、まぁ、その……。本当、悪い。
フォトン:わたしはお兄ちゃんの傍で泣いてます。
エレナ団長:……もう、しょーがないなぁ。フォトンちゃんを怖がらせちゃいけないから、これぐらいでやめておく。
フォトン:じゃあ……少し泣き止んでオロオロしてる。
エレナ団長:サクヤもそれぐらいでやめてあげて。
ペンタゴン:ぐえ〜〜首が〜〜(笑)
サクヤ:ちっ、お前が油断さえしなければ、こうはならなかった……――最後にキツク縛ってから解放しよう。
ペンタゴン:す、すまない……。
エレナ団長:もういいよ。今からコツコツ稼いだって間に合わないし……。
ペンタゴン:………………。
サクヤ:………………。
フォトン:………………。
エレナ団長:はぁ……。

 3人が沈黙し重たい空気になる。
 そんな中、何かを決意するようにエレナが溜息を吐き――

エレナ団長:よし! ここはヴォルケイノサウルスを倒しに行きましょう!
全員:『!?』
サクヤ:姫ッ!?
ペンタゴン:いくらなんでもそれは無理だ!
GM:宿屋の主人も突っ込みます――「おい、それは無理だろう!?」(←GMよりの忠告)
サクヤ:姫、普段口を挟まない宿屋の主人までああ言っています。
ペンタゴン:そうだぜ団長! ヴォルケイノに行かなくても、俺やサクヤがちょっと連戦すれば……なんとかなるはずだ!
エレナ団長:ううん……サクヤやペンタゴンだけ危険な目にはあわせられないよ。少なくとも、私も一緒に戦えれば回復だってできる。その為にはみんなで戦わないと。
サクヤ:しかし……純粋に戦力を考えると……主人もああ言っていましたし……。
エレナ団長:何を言っているのサクヤ! 私たちが目指しているが何か忘れたの?
サクヤ:ですが……。
エレナ団長:それに……あの時、最後に私だけ助かったとき、私は何もできなかった。相手が強いからって私は……。あのね、私はもう、何もせずに立ち止まりたくはないの。
サクヤ:………………。

 4人の間に沈黙が下りる。そして――

ペンタゴン:行こう。ヴォルケイノサウルスを倒しに。
エレナ団長:ペンタゴン!!
ペンタゴン:なぁに、俺がいる。俺がエレ――団長を、皆を絶対に守ってみせるさ。
フォトン:エレナさん! 私も……私も一緒に行く! 私のせいで……せいだし……。それに、私も強くなりたい! お兄ちゃんと一緒に冒険できるように!!
エレナ団長:………………
ペンタゴン:………………。
ペンタゴン:グシャっとフォトンの頭を撫でて――こいつは1人で希望のグリモアへ行き、冒険者にまでなったんだ。信じてくれないか?
フォトン:エレナさんをジッと見つめます。
エレナ団長:……フォトンちゃんの肩に手を――わかった、一緒に行こう。強くなりたい気持ちがあるなら、あなたも【エンドレスピース】旅団の一員だよ♪
フォトン:うん!!!
エレナ団長:えっと……――サクヤの方を見る。
サクヤ:……ふぅ。勝つなら方法は1つだけ。ヴォルケイノサウルスの一撃に耐え、次の攻撃より先に、私たちが全力でコンビネーションを叩き込むこと。
エレナ団長:サクヤ!
サクヤ:私は姫に仕える忍、少しでも勝てる見込みがあるなら、私は姫の決断に全力で応じましょう。



第11幕 無謀なる戦い……

 ヴォルケイノサウルスに勝てば、全ての借金はなくなる。
 エレナ達が向かったのは街の北にある火の山の洞窟。
 4人は装備に身をかため、確固たる足並みで洞窟へと入って行く。

GM:本気ですね? 引き返すなら今ですよ? いや、本当に……マジで!
エレナ団長:引かない。戦いもせず引くなんてできない――みんな! 気を引き締めてね!!
ペンタゴン:おう!!
フォトン:うん!!
GM:では……いいでしょう。私も覚悟を決めました。EXステージです。全員[幸運度]チェックして下さい。
エレナ団長:(コロコロ)……成功!
サクヤ:同じく。
ペンタゴン:俺は失敗。
フォトン:わたしも成功!!
GM:3人も成功してるなら、ヴォルケイノサウルスを発見できます。まだヴォルケイノはこちらに気が付いてないようです。
サクヤ:囲むことは可能か?
GM:可能ですが、その場合、戦闘開始の時点で全員が前列とみなします。
エレナ団長:構いません。
ペンタゴン:了解。ならサクヤは<ハイドインシャドウ>で後ろに回ってくれ。団長は左から、フォトンは右から周りこんでくれ。俺はガチャガチャうるさいから、正面から行く。
エレナ団長:……うん、そうだね。それじゃあみんな、位置についたら……一斉に攻撃かな?(笑)
サクヤ:ええ、遠慮はいりません。
ペンタゴン:コンビネーション決めろよ!
フォトン:全力で!!
エレナ団長:じゃあ深呼吸してから――私たちは強くなる! 【エンドレスピース】旅団!! 行くよ!!!
ペンタゴン:おう!
フォトン:うん!
サクヤ:はい!

◇戦術ポイント◇
「奇襲に成功した+4」
「相手を包囲した+4」
「士気が高揚している+2」
「絶対に負けられない理由がある+2」
「敵の有利な地形−2」
……合計戦略ポイントは+10点


 エレナ達が一斉にアビリティを放つ瞬間!
 ピクリとまぶたを動かしヴォルケイノサウルスが目を覚ます!

フォトン:勝つんだ! ぜったいに勝つ!!
ペンタゴン:ここで負けたら……俺は明日からまぐろ漁船!(笑)
エレナ団長:ペンタゴンとお別れなんてしない!
サクヤ:まさか……このレベルでこれに挑むことになるとは……。

GM:ではイニシアチブ!

◇イニシアチブ◇
[1]ヴォルケノサウルス、サクヤ(43)
[2]ペンタゴン(23)
[3]フォトン(20)
[4]エレナ団長(18)


GM:同時の場合は2人だけで振り直しだね。こっちは……43。
サクヤ:無理だ。38。
GM:それじゃあヴォルケイノサウルスから行動します。みんな死ぬなよ!(笑) ヴォルケノは周囲を見回して……ランダムで選ぶか(コロコロ)……サクヤに攻撃します。
サクヤ:来いっ!
GM:【体】攻撃(コロコロ)……8レベル成功。ちなみに[防御困難]ね。
サクヤ:……2レベル成功。無理。
GM:ダメージは84点。
サクヤ:1点減らして残り6点で生き残った。
エレナ団長:サクヤ!!
サクヤ:大丈夫です! そして私の番! グリモアエフェクト! ≪飛燕刃・奥義≫――その炎を吹き飛ばしつつ気魄の刃が迫る!
サクヤ:(コロコロ)……6。
フォトン:……10。
ペンタゴン:……16だ。
エレナ団長:私も6!
サクヤ:【技】の8レベル成功!
GM:(コロコロ)……3。16レベル回避。
サクヤ:くっ!!
GM:次は――
エレナ団長:今回は温存しない! 戦略ポイント1点消費! ペンタゴン、コンビネーション繋げて!!
ペンタゴン:おう!! ≪兜割り≫のグリモアエフェクト!!(コロコロ)……自分で1! 8レベル成功!
GM:【体】だよね?(コロコロ)……2。32レベル成功。回避しました。
ペンタゴン:くっ……絶望的になるな俺! まだ、まだまだだ!!!
エレナ団長:うん、弱気になっちゃダメ! フォトン、次はそっち!! 戦略ポイント消費のコンビネーション!
フォトン:いっきまーーす!! ≪エンブレムシュート・奥義≫グリモアエフェクト!! みんな、力を貸して!!
サクヤ:私が1。
フォトン:【心】8レベル成功の51点、クリティカルだから倍の102点!!
GM:(コロコロ)……8レベル成功。[ガード]は発生するから……それでも82点も通った。
エレナ団長:主戦力!?
ペンタゴン:末恐ろしい妹だ(笑)
エレナ団長:次は私、ポイント使って≪ブラックフレイム・奥義≫グリモア!(コロコロ)……サクヤの2で8レベル成功!
GM:残念、こっちも2だから32レベル成功。回避します。
ペンタゴン:くそ、一瞬なんとなかると思いつつあったのに!
エレナ団長:弱気にならない!! ポイント使用してコンビネーション! サクヤ!!
サクヤ:ええ、絶対的な強さなのは……はじめから解っていた。グリモアエフェクト≪飛燕刃・奥義≫(コロコロ)……フォトンの4で4レベル成功。
GM:16レベル成功で回避。
エレナ団長:ペンタゴン!!(コンビネーション発動、戦略ポイント残り6→5)
ペンタゴン:グリモアエフェクト≪兜割り≫(コロコロ)……フォトンの3を使って――
GM:こちらは32レベル成功。【体】攻撃など当たるものか。
ペンタゴン:本当に……くそっ!!! フォトン!!
エレナ団長:(戦略ポイント残り5→4)
フォトン:≪エンブレムシュート・奥義≫グリモアエフェクト! 負けたくない……それに、お兄ちゃんたちの役に立ちたい!!(コロコロ)……――
ペンタゴン:俺が2だ!
フォトン:8レベル成功!
GM:こっちは(コロコロ)……4レベルだと!?
フォトン:ダメージは51点【心】!
GM:フォトン強いな……ヴォルケイノサウルスはペンタゴンからフォトンのほうへ正面を変えます。
ペンタゴン:フォトン!!!
フォトン:こ、怖くなんて無いもん!! お前なんか……ぜ、ぜったいやっつけてやる!!
エレナ団長:私に後ろを見せるなんて……(戦略ポイント残り4→3)……あなたの相手はこっちよ!! グリモアエフェクト≪ブラックフレイム・奥義≫(コロコロ)……自分で1のクリティカル! 8レベル成功!
GM:(コロコロ)……こっちも8レベル!
エレナ団長:ペンタゴン! サクヤ! フォトンにばかりさせないで、私たちも……行くよ!!!――と2倍の82点ダメージ。
GM:ヴォルケイノサウルスは背中を焼かれて苦悶の咆哮をあげます!――しかし、そろそろ戦略ポイントも[幸運度]も(つまりグリモアエフェクトの残数も)尽きるころだろう?
エレナ団長:そ、それは……。
サクヤ:なら、私はペンタゴンとの感情を1つ削ってコンビネーション! だが、GMの言うようにグリモアは厳しい……普通に【技】攻撃……8レベル。
ペンタゴン:本気で尽きたのか!?
サクヤ:正直、もう私を戦力に入れるな。
ペンタゴン:!? っくしょう! 俺も自分から自分へ抱いている感情を1つ消去! それでコンビネーション! グリモアエフェクト≪兜割り≫!!
エレナ団長:(コロコロ)……3!
ペンタゴン:団長の使って8レベル成功!
エレナ団長:ペンタゴン!!!
GM:こっちは(コロコロ)……また20で4レベル成功!?
ペンタゴン:ダメージは45点!
GM:実は【体】の鎧強度低いんだよ……41点も抜けた。
エレナ団長:フォトンは感情貯まってないだろうから戦略ポイント消費(3→2)!
フォトン:お兄ちゃんに続きます! グリモア≪エンブレムシュート・奥義≫(コロコロ)……エレナさんの2で8レベル成功! 51点!
GM:こっちも8レベル!?
サクヤ:ペンタゴンよりダメージ高いな。
ペンタゴン:ほら、兄妹って妹のほうがスペック高いって俗説だし。
エレナ団長:続きます!(戦略ポイント2→1)グリモアエフェクト≪ブラックフレイム・奥義≫(コロコロ)……フォトンの2を取って8レベル成功! ダメージ41点!!
GM:こっちも8レベルで[ガード]……21点だけ通った!
エレナ団長:まだ倒れないの!?
ペンタゴン:さすがに……想像を超えてる……このままじゃ戦略ポイントや感情消費がどうこうじゃない。グリモアエフェクトが撃てなくなって、ジリ貧で負ける!?
サクヤ:そうだな……だが、諦めるのは負けてからだ! 今はただ、目の前の敵を倒すのみ! 感情消費でコンビネーション! ラストのグリモアエフェクト≪飛燕刃・奥義≫。これ以上はキマイラ化するから使えん!
フォトン:……13。
サクヤ:よりによって13が一番低いのか……2レベル成功。
GM:16レベル成功で回避しました。
サクヤ:くそ……最後の力が……。ペンタゴン!!
ペンタゴン:ああ、今はただ、目の前の敵を倒すのみ……だったな! 感情消費でコンビネーション! グリモアエフェクト≪兜割り≫! 基本で活性化してるから≪兜割り≫はこれで打ち止めだ!(コロコロ)……フォトンの4を取って4レベル成功だ!
GM:こっちは32レベル成功。
ペンタゴン:そんな……俺の最大が……これ以上は、俺も戦力に数えないでくれ。
エレナ団長:みんな! 心を折っちゃダメ! 私たちは……私たちは強くなるの! もう、誰かを犠牲になんてしたくない!!!――戦略ポイント最後の消費! フォトン!!!
フォトン:グリモアエフェクト≪エンブレムシュート・奥義≫(コロコロ)……2!
サクヤ:同じく2だ。
フォトン:(コロコロ)……16レベル成功! 59点!!
ペンタゴン:アビリティも[幸運度]も戦略ポイントも尽きた……頼む、ここで決まってくれ!!!
GM:(コロコロ)……3。16レベル成功。[ガード]で20点防ぎます。39点通し。フォトンの紋章術がヴォルケイノサウルスを捕える! 着弾の爆発が晴れると、そこには悠然と立つヴォルケイノサウルスが……。
フォトン:そんな……。
GM:しかし、次の瞬間、目をグルンと回すとズズーーンッ! 大きな音を立ててヴォルケイノサウルスは倒れ伏します。残りHPは38、39点通しでマイナス1点!!! 死亡!!!

『………………』

全員:『おおおおおお!!!!!(大喝采)』
フォトン:目の前で起こったことに呆然としてます。
ペンタゴン:後ろから乱暴に頭を撫でよう!――やったな! フォトン!!
サクヤ:少し微笑んであげよう――みごとだ。
フォトン:わたし……わたし……。
エレナ団長:フォトン、あなたが力を貸してくれたから、あのモンスターを倒せたのよ?
サクヤ:ふっ、まったくだ(笑)
ペンタゴン:ああ、本当に(笑)
フォトン:エレナ……さん?
エレナ団長:無事で良かった……これからもよろしくね、フォトン♪
フォトン:……うん♪ ……うんっ!!
ペンタゴン:さぁ、それじゃあ街へ戻るとするか!!




 朝靄が立ち込める中。
 『楽園スペース』の誓約書を持つホーネットの下へと戻って来る一行。
 ホーネットはペンタゴンに近づき――

GM:「さぁ、北の海へ」
ペンタゴン:ちょっと待て、後ろを見な。――ヴォルケイノサウルスの首とか倒した印がある。
GM:「……あひゃ!?」
ペンタゴン:約束の[裕福度]50だ。これで借金は帳消しだな。
GM:「あ、ああ……文句は無い……無いが……。お前さん達ドえらいことしはりおったわ! 本気で冗談のつもりだったのに……」
ペンタゴン:どっちだよ(笑)
GM:「そうや! そない強いんやし! もう1つ依頼を受けへんか!?」
サクヤ:断る。
エレナ団長:うん、ちょっと懲り懲りかな(笑)
フォトン:わたし、早くこの街出たい。
GM:「それは……残念やなぁ」
ペンタゴン:ところで近くに良い武器を売っている街って無いか?
GM:「それなら2週間ぐらい北に行った所に、そないな職人が住む街があると聞いた事がある。行ってみるとええで」
ペンタゴン:よし!
エレナ団長:じゃあ次はそこに行こうか。鍛冶屋さんのいる……街へ!!!

 耳を揃えて借金返し。
 カジノの街に朝日が昇る。
 激闘の夜が終わりを告げて、
 輝く光が目に痛い。

フォトン:あ……。
ペンタゴン:どうした?
フォトン:わたし……置いていかれる。
ペンタゴン:???
フォトン:だって……わたし、お兄ちゃんたちの旅団員じゃないし……。
エレナ団長:ペンタゴンと出合ったのは、あの廃墟となった街だった……。だから、フォトンが帰る場所が無いのは知ってる。
ペンタゴン:………………。
フォトン:エレナさん……。
エレナ団長:一緒に行こう、フォトン。だからさっき『これからよろしく』って言ったんだから♪
フォトン:え……その……いいの?
エレナ団長:抱きしめてあげよう。大丈夫、こらからは私たちがフォトンの帰る場所になってあげる。
フォトン:……う゛、う゛わ〜〜ん!! あ゛り゛が と゛〜〜〜〜! あ゛〜〜〜〜ん!!!
エレナ団長:よしよし(笑)
ペンタゴン:まったく……団長は……――と嬉しい俺(笑)
サクヤ:ふん、当たり前だ。
エレナ団長:フォトンのベソと鼻水拭いています。
フォトン:嬉し泣き中(笑)
ペンタゴン:あ、そうだサクヤ。実は相談があるのだが……。
サクヤ:???
ペンタゴン:実はいろいろあって[赤貧]でさ、金貸してくれ(一同大爆笑)

 新しい仲間、フォトン=イージスを加え、【エンドレスピース】旅団は再び歩き出す。
 目指すは鍛冶屋がいるという北の街。果たしてそこで待つものは……――




◆レベルアップ作業

ペンタゴン:しかし今日は辛かった……。
エレナ団長:そう? 勝てたんだから良いじゃない♪
フォトン:うん! びっくりしちゃった!
エレナ団長:フォトン強かったもんねー! これならどんな敵が出て来ても大丈夫ね!
ペンタゴン:あ〜〜その団長……。
エレナ団長:ん? なぁに?
ペンタゴン:その……今日の最後の戦いなんだが……なぁ?(サクヤに視線)
サクヤ:思うところは同じだ。ペンタゴンに頷く。
ペンタゴン:やはりサクヤもそう思ったか(笑)
エレナ団長:え? 何がどうかしたの?
フォトン:???
ペンタゴン:いや、今日みたいにコンビネーションで回し殺す戦術なんだが……。次回からなるべく封印しよう。
エレナ団長:え……なんで?
サクヤ:姫、いくらシナリオ終了時に多少回復するとはいえ、このような戦い方を続ければ、いつか[幸運度]が尽きて全員キマイラになってしまいます。
ペンタゴン:実際、俺やサクヤはキマイラ一歩手前だし。
エレナ団長:そっか……[幸運度]の問題があるのかぁ。
サクヤ:これが続き物のキャンペーンでなく、単発セッションならこの戦術も有りなのですが……。
エレナ団長:なるほどねぇ……うん、わかった。敵がいるからって無闇に戦うのはやめよう。この戦い方は自重する。
ペンタゴン:ああ、それがいい(笑)
フォトン:ねぇねぇ! それよりLVアップ作業は〜!!
GM:はいはい(笑) ではセッション終了という事でEXPを算出しましょう。
フォトン:わ〜〜い♪
ペンタゴン:あ、その前にみんなありがとー。[裕福度]を分けてもらったから赤貧を脱しました(笑)
フォトン:まったく、お兄ちゃんはしょーがないなー(笑)
ペンタゴン:(いや、お前のせいだろーが……)
GM:さて、旅団シートの[掟チェック欄]とプレイ時間のマスを合計しましょう。
エレナ団長:えっと……――

以下、【エンドレスピース旅団】のチェック欄
プレイ時間(実際にTRPGを遊んだ時間)      :■■■■ □□□□
「ここからが見せ場」(誰かが負傷状態になる)   :■■□
「返しの一撃は必殺」(カウンターで【強敵】を倒す):□□□
「タイマン勝負」(1対1の戦いで【強敵】を倒す)   :□
「救命の盾」(負傷状態の仲間をかばう)       :□□□□
「自己犠牲」(NPCをかばう)               :□
「無私無欲」(依頼人から報酬を受け取らない)   :■


エレナ団長:――……合計7マスです。
GM:ではEXPの計算は[掟のチェック数×旅団レベル×10=獲得EXP量]なので、7×7×10で合計490点のEXPですね。[幸運度]は4点獲得して下さい。
サクヤ:9レベルにならない……11点足りない。
エレナ団長:8レベル止まりだね。
ペンタゴン:フォトンはどうだ?
フォトン:いっきに4レベルになった!!
GM:フォトンは1レベルからのスタートですし……まぁあと1〜2回もやれば、すぐに追いつきます。それではみなさん、今日はお疲れ様でした〜♪
一同:『お疲れ様でした〜!』


無限のファンタジアリプレイ(5) 了

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