【エメルダの気まぐれ】宝石商のお仕事



<オープニング>


 外はすっぽり雪化粧。貧しい人々には厳しい季節だけれど、エメルダの部屋にはその冷たさは入ってこない。温かな空気に満たされた贅沢な室内にいるのに、それでもエメルダの機嫌はよくなかった。
「あの……エメルダ様? どうかなさいましたか?」
 侍女がおどおどと尋ねるのに、エメルダはちらりと目を向け。
「お父様の上機嫌は私の不機嫌に繋がるのよ」
「もしかして、ハンゼル様のこと……でしょうか?」
「分かってるならその名前を口にしないでくれる? 私をこれ以上不機嫌にさせたくないんだったら」
 もちろん……侍女は素速く口を閉じて花瓶を手に取ると、花の水をかえにいくのだと主張するように胸の前に掲げ、部屋を出て行ったのだった。

 数日後――。
 冒険者の酒場に依頼を持った侍女がやってきた。もうお馴染みの顔に、リゼルは微笑みかける。
「エメルダさんは、今度は何が欲しいって言ってるんですか?」
「今日は物を取ってきてもらう依頼ではなくて、調査のお願いなんです……。宝石商をしているハンゼル様のことを調べていただきたいと」
 侍女の言葉はすらすらと出てこないが、リゼルは気にせず、はいはいと請け負う。
「調査依頼ですね。分かりました。でもどうしてこの方の調査を?」
「ご存じないかと思いますけれど、その方はエメルダ様の婚約者様なんです。どうしてもお相手のことを知っておきたいと、エメルダ様がおっしゃるものですから……」
 侍女は依頼の内容をリゼルに話した後、小さくたたまれたメモを取り出す。
「あと、こちらはエメルダ様からお預かりしてきたものです。リゼルさんに渡しておいて欲しい、とのことですので……」
「私に?」
「はい。ではよろしくお願い致します」
 丁寧に頭を下げると、侍女は酒場をあとにした。


 冒険者の酒場に、調査の依頼がはりだされた。といっても、調査される本人の耳に入ってしまうといけないので、調査する相手の名前は、依頼を受けることを決めた冒険者のみに伝えられる。
 相手の名前は、ハンゼル。37歳。子供の頃から父親の宝石商を手伝っていて、5年ほど前からは父親からその店を任され、ハンゼルが店主となった。それ以来、店は以前にも増して繁盛の一途。やり手で名高い商人だ。
「依頼の内容はハンゼルさんの身辺調査です。依頼はただそれだけなんですけれど……エメルダさんからのメモに、気になることが書いてあったんです」
 リゼルはそのメモも冒険者に提示する。
 それによれば、ハンゼルの店周囲では、ここ数ヶ月、行方不明になる人々が絶えないらしい。
 行方不明になるのは、10代の人々が中心だった。その姿がある日突然消えてしまう。何度も捜索が行われはしたが、その中の誰1人として発見されていない。
 親は子供の1人歩きを禁じることでそれを防ごうとしたが、それでも事件は収まらず、今度は一緒に行動していたと思われる数人が一度に消えてしまった。
 夜歩きを禁じても、今度は昼間にいなくなる……という具合で、手の打ちようもない。
 街のそこここでならず者を見かけることが多くなったこともあり、周辺の人々は不安な日々を送っているのだという。
「こんなメモをつけてくる、ってことは、エメルダさんはこの事件とハンゼルさんの間に、関係があると思ってるのでしょうね。ですから、こちらもあわせて調査した方がいいと思います。エメルダさんのことですから、身辺調査にこの事件のことが含まれていないと、調査不十分だと怒り出すでしょうから」
 お嬢様って難しいものですね、とリゼルは苦笑した。

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参加者
九天玄女・アゼル(a00436)
想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)
朱弦月の紡師・オラトリオ(a00719)
蒼輝の珠玉・クウォーツ(a00767)
妖精弓の射手・シズク(a00786)
天魁星・シェン(a00974)
天速星・メイプル(a02143)
天捷星・シンキ(a03641)


<リプレイ>


 エメルダから婚約者ハンゼルの身上調査を頼まれた冒険者たちは、手分けしてその情報収集を開始した。
 闇に舞う白梟・メイプル(a02143)はまずエメルダの家を訪ね、婚約に至った経緯等を侍女に尋ねてみる。
「あのお話は、ハンゼルさんから持ってこられたんです。舞踏会でエメルダお嬢様を見かけて、この人こそはと思ったんだそうですわ」
 お嬢様は舞踏会の間は口を開きませんので、と言ってから、侍女は慌てて口を押さえる。その様子にメイプルは微笑を向けた。
「エメルダ様のお父様はハンゼルさんのことをどんな方だと思われているのでしょう?」
「商才のある立派なお金持ちだと。私は見かけたことはないのですが、腰の低い礼儀正しい方だそうですわ」
 商人であるエメルダの父にとって、商売上手だというのは評価が高い。その上、裕福となれば申し分ない相手だ。
 娘を嫁がせようと思うくらいだから、エメルダ家で聞いたハンゼルの噂はほとんどが良いものだった。だが侍女は気がかりそうな顔になって付け加える。
「ハンゼルさん、前の奥様を病気で亡くされているんです。死別された方には想いが残ると言いますから、それが心配で……」
「お仕えする方のことですもの。心配するのも当然だと思います」
 声が小さくなる侍女に、メイプルは共感をこめて頷いてみせた。

「婚約はハンゼルからの申し入れか……」
 メイプルから話を聞いた灰色の鴉・アゼル(a00436)は、ハンゼルの店周辺で道行く人や街にある他の宝石関係の店に、ハンゼルのことを聞いてみる。
 理由を問われれば、一部だけに嘘を取り混ぜて答え。
「自分の使えている娘がハンゼルと婚約するやもしれぬという噂を聞いた侍女が心配し、相手のことを秘密裏に調べてもらえないかと頼んできた。私とその侍女は以前依頼で関わったことがあって、顔見知りだった故……」
「まあ。ハンゼルさんが結婚するの?」
 ぱっと顔を興味に輝かせる相手に、アゼルははっきりと首を振る。
「いや、あくまでも噂というだけの話だ」
「でも、噂が出るってことは、何かあるのよね。若い頃は色々あったし、奥様をもらえばもらったで早世してしまうし。ここで本当に落ち着いてもらえるといいわね」
 明るいニュースの気配にうきうきとしている女性に、アゼルはもう1度、これが不確定な情報であることを念押しした後、尋ねる。
「若い頃はいろいろ、とは?」
「悪い仲間にひっかかって色々あったのよ。怪しい壺を高額で売りつけたり、人の弱みを探しては強請ったり……。あ、でも今は真面目な仕事ぶりらしいわよ。人は変わるものなのね」
 悪口になってはいけないと思うのか、女性はそう付け足した。

「……悪い仲間……ですか」
 アゼルから情報を受けた朱月の絃奏師・オラトリオ(a00719)は野良猫の前にかがみ込み、獣達の歌を歌った。質問を歌にのせる必要があるので、周囲をはばかりこっそりと。
 尋ねるのは、ハンゼルの店に柄の悪い人物が出入りしていないかどうか。
「みにゃ〜〜」
「……そうですか。柄が悪いかどうかは分からないけれど、夜中に何人もの人がどやどや出入りしてるんですね」
 猫の返事にオラトリオは頷き、再び歌に乗せて質問を重ねる。
「♪ その出入りしている人が〜どの人なのか〜分かりますか〜? もしこの近くにいたら〜教えて欲しいのです〜 ♪」
「にゃん」
 猫はきょろきょろと辺りを見回すと、てててと走り出し……いかにも柄の悪そうな男の足下で止まり、オラトリオを見上げた。
 オラトリオは目に感謝をこめて猫を見た後、じっとその男を観察した……。

 オラトリオから教えてもらった男を、妖精弓の射手・シズク(a00786)は徹底的に尾行した。
「ハンゼルとは年も離れているし、これって政略結婚ってやつだよね。何だかエメルダが可哀想……」
 その為にもしっかり調査しようと、シズクははりきった。
 つけている男は、やたらと羽振りが良い。酒場では懐を気にする様子もなく酒瓶を空け。着ている物も、着崩してはいるが品は悪くない。仕事もしていないのにどこからそんな余裕が出てくるのか。
 つけ回しているうち、男が常に数人のごろつきたちと一緒に行動していること、この辺りばかりをうろついていること、そして……10代前後の人々を品定めでもするような目でじっと眺めていることが多いこと、などが分かってくる。が、シズクが疑っている、ハンゼルとの結びつきは出てこない。
「尾行だけじゃこれくらいが限界かなぁ……。後はお願い」
 シズクは九紋龍・シェン(a00974)に後を託し、自分は他の宝石商からハンゼルの背後に黒い噂がないかどうか調べにかかった。

「暮らしに不自由はねぇとはいえ、こういう点じゃあ面倒だねぇ、お嬢様ってのも」
 シェンはやれやれと言った様子で呟いた。知らない仲でもないし、調査不十分だと怒鳴られても堪らない。シズクからの情報を元に、シェンは彼らの行きつけだという酒場へと入っていった。
 酒場のテーブルでは、いかにもという様子の男たちがジョッキ片手に盛り上がっている。シェンはそこに近づいて行って声をかけた。
「よぉ兄弟、近づきの挨拶に一杯奢らせてくれねぇか?」
 酒場のマスターに合図して酒をふるまい、自分もテーブルについて乾杯する。最初は何だろうという目つきをしていた男たちも、酒を酌み交わして雑談しているうちに、うち解けてくる。
 シェンはもう1杯酒を追加しておいてから話を切り出した。
「この街でうまい話があるってぇ話を聞いて流れてきたもんなんだが、アンタら何かしらねぇか?」
 その途端、賑やかに喋っていた男たちの会話が止まり、テーブルはしんと静まった。1呼吸おいた後、取って付けたように笑い崩れ。
「うまい話なんて、そうそう転がってやしないさ」
「そりゃそうだ。けどよ、『きれーな売り物』の仕入れだのやるって話を聞いたんだよな」
 とぼける処にはたたみかけ。シェンはほろ酔いのごろつきたちに揺さぶりをかけながら、じりじりとその中に入っていった。

「贈り物をしたいんだが……この辺に良い店は無いか?」
 質の良い服に旅行者のようなトランク。裕福な青年を装った求光・シンキ(a03641)は、ハンゼルの店がある街で尋ねて回った。ハンゼルの店の名前があげられれば、店主の人柄などの噂話につなげ、情報を集める。
「そうねぇ。高価な贈り物をするならやっぱりハンゼルさんがやっている宝石のお店かしら。お金持ちの出入りも多いようだし。ハンゼルさんも感じの良い人よ。店員さんのうちの1人はちょっと感じ悪いけど……それ以外は良いお店だと思うわ」
「ではその店を覗いてみるとしよう。宝石を持ち歩くとなると、街の治安が気になる処だが……」
「治安はまぁまぁ……といいたい処なんだけどねぇ」
 老女は大仰にため息をつくと、最近この辺りを騒がせている事件について話してくれた。それはエメルダから得た情報とほぼ同じ。10代の男女が神隠しにあう、というものだ。
「神隠しにあった者の容姿はどうだったんだろう?」
「綺麗な可愛い子ばかりだったわ。だからこそ、魔の物に狙われてしまったのかもしれないわね」
 可哀想に、と老女は痛ましげに首を振った。
 老女と別れた後、シンキはハンゼルの店を訪れた。店の雰囲気は悪くない。老女の言った通り、店の奥に目つきの悪い男性がいる。
「女性に贈り物をしたいんだが……ラピスラズリの指輪かアクセサリーで良いものは無いか?」
 試しに話しかけてみると、男性は手近にいた店員を呼び寄せ、代わりに応対させようとした。
「いや……大切な人に贈るものなので……できれば店長を呼んでくれないか?」
 シンキが頼んでみると、男性はじろりとこちらを見た後、ハンゼルを呼びに行った。
「いらっしゃいませ」
 丁寧に頭を下げるハンゼルからは、若い頃荒れていた名残は見られない。シンキに言われるまま、ラピスラズリのアクセサリーを出してくる様子も腰の低い店主そのものだった。
 目利きではないシンキには、アクセサリーの値段がふっかけであるのかどうかは判断できない。ハンゼルが薦める瑠璃色が綺麗に出た石で出来た指輪は、確かに良い品であるようだったが、値も相当に高価だった。
 ハンゼルの口はなめらかであり、親しげな笑顔と礼儀にかなった態度もあわせ、客の購買意欲を誘うものだった。商人としては優秀だといえるだろう。
 指輪の箱を包んで貰う間、シンキは世間話のように神隠しのことを聞いてみる。
「この辺で誘拐が起きているようだが……大丈夫だろうか?」
 その問いかけに、ハンゼルは苦笑する。
「本当に誘拐なのかどうか。若い頃にはふらりとどこかに行きたい欲求に駆られるものです。それを神隠しだと騒ぎ立てているだけ、ではないんでしょうかね」
 さらりと答えると、ハンゼルは指輪の小さな包みをうやうやしくシンキに渡した。
「ありがとうございます。ぜひまたお越し下さいませ」


 それぞれの調査を終えると、冒険者たちは集めた情報を持ち寄った。
 ハンゼルの表向きの評判や人柄等、通常の身上調査をまとめ……問題は神隠し事件とハンゼルに関係があるのかどうか。
「なにやらきな臭くはあるんですがねぇ」
 決め手がない、と首を振るオラトリオに、輝石の皇子・クウォーツ(a00767)はやはり、と口を切る。
「囮作戦しかないじゃろう。もう少し踏み込んでみないことには、尻尾は掴めないと思う」
 囮作戦には危険が伴う。とはいえ、こちらは冒険者。簡単に後れを取ることはないだろう。
 クォーツと想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)は姉弟のように連れだって街を歩いてみることにした。2人の後はメイプルとシズクが追い、誘拐の手口を見極めようという作戦だ。
 しばらく歩き回ってはみたものの、すぐに浚われる気配はない。
「ハンゼルさんのお店に行ってみましょうか」
 このままでは埒があかないと、ラジスラヴァはクウォーツを連れてハンゼルの店へと入っていった。
 店にいるのはハンゼルと、あの目つきの悪い店員だけ。すぐにハンゼルが気づいて、いらっしゃいませ、と笑顔で近づいてきた。
「今日はどのようなものをお探しですか?」
「お友だちのお祝いに上げる装飾品をお願いしたいんです」
 ラジスラヴァが言うと、ハンゼルはその相手が男性なのか女性なのか、予算はどれくらいなのか、等を聞きながら装飾品を幾つか並べてくれた。その間もラジスラヴァはちらりと店員の仕草に目をやり、怪しい動きがないかどうか確かめていた。店員は奥に座ったきり、こちらに目もくれない。随分態度の大きい店員だ。
 アクセサリーを選び終えるとハンゼルは、後は店員に任せ、用を思い出したことを詫びながら外に出て行った。
 むっつりとしたままの店員からアクセサリーを受け取り、2人が店を出て行く……その時。見送りに出ていた店員がクウォーツの腕を掴んだ。
「なにをするのじゃ?」
 振り払おうとするクウォーツの腕をしっかりと片手で掴んだまま、店員はそのポケットを探り、そこから宝石を取り出した。
「な……」
「こういうことをされると困るんだ。裏に来て貰おうか。姉さんも一緒にな」
「わしは何も……」
 反論しようとするクウォーツに、店員は外の通りを目で示す。
「騒ぎになるとまずいんじゃないか。申し開きがあるなら、人目につかない処でしな」
 店員は有無を言わさずに2人を奥へと連れ込み、そこに待機していた仲間に命じて捕らえさせた。
 おとなしく捕まったまでは良かったが……後ろ手に縛られ、猿ぐつわをかまされた状態では動きが取れない。庭を通り、薄暗い廊下を通り、どこかに移動させられる間、目ばかりをきょろきょろと動かし、2人は周囲の状況を探った。
 監禁部屋まで来ると、宝石店の店員はクウォーツとラジスラヴァの首に宝石のペンダントをかける。
「これで宝石の値段が何倍にもなるんだから儲けもんだ。売れるまでしっかり見張っておけよ」
 俺は店に戻るから、と店員は後を見張りに任せ、廊下を戻って行った……。

 ハイドインシャドウを使って2人の後をつけていたメイプルは店員が戻るのに先んじて店を出ると、シズクをその場に残し、仲間の元へと急いだ。
 アゼルは戻ってきたカインを抱き上げると、何も結ばれていない首もとを指で撫でてやる。
「シェンも潜入に成功したようだな」
 後は、潜入した3人が内部の様子を探り終えた頃を見計らい、踏み込んで証拠を押さえるだけ。
「早めに助けに行きましょうね。もしクウォーツくんの身に何かあったら……僕がお兄さんたちに殺されかねませんから」
 オラトリオは何かを思い出すような遠い目で呟いた。


 あまり時間をおくと、囮の居場所が動かされてしまう可能性もある。冒険者たちはその日の夜、店が閉店するのを待ちかねて内部に踏み込んだ。
 中からシェンの手引き、そして冒険者としての力があれば、侵入してごろつきたちを無力化するのは簡単なこと。
 捕らえた者、捕らえられた者の関係はあっという間に逆転し、その場には捕縛されたごろつきたちが転がることになった。
 縛めが解かれたクウォーツは、オラトリオをこつんと小突く。
「……遅い」
「すみません」
 とは言うものの、実際は捕まってから半日も経っていないのだが。
 捕らえられたごろつきは冒険者たちによって尋問され、この事件がすべて……ハンゼルの宝石店に勤める店員の指図であったことを白状した。
 見目の良い少年少女を浚っては、宝石と一緒に売りさばく。その差額はすべて自分が使ったのだと店員は言い張った。そして、このことはハンゼルが預かり知らぬことなのだと。
 まさか店主に内緒でそこまでのことができるとは思えないが、ごろつきの誰に聞いてもハンゼル自身の名が出てこない。内部に紛れていたシェンも、ハンゼルの名を聞いたことはなかった。この事件に関して、ごろつきたちに知らされていたのは、店員の存在だけ。
 売られた宝石たちの行方に対しては、店員はどれだけ脅しても口を割らず、ただ忘れたのだと繰り返す。
 証拠が無く解放されたハンゼルはひどく嘆き悲しみ、両手で顔を覆った。
「なんということを……。私の知らぬ間にこんなことがなされていたとは」
 ……その下にある表情は見えない。

 冒険者たちは、この顛末を記してエメルダの元へと届けた。これが現在、ハンゼルに関して判っていることのすべて。
「…………ありがとう。このことは外部には内密に」
 調査書に目を通したエメルダは、何事かを考えている様子で礼を言った。ラジスラヴァはにこにこと、エメルダの手を取る。
「エメルダさん、良かったですね。愛する婚約者の方が事件に関係していなくて」
 エメルダは意味が解らずにきょとんとし……次の瞬間には真っ赤になり、ラジスラヴァに向かって報告書を投げつけたのだった。


マスター:香月深里 紹介ページ
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参加者:8人
作成日:2004/02/09
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