フェーティ〜春の祝い〜



<オープニング>


「さて、お前さんたち時間はあるかね?」
 伽羅の霊査士・メイズ(a90074)がそう、冒険者たちへ声をかける。
「マファーナのエルフたちの春の祭りで、フェーティと言うのがあるんだ。ニターウナで産卵したマファーナリクガメの卵が孵って、森へ向かうとフェーティの祭りなんだが。ヴアサーリでもその祝いの準備として、材料を集めるのを手伝っていてな、他にも護衛士以外の冒険者たちの手も借りて材料を集めた。その礼も兼ねた招待だ。そんなわけなんで、お前さんたちも何か持ち寄ってチャーヌの人々と交流してみないかい? 一応言っておくが、未成年の飲酒は禁止だ。飲み過ぎたり、暴れ過ぎたりもしないようにな?」
 そう言うと、メイズはにっと笑って冒険者たちを見回した。

マスター:月草 紹介ページ
 月草(つきくさ)です。皆様よろしくお願い致します。
 エルフの国、マファーナの春のお祭りです。のんびりしてくださいませ。
 お買い物などが出来る場所はありません。特別に作られた料理を楽しんだり、料理を差し入れたりするのが無難かと思います。
 挨拶をされた方の人数があまり多くなり過ぎなければ、ウールナやラング、ベニトも皆様のプレイングで呼び出し可能ですが、ゲランは無理です。ごめんなさい。

 参加される方はプレイングに出来ましたら、イメージカラーか好きな色と、好きな植物を1つ、お書き添えいただけると幸いです。チャーヌの人々からの手土産(アイテム)に影響します。
 それでは皆様のご参加、ご活躍をお待ちしています。

参加者
NPC:伽羅の霊査士・メイズ(a90074)



<リプレイ>

●準備?
 メイズへ挨拶をしたシュシュは、チャーヌの人々へたくさん菓子類を渡す。タルトやクッキーなど、喜ばれそうな物をシュシュは持って来ていた。
「フェーティは初だなぁ、ここはどんなお祭りなんだろ」
 カムロはそう言って、周囲を見回す。故郷の祭りと違いがあるのか、楽しみにしているようだ。
「ヴアサーリ護衛士としては精一杯楽しむのがお仕事なのですよー」
 カナタは元気よく、笑顔でそう言う。
 大きなバスケットへ多種多様な料理を詰め込み、持参したエメルディアも、様々な人々へ挨拶の声をかける。ゼソラは持参した保存出来る食べ物を手土産に、周囲の人々へ挨拶の声をかけた。
 アロイは魚の燻製を作り、土産に持参する。
「皆、喜んでくれるといいのですが」
 菜の花にタイとエビを散らした寿司に、イチゴと桜のムースを用意して来たメイは少々不安そうに呟く。心を込めて作ったから、余計に喜んでもらえるか不安になるのだろう。
 ハーゼは桜のフレーバーティを使った、紅茶のパウンドケーキと紅茶を用意して来た。
「くぁ〜まっつり〜だ祭り〜〜♪」
 楽しそうに言うヒナタは椰子の実を大量に持参し、手土産としたようだ。シンはレモンパイを差し入れに持参した。
「ランドアースの食材とお菓子です。皆様の口に合うかわかりませんが、自分にとって美味しい物を持って来ました」
 ノリスはそう言いながら、チャーヌの人々へ持参した菓子や果物を手渡す。
「今日までの準備お疲れ様である!」
 ディスティンはそう言って、フェーティの下準備として、食材を集めて来た冒険者や、ヴアサーリの護衛士へ声をかけた。
「今回は準備のお手伝いをあまり出来ませんでした」
 それが心残りだと呟きつつも、タケルは持参した食材を使い、料理を用意する。大根と肉を煮込んだり、菜の花を蒸し、塩をまぶしたりしているようだ。見知った冒険者へ挨拶の声もかけつつ、タケルは料理を仕上げた。

 タニアは怪獣を1匹狩って持参して来たらしい。チャーヌの人々へ、料理は任せると言いながら、タニアは狩った獲物を引き渡した。
「料理人として、このイベントは見逃せねぇぜっ!!」
 ヴァルはきっぱりとそう言って、料理の準備に余念がない。
「料理の鉄蜥蜴の絶品料理、じっくり味わってくんなっ♪」
 料理を振舞う気満々でヴァルは祭りに参加したのだ。次々にヴァルは料理を作って出し始めた。
「あ、運ぶものあれば手伝うぞー」
 ユナンはそう言って、用意された料理をテーブルへ運ぶ。途中転んだりもしたが、その時は果物を持っていた為、大事に至らない。
 メイロゥは出来上がって行く料理を見回し、笑顔を浮かべる。
「つまみ食いが一番美味しいし、楽しいよね」
 そう言いながら、メイロゥは隙を見て、一口料理を口に運ぶ。見つかってメイロゥはしっかり怒られたりもしたようだ。
 フィー(a05298)は大量のメロンパンを用意する。
「甘くて美味しいので、マファーナで大流行間違いなしですよ〜♪」
 そう言ってフィー(a05298)は、マファーナのエルフたちへ用意したパンを配って歩く。
 ザインは釣り上げられた魚を調理し、料理が並べられたテーブルへ運ぶ。湯を沸かしたノリスは薬草茶を用意し、人々へ配った。
 メルフィは釣った魚をさばき、フライにする。料理が得意な知り合いに教えてもらい、練習して来たらしい。出来上がったフライをメルフィはよく知る冒険者のところへ運んだ。
「……お味はどうかなぁん?」
 ドキドキしながら尋ね、美味しいと返事をもらったメルフィはほっとして笑顔を浮かべた。

 アリエノールは準備の手伝いが出来なかった為、大量に焼いたスコーンを手土産として持参する。アリエノールの傍には、彼女の婚約者であるソリッドの姿があった。
 サキラは故郷で作る、芋のスープを差し入れに用意し、暖める。お祭りは大好きだが、サキラは実は、故郷以外のお祭りに参加するのは初めてなのだ。
「わ〜! 色んな料理があるよ! 見た事もないような物もいっぱいだし、今日は食べがいがありそうだね♪」
 リュウはそう言って、周囲を見回す。
「食べ……じゃなくて楽しみつくすぞ〜!」
 気合を入れたリュウは、笑顔で言う。
「ぅは、食べ物たくさんだ〜♪」
 並んだ料理を見て、ユナンも目を輝かせた。
「冒険者の特権と言えば特権なのかもしれないけれど……、全く未知のものに触れる機会は活かさないと……ね」
 そう言って、ロディウムは笑みを浮かべる。
「フェーティか。どんな料理があるか楽しみだなぁーん」
 レイチェルは楽しそうに言う。レイチェルと共にいるフラヒもやはり楽しみにしていたようだ。
 料理が得意ではないフラヒは美味しい料理を食べると幸せな気持ちになるからと、かなりがんばってレイチェルに作り方を教わる。皆が幸せになるといいなと考えながら、フラヒは下ごしらえをすませた。
 レイチェルとフラヒは肉や野菜をそれぞれ下ごしらえし、カメ型の塩釜を作って焼き上げる。出来上がった料理をテーブルへ運んだ2人は、カメ型の塩釜を見た村人がとても喜ぶ様子を見る事が出来た。

●カメ見学
「やっぱ、フェーティと言ったらコレだろ!」
 リュウヒメはそう言って、邪魔にならずマファーナリクガメの行進が見えるスポットへ案内する。
「子カメさんどんな感じなんでしょうか? やはり子カメでも大きいんでしょうか?」
 リディリナはマファーナリクガメに興味があるらしく、そう呟く。
「マファーナリクガメって……どんな生き物なんでしょう?」
 生まれたての小さなカメを想像していたメイフェアはそう言って、興味津々な様子を見せる。想像よりもずっと大きな子カメを見たメイフェアはかなり驚き、遠い地にいるある人にも見せたかったと思いを馳せた。
 デューンはペットのペンギンを引き連れ、マファーナリクガメの孵化を眺めに海へ向かう。ほとんどのカメが孵っていたが、わずかに残った子カメが孵る様子を見る事が出来たようだ。
「エリスは、色々な動物さんが好きなのですよ〜」
 エリスはマファーナリクガメの行進を見守る冒険者たちへ、そう話しかける。蛇は苦手だが、小さな物なら可愛いかもしれないと思えるようになったらしい。
 セイガはペットのカメと共に、マファーナリクガメの行進を見守る。去年よりも少なく見える子カメの様子に首を傾げた。
 小さくちぎったパンを、フィー(a05298)は子カメの進路にまく。
 去年はマファーナリクガメにばかり、視線を向けていたフィー(a17552)。今年はチャーヌの人々の過ごし方を真似てみようと、フィー(a17552)は気合を入れる。
「……でも、マファーナリクガメ可愛いなー」
 やはり、カメの動きに目移りしてしまうフィー(a17552)であった。
「リクガメさん、子供、可愛い、がんばる、いい。お母さんに会えるからがんばるなぁん」
 ストライダーのウィリアムはそう言って、子カメを応援する。少しの間、ウィリアムはカメと並んで歩いた様子。

「あのカメたちもいつか、長い旅路の果てにまたここに帰って来るのかな……?」
 マファーナリクガメの行進を眺め、クラウディアは今年は少し違って見える、かな? と首を傾げる。
「願わくば、また……いつか、再会の刻を」
 クラウディアはそう小さく呟き、柔らかく目を細めると周囲を見回した。
「大人のカメは、人が乗れるくらい大きいのでしょう? この子たちもそうなるのかと思うと楽しみですわね〜」
 イングリドはそう言う。
「大人になってこの道を戻る子はどれくらいいるのかしら……」
 海から森へと戻る、マファーナリクガメを眺め、リンディはそう呟く。
「一人前になっても、ずっと元気でいてくれたらいいですね」
 リンディの言葉に、イングリドは頷きながら笑顔を浮かべた。

●食べて飲んで
「今年もフェーティを無事に迎えられた事に……乾杯!」
 そう言って、ディスティンは手にしたカップをメイズのカップへ軽くぶつけた。
 マファーナの人々と同じエルフであるファオは、祭りに参加し、ぜひ交流をしてみたいとやって来たらしい。咲き誇る菜の花を描いた皿に、菜の花のおひたしを乗せ、ファオはテーブルへ皿を乗せる。テーブルに並んだワイルドファイアの料理にわくわくしながら、ファオはさっそく手を伸ばした。
「今日はまったり楽しもなぁ」
 テンオーは笑顔でそう言い、知った顔へ声をかける。タケノコご飯や焼きタケノコ、それに酒樽をランドアースから持参したテンオー。彼は持参した料理をテーブルに並べ、食べたり飲んだりしながら楽しむ。
 シュシュは並んだ料理を美味しく口にしながら、作り方を尋ねる。特別料理はともかく、普通の料理の作り方は教えてもらえたようだ。
「美味い料理食えるんだから、これくらいはしねぇとな」
 そう言いながら、シャールヴィはランドアースから持参した酒を笑顔でチャーヌの人々へ勧める。フェーティの特別料理を受け取ったシャールヴィはどうどんな料理なのか、尋ねたりもしていた。
 並べられた料理について、あれこれ尋ねるゼソラ。お祭りの特別料理は特殊な材料を使っている為、あまり教えてもらえなかったが、他の料理についてはゼソラも色々と聞けたようだ。
 問題行動を取る者がいるとは限らないが、問題行動を取る者がいた場合に冒険者たちの様子を確認する為、ザインはテーブルの周りを巡回していた。
「春祭りか〜祭りっていいよな♪」
 楽しそうにハーゼは言い、笑顔で周囲を見回す。もちろん持参したケーキはしっかり口にしている。テーブルに供される料理や飲み物を口にし、シンはのんびり過ごしている様子。
 さまざまな物を、珍しそうに見回すティー。にこにこと笑顔を浮かべて、料理を楽しんだり、人々の様子を楽しんだりしている。ティーは興味を覚えた出来事をすぐに見たり聞いたりし、料理も含めた祭りを楽しんでいた。

 ペンギンの着ぐるみを身に着けたプラムは、フェーティを楽しむ人々へ、食べ物を配ったり、テーブルにあるカップへ飲み物を足したりして回っている。困っていそうな人を見つけては、お菓子を渡したりもしていたようだ。
「こう言うのもあるんだなぁ、美味いなあぁ」
 やはり準備に参加出来ず、心苦しく思いつつもセレストは用意された料理を口に運ぶ。セレストはあれこれ料理を口へ運びながら、心の中では子カメの行進を応援してもいた。
 干し貝を以前分けてもらったリュウヒメはシュウマイを作り上げ、人々に振舞う。
「くぁっは〜〜♪ お祭りバンザ〜〜イ♪♪」
 非常に幸せそうな笑顔を浮かべ、ヒナタは大量の料理をとにかく平らげていた。デューンは祭りの特別料理を優先して口に運ぶ。
「特別なご馳走だから、しっかり味わって食べないといけないですねぇ♪」
 笑顔でそう言いながら、エリスは用意された食べ物を口へ運んだ。供される料理に興味津々のサキラ。後先考えず、大量の料理を食べて、苦しい目にあった模様。
 アリエノールとソリッドは2人でのんびり口にしつつ、宴会の料理を口にする。
 リンディは青梅の蜂蜜漬けや梅の紫蘇漬けをテーブルに出し、こっそりとそれを口にしたマファーナの人々の反応を確認する。驚いたり喜んだりしている様子を見て嬉しそうだ。
「真っ先にメイズに知らせたかったんだけどさ」
 照れ笑いを浮かべながら、セイガはメイズへ結婚の報告をする。
「幸せなら、それがなによりだ。直接の報告も、嬉しくはあるがね」
 祝える機会はそうあるわけじゃないからなと言い、メイズはにっと笑ってセイガへ返した。
 アロイは料理を出したり空いた皿を片付けたりと、裏方に回って行動する。アロイはメイズの前に直接出るのが、少々気まずい状態だったが、メイズの様子にはやはり気を配っているようだ。

「美味しい……採りに行ったかいがありましたわ。……チャーヌの皆さん、来年もがんばらせていただきますね」
 巨大貝を採る手伝いをしたウィスは貝の器に盛られたサボテンのゼリーを口にし、嬉しそうに言う。
「ケーキ、ある、一緒、食べる」
 そう言って、持参したケーキをウィリアムは差し出した。
「僕にとってワイルドファイアは故郷だけど……お祭には参加した事なかったからなぁ〜」
 すごいすごいと目を見張り、ハルトは並べられた料理に大喜びで言う。
「美味しい〜!!」
 出された料理を口にして、ハルトは幸せそうな笑みを浮かべる。
「フェーティに参加したのは初めてですが、ぜひまた来たいですわね」
 奏でられた音楽にあわせ、踊りも披露したエメルディアは笑顔でそう言った。メイも歌や舞を披露する。
 リディリナは持参した竪琴で、曲を奏でる。もちろん、喜ばれたのは言うまでもない。
 ロディウムは昔覚えた歌を披露したりしつつ、マファーナで歌われるような曲を聞いたりもしていた。

「子ガメじゃないけど、訳あってしばらく留守にさせてもらうな♪」
 祭りも終わる頃、リュウヒメはそう言って、ヴアサーリの護衛士団員へ挨拶の声をかける。リュウヒメは気をつけてとか、またねとか、そんな挨拶の言葉を受け取ったようだ。
「エビのしっぽでも釣れるかな?」
 カムロはそう言いながら、エビのしっぽを手にする。
「これで釣れたら才能あるよ私ら絶対」
 カナタはそう言いながら、釣りの準備を整えた。カムロとカナタはやる気満々で釣りに向かう。

「貴方とお祭りに参加出来て……とても嬉しいです」
「ここはいいところだな……」
「ハーズやニターウナも、ご一緒出来たらいいですね」
 アリエノールとソリッドは2人、祭りの場から離れてゆっくりと波音を耳にしながら、海岸を歩く。祭りの喧騒は遠く、潮騒が辺りには響いていた。

 祭りは全て終わり、チャーヌのエルフたちは1軒の家へ集まる。マファーナリクガメの孵化が、今年は明らかに少なかったからだ。
「今年は、なにかあるのかもしれないな……」
 村人たちは誰からともなく、そう呟いた。


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作成日:2006/04/27
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