<リプレイ>
●登場 何も無い荒野。 吹き荒れる砂塵。 無造作に転がる膝丈の岩と、紙! 『ナンジャコリャー始まるよ』 無言で、大砲娘・ドミノ(a36487)の貼り付けたそれが、荒野の風に揺れる! そして、帯を引く砂埃の中に、僅かな影! 「敵影、発見しました」 狩人・ルスト(a10900)が差し向ける遠眼鏡の先へ、同じく遠眼鏡を持つ者達が、一斉に向きを変える! 紙を拾って…… よ、読んでる? 覗いた遠眼鏡に映ってる光景に、狼牙の守護神・アールグレイド(a15955)思わず息を呑んでみたり! 博愛の道化師・ナイアス(a12569)に至っては、目が、目が! 「……目が合ってしまいました」 「気付かれましたか」 戦闘の気配を感じた召喚獣の氷と炎を身に纏い、慧眼の静風・キルレイン(a12779)が直様、紅蓮の兎・ソロネ(a32518)に鎧聖降臨。鎧は見る見る形を変えて、あっと言う間に赤いバニースーツに! 「やっぱり、これじゃないと気合がはいらないわね♪」 ナイアスもまた、自分自身に鎧聖降臨を施し…… 「伊達に、狩りを生業とする一族の長っぽい格好してませんね。相当に目が良さそうです」 「えぇー!?」 そこで、地味ーに迷彩模様な、砂漠の水鳥・シリウス(a15956)が見たものは! 四倍〜八倍に膨れ上がる衣装! ある部分はひらひらと、ある部分はごってりと。 その全部位がラメ入りで、荒野の日差しを浴びてきんきらきんに輝く! ゴージャスを通り越してゴッテリ。 それはまるで、とある地方で行なわれるという年末の歌合戦で恒例の、衣装対決の時のような派手派手しさ! 余りの眩さに、甲斐の・チアキ(a07495)は。 「そんな格好、目の良さと無関係にバレバレじゃろ!」 「いえ、多分目が合った時点でバレてますから」 フッ、と余裕の笑みを浮かべる彼の脳裏には、ここで一発アピールしてレギュラーの座を……なんて、そんな思惑があるとかないとか! 「……何でしょう、この雰囲気は。いつもの依頼と何かが違うような……」 無銘の騎士・フェミルダ(a19849)は何だか不安げだ! ……まぁでも、ナイアスに注意が行くなら、自分が隠れるのには都合いいかな。 「さてさて……みなさん頑張って下さいね」 後方、身体を半分しか隠せないような小さな岩の影に、ないよりはマシかと身を縮め、白い悪魔・エスティア(a33574)が弓を構えつつ声援を送る! なんてこと色々やってる間に、長っぽいのは軽やかな足取りでこっちにむかって荒野を激走! 三回は無理か。 「敵の有したる隠れた力が分からない以上、少しでも敵を長く分析し、判断して行くしかないのか」 二人目のシリウスには何とか鎧聖降臨を間に合わせ、キルレインが前衛を残して後ろに下がる! 「それじゃあ、ナンジャコリャー四天王最終決戦いくわよ!」 マッスルチャージしつつ宣言するソロネ。 皆もばばっと散らばった!
●決戦 今だ。 走る長が射程に入った瞬間、引き絞る弦に番えた矢を、ルストが一気に解き放つ! 弧を描いて飛ぶホーミングアロー! 横合いからの攻撃をかわし切れず、しかし、長は構わず地面を指しながらそのままの勢いで前衛陣目掛け更に疾走! 「早速来るよ! みんな散開して!」 促すドミノの声が、どぎゃーんと巻き上がった砂塵に掻き消される! 砂の中に消える、幾つかの影! その砂塵の中から、吹っ飛んで出てくる……でけぇ! どさっと言うよりは、ごさっ。そんな音を立てて倒れたナイアスと。 「流石、四天王筆頭。楽はさせてくれいないわね〜」 あふん、とちょっぴりえろすな声で受身を取ったソロネ、そして、砂塵の端に薄っすら映る仲間の影に向け、砂礫対策に厚みある形と化した鎧に身を包んだアールグレイドから癒しの光が広がる! 「フ、先手を取られましたか……」 砂埃を軽く払って起き上がり、派手派手ナイアスが……手、どこ? 「かわせぬ一撃、お見舞いしてあげましょう」 きんきらきんの衣装に纏わり付く黒炎が、多分、手があるらしい部分へと収束する! 沈静し始めた砂塵の真中にある影に向け、撃ち放たれるデモニックフレイム! 真っ直ぐ長へと到達した悪魔の炎が、虹色の輝きと共に飛沫のように砕け散り、長周辺の砂を弾き飛ばす。 そんな、再びくっきり姿を見せた長に向け、付き立てたタワーシールドを引っこ抜き、一気に距離を詰めるのは! 「無銘の騎士、フェミルダ・フォーゼル。いざ、参ります!」 身構える長へと振り落とされる剣! 喚び出された護りの天使の力を得たその一撃は、かわそうとする長をぎりぎりの線で捕らえる! そんなフェミルダの頭上を越えて降る、粘々の糸! チアキの投げつけた粘り蜘蛛糸を頭から被り、だが、糸は長が払うように薙いだ槍にぷつりと切り裂かれた。 「む、流石にちと弱いか」 手応えの途絶えた糸は投げ捨て、チアキは武器の方の糸に素早く持ち替える。 ならば、こちらはどうか。 「敵に好き勝手動かれていては勝機は見込めません」 身に纏う青と黄の氷炎を、限界にまで引き絞った弓と、それに番えた矢に乗せて、キルレインが長を、射る! 「何とか阻害して見ますので、上手く行けば攻撃を重ねて下さい……」 仲間に向けたその言葉に。 果たして、矢はまるでキルレインに応えるように、魔炎と魔氷で長の武骨な身体を覆い尽くしていく! そんな長目掛け、一気に駆け込んでくる…… 「そんなに偉そうに主張するなら、この土地の権利書持って来いッ!」 ウェポン・オーバーロードで力を増した斧を手にしたシリウスが、無遠慮に無造作に長の間合いへと踏み込む! ガツンと、星が跳びそうな勢いで叩き込まれる双斧! あんまりにあんまりな一撃に、凍って燃えたままの長から、見る見るやる気が失せていく。 そんな長の真上に、きらりと光る何か……鮫牙の矢だ! 「いっくらすごくても、これは痛いでしょう〜」 バックステップで余裕の距離を保ちながら、エスティアの射たそれが、動けない長に深々と突き刺さる! 派手に噴き出る血! だが、それは一瞬ですぐに収まってしまった。 ついでに、今ので長に再びやる気が! と、今度は横合いから……ルストのホーミングアロー! だが! 長はまるで、揺れる炎――実際燃えまくりだが――のように自然に身体を揺らして、矢をぎりぎりでやり過ごし、手にした槍を、なんと、凍ったままの腕でルスト目掛けて大・投・擲! 「!」 気付いた時にはもう目の前、体の内部まで揺るがされるルスト! 防御困難の矢をかわすとは。 なんという身体能力……! そして、槍を手放した頭上に、今だとばかりに巨大な剣の影が! 「デストロ―――イ!!」 ソロネ渾身のデストロイブレード! 炸裂する闘気! しかし! 「きゃん!」 爆風に煽られるように、長は凍った身体を自らごとりと地に横倒すと、紐を引き戻すついでに槍をソロネに突き立てる! 同じく投げた隙を狙おうとしたチアキは、もう戻ってきた槍に思わず。 「はや!」 そんな戦場に間髪入れずに広がる、ドミノのヒーリングウェーブ。 まだ全快に届かずも、次の矢を番えながら、ルストは思考を巡らせる。 あの威力と、あの状況下では到底有り得ない動き・射出力…… 「皆さん、あの槍と紐は、物理的な物ではありません!」 「な、なんだってー!?」 誰からとも無く上がる叫び! 「やはり。でなければ、あの体勢からあんな距離の射出は無理でしょう」 「なんて紛らわしいっ」 「見た目の統一感を重視したのか?」 ざわめく冒険者。 俄に剥がれ落ちる、炎と氷。 そして、長は立ち上がる! 「次のが来るぞ!」 後方から届くアールグレイドの声は、再び炸裂した大地の音に掻き消えた。
●決着 吹っ飛ばされたり、跳ね返ったり、当て返したり。 二度に一度は返って来る槍と、およそ五回に三回で繰り出される超砂礫陣。二回のお休みの理由は、チアキとキルレインの攻撃のどちらかが『直撃』して、召喚獣の魔氷効果が長を覆い尽くすからだ! シリウスの達人の一撃も効くには効くが、攻撃手番の問題でなかなか有効な足止めにはならず。惜しい。 そして、まさに今、何度目かの魔氷を突き破り、長が大地を示す! 「攻撃来るよ!」 長の視野外から注意を投げるドミノ! ずぎゃーん。 「無事ですか〜?」 もふごさどさぁー、と。 今の所、確率十割で吹っ飛ばされてくるナイアスを、エスティアが遠巻きに覗き込む。 「なんとか。この攻撃、私と相性が悪いみたいですね」 射程ギリギリから攻撃している為、爆発すると必ず砂礫の中から砂埃の帯を引いて飛び出てくるナイアスの巨大な影は……なんか段々見慣れてきたかも! それよりも、ソロネは大丈夫だろうか。 反撃を食った直後の爆発だけに気がかりだ。 煙る砂の向こう、長と対峙する皆に癒しの光が届くよう数歩進み出て、アールグレイドが見え始めた集団に目を凝らす。 その中に……付き立てた巨大剣と、その傍らに屈み込んでいる影が一つ。 そして、その影……ソロネは、自分に飛ばされた槍を引き戻させまいと掴んでいる! 「くっ……!」 恐らく、それそのものがチェインシュートのような状態なのだろう、槍は長の紐を引く動作に合わせて、尋常でない力でソロネの手から…… たった一瞬の隙だった。 だが、それを生かすのも冒険者! 「示土長、じゃなくて社長・討ち取ったりぃ!」 あー、まちがえてもーたー。 棒読みで訂正しつつ、チアキの無音の一撃が、槍が手に戻る寸前の長を強襲! 「えぇい、さっさと土地を明渡せー!」 地上げ屋のような事をのたまいつつ、シリウスもすかさず間合いに踏み込む! 右に左に揺さぶられ、よろめく長! その眼前、砂塵を防いだ大盾を何度目か地面から引っこ抜き、フェミルダがソロネと長の間に割り込むようにホーリースマッシュ! 「っく……下がれそうですか?」 残念ながらそれは交わされ、しかし、槍の反撃を受けても挫けずに、背後のソロネに問い掛ける。 「ありがと。ええ、なんとか」 支えに付き立てた巨剣を引っこ抜き、後退を開始するソロネ。 そんな彼女を支援するように、弧を描いて飛ぶ二本の矢。 左右、まるで鏡を合わせたかのように美しく飛来するキルレインとルストのホーミングアローが、長の眼前で交差する! そして、その中央を突っ切って、エスティアのライトニングアローが! しかし、そこは四天王筆頭。 三本目のエスティアの矢はひらりとかわし、力一杯の大投擲! 倒れるエスティア! でもすぐ笑顔で復活だ! 「全くもう、しつこいですね〜。ああそれって私のことですか、てへっ♪」 「次、また来るよ! 散開して!」 癒しの光を目一杯に撒き散らし、ついでに持ってきた謎の人形を……でも通常の投擲はおよそ3mだから全然長に届かないよドミノ! 「ネ土長ー、よくわかんないけど、少しは空気読めー」 とりあえず長のせいにしといた! だが、そろそろ回復の残弾が厳しい。 長が弱っているのは明らかなのに、思うように当てられないのは、中々に歯痒い状況だ。 なんとか一気に攻め落とせないものか。 「みんな、連続攻撃ー! ネ土長ー、あたしたちがギッタンギッタンのバッタンバッタンにしてやるー」 一斉に当てれば一回しか返さないかも。 そう考えたドミノの、いちかばちかの号令! 直後、再び炸裂する大地! もう支援に入るヒーリングウェーブの尽きたナイアスは、起き上がりながら、その身に纏う漆黒の炎を……やっぱり手が何処か判らないよ! 「様式美を解さぬ無粋な輩よ、我が炎と踊るが良い!」 舞い飛ぶ砂塵を切り裂くように飛ぶ虹色のデモニックフレイム! 砕け散る炎を越えて。 「いきますよ」 様々な方向から打ちあがる、三つの光。 光は長の頭上で直滑降、稲妻の軌道を描いて複雑に絡み合いながら、一斉に長の脳天を直撃する! 今までにない衝撃によろめき、手にした槍を地面に突き立て身体を支える長! 「示土長、ついに年貢の納め時じゃな! ふふふのふ!」 その長の背面、紅蓮と銀の輝きを乗せ煌く、チアキの糸。 薙ぎ切られた傷口から広がる、魔炎と魔氷! 遅れをとっては元も子もない。 タワーシールドを引き抜く一瞬を接近に費やし、フェミルダが渾身のホーリースマッシュ! ……本当にこれ、いいんでしょうか。 そんな心配をしちゃうくらい、今までに無い重い手応えと共に揺れる長! 「土地は頂きだー」 ぎっちぎちに闘気を詰め込んだシリウスの双斧! 叩き付けられた刃から迸る力。 それは、魔氷に閉ざされた長の身体を、文字通りに炸裂させたのであった。
●撤収 「正義は勝つ! ってね☆」 突き立てた巨大剣にちょっぴり妖しくしなだれかかりながら、ソロネが胸の谷間でアピール! 「正義はわしにあり! グヘヘヘホラホヘホホヘホラホラ」 嬉しそうだなチアキ! ドミノも元気一杯に。 「ふっ、勝利は勝ーつ」 ……あれ? ちなみに、見事なまでに木っ端微塵にしてしまったので、残念ながら遺留品はない。 「えっと……今更なのですけど、本当に倒して良かったのでしょうか……」 取り返しのつかない事をしたような……そんな思いに駈られるフェミルダは、とても複雑そうな表情。 しかし、エスティアは笑顔で! 「長だかなんだか知りませんが、私達にこわいものなんて有りません♪」 そんな中、シリウスは長のいなくなったその辺を、長がやっていたと同じ動作で指差して、所有権を主張してみる! 「……ダメ?」 「駄目では無いかも知れませんが、宜しいとも言い切れないのでは」 そんな戦場跡に差し込む夕陽! 赤い光をバックにガッツポーズするアールグレイドの影が、なが〜く伸びる。 そんな光景を更に背景にして、普通の格好に戻ったナイアスが。 「ふ、それでは次回もこの時間に、ナンジャーコリャー、です」
有難う冒険者! 君達の世代交代を忘れない!

|
|
|
参加者:10人
作成日:2006/05/12
得票数:冒険活劇1
戦闘4
コメディ13
|
冒険結果:成功!
重傷者:紅蓮の兎・ソロネ(a32518)
死亡者:なし
|
|
あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
|
|
|
シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
|
|
 |
|
|