クーニャの誕生日〜物を与えないで下さい〜



<オープニング>


 セットにすると危険な物を喩えて、昔の偉い人は言った。
 オニに金棒、ナントカに刃物。クーニャにお菓子。
 ……ストライダーの霊査士・テスリアは、目の前で両手一杯にお菓子を抱えるヒトノソ忍者・クーニャを見て、そんな言葉を思い起こさずにはいられなかった、らしい。
「ひょっとして、テスリア殿もこれ欲しいんですかなぁ〜ん?」
 抱えられたお菓子は花束にも似て大輪。
 下から覗き込むように、んん〜? 羨ましい? と、テスリアの胸とへその間ぐらいの位置を人差し指でぐりぐりした後、クーニャはひょい、と彼からお菓子を遠ざけた。
「でもダメー。これは拙者のですなぁ〜ん♪ 明日の誕生日にお腹一杯食べるのですなぁ〜ん♪」
 『いや別にいらないし』とも『キャラ違うよ今日は』とも言う隙を与えず、クーニャは、くるっと背を向ける。今日も日課の滝での修行に向かうらしい。
「……ま、風邪引かないようにね」
「幸せ全開の拙者には、風邪の方が寄り付かないでござるなぁ〜ん♪」

 そんなことはありませんでした。
「……な、な〜ぁ〜ん〜……」
 体は芯から熱く、だるく。頬は紅潮して、瞳は潤む。
 翌日。冒険者有志がクーニャの誕生会を開いてくれることになった、当日。
 ぺろん、と犬のように垂れた舌ではぁはぁ息を漏らしつつ、ヒトノソ忍者は布団の上でぐったりしていた。
「どう見たって風邪なのです。今日はお粥でも食べておとなしく寝てるのがいいのですよ」
「なぁぁんっ!? か、風邪じゃないなぁ〜ん! 拙者、拙者、こんなに元気でござるなぁ〜ん! お菓子の為──じゃなくて、誕生日をお祝いしてくれる皆の為にも寝てなどいられないなぁ〜ん!」
 なんていうか。人は食い意地の為に、ここまで強くなれるのか。
 キリングナビゲータ・シリィの言葉を否定しようと、ぶるぶると耳を振って元気アピールする彼女にため息一つ。
「……誕生会の為にせっかく集まってくれた皆にも悪いし、参加はいいと思う。けど条件が一つ」
 テスリアは静かに、看板のようなものをクーニャの首から下げさせた。
 そこに書いてある文字いわく。『(必要以上に)食べ物を与えないで下さい』
「放っておいたら、食べすぎ飲みすぎで体調悪化は目に見えてるし。飲むな食べるなとは言わないけど、自重するべきだと思うんだ、僕は。皆にもあんまり食べさせないように伝えておくから」
「こ、こんなの誕生日じゃないですなぁ〜ん! 檻の中の珍獣と変わらないなぁ〜ん!」
 誕生日はお腹いっぱい食べられるという謎の幻想を打ち砕かれた、悲痛な叫び。
 それを背でガードして、テスリアは準備に向かう。
 いつになく無表情に去る弟の背中に何かを感じたのか、シリィはふと首を捻った。
「……あれ? そういえば、テスリアの誕生日もこの時期だったような気がするのです。よーし、当日になったら、おねいさん盛大に祝──」
「終わった。この前。誰にも気付かれることなく」
「…………。その……あのね。ごめんね?」

マスターからのコメントを見る

参加者
NPC:ヒトノソ忍者・クーニャ(a90310)



<リプレイ>


 ──こういう雰囲気は、見るだけで楽しいですね。
 太陽が残した暮色に染められて、今宵限りのオープンカフェは鮮やかに。
 揺らめくキャンドルの灯に、見目麗しい料理達が映える。
 風は春夏いずれの色も含まない五月。今日はクーニャの誕生日。
「のはずですが、当の本人がどこにもいませんね……」
 銀杏の豆鼓バター炒めを運び終え、リョウマは一息。せっかく用意したペパーミントティーが冷めないよう手で包みながらクーニャを探す、と──
「クーニャ姉探してんならこっちだぜ」
 リンゴジュースを手に、ミズチはおもむろに近くのテーブルクロスをめくる。
「なぁ〜ん……?」
 テーブルの下に本日の主賓はいた。
 夜に餌をあげるのを忘れた翌朝の犬みたいな目になって。
 『食べ物を与えないで下さい』の看板を胸に。
 その文字を見て「いっぱい食べれないのは、つらいことなぁ〜ん……」と、はちみつとおはぎを抱えたシェリーが、そっと目元を押さえたとか押さえてないとか。
「何でこんな所にいるんです?」
「だ、だって皆がひどいのなぁん! この看板見て笑うんですなぁ〜ん!」
「クーニャ、いじけてないで出ておいで〜……っぷ」
「はりゅ、クーニャその看板……あはは」
「ボナ殿にパク殿までっ!」
 背を向け、膝を抱えていじけ始めた彼女を見て、ボナは目で笑いながら慌てて手を振る。
「ごめんごめん、フルーツ用意したから許してよ」
「風邪の時は水分補給できるフルーツが一番なぁ〜んよね?」
 ティルが抱えてきたフルーツバスケットに惹かれて顔を出したクーニャに、エルノアーレが肩をすくめた。
「まったく、主役がそのような態度では、来てくれた皆さんに失礼ではありませんこと?」
 もう立派な歳のレディーですのにはしたないですわ、と呆れる彼女の体から、柔らかな癒しの光が漏れる。
 口調鋭いエルノアーレの、ほんの少しの置き土産が効いたのかどうか。
 クーニャは、皆に感謝の気持ちを伝えるため、静かに息を吸い込んだ。


「クーニャしゃん、誕生日おめでとうなのにゃ〜♪」
 熱を測ろうとおでこに触れたシルビアーナの手は、思わず「なぁん」と吐息が漏れてしまうほどの程よい冷たさ。ハーブティーにノソリン型クッキーが、これまた食欲をそそる……が。
「ありがとうですなぁ〜ん! 早速いた……」
「クーニャお姉ちゃん、駄目です」
 ゼノンの小さな手と純粋な笑顔が、彼女の裾を引っ張った。
「食前のお薬が先です。クーニャお姉ちゃんがちゃんと飲むか、見張ってますから」
「良いことを言いますね。時には止めてあげる優しさもこの世にはあるのですよ、うん」
 自分は口をもぐもぐさせているあたり、微妙に説得力が無いニューラがテーブルに載せたのは、なんとなく苦そうな夏白菊のお茶。
 それに次いで置かれたコップは、なお悪い。地獄を小さく凝縮したようなシルフィード特製薬草汁は、添えられた木の実クッキーがおいしそうなだけに一層怪しさが際立っていた。
 この二つが、食前のお薬、らしい。
 これ苦くない? クソ苦いです。
 これを飲めと? 嫌でも飲んで下さい。
 製作者の答えは簡潔すぎて抵抗の余地もない。
 アールグレイドが出した美味しそうなノソ型チョコに惹かれてしまうのは、クーニャならずとも仕方ないだろう。
「薬飲んだらチョコやるから頑張れ。早くしないと全部パクにやっちまうけどな」
「お菓子のことはパクに任せなさいなぁ〜ん♪」
 パクなら、クーニャのためなぁん、と言いつつ、お菓子を食べ尽くすかもしれない。いや、やる。尻尾のぱたぱた具合がそう告げている。
「せ、拙者、がんばるっ……」
「その心意気に免じて、私からも忍び秘伝の特効薬を。生来の不調法者ゆえ、女性へのプレゼントなど花とこれぐらいしか用意できませんでしたが……受け取って下さい」
 語尾を掻き消して、原料を訊かない方が幸せになれそうな、ロンの薬追加。
 こくんと。
 喉を鳴らせばわかる、その味その危険その不味さ。
「に゛ぁ〜ん!」
 にがい・なぁ〜ん省略形。
 のたうち、転がる彼女を心配して、大丈夫? と頭を撫でたのはティーだった。
 ……いつの間にか、撫でる手は、段々と下がっていたけど。
「て、ティー殿、そこは尻尾なぁんなぁん!」
「尻尾に巻くと解熱効果のある葉っぱを持ってきたの。巻いてあげるね?」
 次いで、葱を玉串のように捧げ持つヒメラが一歩前へ。葱+風邪という組み合わせに何を勘違いしたのか、お尻を隠すようにクーニャが後退りする。
「うちからは葱。首に葱巻くとえぇって、故郷の婆様が言うとったのなぁんっ」
 早う元気になれるように、クーニャはんと食べよ思ってた柏餅を無駄にせえへん為になぁん!
 と、使命感に燃えるヒメラを見て、花を飾る手を休めたティキは思わず苦笑した。
「ニューラ達、薬を甘い味付けにでもしてやりゃ良かったのにな」
「ですね。薬=苦いというのは間違いです。医食同源、人を良くするのが食なのですよ〜」
 とん、と小鉢に土鍋を用意。ゼソラの手にかかれば、薬よりも風邪に効く美味しい料理を作るのもお手の物。
 ブロッコリーの春サラダや、ハトムギとミカンのゼリーが次々と出来上がっていく。
「何にしても誕生日おめでとさん〜。じっくり養生しろよ?」
 そんなことを言いつつ遠くのクーニャに手を振るティキも、実は今日誕生日だったりするのだが。


 苺大福を取ろうとした時、横から奪われた。
 ──最初の一回は、偶然だと思った。
「? ラハイナ殿もこれ食べたかったなぁ〜ん?」
 だから改めて手を伸ばし、その度に彼が横からお菓子をかっさらっていくのを見て、クーニャは尻尾をしゅんと下げた。
「わ、わざとなの……なぁ〜ん?」
「わかってくれ! なぁ〜ん! 俺は心を鬼にしてでも、食い過ぎないよ──」
 少年の熱演は、最後まで聞き取られることは無かった。
 きゅっと後ろから尻尾と耳を引っ張られたから。
「迷惑かけるような行為は、しちゃダメなのですわ……っ」
「ちょっと向こうでお話ししましょうか?」
「困ってるからこっちで大人しくしようなー」
 ラナに尻尾、ティラシェルに左耳、ユーイに右耳を引っ張られ、ずるずると引き摺られていくラハイナが最後に残した言葉は、「本当はこんなことしたくなかったなぁ〜ん!」だったそうな。ややあって戻ってきたラナとユーイが、ぺこりと頭を下げた。
「ごめんなさい。でもラハイナさんも意地悪をしようと思ったわけではありませんの。許してあげて下さいね」
「お詫びに俺が飛び切りの曲をプレゼントするからさ。ドン、一緒に弾くか?」
「大歓迎なぁ〜ん。オラ、頑張るなぁ〜ん」
 一瞬、喧騒を止めるほど静かに二人のリュートが曲を奏で始める。弾き出しは同じ、だが徐々に二人の癖が、旋律の幅を広げていく。
 ドンの奏でるリュートは、凱歌にも似て高らかに。
 ユーイは、徐々に激しく。
 ノってきたのか、際限なく大きくなっていくユーイの旋律に耳を澄ましていたティラシェルが、ゆっくりと立ち上がった。
「お? どうしたティラ?」
 惚れ直した? と、ユーイは嬉しそうな笑顔を浮かべる。
 だからティラシェルも彼に応えるよう、にっこりと微笑んで、告げた。
「ユーイ、うるさい」

「あ。ナムール殿なぁ〜ん!」
「誕生日おめでとうじゃな゛ぁ〜ん。今すぐ平らげず、体調が戻ったら食べるといいな゛ぁ〜ん」
 ただの花束ではなく菓子の花束を渡すあたり、ナムールはクーニャのことをよくわかっていた……が。
「このぐらいやっとかないとすぐ食っちまうかもしれないし、俺からはこれ。明日になって治ったら食べてね」
 自らの渡した菓子箱にシャドウロックまで掛けておいたラムナや。
「がじがじ……って、食べれないなぁん!」
「食べ物も薬も十分すぎるぐらいあるみたいだからな……俺からはあえて食えない物を」
 食い意地の張ったヒトノソ忍者を騙せるほど精巧なビスケット型キーホルダーを贈ったダウも、違った意味で彼女の本質を理解していると言えるだろう。
「う、嬉しいけど、拙者がそんなに信用できないなぁ〜ん!?」

 クーニャがあんまり食べれないのに、ボクだけバクバク食べるなんて出来ないなぁ〜ん、と食べ物の誘惑を必死に耐えていたグリュウの瞳に、ふと。
「シュークリーム冷めちゃうにゃ〜」
 なんてぱたぱた駆ける弟子の姿が映った。
「ニャコ、シュークリームって温かいものだったかなぁ〜ん?」
 疑問の答えは彼女の手に。大好きなシュークリームと、風邪にはやはりおかゆというニャコのストレートな発想が生んだ夢のコラボ、おかゆシュー。
「ニャコちゃんは味見してませんけどにゃ!」

「なぁ〜ん♪」
 喜ぶべきか。むしろ堕落なのか。
 ありがたいことにクーニャが動かずとも、お菓子を運んできてくれる人は意外と多かった。
 シチューを抱えたレティシアが、甘いものばかりでクーニャさんがまん丸になっちゃいますの……とはらはらするぐらい。
「早く元気になってお腹一杯食べれるといいな……なぁ〜ん」
 クッキーと見舞いの手紙を持参したネメシスに至っては、擦り林檎を口に運んでやっていたり。
 まぁ、中には食べさせるどころか。
「あげませぬよ、風邪が悪化しまする。どうしても食べたいのなら耳プニプニさせやがれ」
 と、目の前で見せびらかすように苺大福を食いつつ手をワキワキさせる、尻尾リボンの女の子──イロハもいたりするのだが。
「消化に役立つような薬持ってきて正解だったよ〜」
 二つ名通りの笑顔で笑うリュウが用意したのは、大根の蜂蜜漬けをお湯に溶かしてペパーミントの葉を浮かべた物。
 添えるのは桃の砂糖漬け、ささやかな気遣いが食べ過ぎの胃に優しかった。


 時はゆっくりと流れ、今や世界の支配権は夜と月。
 月光に瞳を細め、エリスはつぶやいた。
「夜はこれから、ですね」
「なら、何故拙者がベッドに強制収容されているのか説明して欲しいでござるなぁ〜ん……」
 チャールズがくれた枕をぎゅっとしながら抗議の視線を投げるクーニャに、咳払い一つ。
 くいっと、眼鏡の位置を直しながらフューラが宣告した。
「エリスさんを含め、複数の観測員がこれ以上の飲食は危険だと判断したんです。諦めて下さい」
「せ、拙者、見張られていたなぁん!?」
「俺のカボチャプリンもフューラのもなかも、テスリアに渡しておくからな。滋養も付いたことだし、ゆっくり休むんだぞ」
 お大事になー、と去っていくチャールズ達に切ない視線を注いで、再びベッドから降りようとしたクーニャを押し留める影一つ。
「大人しくしないと、メッ、ですの」
 フューラから受け取った毛布をぽんぽん、と。付き添って看病するレティシアとエリスは心配そうな瞳を向けた。
「誕生日に風邪ひくなんて……可哀想です」
「看病なら任せるなぁ〜ん! 何を隠そうフラワはナースウィッチ。看護の達人ですなぁ〜ん!」
 各所から入った、ぇー、とのツッコミは無視。
 どこか楽しげにフラワは、お菓子ば……救急箱を漁る。氷袋をクーニャの額に載っけて、ノソ耳で結べば、完成。
「ひゃっこいなぁん!」

「ふなぁ〜ん」
 ムスタルーメは困っていた。
 ヒトノソ的思考と言うべきか。それとも相手が相手だからか。食物禁止と言われるとあげる物が思いつかない。結局、早く治して欲しいなぁ〜ん、との気持ちを込めて選んだのは……
「葛湯か。風邪に効くものの代表だな」
 深く頷いたノリスが持ち出したのもまた葛湯……の原料。というか生。野生そのまま。重量20kgぐらいありそうな葛の塊根だ。
 ちなみに。
「後で育てて食べれるのを持ってきたなぁ〜ん!」
 自信を持ってミソが差し出しだした一品は、抱える程の大きさの鉢植え。植えられているのは鮮やかな赤い実の野菜。育てて、食えと。
「この赤い実、ペルシ……あ、ありがとうですなぁ〜ん」
 クーニャが思わず入手経路を訊いてみたくなったのは、言うまでもない。

「今日はこれ以上食べるの自重した方が良さそうだね。今度いっぱい食べさせてあげるから」
 折角の誕生日。元はいいんだし、たまには着飾らないともったいない、と笑うクリスのプレゼントは、服。その言葉に賛同したシズナが差し出したのも同じく……
「私からは魅惑のキャミソール型ナース服です。着て下さいね」
 ……服?
 全員の注文を一斉に受け入れると、頭には、シニヨンキャップに春花の髪飾り。それほど長くも無い髪をリボンでツインテールに。
 みわキャミナース服の上から露草色のカーディガン。マント、そして例の看板などなど……
「…………」
 積載量を無視した自分の姿(重装型)を想像してみた瞬間、クーニャは世界中から鏡がなくなればいいのに、と思ったとか。
 ちなみに、そんな想像をして困る彼女の一体どこを見ての言葉なのか、
「あぅ……可愛いなぁ、クーニャさん」
 と、プレゼントの苺ジュースを渡すのも忘れ、スティアライトは悦に入った表情で頬に手を当てて見守っていた、らしい。


 キャンドルも燃え尽きて、月の位置が時間の経過を示していた。
「そろそろパーティも終わり、と。もういいですよね」
 ガスは『食べ物を与えないで下さい』の看板を外して、代わりの袋をクーニャの首から下げる。
「? これは何ですなぁん?」
「立派な忍びになれるよう、プレゼントです。帰りはちゃんとお送りするので、今はゆっくり休んで下さい」

「……このような日に体調を崩すとは、災難でしたね」
 体調を気遣って、そっと。いつの間にか隣に腰掛けていたフレオンの言葉は柔らかく、心地良い。
「またご一緒に冒険に出られるのを──」
「──拙者も楽しみにしてますなぁ〜ん」
 にこっと。みなまで言わせず言葉の続きを重ねたクーニャに、白いモダンローズの花束を。
 入れ替わるように現れたグラズバガスは踊るように近付くと、皆が思い思いに渡してくれたお菓子を丁寧に区分していく。
「こんな誕生日も何年も経てばいい思い出になりますよ。数十年生きた私が言うのですから絶対です」
 人を見た目で判断してはいけない好例。グラズバガスは紛う事無き紳士だった。

「誕生日おめでとう。風邪の定番、甘くした玉子酒を用意したぞ」
「玉子酒は……飲酒に入るのだろうか?」
 ケンハの声を聞きながら、特製苺大福『蓮華』を手にリカルが首を傾げる。
「誕生日というのは、ただ祝われるのみでもいい物だな」
 リカルの言葉を聞いて、サンはふと近くのグラスに映る自分を見つめ返した。
 羨ましくない、と言えば嘘になる。自分には誰かに祝ってもらった記憶がないから。
 だけど、そんなことより今はただ祝福を。サンが背中のリュックから取り出した色紙──余すことなく参加者全員分の言葉が記された寄せ書きには、そんな気持ちが込められていた。
 だからクーニャも、素直な気持ちを返す。微妙におかしい表現だけど。
「誕生日、ありがとうございましたなぁ〜ん!」
 と。


マスター:麻生南 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:49人
作成日:2006/05/19
得票数:ほのぼの57  コメディ1 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。