【水晶の館】甘い甘いスウィート・ココア



<オープニング>


「うや?」
 道端に落ちていたビラを拾い上げ、チェリーは首を傾げる。
「これ、こないだの大きなお屋敷の……やつかなぁ?」

【水晶の館からのランララ聖花祭特別きゃんぺ〜んのお知らせです。
 なんとこのビラをお持ちのお客様には、甘い甘いスウィートココアをサービスします】

 夜明けの珈琲は別料金ってことだから、それは格段のサービスなのか。
 お土産にそんなものを持って来られても……って顔をして、リゼルはカウンター席でホットミルクを楽しむチェリーを軽く睨んだ。
「でも……何か気になるわね……」
「どうしたの?」
 チェリーが振り返る。リゼルはビラを持ったまま、瞼を閉じる。
「……この館の中に……どうも変な生き物がいるみたい……突然変異したハムスターってところかしら」
「ハムスター!? でもでも、あのお屋敷ってとっても大きくて広いんだよ!それに一つずつのお部屋に鍵かかってるし、見つけるの大変なの!」
「でも放っておくわけには……このハムスター、眠っている人の散らかしたお洋服や紙くずなどを片っ端から集める性格があるみたいなの。
 みんな寝ちゃってる間だから気付かなくて、朝になるとびっくりしちゃうの。……それに出しっぱなしにしてるお菓子をかじったり、色々悪さをするみたい。
 今までに捕まった事がないから……どんな能力を使うかわからないのだけど……たぶんたいした力は持っていないと思うんだけど……」
「……それって普通のネズミとどこか違うの?」
 眉間に皺を寄せて尋ねるチェリー。
「ほら、でも、捕まえたら火を吹くハムスターだったー! なんてことがあったら大変でしょ?」
「そ、そーだけど……」
「とりあえず偵察がてらに行ってみてもらえないかしら……、このビラもちょうど8枚あるみたいだし……あ。チェリーはダメよ?」
「えー!」
「……未成年禁止とは言わないけど、心通ってる恋人達にこういうのは譲ってあげるものなのよ♪」
 そう言うと、リゼルはにっこり微笑んで、どこか嬉しそうに近くのテーブルで語り合っているカップル達の元に近づいてゆくのだった。

マスター:鈴隼人 紹介ページ
 水晶の館です。
 水晶の館とはなんぞや?と思う人は過去リプレイ 【フォーナ感謝祭】寒い夜だから…… を見ていただければありがたいです。
 【月夜のお茶会】と同じルールで、メイン参加の方は一緒にお泊りしたい方をサポートで誘って下さい。
 (招待状は任意でどうぞ♪)
 メイン同士での参加もOKですが、サポートもメインなみに描写する依頼ってことを先にご了承くださいませ。

 またお部屋の名前は宝石の名前ですので、どのお部屋に泊まるのかも書いて下さいね。

 ハムスターについては、そんなに気にしなくてもいいけど、洋服脱ぎっぱなしにしてたりすると、朝裸で帰らなくちゃならなくなるぞー、という気構えで。
 必ずそのお部屋に出るとは限りませんが、どなたかのお部屋に出ることでしょう(笑)

それではどうぞよろしくお願いします。

参加者
宵咲の狂華・ルビーナ(a00172)
風睡星・クゥリッシュ(a00222)
百花輪虚月・エイル(a00272)
天真爛漫颱風・シャルム(a00964)
蒼狐・マモル(a01386)
招きし堕翼・イル(a01415)
爆乳揺れるもの・アヤメ(a02683)
ねこまっしぐら・ユギ(a04644)


<リプレイ>

●カード大会
「わ〜、白熱してるですね〜。良かったらお菓子作ってきたので食べて下さいですよっ」
 天真爛漫颱風・シャルム(a00964)が4人の背中に明るく声をかけた。それから時をえ見守りし蒼き狐・マモル(a01386)と一緒にお菓子を配って、それぞれのカードを覗き込んでみたり。
 勝負は【7並べ】。駆け引きと意地悪が錯綜する嵐のゲーム。
「ありがと、いただくわね」
 呪縛せし朱糸・ユギ(a04644)がシャルムの持っている器からお菓子をつまんで微笑んだ。
「……余裕あるみたいだな」
 ユギの右隣、ジト目で冰刃ノ双眸・ジェイド(a00565)が目を細くする。……苦戦中?
「ダイヤの6は誰が持ってますの〜」
 月宵の夢想・エイル(a00272)はパスを連発しつつちょっぴり泣き顔。
「……誰だろうねぇ」
 笑う猫みたいに目を細め少女幻想・フォルテ(a00631)が言うと、3人の皿のような視線が一気に彼に突き刺さった。

●蛍石ルーム
「ハムスターさん、捕まえられるかなぁ?」
 チョコレートのクッキー。リンゴのタルト。それに甘い甘いココア。
 柔らかなベッドをソファ代わりに、シャルムの手作りお菓子を間に挟んで腰掛けている二人だ。
「……出来るといいな」
 タルトをひと齧り。味わいつつ狂夢・カイネ(a02776)はシャルムに優しい顔をする。
「夜に出てくるってことは起きて待ってなきゃいけないんだよね?」
「そうだな……」
「……カイネさんがいてよかった。ひとりじゃ寝ちゃいそうなんだもん」
 無邪気な天使のような朗らかな笑顔がこぼれる。
 自分の心の中にまで光が挿す気分がして、カイネは少し照れた。
 言葉には上手く出せないけど……。
「……シャル」
 呼びかけに、赤い瞳が彼を見上げる。
「お菓子……美味い」
「本当ですか?ココアと一緒じゃ甘すぎませんでした?……ヘンな味じゃなかったですか?」
 確かに甘い。けれど、ヘンな味というのは絶対ない。
 表情で頷くと、彼女は幸せそうに微笑む。堪らなく可愛いと思ったのは……秘密。
 
 やがて、お菓子の山もいつの間にか消え、夜の冷えた空気が部屋に静かに侵入してくる。
 二人の距離は少し縮まり、やがて。
 シャルムの柔らかなツインテールがカイネの体にもたれてきた。
「……?」
 カイネはシャルムが眠ってしまった事に気付いた。彼は彼女を抱き上げると、ベッドのシーツに寝かせた。
 瞼をこすって何か小さく呟き、再び眠るシャルム。カイネは微笑み、その前髪を優しく撫でる。
 それから彼自身は彼女の眠るベッドの足元に戻り、朝までハムスターの番を続けた。……彼女の寝顔も見守りながら。

●ルビールーム
 煮えたぎる赤い鍋。
 それを見守る乙女が三人。宵咲の狂華・ルビーナ(a00172)に蒼焔術姫・カーリー(a00167)、無垢なる銀穢す紫藍の十字架・アコナイト(a03039)。
「……そろそろ煮えたようじゃな?」
「いい香りね〜☆」
「イロイロと美味しそうでございます」
 刺激的すぎる激辛蟹キムチ鍋。ルビーナは二人によそって渡す。
「はい、あこにゃん」
「……私は後でよろしいです」
「ん?」
「じゃあ頂くわね☆」 
 いつもよりほんの少しだけ強引にお皿を取るカーリー。アコナイトは瞼を閉じて静かな面持ち。
 ルビーナは恐る恐るカーリーを見つめる。
 お喋りの邪魔にならないようにと蟹の殻は剥いていたのに、何故か空気が重くて楽しくならない。
「今日の鍋は一段と辛いのぅ……口の中がピリピリ来るようじゃ……」
 ひとりごちて、何故か遠い目をするルビーナであった。

 鍋の最後を締める饂飩も美味しく出来上がり。
 ルビーナは、その長い沈黙(ルビーナだけであり、カーリーとアコナイトは普通に雑談していた)に耐え切れぬように、箸を突然床に置いた。
「その……あの……ごめんにゃさい……」
「……」
 返事がない。ルビーナはうつむき続ける。
 すると。突然、背中から腕が回ってルビーナを抱きしめた。
「ふにゃっ!?」
「るびにゃん……側室は正室様に遠慮して、後ろを頂きます♪」
 アコナイトの怪しい微笑みが、耳元に熱い吐息と共に伝わる。
 更にルビーナの正面からカーリーが妖しい笑みを浮かべて近づいた。食後の少し激しい運動……その前準備。
「……カーリー?」
 カーリーの白い指がルビーナの頬にかかる。3人はそのまま、床に崩れてそして……

 ……………(以 下 検 閲 削 除)……………

 朝。黄色い太陽を見上げ、ルビーナは重い瞼を擦り、ココアを口にした。
 ベッドには、まだ眠りの中の乙女達。彼女は昨夜の激しさを思い出し、人知れず頬を染めるのだった。

●ブラットストーンルーム
「まず……何しようか?」
 部屋に入るといきなりそう言った恋人に、人間失格・リリス(a00917)の体はみるみる固まる。叩くとパキンと壊れそう。
 でも言った本人は、とても素直な呟きだったらしくて、「ご飯でも作ろうかな」と暖炉の辺りに向かっていった。
「……ご飯かい?」
 聞き返すのも変かなとは思うが、リリスが問うと、マモルはふさふさの狐の尻尾を揺らして胸を張る。
「一応、人並みに作れますからね。……んー、リリスは苦いものとかは嫌いだったよね。そうだ、パスタにしよう!」
「……ほうほう」
 暖炉前で俄然張り切るマモルの様子に、人知れず胸をなでおろし、リリスは暖炉の近くのソファに腰かけた。
 読みかけの本を取り、熱中すること暫く。
「リリスー!」
 ちょっと拗ねたようなマモルの声に彼は顔を上げる。
 すぺしゃるパスタが彼の前にどーんと山盛りで置かれていた。
「これはこれは……」
 味見してみる。……美味しい、の代わりに目を細めると、マモルの機嫌もいっぺんでよくなった。

 ベランダに出てみない?と誘ったら、来てくれたけど。
 すごくドキドキしているのに、まるで気付かないみたいに、星を見上げて「やー、綺麗だね」だだけなんて、ちょっとつれないんじゃない?
 ほんの少しだけ勇気を出して、マモルはリリスの腕に捕まる。
 温かな腕だった。
「えっと……」
 困惑? それとも照れている?そんな声。
「どうしたの?」
「……ハムスターはいいのかい?」
「あーっ!」
 部屋に駆け出すマモル。持参したひまわりの種を床に撒き。
「……見張ってなきゃ。リリス、一緒に起きててね?」
「はいはい」
 頷くリリス。何故だか少しほっとしたような微笑がどこか気になるけれど。
 楽しく過ごせればそれが一番。マモルはもう一度リリスの腕になついてそう思うのだった。

●ラピスラズリルーム
 想いを告げたあの日、気持ちを聞くのが怖くて逃げ出してしまった。
 フォルテが告げてくれた、好きだという言葉。けれどもそれだけでは何かが足らぬような気持ちがしたのだ。
 ……何が足りないのか……今なら解る。
「貴方を……私に下さい……フォルテさん」
 エイルはフォルテの両頬に掌を当て見上げた。その掌は、やがて肩に降り、胸元に自分の頬を当て抱きしめる。
「エイル……」
 幻のような彼の呟きを聞き。
 シーツの上に倒され、彼の体温を近くに感じながら、重ねる唇。
 冬の空気に晒される二人の素肌。けれどけして寒くない。
 互いをかき抱き、夜の静寂に落ちてゆく二人……。

 明け方。
 フォルテは半身を起こし、眠るエイルを見つめていた。
 床に落ちていた服を取り、その中から小さな煌きを彼女の指に嵌める。それからもう一つ……小瓶を手にとると、彼はその中身を口に含んだ。
「んっ……!」
 目覚めたエイルが瞼を開く。けれど、口移しで与えられた強い刺激が彼女を再び酩酊の眠りに沈め……。
(……俺と、俺の旅団について、これでお前は全てを忘れる)
「ずっと……」
 意識のない筈のエイルがフォルテの背中に腕を伸ばし、呟いた。
 ……ずっと。例え全てを忘れても、ずっと傍に居る……この誓いは永遠に……。
 遠くなる意識の中、もう届かなくとも、エイルは去り行く人に心で叫んでいた。
 ……心が身体が魂が……想いを覚えているから……だから、……私は何度でも貴方に恋をして……想いを伝えます……愛してます……。

●涙石ルーム
 床に撒かれたチーズやクラッカー。ヒマワリの種。ベッドの上で風睡星・クゥリッシュは膝を抱えて座り、ココアを抱いて、床を見張る。
 隣にいる人との距離はほんの少し。だけどとても遠く感じて。
 これが最後の夜だと思えば……尚の事。
「なかなか……出ないな」
 頭を掻きつつ空色の風・トウキ(a00029)がクゥリッシュに話しかけた。
「うん……」
 見つけたら掌に包んで、一緒に寝よう……そう思ってるのに。
 待ちくたびれてきて、クゥリッシュは顔を何度も擦った。
「眠い?」
 トウキが尋ねる。クゥリッシュは首をブンブンと横に振った。
「ハム見たいの……ココア飲んで頑張る……」
 と言いつつも、体は大きな船を漕ぎ。トウキの温かい掌がそれを受け止めた。
「俺が見てるから……朝までずっと、側にいるって約束しただろ?」
「トウキ団長……?」
 何かを問い返そうとしたのに、クゥリッシュはそのまま眠りの中に落ちてゆく。
 温かなトウキの膝の上に頭を置いて、優しくその髪を撫でられていることを感じながら。

 大好き。
 大切な思い出をたくさんくれた。その笑顔が世界で一番の宝物だった。
 でも……ある時、気付いた。
 自分が彼を振り回してしまっていたことを。自分に心配をかけぬよう、怒らせぬよう、気を遣っている彼。
 そして、その心が見えないと、余計に寂しくなる私。
 ……いつかあまり笑わなくなった彼。
 私じゃ駄目なんだ……。私が恋人ではいけないと思う……。

 夢の中で綴る思いは、寂しい告白。

 その悲痛な叫びが届かぬとも、乳白色の柔らかな髪を撫でながら、トウキは苦しげに瞼を閉じた。
 そして思いつめた表情で、眠る少女をそっと抱きしめる。

 好きだ。愛してる。
 けれど、今はその言葉すらもが、彼女を悲しませるのなら……。
 せめて今夜だけでも……このまま朝まで……

 密やかに重なる唇。それは触れるばかりの微かなキスで、ほの苦い涙の味がした。

●アメジストルーム
『先日はお誘い頂き有難う御座います。私のかけがえのない想い出を刻む事が出来て幸せでした。
 いつもお誘い頂いているので、今回は私から招待状を送らせて頂きます
 私の聖騎士様へ 『水晶の館、アメジストの部屋』にて貴方との逢瀬を楽しみにしております』−アヤメ
『何処までもお供します。僕の愛する姫君』−クリード

 甘い甘いスウィートココア。
 温かい暖炉の前で、それを頂きながら、二人の話は途切れることはなかった。
 恋人達の絆を深めるランララ聖花祭というお祭りがあった事もあり、話題にも困らない。
「お代わりはいかが?」
 光煌く星海の女帝・アヤメ(a02683)が空いたカップを見つけて尋ねた。
「甘いココアじゃない方がいいわね、本当に甘すぎるわ、これ」
 そう言って立ち上がるアヤメを追って、工房士・クリード(a04769)も立ち上がる。
「アヤメ……もう飲み物は」
「クリード?」
「星を……見ませんか?」
 女帝と呼ばれる彼女に失礼にならぬようにエスコートしながら、ベランダへの道のりを進むクリード。
 ベランダから見上げた空には、こぼれんばかりの星が瞬いている。
「美しい……ですね……」
「……そうでしょうか」
 クリードが小さく笑って、アヤメの両肩に手を置いた。
「アヤメの方が何倍も綺麗ですよ……」
 告げながら触れる唇。湿った音をたて、二人はしばらく大人のキスの余韻を楽しんだ。
 それから部屋に戻って、柔らかなベッドのシーツの中で……。朝まで何度も恋人達は愛を重ねあわせたのである。

●サファイアルーム
『はむすたーですよ!奥様! 今度はれっつえんじょいはむすたーだねっv』―ユギ
『条件:徹夜な』―ジェイド

 部屋に入るなり、いきなりユギが服を脱ぎ始めたのには、さすがに驚いたジェイドだけれども。
 それがハムスターを呼び寄せる一つの方法だと、説明され、ちょっと納得。
「……あとはお菓子をテーブルの上にセッティングして……これでいいかな?」
「そんなものか?」
 脱ぎ散らした服。出しっぱなしのお菓子。
 これならハムスターも用心せずに出てきてくれそうだ。
「それでどうする? 待機か?」
「これよ」
 荷物から、酒瓶とおつまみを取り出して、ユギはにっこり満面の笑みを作った。

 お互い酒には強いしね。
 ユギはそう言って微笑んだ。
 気付くと辺りに転がる酒瓶。……確かに強いかも。
「……ジェイドさん……あのね」
 暖炉の前のソファで肩を並べて座っている二人。いつしか頬を僅かに朱に染めたユギが、ジェイドの腕に頭をもたれていたのも、酔いのせいだろうか。
「謝らなくちゃいけないことがあるの……」
「ん?」
 新しい瓶の蓋を開け、グラスに注ぎながらジェイドは耳を貸す。
「ジェイドさんは甘いのが嫌いなの知ってるのに、月夜のお茶会の時も……聖花祭のときも取りに来てくれて……ごめんね、それとありがとう……」
「はは……」
 なんだか照れる。
 二人は違う方向を向いたまま、赤面した顔を俯いた。
 大好き。伝えるのって難しい。恋かもしれない、愛にはまだ早い。発展途上中の気持ちに綺麗な言葉は当てはまらなくて。
 明日の朝。甘いココアが届いたら、ジェイドにはココアではなくて持参してきた珈琲を入れてあげよう。小さく思うユギだった。

●ブルートパーズルーム
 まばゆい朝日が東の空から昇り、乙女達が寝入る部屋にも白い光を差し込んだ。
「……ん」
 昨夜の疲れが残る体。蒼き堕天使・イル(a01415)は光差す眩しさに、一瞬表情をしかめた後、ようやく赤い瞳を開いた。
 隣には戦に舞う白い妖精・アニタ(a02614)の少女のような清らかな寝顔がある。
 イルはしばらくその寝顔をうっとりと見つめた。

 館の人に用意してもらった湯船に、二人で身を浸し、何度も唇を重ねて、何度も抱き合った夕べ。
 最近……色々あって疲れている姿を何度も見ていたから、自分の出来る限りで癒してあげたくて。
「……今日は沢山楽しみましょうね」
 ベッドに移り、耳元で囁いた……。
 
「……あっ」
 視界の先に何かがよぎった。桃色の小さな……。
 あれはもしや。
「アニタさん、アニタさん……」
 揺り起こそうとする合間にその小さな姿はすぐに隠れてしまって。
 小さく呻くその美しい寝顔に申し訳ないなとイルは肩をすくめた。だから、今度は優しく起こしてあげる。
 おはようの、キスで。
 ついばむように何度も、大好きな彼女にキスの雨を降らす。それでも目覚めないなんて、この眠り姫は少々頑固者?

 彼女が目覚めたら。
 美味しいココアを届けてもらって、とびきり美味しい朝食を二人で作ろう。
 それから、明るい日差しの中を、腕を組んで歩いて帰ろう。大好きな場所を目指して。


マスター:鈴隼人 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:8人
作成日:2004/02/20
得票数:恋愛18  コメディ2  えっち4 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。