助けて! カボチャマン!! 〜小麦色の脅迫〜



<オープニング>


●暑くて眩しい真夏の日
 大気自体が焼けつくように暑い夏の盛り。フィーネの街に凶器の如き光が降りそそぐ。
 いや別に突如紋章術士が現れてエンブレムシャワーを撃ちまくったとかそういうわけではない。
 晴れ渡った空からフィーネを照らす太陽が眩しすぎる……単にそれだけの話である。
 だが強すぎる陽射しは最早フィーネに害を齎すばかりであった。涼しい木陰を作り出すはずの街路樹の枝葉はくたりと萎れ、石畳の街路で転んだ子供は擦り傷よりも焼けた石畳で負った火傷の痛みに泣き叫び、うっかり真昼に干しておいた布団で寝てしまった者は灼熱地獄の夢にうなされる。
 このままでは遠からず暑さと陽射しによる死者が出てしまう――そう危惧したフィーネの人々は『涼しい日陰管理委員会』を設立し、熱中症で療養中の町長に代わって『代理涼しい日陰管理委員長』に就任したヨハン爺の指揮の下、街路の上に大きな日よけの布を張るなどして日陰の確保に乗り出した。だが、そんなある日のこと。――フィーネの街に、ヘンな人々が現れた。
「いい、いいよ! 実に素晴らしい陽射しだ!!」
「ふっふっふ、これで一段と私の小麦色の肌が美しさを増すということだな!」
「む? キミは一体そんな日陰でナニをしておるのかね? え? 陽射しを避ける? バカ言っちゃいかんよ、この素晴らしき天の恵みを拒むとは一体キミは何様のつもりかね! さあキミも我々と一緒に美しく肌を焼こうではないか!!」
 どこからともなく現れたその集団は『皆で日焼けしよう会』を名乗り、涼しい日陰に集うフィーネの人々を炎天下の日向に引きずり出すという暴挙に出た。折角日陰を作ったというのにこれでは全く意味がない。しかしフィーネの人々は……やっぱりどこか嬉しげだった。
「これは……アレかのう。涼しい日陰で『彼ら』の活躍を見て楽しめっちゅう天の思し召しかのう」
「左様でございますとも、お代官様。おおそうだ、丁度よいことに、先日手前どもで『カボチャ餡入り葛餅』という新商品を売り出したばかりでございましてなぁ……」
 路地裏からこっそり『皆で日焼けしよう会』を眺めていたヨハン爺とエティゴ屋が、何だかどこかで聞いたような言葉を交わす。余談だが『代理涼しい日陰管理委員長』略して『だいかん』である。当て字は気にしてはならない。
 そうこうしているうちに、日焼け共に追われた子供達が路地裏へ逃げ込んできた。
「うわ〜ん! 助けてお代官様っ!!」
「おうおう、災難じゃったのう。して、ところで坊主らは……そろそろ、手紙が書きたくなってきたりはしておらんかな?」
「おお、手紙はよろしいですな。どうですかな、坊ちゃん方。エティゴ屋のカボチャ餡入り葛餅を食べながらお手紙を書くというのも……たまにはよろしゅうございますよ?」
 ヨハン爺とエティゴ屋の言葉に子供達は顔を見合わせ、力いっぱい頷いてみせる。
 カボチャと手紙。フィーネの子供達にとって、それらはとても魅力的なキーワードとなりつつあった。

●助けて! カボチャマン!!
『フィーネのまちに みんなでひやけしよう会 が やってきました
 ひやけしよう会は フィーネのひとびとを ひかげからひっぱりだして 
 むりやり ひやけさせようと しています
 たすけて! カボチャマン!!
 ひやけしよう会をやっつけて また へいわなフィーネのまちに もどしてください』

「……うちにこんな手紙が届いたんです」
 そう言って藍深き霊査士・テフィン(a90155)を訪ねてきたのは、先日も依頼を持ち込んできた旅芸人一座の座長であった。カボチャマンとはこの一座の人気芝居の主人公。カボチャランタンを模したマスクを被った男が世にはびこる悪を斬る――つまり勧善懲悪モノのヒーローである。
「その『皆で日焼けしよう会』は100人以上の集団だそうですし、何より我々では……この真夏の炎天下でカボチャマスクを被って活動をする体力がありません。ここはやはり冒険者様におすがりするしか……」
「ええ、それしかないと……私も思いますの」
 よく冷えた檸檬水を座長に勧めながら、テフィンも同じ物を口にした。
 冷たく爽やかな水が喉を滑り落ちた丁度その時、酒場の扉が開きハニーハンター・ボギー(a90182)が入ってくる。テフィンは檸檬水を追加で注文し、これ以上ないほどに爽やかな笑顔を作ってボギーを己のテーブルに手招いた。

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参加者
NPC:ハニーハンター・ボギー(a90182)



<リプレイ>

●嗚呼、カボチャマンが夏を行く
 鮮やかな夏空の色は、時として宝石にも喩えられる。
 だがいくら空が美しくとも、これだけ暑いと晴れやかな空を見ているだけでも腹が立ってくる。ましてやただでさえ暑い石畳に覆われた街中を『皆で日焼けしよう会』なる暑苦しい面々が徘徊しているのだ。ここはひとつ正義の使者カボチャマンに日焼けしよう会を成敗して貰い、街に爽快な気分を振りまいて頂きたい所である。だが――。
「いやぁ、うちの屋根をトウナス仮面さんに使って貰えるなんてねぇ」
「かたじけないでござる。拙者の活躍、とくとご覧あれ」
 善良な一般市民に見送られ民家の屋根に登っていくのは、カボチャマンの宿命のライバル(多分)トウナス仮面ことノリソンだった。彼らがやり取りを交わすテラスの下では、今まさに日焼けしよう会達がいたいけな街の住民に襲い掛かろうとしている。あの、カボチャマンは……?
「悪者さんはお仕置きですよぉ〜。光の使者・カボチャマンホワイトですぅ〜!」
「……いたわね、悪党共……。光の使者・カボチャマンブラックよ……!」
 あ、来ました! 二人の少女カボチャマン、アスティナとウピルナが街路の日焼け共を挟み込む! だが二人が正義の光を掲げた瞬間、頭上から朗々たる口上が響き渡った!
「一に健康、二に悪事。三、四は保留で五は未定。トウナス仮面参上!」
「何だとっ!?」
「トウナスフラーッシュッ!」
 声に釣られた日焼け共が頭上を仰いだ瞬間、屋根から飛び降り眩い光を放つトウナス仮面! トウナスフラッシュことスーパースポットライトで日焼け共を麻痺させたノリソンはおもむろにカボチャマン達へ向き直り、
「これで邪魔は入らぬでござるな。カボチャマンよ、今日こそ勝たせてもら、がはぁっ!!」
 あっという間に幻惑と木の葉の海へ沈められた。
 ふたりはプリカボチャマン、とポーズを決めるアスティナとウピルナに惜しみない喝采が贈られる。
 その隙に麻痺から回復した日焼け共が逃げ出そうとしたが、彼らにはハイドインシャドウで日陰に身を潜めていたワスプの粘り蜘蛛糸が浴びせられた。ついでに「夏はミスコン荒らしだと信じてたのに! 日焼けしよう会って何だよー!!」と八つ当たり気味に絶叫するパークが彼らを回収し、路地裏の大きなゴミ箱に放り込んでご丁寧にシャドウロックで閉じ込めてやる。
「名付けて『日陰でホイホイ作戦』……しかしまた凶悪なコンボになったな」
 たとえ日陰にあると言えども夏のゴミ箱である。中の惨状は推して知るべし。
 心の中で密かに合掌するワスプであった。
 別の路地では今また日焼け共が街の子供を日向へ引きずり出そうとしていたが、今度はそこにナゴリが立ち塞がる。が。
「喰らえ! 暗黒縛」
「カボチャマン・ハイパーモオォォォードッ!!!」
 ナゴリが術を放とうとした瞬間、ゼクトが派手なアクロバットをかましつつ乱入した。逆光の中宙に舞う彼の身体に巨大な蛇が絡みつき、観客の目を釘付けにする。その隙にハニーハンター・ボギー(a90182)がナゴリを取り押さえ、日焼けしよう会はゼクトが蜘蛛糸で絡め取った。これが暗黒縛鎖ときた日には阿鼻叫喚、まさに危機一髪である。
「くそっ、カボチャマンが来たか!」
 日向に現れた新手の日焼け共がカボチャマン達の姿を目にして咄嗟に身を翻した。だが咄嗟に石畳を蹴ったシャオが日焼け共を追い詰める!
「天知る地知る我ぞ知る! かぼちゃまーん参じょ……」
 が、灼熱の熱波に満たされた日向は漆黒のマントに身を包んだカボチャマンにとっては日向はまさに地獄。暑い。ぎらつく陽射しの中でひゃっほうとか浮かれ騒ぐ日焼け共のせいで更に暑苦しさ倍増だ。けれど!
「……これっくらいでヘコたれてちゃ正義のカボチャの名が廃るッ!」
 焼けつく石畳の上に今にも膝をつきそうだったシャオが気力を振り絞って再び立ち上がる。そう、熱波に挫けかけた肉体を正義の魂が凌駕したのだ!
「風になれ私!」
 それ行けカボチャマン! 正義の風が街を行く!

●根性だ! カボチャマン!!
 最早大気自体が発光してるようにも思えるほど眩しい光の中、小麦色の肌をてらてらと輝かせた日焼けしよう会が意気揚々と子供達に襲い掛かる。だが子供達は知っていた。こういう時には――助けを呼べば良いのだ!
「助けて! カボチャマン!!」
「カボチャマンリザード、只今推参! これ以上の乱暴狼藉は許さ……ぬ……」
 しかし威勢よく物陰から飛び出してきたカボチャマンリザードことロンは、あまりの熱気に立ちくらみを起こしてしまう。けれどカボチャマンは彼一人ではない。危機に陥った彼を救うため、更に二人のカボチャマンが現れた!
「太陽より眩しい光は此処に有り! それは我らカボチャマン!!」
 カボチャマンタンジェリンことアーケィが夏の陽射しをも塗り潰す強力な光を放ち、屋根から飛び降りたルイがびしっと指を突きつけた。
「紫外線による肌の老化対策に最適なカボチャのパワーを思い知るがいい! つまり……お前らカボチャ食えぇぇぇ!!」
 アーケィの光で麻痺した日焼け共の口にルイが無理矢理カボチャをねじ込んでいく!
「すごーい! この勇姿をしっかり目に焼きつけておかないとね、お代官様!」
 涼しい日陰にいつまにか設えられた観覧席にちゃっかり陣取って、ルキが満面の笑みでヨハン爺を振り返る。カボチャ餡入り葛餅を取り分けていたヨハン爺はにこやかに相槌を打ちつつはてと首を傾げた。何だか街路に妙な物が現れたのだ。
 その妙な物は葛餅の仮面を被ったファルメルだった。クズモッチーを名乗る彼女は果敢に日焼けしよう会に挑みあっさり破れ、カボチャマンに助けを求める。そこに現れる更なるカボチャマン!
「ふぉっふぉっふぉっ、カボチャマン・グラン・パ推参……ふぉうあぁぁっ!」
 が、カボチャマン・グラン・パことテツノシンはいきなりそこに崩れ落ちた。どうやらこの暑さの中でのイリュージョンステップが齢60の腰にキてしまったようだ。「こ、腰が……誰か癒してくれんかのぅ……」とぷるぷる震える手を差し伸べられては、ルキもカボチャマンナースウィッチにならずにはいられない。
「折角楽しく見物してたのに! もう、ばかー!!」
 泣き声交じりの叫びを上げて、カボチャマンナースウィッチが観覧席から飛び出した。
 こうなったら、と一人の日焼けが観覧席に突進する。観覧席の一般人を人質に取ろうとの作戦だったが、華奢な少女を羽交い絞めにした日焼けは少女に裏拳を喰らって悶絶した。実はカボチャマン・パステルピンクでしたの、とマスクを装着するキャロンの背後に倒れた日焼けをムウがいそいそと引きずり出す。
「日焼けしよう会と名乗っている割には焼き方が甘いですの〜」
 そして何故か日焼けしよう会の肌にオイルを塗り始めるムウ。
「いや過度の日光は体に害にしかならん、と言ってもムダか。なら、どれだけ長時間陽射しを浴びていられるかで俺と勝負だ!」
 そこに突如現れたテンユウが挑戦状を叩きつけた。何だかよくわからない気もするが、相手の土俵で戦うのは案外いいアイデアかもしれない。日頃から強い陽射しに親しんでいる日焼けしよう会と、カボチャマスクにマントやブーツをがっちり着込んだテンユウでは後者が圧倒的不利にも思えるが、彼には鍛え上げた肉体とそれをも凌駕する正義の魂がある。
 頑張れカボチャマン! 街の平和は君の根性にかかっいる! 多分!!

●フィールドの攻防!
 空に君臨する無慈悲な太陽が天頂の座から僅かに傾ぐ。だが一日の内で最も地上の熱気が力を得るのがこの時間帯であることを忘れてはならない。ここが勝負時だ! 負けるな、カボチャマン!!
「見つけたぞ悪党共! カボチャマンシリアスあたーっく!!」
 角を曲がったところで丁度日焼け共に出くわしたシリアスカボチャマンことセイガがすかさず咆哮を浴びせて束縛する。むわりとする熱気の中でいきなり叫んだため自分もクラリとしてしまったが、そんなことを気にしている場合ではない!
「よし、次! ボギーついて来てくれ!」
 真白な歯をきらりと輝かせてボギーを振り返るセイガ。だが後ろについて来ていたボギーは「ボギーのクマが行方不明なのです!」とパニックに陥っていた。その時!
「ふふふ、カボチャマン・シュバルツ。カボチャマン・クマ君を伴いただ今参上!」
 路地裏から現れたカボチャマン・シュバルツことシュウが名乗りを上げる。その手には何故かカボチャマスクを装着したボギーのテディベアが握られていた。うわああんどーしてクマをシュウさんがーとボギーが抗議を始め、その間に麻痺から回復してしまった日焼け共が日陰の子供達に狙いを定める。だがその瞬間、強い陽射しに満たされた街路に突如として不可思議な霧が立ち込めた。優しく辺りを包み込むその霧の中から、今新たなカボチャマンが……!
「……健康的な日焼けは大いに結構……だが、それを他人に強要するのは即ち悪。……カボチャマン・フォックステイル参じ」
「うわあ! き、霧だあっ!」
「そんな、我らが天の恵みはどこへ行ったと言うのだあああっ!」
 だがカボチャマン・フォックステイルことアルムが姿を現す前に、日焼けしよう会は恐慌状態に陥っていた。ミストフィールドは日光を愛する彼らに対して効果覿面であったらしい。「凄い、こんな技があったなんて!」「流石だよカボチャマン!」あちこちから子供達の歓声が湧き上がる。だが、戦いはまだ終わってはいない!
「おーほほほほほっ、アテクシの名はレディ・メラニン! 太陽の恵みをプレゼンツホーユー!」
 高飛車な声が響き渡り、同時に周囲を満たしていた霧が掻き消える。代わりに辺りを満たした紋章の輝きは……エンブレムフィールド! その中心で太陽の輝きを賛美するレディ・メラニンことリーナの周囲に日焼け共が集い、レディ・メラニン万歳を合言葉に態勢を立て直そうとする。彼らの前に今度は二人のカボチャマンが立ち塞がった!
「日焼けを強制する悪党共は許さない。カボチャマン・サマァーヴァージョン!」
 言うと同時にマントを跳ね上げたイロハが日焼けとレディ・メラニンへ蜘蛛糸を放つ。機を併せたキルが地を蹴り、この場のボスと目したリーナへ拳を繰り出した。
「あんまり黒くなってもいいこと無いんだよ!」
「ば、ばかな、このアテクシがあああっ!」
 鳩尾に綺麗に拳を決められたリーナが崩れ落ちる。だがキルが背後を振り返ってみれば、なんとイロハまでもが崩れ落ちていた。どうやら先程のセリフが色黒な彼女の心を抉ってしまったらしい。
「おまえしか持っていないその肌の色は、オレにとっては愛しい色なんだ……!」
 彼女を抱き上げ必死で慰めるキルを見遣り、カボチャマンの活躍を見守っていた子供の一人がマサキのマントの裾を引いた。カボチャマンも大変なんだねと言う子供に、色々あるんですよと苦笑するマサキ。その時別の子供が声を上げる。
「ああっ! あのカボチャマン魔物と仲良くしてる!」
「はは、まさか……」
 正義の味方がそんなはず、と振り返ったマサキの瞳に映ったのは、大きな水瓶の傍にいるノリスから水の杯を受け取るカボチャマンスマイルことリュウの姿。そしてノリスは何を思ってかコーラル・ガーディアンの姿になっている。
 マズい。今まで築き上げてきたカボチャマンの信頼を揺るがしかねない大ピンチだ!
「はっ! この陽射しが教えてくれました! あれは……カボチャマンの偽者です!」
 全ては子供達の夢を守るため。マサキは拳を握り、魔物と偽カボチャマンを成敗すべく駆け出した。

●輝け! カボチャマン!!
 数多のカボチャマンの活躍の甲斐あって、街に蔓延る日焼けしよう会はあらかた退治された。だがまだ敵は残っている!
 マスクとマントとブーツが蒸れて蒸れて仕方ないだろうが……頑張れ、カボチャマン!
「はーっはっはっは! カボチャマン・シルバーレインただいま推参!!」
 特に意味もない上に何だか筆者の方が危機を感じてしまう名乗りを上げ、カボチャマン・シルバーレインことロックが颯爽と街角に現れる。対するのは態々肌を小麦色に塗ったユダ!
「ふはははは、カボチャマン、この私に敵うと思うかな?」
「カボチャマンを(蒸し暑さで)苦しめる黒き悪党共! 我が剣で成敗してくれる!」
 だが奇しくも手練の翔剣士対決となったこの勝負、簡単に決着はつきそうにない!
 その隙をついて現れたこれまた悪役のシャルが「……ワイの真の姿を見せてやる……!」と鎧聖降臨で変身を遂げたが、彼の前に間髪入れず新たなカボチャマン達が飛び出してきた。
「「カボチャマンリターンズ! 見参!!」」
 左右対称でポーズを決めるクリスとマーガレットに「何や、おまえらか」とシャルは思わず呟きを洩らしたが、知り合いだからと言って容赦はできない!
 ……が、やはりカボチャマンに成敗されてしまうのが悪役としての花道である。ビタミンビームことクリスのスーパースポットライトとマーガレットの蜘蛛糸で捕縛されるシャル。だがその時彼は――女神を見た。
「えーと、た、太陽の恵みを疎かにする者には……て、天罰が下りますよ……?」
 恐る恐る振り返ったカボチャマンリターンズが見た物は、逆光の中に佇むトーチと書物を捧げ持った女性の姿。彼女が術手袋を穿いた手で宙を撫でれば途端に石畳の上に紋章の光が広がっていく。これはレディ・メラニンの使った術、エンブレムフィールドだ!
「あ、貴女は……全てを焼き尽くす消し炭の女神!」
 驚愕の声を上げよろめくマーガレット。ちなみにかの女神の名をマーガレットは嫌という程良く知っていたが……言えない。言ってしまえば本当に消し炭にされてしまう!
「消し炭の女神? おお、きっと彼女は俺達の救い主だ!」
 捕縛されて広場に放置されていた日焼けしよう会が意気を取り戻すが、マーガレットもクリスも足が竦んでしまって動けない。余程恐ろしい人物なのだろう。
 だがそこに、最後の、そして真の救い主が降臨する!
「カボチャ・サンシャイン参上! そんなに太陽がお好きなら思う存分味わいなさい!」
 カボチャ・サンシャインことアスティアが光を放ち、消し炭の女神は堪らず目を覆った。そこに輝く陽光を浴びて光の奔流と化した粘り蜘蛛糸が炸裂する!!
「日輪の力を借りて、サンシャイン・サイクロン!」
「ああ……っ!」
 これには成す術もなく、消し炭の女神はアスティアに捕らえられてしまった。
 陽射しを愛する『皆で日焼けしよう会』のボス、消し炭の女神が、カボチャ・サンシャインの前に屈する――何とも皮肉な結末であったが、これでまたもやフィーネの街に平和が蘇ったのだ。

 日陰の平和を取り戻した彼らのことを、人々は決して忘れない!
 今日もありがとう! カボチャマン達よ!!


マスター:藍鳶カナン 紹介ページ
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作成日:2006/08/24
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双天牙・マサキ(a21623)  2010年06月30日 22時  通報
毎回悪の存在を教えてくれる何か
それを考えるのが地味に楽しくなり始めたのはこのころ