<リプレイ>
●まずは鮫。誰がなんと言おうと鮫 ざざーんと砂浜に波が寄せる。 そこに現れたのは、水着姿の8人の冒険者。 「焼き鮫って美味しいのかしら!? 酒にあうのかしら!? い、いえなんでもなくってよ。と、とにかく、始めましょうか」 先頭で、妙なテンションで仁王立ちになるのは、宝の地図を見つけてきた女蘭狐璃威連盟酒頭・カメリア(a02670)。 「サメか? 仕方ねえな、ヒレ酒にでもしちまうか?」 両手をぱんと打ち鳴らし、酔いどれ狼湯煙編・リューラン(a03610)は、やる気満々だ。 「どうでもいいけど、さっさと終わらせちゃうにゃ」 ちょっと不機嫌そうな表情で、世界樹の白龍神巫女・シルビアーナ(a12891)が呟く。 「大きなサメは、カマボコにできるんでしょうかね?」 何気に怖い事(?)を言いながら、笑顔を浮かべるのは、らでぃかる悪なーす・ユイリン(a13853)。 「鮫か、またハンサムな勝ち方をしてしまいそうだぜ……」 ふっとニヒルな笑みを浮かべ、グレイブを構えるのは、ハンサムは弐度死ぬ・グレーテル(a36075)。 と、その横をずきゅんと走り去る人影が一つ。 「のはぁ〜! 『フカヒレ』ですぅ〜! あれは、美味しいのですぅ〜。採ってきておつまみにするですぅ〜」 「ちょ、ちょっと……」 ざっぱーんっ! カメリアの制止も聞かずに弐刀流弐倍跳躍参倍回転跳伝寺・スピン(a16610)は、物凄い勢いで鮫に近付き、数分後。 「のはぁ〜、危ない、危ない。まさかフカヒレの下に鮫がくっついているとは……危うくスピンが美味しい方になってしまう所なのでしたぁ〜」 「って、違うだろがっ!」 そういうスピンに、思わず突っ込みしてしまうリューラン。 「では、気を取り直して……」 「よっしゃ! みな気張ってきぃや〜!」 ツッコミ系心療ナース・パルフェ(a06229)の声援。ついでにパルフェは、グレーテルとスピンに、順番にディバインチャージ奥義をかける。 「行くわよっ!」 カメリアの号令で、次々と冒険者達が海へと入っていく中……。 「えーっ!! ちょ、ちょっと皆、タンマっ! 俺、荷物置いてないってばっ!!」 囚人仕様の縞縞ワンピ男用水着で、デカイシャベルなど数多くの道具を持たされた斉藤・カルサイト(a04097)は、あたふたと荷物を波に流されないところに置いている。 ちなみにカルサイト、既に一般人を鮫のいる場所から避難させていたりする……侮りがたし。 「俺一人に荷物持たせるなんて……酷いよ、ママン……」 ほろりと涙を浮かべて、やっと海に向かう。こうして、哀愁漂うカルサイトも加わり、鮫との戦いが始まったのであった。
「相手が鮫とわかれば策はあるです。何故『鮫』が魚ヘンに交わると書くかわかるですかぁ? それは拳と拳を交じわえれば、わかりあえる魚なのだからですぅ〜。太陽が沈む頃には、大地を背に似たもの同志と笑っているはずなのですぅ〜」 一番手、スピンが鮫に突っ込んでいく。 「何かいやーな予感する……」 リューランはスピンを見送りながら、思わず呟く。 「のはぁ〜、まさか鮫に拳がないとは……スピンのワイルドラッシュや拳で語るでも、わかりあえないのですぅ〜」 案の定、また戻ってきた。ちなみに攻撃は一切していない。 「だあぁぁ〜〜、それよりも攻撃しろってば!!」 そう突っ込みながら、リューランも鮫の所へ向かい、ブレードダンス♪奥義を放つ。 「うわ、よく見たら団長にチャージ、いってないじゃん!!」 あわあわとカルサイトが、カメリアにマッスルチャージをかければ。 「カルサイトさーん! キレてまーす!」 という、ユイリンの声援が来る。 「って、なんで、わたくしだけ、マッスルチャージなのぉーー!!」 むきむきと力を漲らせながら、カメリアは粘り蜘蛛糸未完成で、鮫の動きを封じる。 水中の中では、その機会を狙っていたハンサムもとい、グレーテルが待ち構える。 (「ハンサムとして、男らしく相手の土俵に入り込むくらいの気持が必要だろうから、ここはあえて、水中で勝負を受けてやるぜ」) 流石、ハンサム。ちょっと息が苦しそうだが、しっかりと水中で大打撃を与えた。 長いリーゼントが水中でもハンサムに揺れている。 「え〜い、こうなったら1本釣りならぬ、1本蹴りなのですぅ〜!」 今までダメダメだったスピン。今度こそ名誉挽回と言わんばかりに、岩場の上から鮫めがけて必殺の飛び蹴り(斬鉄蹴奥義)を放つ。 「今よっ!! 力を合わせるわよ!!」 カメリアも。 「了解!」 リューランも。 「OK! 今日もハンサムに決めるぜ!」 グレーテルもこの一撃に合わせるっ!! どばしゃーーーーーんっ!! 一際、大きな水柱が立った。 「たぁーまや〜」 眩しそうに手を翳しながら、空を見上げるパルフェ。 「終わりましたにゃ」 満足げな笑みで、そそくさとでかい包丁を探し始めるシルビアーナ。 大空に舞った鮫は、4人の一撃を受け、見事、天国へと旅立っていった。 「Baby、安心しな。みなを不安にした鮫はこのハンサムたちが退治した。だから心配せずにイベントを楽しみな」 このグレーテルの一言で、浜辺は歓声に包まれ。 いよいよ、水着コンテストの幕が開く!
●輝け! 浜辺の水着コンテスト! 燦々と照り続ける太陽の光。 ステージの上では、次々と可愛らしい、綺麗なおねーさん達が審査員にアピールしていく。 「それでは、次の可愛い子ちゃんは?」 「ちょっと、何でお前が司会してるんだっ!?」 リューランの突っ込みも冴え渡る。というか、ちょっとお疲れ様。 彼女の目の前には、いつの間にかトロピカンなシャツに『南国仕様』というたすきまで掛けているカルサイトが立っていた。 「いやあ、ちょっとスカウトされちゃって……なんてのは、冗談で。こうやってスタッフとして紛れ込んだ方が宝を探しやすいだろ?」 「じゃねーだろ? 全く……」 「ほらほら、可愛い子ちゃん。皆がお待ちかねだ」 「わかったよ」 頭を少し抑えながらも、リューランがステージに立つ。 「5番、リューランだ」 何だかんだとステージに立ったが、正直、何をしたらいいのかわからない。 「あーーー、とにかくバク宙やります!」 見事なバク宙を決めて、そそくさとステージを去るリューラン。ちょっと恥ずかしげなのは気のせいだろうか?
次にピンクの花柄ビキニで決めた、パルフェがステージに立つ。 「6番! パルフェや! びぃるの一気飲み行くで〜!」 カルサイトが急いで持ってきたビールジョッキを、ガッと掴んで、反対の手を腰につける。 ごくごくごくごくごくっ!!! 「ぷっはーーーっ!」 満足そうな声。その時間、僅か3秒。何と言うか早っ!! 「「おおっ!!」」 どうやら、審査員を驚かせる事に成功したようだ。
次にステージに立ったのは、スピン。 「こんにちはぁ〜スピンなのですよぅ〜」 しっかりと審査員にアピール! だが。 「くすくすくすくす」 観客の方から笑い声が……。 「え? 何がおかしいですぅ? ……皆でスピンのお尻見て……」 くるりんと回って、その逃れられない事実に驚愕する。 「って、のはぁ〜!」 先ほどの鮫との戦いのときに、うっかり水着を切り裂かれていたのだ。 「これは出しもんじゃねーんだから、見てんじゃねえよ」 すかさずバスタオルを持ったリューランが、恥ずかしそうに涙をちょちょ切らせているスピンをステージから引き離す。大丈夫、傷は浅い……………たぶん。
「うーん、皆セクシーだね、眼福眼福♪」 ステージの側で何故か拝むのはユイリン。 「私も大人の女性っていいなー。うん。私もあんな風になってあのヒトと………」
ぽわぽわぽわーーーーーん。 『ユイリン、愛している……』 熱い視線。僅かに私の胸を見る。それでもいい、愛してくれるのならば。両思いならなおさら。 『嬉しい……私も、私も愛しています……………様……』 そして、顔を見上げる。愛するあの人の瞳を逃さないように熱い視線を……
「おーい、次だぞー、ユイリン」 「え? もう?」 妄想が途切れて、ちょっと不満げなユイリン。 カルサイトに呼ばれて、ユイリンは、ぱたぱたとステージに上がった。 「は、8番、ユイリンです」 僅かに緊張しながら、着ている大きなパーカーを掴む。 「あの、恥ずかしいですけど……脱ぎますっ!!」 ぱーんとそのパーカーを脱ぎ捨て、その健康美に溢れた体を、太陽の下にさらけ出す。 この時の為にしっかりと、海水と砂を流して、きちんと髪乾かして、日焼け止めを塗りなおして、日焼け防止に大きめのパーカーを着込んでいたのだ。 パーフェクト!! ある意味、パーフェクトだ!! 「ブラボーーーー!!」 審査員の中で、そんな声が響く。
そんな様子を遠く、遥か遠くで見守る者がいる。 大きなやしの木に背を預けている、グレーテルだ。 「本来なら水着大会に出たい所だが……性別の事情で参加できないのが残念だ」 ふうっと気だるげにため息を零す。 「しかしこのハンサムだ、下手に会場に近づいたら、いきなり俺がグランプリに選ばれてしまう可能性もある」 時折、吹く風にリーゼントをなびかせ、掛けているサングラスを外した。 「そうなっては、困るだろう?」 誰に向かって言っているのかは、あえて伏せておこう。
威風堂々とステージに上がるのは、カメリア。 「12番、カメリアですわ。それにしても……暑いですわね。ちょっと失礼させてもらって、髪を上げさせていただきますわ」 艶かしい仕草で、長い髪を手際よく結い上げる。終わりにキメの微笑も忘れない。 「では、わたくしもアピールさせていただきますわね」 そう言って、歌おうとしたのだが……。 「んー、喉が調子よくありませんわね。カルサイトクン、こちらに例のものを!」 「や、やっぱり?」 一応、準備しておいたのが、役に立ったようだ。 カルサイトは、このときのために用意しておいた、カメリア用のビールジョッキを運んでくる。 「失礼」 くいっと鮮やかに。パルフェとは違う何かを醸しながら飲み干すと。 「♪〜〜♪♪〜〜」 その美声で情熱を秘めた歌を歌い上げたのであった。
「これで最後か?」 と、カルサイトが呟いたとき。 その横をすっと通り過ぎていく。 「へ?」 ふわりと、鮮やかな緑の髪が靡いた。 ステージに立ったのは、麗しき一人の女性。黒く際どいビキニを身に纏っている……シルビアーナだ。 「17番……シルビアーナ……です、にゃ」 恥ずかしそうに頬を染めながら、笑みを浮かべるシルビアーナ。普段肌を見せないのだから、なおさら恥ずかしそうだ。 「し、しまった……その手があったわ……」 カメリアが焦りを浮かべる。 色気を前面に出し、しゃべる言葉は『にゃ』。 しかも、ワイルドファイア大運動会2006に参加した経験を持つのならば。 最後に出たのは、この日最強のマドンナであった。
●気になる結果発表の時間です 「優勝は……17番、シルビアーナさんっ!!」 おおーーーっ!! と、会場に歓声が響く。 続く準優勝はユイリン、三位はスピンとなった。 「入賞した皆さん、おめでとうございます! これで水着コンテストは終わり……あれ? 特別賞!?」 司会するカルサイトの手が止まる。 「特別賞は貰ったわっ!!」 きゅぴーんと目を光らせるのは、パルフェ。 果たして、特別賞は誰の手に!? 「う、嘘だろ!?」 思わず読み上げるカルサイトは叫ぶ。 「と、特別賞は………グレーテルっ!」 「う、嘘やぁーーーーーー!!」「嘘でしょう、嘘だとおっしゃいなさい!?」 パルフェとカメリアが叫ぶ中。 グレーテルはゆっくりとステージに上がる。 「また、ハンサムな事をしてしまったらしいな」 観客の声援に応えながら、その腕を高らかに掲げた。
●最後はやっぱり酒でしょ? 海の中。 鮮やかな魚達が海を彩る。 それに目を奪われながら、シルビアーナはうっとりと上を見た。 (「ふにゃ……綺麗なのにゃ……」) ざばーんと休憩の為に海からあがる。 そこは、水着コンテストを終えた会場があった。 ざっくざくざくざく……。 既に人気も無く、あるのは、冒険者達が穴を掘る姿のみ。 「よーし、グレーテル。お前に決めたっ!」 高らかにそう叫び、カルサイトは、グレーテルにマッスルチャージをかける。 「OK、ハンサムに宝を掘り当てるぜ」 勢いづいたグレーテルがさらに掘り出す。その横でカルサイトの呼び出したフワリンが砂を運んでいる。 「きっと、もう少しで出てきますわ。だから、皆、頑張ってくださいまし!」 カメリアも声援を送る。 と、その横からスピンが。 「え〜い、コンテストでの恥を爆砕拳にこめてなのですぅ〜! え? 酒樽が割れる? いいですよぉ〜どうせ、お酒のめないし……」 ばきょーん。 グレーテルが掘り当てた酒樽に、見事、スピンの鉄拳が炸裂! 「いやーーー、止めてやーーー!!」「お願い、お酒だけは止めてぇーーーー!!」 パルフェとカメリアが切ない声をあげる。 ぱっかーんと割れた酒樽は……なんとからっぽ。 「あ、底に穴が開いているみたい……」 ユイリンが悲しい事実を告げる。 「あううう、美味い酒が飲みたかったわぁーー」 ほろりと涙を浮かべるパルフェ。 「Baby、あれを見ろ」 「なんやの?」 グレーテルが指し示した所、そこには、もしものためにとカメリアが用意した酒酒酒。 「それに準優勝の海の幸もあるよー♪ ねだったら参加賞のさんご礁のペンダントも貰えたし♪」 「こーなったら、スピンの海の幸セットも提供して、やけ食いなのですよぅ〜」 どうやら、どっちにしろ酒盛りするつもりだったようだ。 ちなみに未成年であるスピン、ユイリン、グレーテルには果汁ジュースが代わりに振舞われている。 「お酒にゃ〜♪ たくさんのむのにゃ〜たべるのにゃ〜♪」 体を綺麗に洗ってきたシルビアーナ、優勝賞品のトロフィーと共に渡された、巨大なイルカのぬいぐるみを抱きしめながら、がっつりおつまみを食べている。 ちなみに、おつまみの中に、先ほど倒した鮫のフカヒレや、かまぼこがあった事も記載しておく。 「今日は皆、寝させませんわよぉ〜〜」 酒盛りは夜遅くまで続いたという。 こうして、幻の酒にありつける事はできなかったが、美味しい海の幸と酒に囲まれて幸せな一日を過ごしたのである。 「お、桜貝が……ってヒィ! やどかりだった!!」 一人、妙に不幸なカルサイトの姿もあったが。

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参加者:8人
作成日:2006/08/20
得票数:ほのぼの16
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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