≪百門の大商都バーレル≫シャモの悩み



<オープニング>


●赤色の鶏冠
 最近、モンスター地域から国境を越えて、チキンレッグ領内に入ってくるモンスターが増えているため、赤色の鶏冠GGに協力してやって欲しい。
 赤色の鶏冠GGはノスフェラトゥとの戦いによって護衛士が減ったまま、新しい人員が確保する事が出来ていないのが現状だ。
 元々チキンレッグ達は戦う事より、商売をしている方が好きだしな。
 それに加えて現在、北方セイレーンと交流中のため、規模の大きな戦闘訓練も控えている。
 そのため、お前達の協力が必要になってきたというわけさ。

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参加者
貧乳様の巫女・イチカ(a04121)
黒の闘士・デュラン(a04878)
蒼首輪の猫・ルバルク(a10582)
緑の記憶・リョク(a21145)
カイゼル・エーリッヒ(a21527)
漆黒の重騎士・ボルシチ(a25541)
バーレルっ娘・ユミ(a30003)
嵐を呼ぶ魔砲少女・ルリィ(a33615)
円環の吟遊詩人・ロッズ(a34074)
白刃の影騎士・ブレイズ(a34294)
衝撃の弾幕少女・ユーロ(a39593)
光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)


<リプレイ>

●赤色の鶏冠団長シャモ
「さてさて……、外を固める前に内部を纏めませんと……ね……。それにしても……どうして北方セイレーンに対して……良い印象を……持っていないんで……しょうね……?」
 不思議そうに首を傾げ、貧乳様の巫女・イチカ(a04121)が拠点となっているテントにむかう。
 七色鶏冠の中でも特にシャモは北方セイレーンを警戒しており、未だに友好関係が結ばれていない。
「熱血硬派お肉クンであるシャモちゃんにゃからなー、バリバリの硬派にゃし。まぁ、七色鶏冠の中で一番の硬派ともなれば……世間体から言って軟派なイメージのあるセイレーンとは……相性が悪いにゃろうしなぁ」
 何となくシャモの気持ちが分かったのか、蒼首輪の猫・ルバルク(a10582)がクスリと笑う。
 チキンレッグ王国の国王フライドも北方セイレーンに対して、あまり良い印象を持っていないため、ふたりとも同じ理由で警戒をしているのかも知れない。
「……とはいえ、チキンレッグ王国を含めて現状の同盟は、トロウルなどの脅威に対抗していくために北方セイレーンの協力を取り付ける事が非常に重要だと思う。その点についてはシャモも頭では理解していると思うんだが……」
 険しい表情を浮かべながら、黒の闘士・デュラン(a04878)が腕を組む。
 シャモが北方セイレーンに対して友好的にならない限り、チキンレッグ本国として協力する事が出来ないため、結果的にはバーレルGGにも影響が出る事になる。
「一応、分かっているとは思うんすがねー……。訓練不足で護衛士達が育たないと嘆いていたようっすから……。まぁ、力を求める冒険者が外に出てしまう事により、七色鶏冠GGの戦闘能力が下がる。俺も人の事、言えないんすがね」
 苦笑いを浮かべながら、緑の記憶・リョク(a21145)が汗を拭う。
 実力のあるチキンレッグの冒険者達ほど、七色鶏冠を抜けて外の世界に目を向けてしまうため、最近になって戦力の低下が問題視されている。
「えー、オホン! 久しぶりだな、お前達……」
 わざとらしく大きな咳をした後、シャモがジロリとリョク達を睨む。
「あ、あの、別に悪口を言っていたわけじゃ、ないんすよ? ほ、本当っす!」
 心臓をバクバクとさせながら、リョクが必死になって言い訳する。
 この日のためにリョクは七色鶏冠時代の制服を着てきたため、こんな事でシャモの機嫌を損ねるわけには行かないようだ。
「そんな事は分かっている。俺に会いに来たんだろ? こっちで茶でも飲まないか?」
 リョクの格好に気づいてクスリと笑い、シャモがテントの中に連れて行く。
 テントの中では護衛士達がモンスター地域周辺で発生した事件の場所を地図に書き込んでおり、モンスター被害を減らすために今後の対策を練っている最中であった。
「ところでシャモはどうして北方セイレーンに対して悪い印象を持っているんだ? 何か理由があるのなら答えて欲しい」
 回りくどい事を言って話をややこしくする訳にはいかないため、デュランが真剣な表情を浮かべて口を開く。
 これ以上、北方セイレーンとの関係を悪化させるわけにはいかないため、何とかシャモを説得して協力してもらう必要がある。
「これだけはハッキリと言っておく。奴らに協力しても見返りはないぞ。いずれ痛い目を見るのはお前達だ」
 不機嫌な表情を浮かべながら、シャモがフンと鼻を鳴らして答えを返す。
 あまり北方セイレーンの事を語りたくないのか、必要以上の事は口にしようとしない。
「ひょっとして……商売に関する事でしょうか……? 差し支えがなければ……話してほしいのですが……」
 近くの椅子にチョコンと座り、イチカがズズッとお茶を飲む。
 どうやらシャモが詳しい話をするまで、ここから動かないつもりでいるようだ。
「……その通りだ。しかも、一度や、二度の事じゃない。あいつらにとって俺達は商売敵だからな。やられたら、やり返す、その精神で、ここまで来た……」
 お互いに色々とあくどい事をしてきたのか、シャモが気まずい様子で咳をする。
 どちらが最初に仕掛けてきたのか分からないようだが、その事がキッカケとなって『何かあったら北方セイレーンの仕業』という考えが植えつけられていったらしい。
「気のせいかも知れないにゃが、それって北方セイレーンの仕業じゃないものも含まれている気がするにゃ……。そうやってお互いを誤解して、険悪な状態になっているわけじゃないのかにゃ?」
 引きつった笑みを浮かべながら、ルバルクがボソリと呟いた。
「いや、それだけじゃない。……奴らは軽い。あんな奴らと一緒に訓練していたら、こっちまで気持ちがダラけてしまう」
 険しい表情を浮かべながら、シャモがテーブルをドンと叩く。
 その拍子に護衛士達が悲鳴を上げ、テントの隅まで逃げていった。
「この様子じゃ、随分とナンパな使者を送られていたようっすね。北方セイレーンの人達も、この辺の事をリサーチしておけば、ここまで面倒な事にならなかったと思うんすが……」
 その時の状況が容易に想像する事が出来たため、リョクが呆れた様子で溜息をつく。
「どちらにしても、この状況じゃ訓練すら出来ないぞ? 多少の事には目を瞑って歩み寄る気にはならないのか?」
 護衛士の持ってきた茶を飲みながら、デュランがクールな表情を浮かべてシャモを睨む。
「……多少の事だと? 無理だ! あんな奴ら、信用できん!」
 再びテーブルをドンと叩き、シャモがいきなり立ち上がる。
 シャモも北方セイレーンを信じようとしていたのだが、使者として送られてきた護衛士が軽かったため、すっかりへそを曲げてしまったらしい。
「上辺だけの付き合いでは人の根底は見抜けません。……わたくし達もほら……長い交渉期間があったからこそ……お互いを信頼しうるとして……同じ同盟となったではないですか……? 警戒心は不安しか生みません……もう少しだけ……歩み寄ってみませんか……?」
 シャモの肩をぽふりと叩き、イチカがアホ毛をぷらんと揺らす。
「まぁ……、そう……なんだが……。か、考えておこう……」
 納得した表情を浮かべ、シャモがコクンと頷いた。
「そうと決まれば親睦会の準備にゃね。まずは赤色鶏冠の活動内容をパンフにして配布するにゃ」
 満面の笑みを浮かべながら、ルバルクが楽しそうに鼻歌を歌う。
 そのため、護衛士達もホッとした様子で胸を撫で下ろす。
「残念だが、まだ俺は奴らを信じちゃいない。何かキッカケがあれば話は別だがな」
 そう言ってシャモが険しい表情を浮かべるのであった。

●砦
「……七色鶏冠に北方セイレーン、色々あるけど一つずつ片付けて行かなきゃね。さてと……、まずは砦作りか。頑張らないとね」
 苦笑いを浮かべながら、円環の吟遊詩人・ロッズ(a34074)が砦にむかう。
 砦はモンスター地域の近くにあり、度重なる戦闘によって壊れかけている。
「チキンレッグ達の好きな商売を円滑に行う為に、この砦の建設は必須でしょうね……」
 他の護衛士達と一緒になって、蒼き空の翼と夢・ブレイズ(a34294)が荷物を運ぶ。
 最近になってチキンレッグ領内でモンスター被害が増えているため、出来るだけ多くの砦を作っておく必要がある。
「商人達のためにも、一刻も早く完成させねばのぅ」
 警戒した様子で辺りを見回しながら、闇祓う黄金の刃・プラチナ(a41265)が溜息を漏らす。
 モンスターが国境を越えてくる可能性があるため、砦を修復している間も油断は出来ない。
「そのためにも私達が頑張らないといけませんね。いまから見本を見せますから、よーく見ていてくださいね。これでも鍛冶屋なんですよ、私」
 持参してきた作業道具を使って砦の修復を始め、バーレルっ娘・ユミ(a30003)がクスリと笑う。
 護衛士達は久々に女性と接しているため、やけに上機嫌な様子である。
「なかなか器用なものじゃのう。どれどれ、妾も一緒にやってみようかのぅ……」
 見よう見真似で作業を始め、プラチナが護衛士達の仕事を手伝った。
 そのため、護衛士達は自分達をアピールするようにしながら、熱心に修復作業を続けていく。
「さとて、それじゃボクも……ん? ちょっと待って!」
 険しい表情を浮かべながら、ロッズが人差し指をピンと立てた。
 それと同時に鳴子がカラカラと音を立て、護衛士達の間に緊張が走る。
「間違いありません。……モンスターです!」
 険しい表情を浮かべながら、ブレイズが遠眼鏡を覗き込む。
 それに合わせて護衛士達が警笛を鳴らし、砦に入って攻撃準備を整える。
「ボク達が必ずモンスターを止めてみせる。だからみんなボク達を信じて!」
 護衛士達が砦の二階から弓を構えたため、ロッズがモンスターの現れた場所にむかう。
 モンスターはグドンの類であったが、数が多いため野放しする事は出来ない。
「コレならすぐに終わりそうですね。一気に片付けてしまいましょう」
 すぐさまウェポン・オーバーロードを発動させ、ユミがグドンの群れをジロリと睨む。
 グドンの群れは興奮した様子で雄叫びを上げ、一気に国境を越えてチキンレッグ領内に入ってくる。
「てっきり逃げていくかと思いましたが……、予想外の反応ですね」
 粘り蜘蛛糸を使ってグドンの動きを封じ込め、ブレイズが流水撃を炸裂させた。
 それでもグドンは攻撃を仕掛けてきたが、ブレイズは苦戦する事もなく敵を倒していく。
「何か目的があって領内に入ってきたのかも知れないね」
 スーパースポットライトを使ってグドンの群れを足止めした後、ロッズが黒炎覚醒を使ってブラックフレイムを放つ。
 そのため、グドン達は蜘蛛の子を散らすようにして逃げていったが、ユミが砦からライトニングアローを放ってトドメをさす。
「ふぅ……、何とか絶滅させる事が出来たようじゃな。それじゃ、作業を再開するとしようかのう」
 そう言ってプラチナが再び護衛士達と一緒に作業を始めるのであった。

●護衛士
「モンスター地域の国境を防衛する、チキンレッグ王国の主戦力が、心もとないのは対策が必要よね。北方セイレーン関連で大規模なのは出来なくても、モンスター相手なら、少人数のチームでの戦闘も多いだろうし、少数精鋭で鍛えてみよう。この訓練で鍛えた護衛士が、隊に戻って他の護衛士をまた鍛えてくれるように……。名づけて、一番GUN作戦!」
 赤色の鶏冠に所属している護衛士達を呼び集め、嵐を呼ぶ魔砲少女・ルリィ(a33615)が拳をギュッと握り締める。
 大半の護衛士は訓練不足のため実践では使い物にならないため、何とかして鍛えておく必要がありそうだ。
「赤色の鶏冠は、国境防衛を担当する七色鶏冠の中でも規模が大きい隊だし、守りの要が戦力ダウンになるのは問題よ。規模の大きな戦闘訓練は禁止されているから、小回りの効く数人のチームでの、対モンスター戦闘訓練なんてどうかな?」
 護衛士達の中でも意欲と能力の高いメンバーを選出し、衝撃の弾幕少女・ユーロ(a39593)がモンスター退治にむかう事を提案する。
 しかし、護衛士不足のせいで砦から離れる事が出来ないため、モンスター退治に行く事が出来る護衛士は3名だけだった。
「まぁ、この状況じゃ仕方がないな。残った者共はわしと一緒に基礎訓練でもするか」
 国王の誕生日祝い用の食材集めと言う名目で、漆黒の重騎士・ボルシチ(a25541)が訓練を始めようとする。
 ちなみに訓練の方法は鳥を受け取りに行った先で、柵の中に放たれた鳥を掴み取ると言う訓練で、護衛士達がオロオロとした様子でボルシチの後をついていく。
 しばらくして……。
 護衛士達が魂の抜けた表情を浮かべて帰ってきた。
「……随分と疲れているようだな。まぁ、DGに行ったのだから当然かも知れないが……。温かいスープでもどうだ? そろそろ帰ってくる頃だと思って温めておいたぞ。これを食って元気を出せ
 鶏肉のスープを護衛士達に手渡し、ボルシチがぽふりと肩を叩く。
 護衛士達は虚ろな表情を浮かべて椅子に座り、獣の如く勢いでスープに貪りついた。
「……うむ。よほどハードな訓練を受けていたとみえる」
 疲れ果てて帰ってきた護衛士達を労うようにして、カイゼル・エーリッヒ(a21527)が酒を渡していく。
 護衛士達はエーリッヒから渡された酒を一気に飲み干し、ホッとした様子で溜息を漏らす。
「ハッキリ言って使い物にならなかったわ。まさかここまで弱いとは思わなかったけど……。これじゃ、チキンレッグ領内のDGは危険かも知れないわね」
 疲れた様子で肩を落とし、ユーロがエーリッヒの横に座る。
 シャモに鍛えられているせいで攻撃的な性格になっているのはいいのだが、自分より強い相手にも迷わず攻撃を仕掛けていくため、冒険に同行したユーロも疲れ果てているようだ。
「……なるほど。かなり効率のいい訓練だと思っていたんですが……。この様子では護衛士達だけでDGの探索に行かせる事は危険なようですね」
 険しい表情を浮かべながら、エーリッヒが酒を呑む。
 実力のある護衛士達ほど血の気が多いため、うまくチーム編成をしておかないと途中で全滅してしまう。
「臆病者の勘があるから大丈夫だと思ったけど、シャモから逃げるなって言われているようだから……。しばらくの間は派遣という形で、私達が様子を見に行った方がいいかもね」
 DGで手に入れた宝をテーブルに上に置き、ルリィが疲れた様子で溜息をつく。
 訓練にはドゥーリルの灯台を利用していたのだが、護衛士達の実力が低いため頂上まで行く事は出来なかった。
「どちらにしても北方セイレーンと友好関係を結ばぬ限り、大規模な訓練をする事が出来ないのですから、DGに慣れておく必要がありそうですな」
 護衛士達の性格などを纏め、エーリッヒが報告書に纏めていく。
 シャモは性格的に豪快なところがあるため、護衛士達の性格に合わせた訓練などはしていなかったようだ。
「そのためにも護衛士達の数を増やしておく必要がありそうね。このままじゃ、DGに行く余裕も無さそうだし、モンスターの事もあるから……」
 DGでの戦いを思い出しながら、ユーロが困った様子で溜息をつく。
 日頃の訓練不足も影響しているためか、護衛士同士の連携が取れていない。
「もう少し近くにDGがあるといいんだけどね。国境を越えてやってくるモンスターを相手にしていればいいのかも知れないけど、実力的に問題がありそうなのよね……」
 護衛士達を見つめながら、ルリィが心配した様子で汗を流す。
 赤色の鶏冠は血気盛んな護衛士と、ひどく臆病な護衛士のどちらかに分類する事が出来るため、この事を利用して何か考えておくといいかも知れない。
「とりあえず先に食事をしておこう。早くしないと冷めてしまうぞ」
 そう言ってボルシチが山菜のサラダをテーブルの上に置くのであった。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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