みみずもみずもみずのうち



<オープニング>


●池の大ミミズ
「今回は村の池に住み着いてしまったという、巨大ミミズを退治していただきます」
 真実求む霊査士・ゼロ(a90250)の告げた『巨大ミミズ』という言葉に、少しだけ嫌な顔をする冒険者たち。
「その池は村の外れに在るそこそこ大きなもので、魚や植物なども生息しているのですが……巨大ミミズによって荒らされつつある様子です。深さは人の腰ほどまでなので、溺れたりすることはないでしょう」
 ゼロはそう説明しながら、巨大ミミズについても話し始めた。
「巨大ミミズは三匹の存在が確認されており、その大きさはちょっとした丸太ほどの太さと長さを持っています。池の何処かに潜んでいて、どんどん魚や植物を捕食していっているようです」
 それほどの大きさなら、うっかりしていると巻き付かれたりするかもしれないから注意したほうがいいだろうとゼロは言う。
「池の水は少し濁っているようなので、巨大ミミズを探すのは大変かもしれません。何か策を立てるにしても、池の植物や生物に被害があまり出ないようにしてくださいね」
 直接池に入るなら、もう水は冷たいでしょうが……とゼロは苦笑を浮かべた。
「それでは、よろしくお願いします」
 冷たい水に巨大ミミズ、大変だろうけれどとゼロは一礼を送るのだった。

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参加者
翡翠色のレスキュー戦乙女・ナタク(a00229)
アフロ凄杉・ベンジャミン(a07564)
博愛の道化師・ナイアス(a12569)
紫麝・リヒト(a43717)
煌蒼の癒風・キララ(a45410)
修行中の翔剣士・ニコラ(a46814)
上を向いて胸を張って生きたい・クークルゥ(a49286)
静寂を求めし森の守り人・エフィリア(a52088)
剣舞いて言の葉を操る・リスティア(a53587)



<リプレイ>

「通常はミミズを餌に魚を釣ったりするのでしょうが、何とも……」
 ゆらゆらと揺れる水面に視線を落としながら、博愛の道化師・ナイアス(a12569)が呟く。今回の依頼はこの池に現れた巨大ミミズの退治だという、修行中の翔剣士・ニコラ(a46814)も池を見て問題のミミズを探しているが、やや濁った水と自然に揺れる水面からは今の所、特に変わった様子は見られない。
 静寂を求めし森の守り人・エフィリア(a52088)はクリスタルインセクトを8体召喚するが、意識を集中されられていないクリスタルインセクトは雑音形態となる為、1体を池の方へと歩かせている間、他の7体はその場で雑音を撒き散らしていた。1体を偵察形態にして適当な場所まで歩かせて、次の1体をまた偵察形態へ……と繰り返してゆくが、池の近くや浅いポイントまで歩いたクリスタルインセクトもその場で雑音を撒き散らしており、巨大ミミズが近寄る気配は無い。そうこうしているうちに効果時間が過ぎたのか、クリスタルインセクトは次々に消滅していった。
 続いて4体のクリスタルインセクトを付き添いに船を浮かべようとするエフィリアだったが、どうしても3体は雑音形態になるので同時に付き添わせることは出来ない。船に4体のクリスタルインセクトを付き添わせて移動するには、4人が召喚して4体の偵察形態をそれぞれ操作するしかない。
 煌蒼癒風・キララ(a45410)も船を借りて利用したかった様子だが、借りることが出来なかったのだという。
 深くても人の腰ほどの深さしかないこの池では人が乗れる船を使えばすぐに船底が池の底とぶつかって身動きが取れなくなってしまうのだと村の人は言っていたらしい。そもそも大して深くないのだから船を使うまでも無く、普通なら池の中に何か用がある場合はバシャバシャとそのまま入ってしまうらしい。勿論、巨大ミミズが現れる前は……ということだろうが。
「頑張りますよ♪」
 それならばと言の葉を謳い導く・リスティア(a53587)が釣りをしようと呼びかけて、エフィリアの召喚した土塊の下僕にロープを結わえ付けて池の中へと投げ入れる。エフィリアは他にも土塊の下僕を袋に入れて池に入れたりしていた。
「ミミズを水上に誘き寄せるにはやはり、餌で釣るのがよろしいかと」
 というわけでよろしくお願いします、とナイアスはあるリザードマンの肩を叩いていた。全員が注目するそのリザードマンとは……。
「そういうことならミーは涙を呑んで餌の役を引き受けるネー」
 アフロ凄杉・ベンジャミン(a07564)が引き受けるや否や、翡翠色のレスキュー戦乙女・ナタク(a00229)がその体をひょいと持ち上げる。
「仕方ない、最終手段に打って出るか……」
 やれやれとナタクが呟く間に、「ごめんなさいごめんなさい」とキララが手早くベンジャミンの足にロープを結わえ付けてゆく。

「せーの!」
「ノォォォォ〜〜〜」
 ずばしゃーん!

 気合と叫びと水音と、投げ飛ばされたベンジャミンは頭から池に突っ込みバチャバチャともがくが、すぐにスーパースポットライトの輝きを放つ!
 ずにゅるにゅる。
(「掛かりやがっ……ごふっ……水が……がほっ……」)
 その光に誘き寄せられるように、一匹の巨大ミミズが現れベンジャミンに巻き付いてゆく。腰ほどまでの水深とはいえ頭から池に突っ込んでいる状態のベンジャミンは呼吸が出来ずじたばたもがき始めた。それを見てナタクとキララはロープを引っ張る。
 ぶち。
 しかし重さに耐え切れなかったのか、ロープは無常にもあっさりと途中で千切れてしまう。巻き付きが気持ち悪いのか呼吸が苦しいのか、それともその両方か……さらに激しくもがくベンジャミン。
「うぅ、寒そうです」
 上を向いて胸を張って生きたい・クークルゥ(a49286)とリスティアが急いで池に踏み入り、ベンジャミンの救出へと向かう。
「池に入るのはやだけど……仕方ないか」
 水を蹴立てて走る二人だったが、その前にもう一匹の巨大ミミズが邪魔をするかのようにぬらりと出現した!
 巨大ミミズの出現に足を止める二人だったが、ニコラのスーパースポットライトが輝いて現れた二匹目のミミズの注意を引く。その隙を突いて二人は駆け抜けていった。
 そのミミズに対してはナタクが向かい、エフィリアも覚悟を決めて続いてゆく。
「ミミズの動きって気持ち悪いよな……」
 紫麝・リヒト(a43717)とナイアス、キララは陸上に残っていた。
 厳密に班分けをしたという訳ではなさそうだったが、水中での戦闘を具体的に想定していた者、ミミズを岸へ上げるための戦闘・誘き寄せを考えていた者、ミミズが陸に上がってからの戦闘を想定して水中戦は最終手段と考えていた者、これらの意識の違いによって冒険者たちは大体3つに分かれることになっていた。

 ニコラのスーパースポットライトに注目して動きを止めたミミズを陸へと投げるべく、ナタクはその後ろへ回り込もうと走り込んでいった。デンジャラススイングは相手を後方へと吹き飛ばすアビリティなので、陸の方向へ飛ばすには自分が池側から攻撃しなければならない。
「あんまり気持ちのいいものじゃないですが……」
 ニコラは正面からじゃきっとサーベルを構えてミミズへと迫る。他の人が下がるタイミングに合わせて攻撃しようと考えていたニコラだが、今の所自分の他にこのミミズへと攻撃できる仲間は居ない。薔薇の剣戟を叩きこもうと刃を振り上げ……。
 にゅるるっ
「きゃっ……」
 何かに足を取られ、ニコラはバシャンと池の中に転んでしまう。三匹目の巨大ミミズが足に絡み付いてきており、そのまま倒れたニコラの体をヌルヌルと巻き付きながら登っていく。気持ち悪さにニコラの背をぞくぞく悪寒が駆け抜けてゆく。
「巨大化しては害虫として駆除するしかないですの!」
 だがエフィリアが杖から『心』の衝撃波を放ち、巨大ミミズの体を叩く。その攻撃にミミズが怯んだ隙にニコラはヌルヌルから逃れて何とか立ち上がった。
「陸揚げするよ!」
 その攻防の最中にナタクは動きの止まっている二匹目の後ろへと回り込んでいた。ヌルッとした感触に少しだけ顔をしかめつつも、デンジャラススイングで豪快に投げ飛ばす! べしゃり、と一匹の巨大ミミズは岸へと打ち揚げられた。
「動きを止めたい……」
 ミミズが打ち揚げられたら行動開始、とリヒトは剣にウェポン・オーバーロードの力を纏わせる。その言葉に答えるかのように、ナイアスは暗黒縛鎖の鎖を解き放っていた。
「攻撃することに変わりは無いのですが」
 じゃらららっ!
 ウネウネ蠢くミミズの体を呪われし鎖が絡め取って動きを拘束し、反動でナイアスが受けた麻痺の効果はキララの静謐の祈りが即座に解除してゆく。
 じゃっ!
 デンジャラススイングと暗黒縛鎖でダメージを受けていた巨大ミミズは、リヒトの一刀で体を断ち切られるのだった。

「わ、私の勇気と力をっ!」
 ベンジャミンとそこに絡みつく巨大ミミズの元へと到達したクークルゥは武具の魂を発動させる。巨大ミミズの気を引くべく、リスティアはスーパースポットライトを輝かせた。
 ぶくぶく……ぶく……
 スーパースポットライトの輝きに巨大ミミズはリスティアへと注目して動きを止めたが、ベンジャミンは呼吸ができず力尽きたのか、何かが水底に引っ掛かったのか浮いてくる気配は無い。クークルゥは急いで助けられるようにと巨大ミミズへ攻撃し、ザクリと傷を刻み付けた。
 ざざっ!
 リスティアもミラージュアタックで残像と共に斬りつけるが……攻撃の直後にミミズがぶるぶると動き出し、その体に巻き付いてきた!
「きゃぁぁぁぁっ!?」
 ヌルヌルべたべたな太い粘体が腕を這い、脇あたりから体に巻き付いて来る。攻撃力は大したことが無いのだが、あまりの気持ち悪さにリスティアは思わず声を上げていた。
「いきますっ!」
「っ……このぉっ!」
 救出すべくクークルゥが刃を振り下ろし、涙目になりながらもリスティアが巻き付くミミズに太刀の刃を押し込む。内と外から刃と刃に挟まれて、巨大ミミズはザクリと体を断ち切られた。

 ぴしっ
 ニコラが繰り出す薔薇の剣戟は惜しくも直撃せず、ちょうど体を沈ませるように動いた巨大ミミズの体を少しだけ掠めただけで空を切る。
「うわ……」
 そこへ駆け付けてきたナタクに向かい、巨大ミミズは体を伸ばした。足から太ももへと登ってくる異物感に反射的に身を引いてしまったのか、走っていたナタクはバランスを崩して仰向けに倒れ込む。
「はぁっ!」
 だがナタクはタダでは転ばず、足を蹴り上げて巨大ミミズを振り払っていた。ずばしゃーんと水音が上がる中、エフィリアが水に落ちてゆく巨大ミミズに『心』通常攻撃を叩き付ける。
「これで……」
 続いてニコラが刃を振るう。一撃一撃に花弁を舞わせながら、左右のサーベルが巨大ミミズに刻み込まれてゆく。
 ずばん!
 そして死の連撃は大輪の華を咲かせて巨大ミミズを水面に落とす。ニコラの薔薇の剣戟によって、三匹目の巨大ミミズもトドメを刺されたのであった。

 それから何とかギリギリでベンジャミンも救出され、冒険者たちは全員が池から上がっていた。
 ナタクとリスティアが火を起こして焚き火をし、水に濡れた者はその体を乾かしている。
「風邪を引かぬように暖を取ってから帰りますの♪」
 スープでも飲んでから帰ろうと提案するエフィリアに、クークルゥとニコラが「それなら近くに無いほうがいい」と巨大ミミズの亡骸を協力して埋葬していった。
 巨大ミミズも大地へと還り、体を十分に暖めて……何だか安心した様子のリヒトを始め、冒険者たちはふぅと息をつく。

 こうして冒険者たちは巨大ミミズを退治して、(溺れかけた人も居たが)無事に帰路につくのであった。

 (おわり)


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重傷者:アフロ凄杉・ベンジャミン(a07564) 
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