【Crimson Tears】炎の饗宴



<オープニング>


●燃える世界
 異変が起きたのは、彼が狩りの途中で休憩を取ろうとした時だった。
 突如発生した大きな地響きを合図にしたように、森の木々をザワザワと揺らしながら、無数の小鳥が飛び立っていく。
 突然の出来事に、妻の作ってくれたお弁当のおにぎりが彼の膝の上からコロコロと転がり落ちていた。
 ――地震だろうか?
 訝しげな表情を浮かべながら、彼がその場に立ち上がると……森の木々を呑み込むように、何かが揺れている。
 赤い、何か。
「森が……燃えている?」
 まるで、踊るように、狂うように。
 針葉樹の森を紅葉に染め上げるように、炎が……いや、炎の巨人が蠢いていた。
 進路上にあるものを薙ぎ倒し、全てを焼き尽くしながら……それは、何かを探し続けている。
 その、進路の先にあるのは……。
「――まさか、村を!?」
 最悪の事態に思い当たり、彼は愕然としていた。
 彼の村には、愛する家族と、仲間と、多くの村人が生活している。目の前のモンスターに襲われれば、小さな村など一瞬で蹂躙されてしまうだろう。
 それだけは、絶対に赦すわけにはいかない。
 彼は咄嗟に弓を手にすると、矢を番えて弦を引き絞っていた。それが無駄だと、頭では分かっている。しかし、体は自然と動いていた。
 放たれた矢は、一直線にモンスターに突き刺さる。それは、彼の最後の執念だったのか。
 だが、攻撃されたのに気付いたのか、炎の巨人は彼の方を振り向いていた。
 ――そうだ、それでいい。
 彼はモンスターが追ってくるのを確認し、即座に走り始めていた……村とは反対の方向へと。
 彼の胸元で、黒曜石のペンダントが揺れる。
 しかし、例え鈍重そうな外観をしていても、モンスターはモンスター。一般人が対処出来るはずもない。
 モンスターの放った閃光が森を薙ぎ払うと、そこから爆発と同時に炎が巻き起こり、彼の行く手を塞いでいた。
 そうして、逃げ場を失った獲物に、炎の巨人の燃え盛る掌が延びる。
 彼が消し炭となるのに、時間は掛からなかった。

「モンスターに滅ぼされようとする村が新たに一つ……皆様は、急ぎ村に向かって下さい」
 冒険者の酒場に姿を現すなり、エルフの霊査士・ユリシアは説明を始めていた。
 その表情に焦りの色はないが、それはいつものこと。
「モンスターは獲物を求めて一直線に村に向かっています。一時、妙な動きをしていたようですが……おそらく、皆様が全力で向かったとして、モンスターより先に村に到着することはないでしょう。相応の被害は覚悟して……それでも、助けられる村人は助けて下さい」
 それが、決して簡単なことではないことは、彼女が一番良く分かっているだろう。
 だから、多くは望まない。
「あなた方には、モンスターを……炎の巨人を打ち倒し、炎の饗宴を止めて頂きます。
 皆様に希望のグリモアの加護があらんことを……」
 そう言うと、ユリシアは危険な戦場に赴く冒険者を静かに送り出すのだった。

マスターからのコメントを見る

参加者
蒼の閃剣・シュウ(a00014)
笑顔の約束・ソレイユ(a06226)
業の刻印・ヴァイス(a06493)
白妙の鉄祈兵・フィアラル(a07621)
赤き機神・アルシオン(a14122)
狼牙の守護神・アールグレイド(a15955)
真実の探求者・エコーズ(a18675)
紅蓮の颶風ルーズリーフ・グウェン(a19529)
御茶菓子・カンノン(a32366)
烏珠の剣・ヒースクリフ(a34207)
白にして黎明・ハウザー(a40489)
鋼鎧麟・オウガ(a40498)


<リプレイ>

●炎の道を往け
 冒険者の目の前に広がるのは、見渡す限りの鬱蒼とした森。
 冬場でも葉を落とさない針葉樹の森は、多くの動植物を育み、近隣の村に恵みをもたらしていた。
 だが、今。そこは、何かに怯えるようにひっそりと静まり返っている。
 人も獣も草花も……彼等の暮らす森は、突如現れた異形の怪物によって危機に曝されていた。
「く、前回のような犠牲者は出したくない。急ぎ戦場へと向かわねばッ……」
 前回の依頼を思い出しながら、白にして黎明・ハウザー(a40489)は苦虫を噛み潰したような表情で呟く。
 片田舎にある小さな町。そこは、一体のモンスターによって壊滅させられた。
 そこにいた人達を誰一人救えなかったことが悔やまれる。
 あのような惨劇は、二度と繰り返してはならない。
 知らず早まる駆け足が、冒険者を戦場へと誘っていく。
 彼等の進む道の先には、これから救えるかも知れない多くの人々と、それらの希望を粉々に打ち砕かんとする凶悪なモンスターが待ち受けているだろう。
 全てを救うには、彼等の力はあまりにもちっぽけかも知れない。
 それでも、目の前で苦しんでいる人達を放っておくことなど、彼等には出来なかった。
「翼でもあればかっ飛んで行きたい所だがね」
 それが出来ないことは、彼が一番良く分かっているだろう。
 呟きながらも、蒼の閃剣・シュウ(a00014)は全速力で先を急いでいた。
 やがて、彼等の視界が突如開ける。……しかし、村に辿り着いたわけではない。
 そこにあったのは、何か巨大なモノが木々を薙ぎ倒し、焼き払いながら通り過ぎた痕跡である。
 見たところ、まだ、モンスターが通過して間もないだろう。
 視界の端にくすぶり続ける炭化した倒木を眺めながら、彼等は目の前に続く炎の道の先を見詰め、一心不乱に駆け出していく。
「……ん?」
 その時、銀の剣を持つ青年・エコーズ(a18675)の視界の片隅で、何かが煌めいていた。
 咄嗟に拾い上げたそれは、黒曜石を丹念に磨き上げて作り上げた……ペンダントだろうか。首に掛けるため取り付けられていた紐が、途中で焼き切れている。
「どうしました、急ぎますよ?」
「ああ……」
 意外と身のこなしの軽い、御茶菓子・カンノン(a32366)の言葉に促され、エコーズは黒曜石のペンダントを懐に仕舞うと、急ぎ彼等の後を追っていく。
 やがて、彼等の進む道の先に、それは――いた。

 木々の合間から顔を出すように、炎の巨人が暴れ狂っている。
 その足元にあるのは、人々の暮らす小さな集落。
 それは、目の前のモンスターと比較すると、あまりにもちっぽけで、まるでミニチュアのように弱々しく感じられた。
 そこに暮らす人々もろとも。
 炎の巨人が吐き出した閃光は、着弾と同時に炎と爆風を巻き起こすと、集落を焼き払っていく。
 燃え盛る炎の中、崩れ落ちる建物の中から何かを取り出したモンスターは、必死に藻掻き続けるそれを口元に運ぶと――。
「……やめろ。やめろッ! 私の前で人を殺すなッ!」
 聞こえてくる咀嚼音を掻き消すように、白妙の鉄祈兵・フィアラル(a07621)の絶叫がこだまする。
 だが、モンスターは意に介さない。
 次なる獲物を求めて動き始めようとするモンスターに、ようやく冒険者が追い付いていた。
「頼むぜ、相棒……!」
「冒険者諸君よ! 今こそ! その力を示す時!」
 狼牙の守護神・アールグレイド(a15955)達がウェポン・オーバーロードで自らの得物を呼び寄せ、あるいは、超重神・アルシオン(a14122)達が仲間を鼓舞し鎧聖降臨を施していく中、紅蓮の颶風ルーズリーフ・グウェン(a19529)がホーミングアローを放ち炎の巨人に先制する。
「一方的な破壊は退屈だろ? オレ達が遊んでやるから光栄に思いやがれ!」
 不規則な軌道を描くチャクラムが空中を旋回し、モンスターの背中を切り裂いていく。
 それを受け、ようやく冒険者の存在に気付いた炎の巨人が、ゆっくりと振り返り背後にいた冒険者を見下ろしていた。
 顔はない。
 目も鼻もなく、ただ蛇のように大きく割り裂かれた口だけが、そこにはある。
 だが、それは確かに自分達を凝視しているのだと、彼等は本能的に察知していた。基より、モンスターに彼等の常識は通用しない。
 それは、冒険者を活きの良い獲物として認識すると、口から閃光を吐き出していた。
「……っ!」
 閃光が地面を薙ぎ払う寸前に、エコーズの組み上げた紋章が展開する。
 大地に描かれた紋章の領域、エンブレムフィールドがその場にいた者達を包み込み……しかし、モンスターの放った力を削ぎ落とすことは出来ない。
 炎と爆風が、冒険者に容赦なく襲い掛かる。
 全てを焼き尽くす炎が収まった時、辛うじて、彼等は一撃を耐え抜いたものの……それだけで、彼等はボロボロになるまで追い込まれていた。
「皆さんはわたくしが守りますの!」
 笑顔の約束・ソレイユ(a06226)が癒しの波動を解き放ち、彼等の傷を癒していく。
 だが、黒炎覚醒により力を増幅した彼女の力をもってしても、完全に回復させるには程遠い。
「婆の歌もお役に立てますかね」
 カンノンの奏でる高らかな凱歌がそれを後押しし、彼女達の支援を受けた冒険者は、態勢を立て直していた。
 炎の宴は、始まったばかりである。

●巨人の心臓を撃て
 それは、巨人が炎を纏っているのか、それとも、炎が巨人の姿をしているのか。
 いずれにしても、彼等の前に立ち塞がるモンスターはあまりにも強大で、決して油断出来る相手ではない。
 力が及ばなければ、狩られるのは冒険者の方だろう。
「超重っ! 炎・皇・斬っ!」
 アルシオンの放ったホーリースマッシュがモンスターに叩き込まれると、追い打ちを掛けるように、ハウザーのシャドウスラッシュが繰り出される。
「コレしか能が無くてな」
 きっと、帰る頃には新しい特技も増えているだろう。
 ……さておき。
 しかし、モンスターも冒険者の攻撃をものともせず、巨大な体躯を生かしたリーチのある攻撃を繰り出していた。
 炎の魔手がアールグレイドに襲い掛かり、その身を捕らえる。絡み付く炎が、彼の全身を焼き尽くす。
「……っ、放せ!」
 しかし、モンスターの力は凄まじく、彼の力では振り解くことは出来ない。
「させるかっ!」
 そこに、シュウが一気にモンスターの懐に飛び込むと、破壊の一撃を叩き込みモンスターの手首から先を切り落としていた。
 ウェポン・オーバーロードの力を受け、極限まで研ぎ澄まされた刃を阻めるものはない。
 倒れ込むアールグレイドに、昏き理・ルニア(a18122)の癒しの聖女が放たれると、切り落とされてもその身を縛り付ける炎の魔手の呪縛から彼を解放する。
 しかし、彼等の目の前では、切り落とされたはずの炎の巨人の片手が再生を始めていた。
 まるで煮え立った熔岩のように不気味に流動するモンスターの身体が、その輪郭を取り戻すと、次の瞬間には燃え盛る炎に包まれる。
 どうやら、手首を切り落とされたことさえも、モンスターにとっては大した事ではないらしい。
「だからって……舐めるなッ!」
 炎の巨人が自分達を歯牙にも掛けていないことを肌で感じ、その事に歯噛みしながらも、ヴァイスはバッドラックシュートを撃ち込んでいた。
 不幸をもたらすカードは吸い込まれるようにモンスターの身体に突き刺さると、その身を黒く染め上げる。
 そこに、桃兎仮面・ヒースクリフ(a34207)の放った鮫牙の矢が突き刺さると、モンスターの再生能力を奪い取っていく。
 どうやら、彼等には運も味方しているらしい。
「……今の内です!」
 ヒースクリフの合図を受けて、冒険者は即座に反撃に転じていた。

 冒険者が戦っている間にも、視界の片隅には村人達が逃げ惑う姿が確認出来る。
 だが、冒険者に手助けしている余裕はない。
 彼等がこうしてモンスターを引き付けていればこそ、被害の拡大を防げているのも事実である。
 彼等に出来るのは、目の前の脅威を取り除くこと。
 だからこそ、誰かが助けを求める声さえ断腸の思いで振り切りつつ、彼等は目の前の敵を倒すことに集中することしかできなかった。
「納得した訳じゃない……でも、ここで止めなきゃ、もっと多くの人達が犠牲になるから……だから、俺達は絶対にお前を倒す!」
 言い放ちながら、アールグレイドは達人の一撃を繰り出していく。
 叩き込まれた一撃は、しかし、モンスターを圧倒することは出来ない。
 後方からはエコーズの放った緑の業火がモンスターに撃ち込まれ、自らの施したエンブレムフィールドに軽減されながらも、多少なりともダメージを与えていた。
「……だが、決め手にならないな」
 火力が足りなければ、モンスターを倒すのには時間が掛かる。それは、とりもなおさず救出活動が遅れることを意味しているだろう。
 例えモンスターの再生能力を封じたとしても、その差を埋め合わせることは出来ない。
「目覚めよ、我が内なる獣……!」
 後方支援の合間を縫って、ソレイユも黒炎覚醒とキルドレッドブルーの力を借り、攻撃に参加する。撃ち出された氷炎の魔弾は、モンスターの身体に突き刺さると、その身を炎と氷の呪縛で封じ込めていた。
 バッドラックシュートの力が効いている間は、身動き出来ないだろう。
 その隙を見逃さず、カンノンはニードルスピアを撃ち込んで少しでもモンスターにダメージを与えていく。
 フィアラルもミラージュアタックを繰り出し、確実にダメージを積み重ねていた。
「これで、少しでも早く敵を倒せるなら……少しでも救える命が増えるなら、重騎士失格と言われても構わん」
 鋼鎧麟・オウガ(a40498)も斬岩刀を手に、ひたすら聖なる一撃を叩き込んでいる。
 今だけは、彼は重騎士として味方を守ることよりも、一振りの剣として敵を倒すことを優先して行動していた。
「これで止めと行きたいですが……」
 そう言いながら、ヒースクリフは薔薇の剣戟を繰り出すも、大輪の薔薇を咲かせることは出来ない。
 冒険者の度重なる攻撃により、ボトリ、ボトリとモンスターの身体が溶け出した熔岩のように崩れ落ちているが、モンスターの巨体に比べると、大した量ではないように思える。
 それでも、彼等は着実に勝利へと近付いていた。

 モンスターの全身を包み込んでいた炎と氷、血と不幸の呪縛が力任せに打ち砕かれる。
 身体の自由を取り戻した炎の巨人は、まるで怒りに打ち震えるように一声吼えると、口から閃光を吐き出していた。
 薙ぎ払われた地面が炎と爆風を生み出すと、冒険者を巻き込んでいく。
 全てを焼き尽くす炎に呑み込まれ、冒険者が次々と倒れていた。
 中でも、体力的に余裕のないカンノンは、モンスターの攻撃を耐えきることは出来ない。一度目は何とか反応出来たものの、二度目は防ぐことは出来なかったのだろう。
「カンノンおばあちゃま! ……っ、お年寄りは大事にしないと駄目ですの!」
 倒れるカンノンを咄嗟に支えながら、ソレイユは癒しの波動を解き放つ。
 彼女も炎の直撃を受けて一度は倒れていたが、肉体を凌駕する魂が、彼女に極限を超えた行動を可能にさせていた。
 だが、彼等の目の前では、モンスターの身体が再生を始めている。
「させないよっ!」
 グウェンが、ヒースクリフが、鮫牙の矢を撃ち込むが効果はない。
「……エト!」
 ソレイユの呼び掛けに応じるように、朱の明星・エトワール(a07250)の放った鮫牙の矢は、ウェポン・オーバーロードの力もあり炎の巨人の身体に深々と食い込んでいく。
 とりあえず、これで急場は凌げるだろう。
 だが、回復役が一人倒れたことで、冒険者にも後がない。一度生まれた綻びは、簡単には縫い止めることは出来ないだろう。
 そうなる前に、叩く。
 それが、彼等の選択だった。
 冒険者は残された力を振り絞り、最後の攻撃を繰り出していく。
「饗宴なんてまかり通らない……悲鳴と共に謳い散れっ!」
 再び襲い掛かる炎と爆風の中を駆け抜けながら、シュウが渾身の力を込めて破壊の一撃を繰り出す。回復しきらない傷により全身が限界を訴えるように悲鳴を上げるが、それは、底知れぬ痛みと引き替えにデストロイブレードの真の力を引き出すための代価でもあった。
 仲間の援護により体勢を崩したモンスターに、渾身の一撃が叩き込まれる。
 それは、倒れ込むモンスターに折り重なるように、巨人の心臓に食い込むと……その、膨大な生命力の源である心臓を失った炎の巨人の肉体は、途端に炎を失い、冷えた熔岩のように固まると、末端からボロボロと崩れ落ちていくのだった。

●その、炎の向こうに
 モンスターを大地に沈めても、冒険者の戦いは終わらない。
 炎の巨人の力により燃え上がった集落は、炎の主を失っても暫くは燃え続けていた。
 召喚獣を隠し、村人と合流した彼等は、手分けして救助活動を開始する。
 だが、バケツリレーを行ったとしても、魔力によって燃え盛る炎は、そう簡単に消し止めることは出来ない。
 それでも、住民の避難を優先し、逃げ遅れた人を助ける時間はあった。
 絶望の中を、彼等は一筋の希望を求めて駆け回る。
 やがて、全ての火が収まった時、そこには、少なくはない村人が生き残っていた。憔悴し、怪我をした者も少なくはないが、残された僅かばかりの回復アビリティと多くの冒険者が応急処置の心得があったこともあり、テキパキと作業は進んでいる。
 そんな折、エコーズは幼い子供を連れた女性と出会っていた。
「夫が……夫が狩りに出たまま戻らないんです」
 彼女の話を聞き、何かに思い当たった彼は、懐から黒曜石のペンダントを取り出してみせる。それは、彼等の知らぬ間に村を守るため戦って散っていった男の形見であり……それを渡された女性は、最愛の人の死を悟ると、その場で泣き崩れるのだった。
 エコーズは突然の出来事に、戸惑うばかりである。
 だが、それでも。
「……まさか、な」
 15人目の勇者の存在を、彼は忘れないだろう。
 そんな時、村の中で騒ぎが起こる。
 見ると、ただでさえ青い鱗を真っ青にしたオウガが、数人の村人に詰め寄られていた。
「あんた達冒険者と俺達は違うんだ! こんな事をすればどうなるか分かるだろう?」
 彼等の足元には、物言わぬ死体がある。
 どうやら、彼は瓦礫に挟まれた村人を救うため、大地斬を使ったらしい。
 確かに、大地斬は建造物を破壊するのには向いている。
 だが、それはあくまでも破壊の力でしかない。
 あるいは、そこにいたのが冒険者なら、それでも何とか助かっただろう。
 しかし、そこにいたのは、ひ弱な一般人である。
 例え細心の注意を払ったとしても、助かる見込みはなかった。
「すまない、村を助けてもらったのには感謝する。でも……出ていってくれ」
 その場は何とか収まったが、冒険者は半ば追い出されるように村を後にする。
 今回も後味は――悪かった。


マスター:内海直人 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:12人
作成日:2006/11/30
得票数:戦闘1  ダーク13  コメディ1 
冒険結果:成功!
重傷者:御茶菓子・カンノン(a32366) 
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。