<リプレイ>
●ふわもこ 「……ふわふわのもこもこねぇ。世の中には色々と奇特なモンスターがいたもんだな……って、これは色々な意味で罪だわな」 咥えていた煙草をポトリと落とし、阿蒙・クエス(a17037)が驚いた様子で目を丸くした。 ふわもこなモンスター(以下ふわもこ)は動物達を引きつける力があるため、まわりから沢山の犬や猫が集まってくる。 「……何だ、このふわもこパラダイスは……!? ちくしょう、ときめくじゃんかっ! でも、こいつってモンスターなんだよな……。ぬいぐるみだったら、持って帰るのに……」 モンモンとした様子でふわもこを見つめ、風追い子狐・クオーツ(a52276)が残念そうに溜息を漏らす。 確かに、ふわもこは可愛らしいが、だからといって油断は出来ない。 「見た目『フワフワモコモコ』、『中身危険物』……真に厄介な代物がやって来ましたね」 鎧進化とウェポン・オーバーロードを発動させ、新米店長・アリュナス(a05791)が屋根の上から周囲の状況を確認した。 ふわもこの身体には沢山の犬や猫がへばりついており、とってもふわふわで暖かそうだ。 「今の時期にちょうど良い、ふわふわもこもこして暖かそうなモンスターだな」 しみじみとした表情を浮かべながら、流水円舞闘の使い手・オルガ(a49454)が布袋の紐を解く。 この布袋は動物達を放り込んでおくために必要なもので、爪で引っかかれても破かれないように加工が施してある。 「なんという素晴らしい光景。……何故でしょうか。私も激しく引きつけられているような気が……」 ウットリとした表情を浮かべ、銀の剣・ヨハン(a21564)がフラフラとふわもこに近づいていく。 ヨハンもふわもこが危険な存在である事は分かっているが、何故か身体が勝手に動いてしまう。 「本当に暖かそうなぁ〜ん。それは、是非とも、もふりに行かないと! なぁ〜ん!」 身体をガタガタと震わせながら、高らかに響く腹音・クルック(a58349)が暖を取るため後を追う。 「こら、まて! あれがモンスターなのを忘れたか! まぁ……、気持ちは分かるが、とにかく落ち着け!」 慌てた様子でクルックの腕を掴み、クエスが何とか説得しようとする。 しかし、クルックは何かに取り憑かれたような表情を浮かべ、まったくクエスの声が聞こえていないようである。 「これはもう、もふもふしたい自分との戦いになるな。ふわふわでもこもこ……、動物がくっついているという時点で、我慢する事が出来ないかも知れないが……」 ふわもこの誘惑に耐えながら、普通に・ハウマ(a54840)が視線を逸らす。 ハウマもふわもこに飛びつきたい衝動に駆られているのだが、理性を留め金にしてギリギリの所で我慢した。 「さ、逆らえないふわふわもこもこの魅力……。けれど世間の平和の為っ! 猫さん犬さん船員さんのためっ! 私はっ……、私はっ……!」 とうとう、ふわもこの誘惑に負け、ヨハンが危険を承知でダイブする。 それと同時にヨハンの全身をふわもことした感覚が包み込み、ヨハンは幸せそうな表情を浮かべて眠りの世界へと旅立った……。 「何だか、とっても気持ちが良さそうですけど、あれってモンスターなんですよね」 苦笑いを浮かべながら、騎士人形・レベッカ(a47078)が気まずい様子で汗を流す。 ふわもこに飛び込んだヨハンはそのままズブズブと沈んでいき、いつの間にか見えなくなった。 「それにしても、ふわふわもこもこと美味しそうだよなのさぁ」 ジュルリと涎を垂らしながら、マグロ一名様予約入りま〜す・タンツェン(a31108)がふわもこを睨む。 ふわもこは犬や猫に乗っかられ、身体をふわりとさせている。 「何だか退治するのが勿体ない気もするけど、モンスターはモンスター。皆の安全の為にも倒すしかないんだよな」 自分自身に言い聞かせるようにしながら、彷徨影翼・サマエル(a54204)が気合を入れた。 ふわもこが存在している限り、犬や猫達が集まってくるため、早めに退治しなければならない。 「僕達はふわもこの相手をするよー。丸さとふわもこ具合だったら僕達だって負けないよー。どちらが真のふわもこか勝負だよー」 満面の笑みを浮かべながら、超球状生命体・ガルーラ(a39452)が瞳をキラリと輝かせる。 「一人でやれ。俺を巻き込むな」 ジト目でガルーラを睨みつけ、ゴロゴロ・サーディーン(a57418)が呆れた様子で溜息をつく。 「これは言わば僕達への挑戦だよー。こっちも転がったり弾んだりして対抗だよー。それに、あの造形、ふわもこ感……ひょっとしてお父さんかも知れないよ!」 サーディーンの腕をガシィッと掴み、ガルーラが真剣な表情を浮かべて呟いた。 「んなワケあるかボケ!」 ガルーラの頭に弓矢を突き刺し、サーディーンなりのツッコミを入れる。 途端にガルーラの頭から血が流れ、だんだん顔色が悪くなっていく。 「ね、ねぇ! これって、峰打ちだよね? 頭からドクドクと赤いモノが出ているよ」 一瞬、ネタ重傷という言葉が脳裏を過ぎり、ガルーラが魂の抜けた表情を浮かべて意識を失った。
●動物達 「い、生きているよな? ……動かないけど」 心配した様子でガルーダを見つめ、クオークがダラリと汗を流す。 しかし、動物の救出を最優先しなければならないため、眠りの歌を使って動物達を眠らせる事にした。 「助けに行きたいのは山々だけど、あまりふわもこに近づくと自爆するかも知れないなぁ〜ん。ここは用心していくなぁ〜ん」 念のため紅蓮の咆哮を発動させ、クルックが動物達を救出にむかう。 動物達はふわもこしていて暖かいため、クルックはあっという間に幸せな気持ちになった。 「きっと、あのモンスターはもっとふわもこしているんだろうな。……はっ!? 駄目だ、駄目だ。このままじゃ、俺までふわもこの虜になってしまう。なぁ、キズス。悪いがお前ちょっくら使い端ってくれ!」 危うくふわもこの暗黒面に捕らわれそうになりながら、ハウマが東風の愚者・キズス(a30506)の肩を叩く。 しかし、キズスは動物を回収する事に夢中で、ハウマの言葉が聞こえていない……フリをした。 「お前……、間違いなく聞こえているだろ? 俺が肩を叩いた時に、ピクッと身体が動いたからな」 キズスの耳元で囁きながら、ハウマが眼鏡をキラリと輝かせる。 「あ……、子犬だ♪」 ちょうどよく子犬が横切ったため、キズスが誤魔化すようにして逃げていく。 そのため、ハウマはこめかみをピクつかせ、怒りで拳を震わせた。 「わふ……可愛い……」 幸せそうな表情を浮かべ、クオークが子犬を抱き上げた。 「……犬って赤いのが一番美味いんだっけなぁん……? 今の時期は獲物も少ないから、非常食用にしておくなぁ〜ん……って、どうして暴れるなぁ〜ん。大人しくしていないと、袋の中に入らないなぁ〜ん」 ぐぅぅぅ〜っと腹を鳴らしながら、クルックが子犬を麻袋の中に放り込む。 しかし、子犬はジタバタと暴れ、麻袋から飛び出した。 「……落ち着け。いまは動物達を助ける方が先だろ……」 粘り蜘蛛糸を使って子犬を捕まえ、サマエルが疲れた様子で溜息をつく。 それと同時にふわもこが目を覚まし、耳障りな鳴き声を上げて飛び上がる。 「は、早く動物達を助けなきゃ」 このままでは動物達がふわもこの下敷きになってしまうため、クオーツが悲鳴を上げて近くにいた子猫を飛びついた。 「……面倒な事になったな」 ふわもこが落下する寸前で大型犬を救い出し、オルガがイリュージョンステップを発動させる。 一瞬、ふわもこに飛びつきたい衝動に駆られたが、自爆すると聞いていたため慌てた様子で離れていく。 「さっきよりふわもこが膨らんできていないか?」 いち早くふわもこの異常を感じ取り、サマエルが仲間達を安全な場所まで連れて行く。 そのため、仲間達は動物達を抱きかかえ、サマエルの指示に従った。 「確かにふわもこ具合が……。だ、駄目だ! ふわもこが俺を呼んでいる! 小さなふわもこより、大きな……ぬわあああ!」 ふわもこの誘惑から逃れる事が出来ず、ハウマが頭を抱えて悲鳴を上げる。 「いや、そこまで葛藤する事でもないと思うけど……」 今にもふわもこに飛び込みそうなハウマを見つめ、キズスが苦笑いを浮かべて高らかな凱歌を歌う。 もちろん、このまま放っておく事も出来たのだが、ここで治療をしなければ間違いなくふわもこの餌食になっている。 「まぁ、ハウマの気持ちも理解する事が出来る。確かに、あの魅力的なふわもこに押し潰されるのも悪くない……。いやいやいや、これは例え話だぞ。決して俺の意見じゃない。まぁ、一度くらいふわもこ具合を味わってみたいとは思っているが……」 モンモンとした表情を浮かべ、オルガがふわもこへと想いを断ち切るようにして、安全な場所まで避難した。
●ふわもこ 「……これで安心して戦える事が出来るな」 クールな表情を浮かべて仲間達を見送り、熱血の絢爛舞踏快傑ズガット・マサカズ(a04969)が鎧聖降臨を発動させる。 次の瞬間、ふわもこが勢いをつけて飛び上がり、マサカズめがけて体当たりを仕掛けてきた。 「俺は似た技を使う敵と戦って負けた事で学ぶ事が出来た。だから止めようとは思わない。このままカウンターを狙わず逃げる」 ふわもこの攻撃を素早くかわし、マサカズが少しずつ間合いを取っていく。 「レーヴァンテイン・イグニッション!」 それに合わせてレベッカが鎧聖降臨を発動させ、召喚獣の力で強化した剣でふわもこの身体を魔炎で包む。 「喰らえ!」 一気に間合いを詰めて雄叫びを上げ、マサカズがスパイラルジェイドを発動させる。 それと同時にふわもこが唸り声をあげ、怒り狂った様子で身体を揺らす。 「ここからは動物達ではなく私達がもふっ……いえ、お相手いたします!」 ようやく意識を取り戻し、ヨハンがふわもこの身体を掴む。 そのせいでヨハンがふわもこの虜になり、デンジャラススイングを放つ事が出来なくなった。 「はぁ〜、もう幸せ〜。大満足だよなのさぁ」 花に集まる蜜蜂のようにふわもこの飛びつき、タンツェンが幸せそうに溜息を漏らす。 先程までタンツェンはハイドインシャドウを使って身を隠していたのだが、ふわもこの誘惑に勝つ事が出来ず飛びついてしまったようだ。 「このふわふわが人や動物を狂わせるのですね……それなら」 ヒーリングウェーブを発動させ、レベッカがヒット&アウェイを繰り返す。 それと同時にふわもこがヨハン達を乗せたまま、ピョンピョンと助走をつけて飛び上がる。 「あ、あれ? 今まで僕は何をしていたんだろ? 確か頭に弓矢が……イタイイタイ!」 大粒の涙を浮かべながら、ガルーラが何かに気づいて上をむく。 ……頭上には巨大なふわもこ。 ガルーダは一瞬にして状況を飲み込む事が出来た。 「し、死ぬ!」 イリュージョンステップを使ってふわもこの攻撃をかわし、ガルーダが地面を這うようにして逃げていく。 「……良かった。生きていたんだね」 ホッとした表情を浮かべながら、クオークが緑の突風を発動させる。 そのため、ヨハン達がふわもこから落下し、派手に尻餅をついて悲鳴を上げた。 「アイタタタタタッ……。まさかこんな酷い目に遭うとは……。でも、ここで倒れるわけには行きません」 尻餅をついたショックで我に返り、ヨハンがふわもこを狙って電刃衝を炸裂させる。 それに合わせてアリュナスがワイルドラッシュを叩き込み、ふわもこめがけて斬鉄蹴をお見舞いした。 「囮作戦だぜっ! 往くのさ、相棒っ!!」 勝ち誇った様子で笑みを浮かべ、タンツェンが相棒のマグロケーキを突撃させる。 次の瞬間、マグロケーキがポトリと落ち、猫達がヒョッコリと顔を出す。 「よっし! 取り敢えず、突撃はさせてみたけど……あれっ? 落ちている場所がびみょ……ぁ。猫達の餌に!?」 ハッとした表情を浮かべながら、タンツェンがマグロケーキを回収にむかう。 しかし、猫達がハイエナの如く勢いでマグロケーキを食べたため、タンツェンがその場に着いた頃には跡形も無くなっていた。 「く、来るぞ!」 マサカズの警告と共に、ふわもこが唸り声をあげて飛び上がる。 「俺は過去、敵との戦いで学びながら、修羅場を潜り抜けてきた。……素直に回避っ!!」 覚悟を決めた様子で横に飛び、マサカズがタンツェンと逆方向に逃げていく。 そのため、ふわもこは攻撃対象を絞りきる事が出来ず、その場でピョンピョンと飛び跳ね戸惑った。 「同盟一のふわもこの座は僕の物だよー」 イリュージョンステップを発動させ、ガルーラが薔薇の剣戟を叩き込む。 そのため、ふわもこの毛が雪のようにして舞い落ちる。 「綺麗だなぁ……って、のんびりしている場合じゃない! ……ふわもこが自爆するぞ!?」 ふわもこの身体がパンパンに膨らんでいた事に気づき、クオーツが緑の突風を使って海に落とそうとする。 しかし、ふわもこがギリギリのところで耐えたため、海に落とす事が出来なかった。 「あまり時間がありません。チャンスはたったの一度のみ。マサカズさん……出来ますか?」 ふわもこと間合いを取りながら、アリュナスがマサカズに合図を送る。 「……ああ、問題ない。いくぞ、ズガットアターーーック!!」 アリュナスに合わせて攻撃を放ち、ふわもこを海に突き落とす。 それと同時にふわもこが海中で自爆し、大量の水飛沫がマサカズ達に降り注ぐ。 そしてマサカズ達の心を癒すかのように、海には綺麗な虹が出来ていた……。

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参加者:12人
作成日:2006/12/28
得票数:コメディ10
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冒険結果:成功!
重傷者:食物連鎖の底辺っぽい・ガルーラ(a39452)
死亡者:なし
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