<リプレイ>
モンスターが現れたという屋敷に向かう冒険者たち、早速黒の夢・レオナ(a51860)は地面に足跡などの痕跡が無いか注意しながら警戒し、森羅万象の野獣・グリュウ(a39510)も「がんばるなぁ〜ん」と意気込みながらモンスターの追跡を試みる。 「じゃ、聞いてみるわね」 セイレーンの吟遊詩人・アイシア(a58635)はそう言って、獣たちの歌を奏で始める。どうも今では動物たちも屋敷に近づくと攻撃されること分かっているのか、その周囲に動物たちは中々姿が見られなかったが、それでも何とか通りすがりの動物たちから話を聞いてゆく。 「命を奪われた悲しみは人も動物も同じね……」 モンスターへの怒りを込めながら呟くアイシア。足跡や獣たちの歌での情報から、モンスターはどうやら屋内に居る可能性が高いようだと冒険者たちは判断し、ゆっくりと警戒しながら中へと足を踏み入れてゆく。 「見えない武器の持ち主……緊張しますの」 カンテラを掲げながら言う青兎の騎士・シオン(a57765)に、闇夜に踊る神官戦士・イストテーブル(a53214)もホーリーライトを照らし出す。すると前を進む銀の剣・ヨハン(a21564)が後続の進行を手で制した。 ……居る。 ヨハンはそのまま鎧聖降臨を発動させ、グリュウも黒炎覚醒で黒い炎を身に纏ってゆく。誓夜の騎士・レオンハルト(a32571)はシオンに鎧聖降臨を使用し、シオンは武具の魂を発動させていた。 戦闘体勢に入る冒険者たちだが、魔物はその間に踏み込んでヨハンへと腕を振っていた。その手には何も見えないが、ジャッとヨハンの腕に斬り傷が刻まれる! 「外へ!」 言いながら東方ドリアッド所属・アスゥ(a24783)は前へと出て、黒炎覚醒を発動させる。イストテーブルも声を上げて仲間たちに外へ出るように促した。冒険者たちは家屋の外へと魔物を誘き出し、そこで戦闘するつもりだったのだ。 外へと移動を始めながらウェポン・オーバーロードを発動させるレオナ。高級和菓子・モナカ(a56968)は何かをモンスターに投げつけた様子だったが、魔物はひょいとそれを軽くかわしていた。 「外したなぁ〜ん」 それだけ確認するとモナカも外へと急ぐ。そのモナカにヨハンは鎧聖降臨を発動させ、アスゥはブラックフレイムを一発だけ打って外へと向かう。魔物は黒き炎を避けたようだったが、冒険者たちに攻撃されたことは悟ったらしく、追ってくる。 「後退しつつ屋外に誘き出すなぁ〜ん」 グリュウも牽制のブラックフレイムを撃ち出して、仲間たちと共に元来た道を引き返す。レオンハルトから鎧聖降臨を受けるレオナは矢を射出し、誘導を促す。魔物はその矢を身を捻ってかわし、そのまま駆け出してくる。最も距離が近いのはアスゥ、見えない武器を相手に勘だけで盾を構えるが、痛みは脇腹から鋭く広がる。既に不可視の刃はめり込んでいたのだ。 「…………!」 「正気を!?」 攻撃を受けたアスゥの様子にイストテーブルが叫ぶ。相手の特殊能力は不明なので、何かのバッドステータスにやられているのかもしれない。 「おねーさんが治してあ・げ・る♪」 高らかな凱歌をアイシアが奏で、アスゥの様子は正常へと戻っていた。小さく頭を振って、外へと向かい再び駆け出すアスゥの姿に一同も胸を撫で下ろす。 モナカはマッスルチャージを発動させ、外への扉に辿り着いたシオンは大きく開け放つ。 「外ですの!」 ざざっと素早く展開し、魔物を迎え撃つ冒険者たち。戦いの火蓋は切って落とされた。
グリュウはイストテーブルへと鎧聖降臨を発動させ、ヨハンはアスゥへと鎧聖降臨を発動させる。 「レオンハルト・リーゲル、参る!」 レオンハルトは自分に鎧聖降臨を使用するが、屋敷から駆け出す魔物がそこへと詰め寄ってきていた。ざっと鋭く振るわれる腕が、レオンハルトに痛みを叩き込む。 アスゥはエンブレムフィールドを展開し、イストテーブルは魔物の手元に気をつけながら攻撃を仕掛け……ようとするものの、何の手違いかイストテーブルは武器を持っていなかった。その為仕方なしに盾を構えて様子を窺っている。 「武器見えないからって強いとは限りませんなぁ〜ん!」 貫き通す矢を放つレオナ。闇色の矢に肩を射抜かれて小さく揺れるモンスターだが、続いて踏み込んでくるモナカの破鎧掌は大きく跳んで回避した。 「油断は禁物なんですの!」 だが回避した隙にシオンが剣を繰り出した! 稲妻の闘気を纏う一撃を避け切れないと判断したか、魔物は手をそちらに向けていた。ぎぃん、と硬い音を立ててシオンの電刃衝が空中で止まる。不可視の武器で攻撃を受け止めたのである。 「ハーイ、病んでる人は集合!」 アイシアが高らかな凱歌で一撃を受けたレオンハルトのダメージを癒すが……その様子はどうもおかしかった。レオンハルトの幸運度は大凶、もし魔物の攻撃にバッドステータスを与える能力があったのなら、未だにその呪縛から逃れられていないのかもしれない。 その想像を裏付けるかのように、レオンハルトはアイシアに鎧聖降臨を施すグリュウへと剣を振り下ろしてきた。 「混乱状態なぁ〜ん?」 とっさに身を引いてかわすグリュウだが、じゃっと鋭い剣閃が鎧をなぞって衝撃を伝えてくる。召還獣グランスティードの力も加わったレオンハルトの攻撃は、決して甘いものでは無かった。 「落ち着けっ」 ヒーリングウェーブで傷を回復させるアスゥだが、強力な仲間が自在に動けぬ状態は少々不味い。これ以上戦線を乱されないようにと、ヨハンは魔物へと詰め寄っていった! 「妙技を拝見したいのはやまやまですが、そうもいかず申し訳ない……!」 がっ、とヨハンの鋭い達人の一撃が魔物の軽鎧を叩く。攻撃を受けて魔物は一瞬怯んだ様子を見せたが消沈までは至らず、地を蹴ってモナカへと不可視の武器を振り出す! 「なぁん!?」 見えない攻撃を避けられず、モナカは大きく袈裟懸けに薙がれていた。鎧聖降臨のお陰で何とかまだ立ってはいたが、不可視の攻撃に意識が混乱状態へと落とされてしまう。 「ちょっ、来ないでなぁ〜ん」 混乱したモナカは矢を構えていたレオナへと攻撃をしかけようとしていた。あわてて弓を下げてレオナはそこから逃れてゆく。 「やはり、混乱のバッドステータスがあるようですね」 盾を構えながら、イストテーブルは仲間たちにそう呼びかけていた。 「……ま、それを何とかするのが私たち冒険者の仕事だけどさ」 言ってアイシアは大型魔楽器『WILDCHILD』を掻き鳴らし、高らかな凱歌を奏で立てる。猛々しく力強い旋律が冒険者たちの戦意を高め、傷を癒してゆく。モナカも正気を取り戻したらしく、ばっと敵に向き直っていた。 「行きますの!」 高らかな凱歌に後押しされながら、シオンは電刃衝を振り下ろす! 跳んでよけようとする魔物の身を掠め、浅くではあるが腕を薙ぐ。その動きの隙を狙ってグリュウは黒炎覚醒の黒を絞り出すように、ブラックフレイムを撃ち出した! ごっ! 黒き炎は魔物の腕の一振りで弾かれてしまった。エンブレムフィールドの効果もあってか、大きなダメージは与えられていない様子である。 「………これは……!?」 その直後、ようやくレオンハルトが混乱から抜け出していた。正気を失っていたことに対する後悔は戦いの後でいいと自分に言い聞かせ、グランスティードの突撃を威力に加え、魔物にホーリースマッシュを叩き付ける! がきっ! だがレオンハルトの渾身の一撃は、魔物が両手を掲げて虚空で止められていた。じりっと押し合う二つの力……だが、ヨハンがそこに一石を投じる! 「武器は見えなくとも、叩く的は見えていますからね」 ざっ! と蛮刀『壮麗シルバーソード』が魔物の軽鎧を貫いて深々と突き刺さっていた。苦しそうに身をよじりながら魔物がヨハンの剣から逃れる間に、モナカはマッスルチャージの力を全身にみなぎらせる。 「来ますか……」 引いた魔物が地を蹴って方向を変え、イストテーブルの前へと踏み込む。盾を構えた体勢のイストテーブルだが、その表面を何かが擦るような音が響き……腕に鋭い痛みが走る。同時に意識は混乱へと落とされた。 「相手の動作から先読みできればいいんだがな」 中々難しいものだと言って、アスゥは儀礼用長剣からヒーリングウェーブの癒しを振り撒いてゆく。アイシアも高らかな凱歌を奏で、イストテーブルの混乱を解除させていた。 (「……仇は取ってあげるから……」) 胸中だけで呟くアイシア。その胸に去来するは獣たちの歌で話を聞いた動物たち、その仲間の命が数多く奪われてしまったこと。 「命を弄ぶこんな奴に、負けてられないわよね!」 高らかに響き渡る旋律と、言葉。応えるようにレオナは弓を引き、狙いを絞る! 「攻撃を仕掛けますなぁ〜ん!」 放たれる貫き通す矢を追って、シオンが走る。ばぢっと電刃衝に闘気を纏わせ、闇色の矢を避けようとする魔物へと振り抜く! 不可視の武器でその一撃を受け止めるモンスターだが、足が止まって貫き通す矢に腹を射抜かれた。そのダメージからか、びくりと一瞬身を震わせる。 「力押しだけが戦いじゃないだろう!」 アスゥの放つブラックフレイムは、エンブレムフィールドによって威力が殺されてしまう。しかしそこにはキルドレッドブルーの魔炎と魔氷の力が加えられている。直撃にバキバキと魔物は氷に閉ざされていった。 「みんながんばるなぁーん!」 儀礼用長剣を掲げてヒーリングウェーブを放ち、グリュウは皆の体力を万全にしてゆく。その光を受けながら、レオンハルトとヨハンは剣を握り締めて走る! 動けぬ魔物に一撃、二撃と剣が刻み込まれる。びしびしと軋む様な音を立てて、魔物の体は崩れ始めていた。 「ふっとぶなぁ〜ん」 突き出すモナカの破鎧掌が、魔物の体を後方へと吹き飛ばす。距離が開いたが間髪入れず、レオナの矢がそのど真ん中を貫いていった。 「悲しみを……終わらせますの!」 魔氷と魔炎から逃れ、動き出そうともがく魔物だが、その体は目に見えて限界だった。苦しみと戦いを終わらせるべく振り下ろされたシオンの刃が、その体と魂を断つ。
……がしゃん。 最後は驚くほど静かに、崩れ落ちる音で戦いの幕は下りる。冒険者たちは何とか皆が無事であることに、安堵の息を吐くのであった。
「奴は何をしていたのでしょうか」 戦いが終わってから、モンスターも家屋が恋しくなるのかと呟きながら、ヨハンは家屋に被害が無いかと、痕跡が残って無いかをチェックしていた。 「どうやらお屋敷に傷をつけずに済んだようですね……」 レオンハルトもチェックを行っていたが、どうもモンスターは家屋には汚れや破損などは与えていないようだった。動物たちの亡骸も、主に家の外に散乱している様子だ。 「こんなに……ホントに憎いモンスターだわ!」 動物たちの亡骸を埋葬しようと集めながら、アイシアは命を奪った存在に、また守れなかった自分に怒りの言葉を漏らす。グリュウも埋葬を手伝いながら「もう被害は出ないなぁ〜ん」と呟いている。 「でも、これで終了ですの」 平穏を取り戻した屋敷を前に言うシオンの言葉に一同も頷く。「それじゃあ帰りますなぁ〜ん」と駆け出すレオナとモナカに続くように、モンスター退治を完遂した冒険者たちは帰路につくのだった。
(おわり)

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参加者:9人
作成日:2007/01/08
得票数:冒険活劇1
戦闘12
コメディ1
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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