<リプレイ>
●蝋燭を作ろう♪ (「……封書には使ったことがあるのだがな」) 蜜蝋を手に、守護者・ガルスタ(a32308)はそう思う。同時に、蝋燭が作れるのは知らなかったとも。 ハーブパウダーも花びらもラベンダーの花を選び、作るのは初めてだから、型は基本の形で作った方が安心できると、円形を選んだ。 「やはり、蝋の素材が違うと火の色なども違うのだろうか?」 作りながらふと思ったことを口にする。 「赤みのある温かい炎なのなぁ〜ん」 疑問の一言を丁度聞いていた幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)がそう答えた。 「そうなのか。火を灯すのが楽しみだな」 蝋がまた固まるのを待ちながら、ガルスタはそう言った。 「風船豚が大好きな人たちだから、風船豚の形にしようと思うの!」 そう言って、常時自動誤字スキルは集う・ラキア(a12872)は風船豚の立体の型を作るところから始める。店員の人のアドバイスがあり、更にラキア自身手先が器用であったのか、型を作成することが出来た。 湯煎で溶かした蜜蝋に黄色いハーブパウダーを混ぜ、細く刻んだ檸檬の皮、更に蜂蜜も少し混ぜる。蜂蜜色の蝋燭が出来るのを楽しみにしながら、ラキアは固まるのを待った。 「湯煎で溶かした蜜蝋にパウダーを混ぜて型に流す……これって芯を入れるのを忘れちゃうとただの蜜蝋だよね」 くすっと笑いながら迷子の癒し手・フィル(a46277)は、ハーブパウダーを混ぜた蜜蝋の中央に芯を差し、倒れないように固定する。 フィルの隣では、彼の作業を真似しながら世界に一匹だけの猫・アルテミス(a26900)が一生懸命、蝋燭を作っていた。 「後は固まるのを待つだけか。アルの方は大丈夫?」 「結構難しいにゃ〜……これで大丈夫かにょ?」 フィルの蝋燭と同じように芯を差したところまで何とか終えたアルテミスは、問い掛けたフィルに問い返した。 「大丈夫そうだね」 それを確認したフィルは頷き、目の前の二つの蝋燭が固まるのを待つ。蜜蝋の甘い香りが辺りに広がっており、二人はのんびりと和んでいた。 「アドバイスを頂ければな……と♪」 正方形の型を選んだ楽園の小飛虎・リィザ(a49133)は、レイメイに助言を求めた。 「薔薇なんかどうなぁん?」 ハーブパウダーや花びらの中から、薔薇から出来ているものを指しながら、レイメイは答える。 「薔薇ですの? それでは、薔薇のハーブチップを散りばめてみますの」 そう言って、溶かした蜜蝋にハーブチップを散らして、リィザはキューブ型の蝋燭が出来るのを楽しみに、作業を進めた。 「たまご型のものが作りたくて、型を持ってきたのだけど、持込でも良いんだろうか?」 僕のアリス・ラズリ(a11494)は手にした型を見せながら、レイメイへと訊ねる。 「しっかりしている型なら、構わないそうなのなぁ〜ん。……あまりしっかりしてなかったら隙間とかから蜜蝋が染み出ちゃうのなぁん?」 ラズリの手にした型を見ながら、「大丈夫そうなのなぁ〜ん」と言いながら、レイメイはそう答える。 ラズリはそのたまごの形した型に小さな花を雪が舞うように散りばめて蝋燭を作る。固まるのを待つ間、ラズリは先に試しに作ってみた小さな蝋燭に火を灯してみて、温かい赤みのある炎と甘い蜜の香りを楽しんでいた。 野火・エリエゼル(a41055)が蜜蝋に色をつけるためのハーブパウダーを選び、紅蒼遊戯・フィネル(a39487)が型を選ぶ。 二人がそれぞれ選んだのは、黄色いパウダーに星の型だった。 「黄色い星の蝋燭か。持ってきた型、一つだよな?」 二人の分を作るのに、フィネルの持ってきた型は一つしかない。エリエゼルは、フィネルが他に持ってきた型がないか辺りを見た。 「この型大きいから、二人で一個作って半分こにして合わせられるようにしたいんだ。いつまでもいつまでも、ボクの大切な悪友さんと、気持ちが一緒になれるように、ねっ」 「何だよ、勿体なくて使えなくなっちまうじゃねーか」 フィネルの考えそうなことだとは思いながらもエリエゼルは、にこっと微笑んだ彼女の言葉に、苦笑を漏らしながら答える。 湯煎で溶かした蜜蝋にパウダーを混ぜたところでフィネルはふと手を止めた。 「何か花も混ぜたいなー……」 そう言いながら、ジッとエリエゼルの方を見る。 「お前、まさか、俺のを……ちょっ、むしるな!」 エリエゼルの髪の先に咲いたノースポールの花をフィネルは少し摘み、蜜蝋の中に混ぜ込んだ。 「……円形じゃつまらんが……ネコ型に火をつけるのもな……」 さまざまな型が並ぶテーブルの前で、破壊の調律者・クロウ(a60165)はどんな形の蝋燭を作ろうか悩んでいた。悩むことしばし、結局円形の型を手にする。 「あ、キラちゃーん。手が空いてたら手伝ってくれぇ〜」 皆の作業を見て回っていたキラを発見し、クロウは声をかける。 「クロウさん……えっと、進んでるかな?」 声をかけられ、クロウへと近づいてきたキラは、彼の手元を見た。円形の型に入れた蜜蝋の表面で、赤い花びらが無造作に散りばめられている。 「蝶型にしたいんだけどさー……」 そう言って、花びらを指差す。 「そうだね、ここをこうしたらどうかな?」 羽根を広げた蝶の形を思い出しながら、散りばめられた花びらを少し動かしてみるキラ。先ほどよりは蝶に近づいたように見えた。 蜜蝋の取り扱いに慣れている銀緑ドリアッドの紋章術士・フリアエ(a61872)は、手馴れた様子で作業を進める。白い繊細な指先が作り出したのは、木の葉の形を模した蝋燭だった。 うっすらと緑がかった蝋燭の中に、さまざまな色の花びらを散りばめている。 「ふう、これで一仕事終わりましたね」 出来上がった蝋燭を前に、フリアエは充実感と程よい疲れに、微笑んだ。 (「喜んでくれるだろうか……」) 愛する彼女のことを思いながら紫電の探求者・ストラ(a34190)は、気をつけながら作業を進める。 (「薄汚れた日々をおくっていた自分でも、星のような輝きの彼女の笑顔をもっと見たいから……」) 落ち着いて、焦らず慎重に、作業を進めるストラ。もともと手先が器用なためか、心配していた失敗は見られない。 淡い山吹色になるようにハーブパウダーを混ぜ、小さな桃色の花びらを散らし、あとは固まるのを待った。 「ふわ〜。蜜蝋さんってこういう匂いがするんですね……」 店内に漂う甘い香りに、儚い白の希望・リオン(a48777)は思わず笑みを零す。 「……はっ! ぼ、ぼうっとしていちゃだめですっ!」 そして、我に返って焦る。リオンは店内に飾られた蜜蝋を眺め、蜜蝋独特の色合いを気に入ったのか、パウダーは混ぜず、そのまま星型に流し込んだ。不器用ながら、やる気と根気でカバーしつつ作ったそれは、形の良い蝋燭となって仕上がった。 「きっと優しい色合いで光るのでしょうね」 出来上がった蝋燭を手の上において、リオンは微笑んだ。 流石にペットの入店は断られたため、連れてきた犬を店の外に繋ぎ、外が見える窓際で作業をする高らかに響く腹音・クルック(a58349)。どの型がその犬の顔に似ているかと、いくつか型を取ってきては窓から顔を出し、犬と見比べる。一番似ていると思われる犬の顔の形した型を手にすると、クルックは溶かした蜜蝋にピンク色のハーブパウダーを混ぜた。そして、型に流し込むと、目と鼻の位置に花びらを乗せる。 「……ぬ、ちょっと曲がった……なぁん」 窓から犬の顔と見比べて、少し花びらの位置がおかしいことに気づいた。 「まあ、愛嬌愛嬌! 可愛いなぁん」 けれどそのままにして、蝋が固まるのを待った。 「ああ、面倒くさい」 自身で色彩感覚があまり良くないと思っている依頼依存症・ノリス(a42975)は、ハーブパウダーの並ぶテーブルを前に、思わず呟いた。 着色するのは諦め、蜜蝋自体の色をそのまま使おうと、すぐ型を選びにかかる。持ってきていた終夜灯の大きさを確認しながら、それに入れられる大きさと形を選んだ。その型に、溶かしたままの蜜蝋を流し込み、ノリスは終夜灯に用いることが出来るのを楽しみに、固まるのを待った。 紅色の剣術士・アムール(a47706)は、まず店員から作り方を学びながら、試作品を作った。そして、手順を覚えると、次は必要な材料を集めて、一人で作り始める。円形の型に、ラベンダーと薔薇の花びら、それにハーブパウダーを混ぜた蜜蝋を流し込んだ。 「ひとりで頑張れましたわ」 蝋が固まったのを確認したアムールは、出来た蝋燭を手に、一人で作れたことを喜んだのだった。 「カモミールのパウダー、ありますでしょうかー?」 尻尾を揺らしながら、花戦狐・イナルナ(a41972)は店員に訊ねた。求めるパウダーを店員が持ってくると、それを受け取って早速、蝋燭を作り始める。 真剣に作っているようであるが、その作業が楽しいのか、彼女の尻尾は始終揺れていた。
そうして、日が暮れる頃、それぞれ作った蝋燭を手に、店を後にするのであった。
終。

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参加者:16人
作成日:2007/01/25
得票数:ほのぼの10
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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