爆愛キューピッド計画!



<オープニング>


 ――山の中を…いや、丘か…それを貫く様に続く、暗く長い洞窟…
     天上には暗闇の中で光る無数の瞳、響く羽音……コウモリか?
 ――やがて外の光りが見え、外に出ると現れるのは昼なお暗い深い森…
     鳥の、獣の声が遠く響く。木々の葉が風に揺れると漣のような音を立て心を乱す…
 ――森の底の見えない恐怖に打ち勝ちただ真っ直ぐに獣道を進むと、やがて見えるのは
     樹齢の想像もつかないほどの森一番の大木。古惚けた表面は老獪な人の顔にも見える。
 ――霊木に祈りを捧げたのち、今度は丘を迂回する様に村へと歩く。
     森はほんの少し明るさを増すが、
      そのかわりに…異臭を放ちながら数十匹のグドンが徘徊している…

「…ってのが今回のルートやな」
「ルートって…依頼の?」
「そう。依頼や」
「で…どんな依頼なんだ?」
「…まぁ……あれや……恋愛関係のお仕事ってやつ?」
 額の汗を滲ませながら酒場の中の誰かが投げる質問に答えていた霊査士のフロストは、その問には微妙に視線を明後日の方向へ向けながら爽やかに答える。
「恋愛関係とさっきのルートは繋がり難くないか?」
「それが…まぁ、親の決めた結婚相手……許婚ってやつらしいんやけど、男の方がどうにも意気地が無いみたいでな。女の方は女の方でそういう意気地の無いヤツがキライだって言い切ったらしい。そこで、男の方――ピエール君が――いい所を見せようと、村で評判のキモ試しスポットを回ることにしたらしいねん」
「それじゃ、2人の仲が上手く行く様に手助けしてくれってことか?」
「えーと……あ…あははははっ! あー…依頼主は村長の1人娘フランボワーズ嬢。ごっつ可愛いお嬢さんやで!」
 今度は顔ごと明後日の方へ向け、爽やかに笑顔で言い放つ。
「…つまり、デートの邪魔をして、許婚とか結婚話までぶち壊しにしろってことか?」
「いや、流石にそこまで露骨な依頼やない。そんなんやと俺も受けへんしな。つまり…そのフランボワーズちゃんが自分と相手の親達に 『私の結婚相手と言うことは、いずれこの村を率いる村長になる人。そんな人が私1人守れないような人では、将来村のことを守れると思いますか?』 って言い切ったらしい。まぁ、許婚を解消するための方便だとしても、村の将来を持ち出されると村長達も渋々納得せざるを得なかった様やな」
 頭をぐしゃぐしゃと掻き回しながら、イマイチ乗り気では無い表情でそれでも仕事、と。
「ま、いろいろややこしいけど、ピエールとフランボワーズの2人の無事は絶対条件や。本人にケガさせるのは勿論、脅かし過ぎてケガさせたりとかもダメ。あとは…あぁ、出来るだけピエールにばれないようにコッソリ進めること、かな?」
「出来るだけ?」
「あぁ、最後のはあくまで出来るだけ。二人の無事には代えられないから、いざって時には出てもいいわ」
 ふぅ、と大きく息をつくフロストと酒場の冒険者達。苦笑交じりの顔を見合わせる。そして…ニカリ。
「まぁでも。脅かしてくれって依頼なんだから、脅かせばいいんや。邪魔をしてくれとは頼まれて無いしな? ピエールのカッコイイ所とか見せてやれたらフランボワーズちゃんの態度も変わるかもなぁ?」
 悪戯っ子の笑顔で。多分、最初っからそのつもりで話しを持ってきたのではないかと、それ以外の予想をさせない満面の笑みで、言い切る。
「他人の恋路に踏込んだり覗き見たりなんて趣味は悪いと思うけれど……お前さん達があの2人をどんな風に別れさせるか…恋のキューピッドになるか…見せてもらうで?」

マスター:仁科ゆう 紹介ページ
洞窟は前述の通りに暗く、松明を持って進まなければいけないような場所です。そのあとに1時間ほど森を歩き霊木へ。織り返し今度は2時間ほど森を通って村へと帰ります。ピエール君は彼女にいいところを見せようとかなり根性いれて頑張りますが、強烈な恐怖を続けて感じていると逃げ出すかもしれません。

参加者
荷葉・リン(a00070)
深緑の眠り・エフ(a05027)
野獣教師・ヴィンセント(a05840)
後背の中途半端武人・テフュラス(a06168)
戦う商人・リフィ(a06275)
鉄砲魚・レイヴル(a07514)
武術屋・リュウド(a07689)
魂を消し去りし者・ゲン(a07704)


<リプレイ>

「これで全部?」
「リンさん、他にコウモリは見えますか?」
「……居ません。これで最後でしょう」
 ランプの明りでは、この暗闇を隅々まで照らすことはできていないけど、、周囲を見回し和らぐ音色・リン(a00070)は自信を持って答える。エルフである彼女は優れた夜目を持っている。
「しかし、以外に時間がかかったな?」
「全員、私が刃を引いた武器を使っていましたからね。しかたないでしょう」
「洞窟の中でこれだけのコウモリを斬り捨ててしまえば、血の臭いが酷くなってしまいますからね」
「その方が怖くなっていいんじゃないだぎゃ?」
「アカン。肝ダメしに他の人も使うんやから」
 一行は、事前の用意として、他人行儀な武人・テフュラス(a06168)が刃を引いて鈍らせた武器をそれぞれ持ち、危険の排除を兼ねてルートの下見に来ていた。
 その成果が、足元に何体も落ちているコウモリ達。切れ無い武器での戦闘は確かにストライダーの狂戦士・ゲン(a07704)の言う通りにてこずりはした物の、血の臭いが充満することを思えば、それよりはよっぽどマシだ。
 しかし……みんなの出で立ちは凄まじく妖しい。
 薄汚れた鎧を身に纏ったリザードマンの牙狩人・レイヴル(a07514)はもとより。パンツにブーツ、布で作ったマスクで実を固め、刃こぼれした鉈を手に下げた筋骨逞しいまっちょなボディの野獣教師・ヴィンセント(a05840)とヒトの武道家・リュウド(a07689)の2人組もかなりの高得点。街に居れば問答無用で通報されそうな格好だ。
「それじゃ、ここの仕掛けは任せたぜ?」
「ええ。ゲンさんと2人で上手く作っておきますよ」
「月夜の闇より深く 皆に闇の加護があらん事を……健闘を祈る」
 コウモリの死体を全員で分けて持ちながら洞窟を抜けて行く皆を見送り、ゲンとテフュラスは作業を開始する。
 2人は洞窟内での仕掛け担当。追跡と隠匿に長けた2人は、お互いの技能を生かし、これから来るピエールとフランに仕掛けが見付からない様に、天井の岩の陰にロープを張り、そこにランプを吊り下げて滑車の様に滑らす仕掛けを組んでいく。
「どうですか? ゲンさん。仕掛けは見えませんか?」
「問題無い。知らなければ、俺でも見つけるのは難しい」
「スイッチもうまく切り替えられる様だし。あとは二人を待つだけですね」
 そして2人は、影の中に溶ける様に消えて行く。

「それ……何してんねん?」
「見ての通り、看板を立てているんです」
「律儀だな。道を慣らしたり、看板立てたり。んなことまで依頼されてないんだぜ?」
「それはそうですけど……今後この道を通る方々のことも考えると、無駄にはならないでしょう?」
「うむ。それはそうだぎゃ。 おらも手伝うきゃら、早いとこ終わらせるだぎゃ」
 なんだかんだと言いながらも、結局全員で道の舗装をし、いくつか看板を立て、そして……グドンを退治する。
「1匹だけだったな……」
「村の肝ダメシだからなぁ。こんなもんとちゃうか?」
 拍子抜けしたような表情で、でも気を取りなおし、自分達の持ち場へと向かう。でも。
「おらは……やりたいことがあるだぎゃ」
「やりたいことですか?」
「人一人を守れない男は長に向いていないというきぇど、勇敢さの形は必ずしも一つじゃないぎゃ。たとえば手負いの野獣を手当てするのも、立派な勇敢さだぎゃ」
「野獣って……お前か?」
「そうだぎゃ」
「ええんとちゃう? そう言う強さも」
 作戦に支障が出ないように相談し、待ち伏せる3人は森へ、リンは準備が出来た事を伝えに移動する。


「っと、いうわけで。あたし達の作戦に協力してもらいたいんです」
 それから少しあとの村長宅。戦う商人・リフィ(a06275)と深緑の眠り・エフ(a05027)の姿はそこにあった。
「こちらとしてもありがたいですが……わしらが協力できますかな?」
「ピエール達が『モンスターが出た』と駆け込んできてもパニックにならない様にしておいてもらえればいいわ」
「あと、もし作戦の結果でピエールがダメな奴だった場合でも村に居辛くなったりしないようにしてくれないかな?」
「それ程度のことなら、よろこんで」
 密談、っというわけではないが村長を相手の交渉を終えて、2人は外で待つリンと合流する。
 そこに掛かる声。
「貴女達が、依頼を受けてくれた冒険者?」
「そうだけど……キミがフランボワーズ?」
「ええ、そうよ。あぁ、フランでいいわ」
「そうですか! わたくし、今回の依頼を受けさせていただいたリフィで御座います」
「そんなに畏まらないでよ。でも、女性ばかりでちょっと安心したわ。今日はよろしくね?」
「こちらこそ、よろしく頼むわね?」
 どうやら、自分の依頼を受けてくれた冒険者が、同じ女性だったことに安心した様子で。
 それを見たリンは、意を決したように聞いてみたかったことを口にする。
「フランボワーズさん? 1つ聞いてもいいですか?」
「なんですか?」
 にこやかに、答えるフラン。
「本当はピエールさんのこと、どう思っていらっしゃるんですか?」
「そうね……そんなに彼のこと嫌いなのか、そこは聞いておきたいわね」
 少し、曇る表情。
「キライじゃ、ないけど……彼って、イヤになるくらい意気地が無いんだもん」
 プイっと横を向き、ふくれたように拗ねたようにそっぽを向くフランを見て、ふんわりと微笑むリン。エフもリフィも顔が緩みそうになるが、堪えてそれでもマジメに。
「いいんじゃない? だからこその依頼でしょ?」
「え……ええ」
「それじゃ、意気地があるかどうか見極めにいきますか♪」


 ピエールを一言で表現するなら、線の細い優男、である。そのやさしげな表情は確かに村長といったイメージではない。
 それでもこの暗い夜道を、彼女の足元に松明を照らしながら歩くのは、素朴な優しさを感じさせる。
「そろそろ洞窟だね、フラン。足元暗いから、滑らない様に気を付けて」
 そして入った洞窟。暗いその中は、ピエールの手にある松明では隅々までは照らし出せない。
 壁に不気味に揺れて映る、自分自身の影にさえも、恐ろしさを感じてしまう。
(「来ました……ゲンさん用意は?」)
(「問題無い」)
 そして……洞窟の中にゆらゆらと揺れる、人魂だろうか……現れては消え、消えては現れる火。
「……うっ……!!」
 必死に悲鳴をこらえるピエール。
 
「ピエール見た!? 今の!」
「み……見間違いだよ……それよりも、フラン、急いで洞窟をでよう……!」
 暗さで解らないが、何処か怒りをこらえているようなフランの表情。
 じっくりと長い時間をじわりじわりと感じ、洞窟を抜け、森の中へと出て行く。
 それを確認してから、影から滲み出る様に現れた2人は、声を潜めながらお互いの顔を見る。
(「悪趣味、ですよね?」)
(「でも、依頼は達成した。成功だ」)


 ガサガサ……
 どこかから響く、葉が鳴らす漣のような音。
「っ……風が木を揺らしてるみたいだね」
「みたいね」
 バキッ……
「……今の音。なにかいるのかしら?」
「そ……そりゃ、動物くらいいるさ。森の中なんだし……驚くほどの事じゃない。そう、驚くほどほどのことじゃないんだ」
 時折、視界の端を通り過ぎる何かの影。
 それでも、手に汗を握りながら、自分自身に言い聞かせる様にピエールは歩きつづける。フランの表情はさらに不機嫌になっていく。
 バキバキッ……ガサガサガサ……
 
そこへ響いたのは、今までとは比べ物にならない大きくハッキリとした音が響く。あきらかに『何か』が森の木を掻き分けて進む音。
 そして、ドサリ。来た道を少し戻ったところで倒れこむような音を最後に、草花を揺らす音はやみ、代りにしゅーしゅーと弱く荒い息遣いの音がする。
「……何かしら?」
「ボ……ボクが、見てくるよ……」
「あぁ、なら私も一緒に」
「いや、なにか獣がいたら危険だ。ボクだけでいくよ」
(「……足が振るえているじゃない。意気地が無いくせに無理して……」)
 声には出さずに、表情だけは心配そうにゆっくりと頷いてフランはピエールを送り出す。
 そしてピエールは見た。草の上に身を横たえ、動けないながらも殺意にギラギラと光った視線を向ける一体のリザードマン。ボロボロの鎧に身を包み、ヤリを手に持っている。
「あ……あの……ダイジョウブ、ですか?」
「ハラ、減った……に……肉ぅっ……」
「っ……」
 その姿に、ピエールは駆出した。
「……逃げてしまっただぎゃ」
 悲しそうな、呆然とした表情で――人間には判別しがたいが――むくりと置き上がるレイヴル。
「そりゃあ……お前のその姿みたら、普通逃げるだろ」
「セリフも怖いし、それを攻めるのは、ちょっと酷、やなぁ」
 ガサガサと草を掻き分けて出て来た盗賊2人組・ヴィンセントとリュウドがやれやれと言った表情で答える。
「むー……負いの野獣を手当てするっていう、勇敢さをみたかったんだきぇどな」
「まぁ、この後に期待ってことやな」

「ど……どうしたの? ピエール?」
「危ないとこだった……ハラを空かせたリザードマンがいたんだ……食われそうになったんだよ!」
(「リザードマン? そんなものまで用意していたのね。 でも、簡単に逃げ出してきたんだ……」)
「とにかく、早く村に帰ろう」
「ダメよ。今戻るとまた顔を合わせるかもしれないし……それなら、霊木の所で少し時間を潰しましょう」
「そ……そうか。そうだね。あそこなら霊木が守ってくれるかもしれない……」

 それは、高い木々が並ぶ深い森の中にあって、一際大きく。その存在してきた年月の長さを感じさせる、不思議な巨木だった。
 たしかに、なにか不思議な力が備わっている。そう言われれば納得できそうなくらいに神秘的な霊木といわれ大切にされている木。
 その前に座り、あまり言葉も無いままに時間を潰していた二人。ピエールは青い顔をしながら、フランはどこか落胆をした顔で。
 そのフランの表情に気付いてピエールが声をかける。
「大丈夫だよ、フラン。きっと無事に帰れるよ、とにかく……そうだ! 霊木にお祈りを捧げてよう。もともとそのつもりで来たんだ。二人無事に帰れます様にって……」
「……そうね。ご利益があるかもね」
 フランが答えるのを聞いたピエールは幾らか元気を取り戻した様に立ちあがるのに手を貸して、そしてふたりで木に向い手を合わせる。手を合わせ、少なくともピエールは必死に願う。
 その時、周囲の地面が淡く輝き、自分の体に何か不思議な力が流れるのを2人は感じた。
「これって……霊木のご加護!? きっとこれで無事に帰れるよ!」
 ピエールの言葉にフランは何も答えないで微笑を見せ、ピエールについて歩き出した。
 
 
 帰りの道程は、ピエールは何かに守られていると言う根拠の無い安心感……いや、空元気で歩きつづける。
 さっきから返事に気の無いフランを怖がっているからだと思いこみ、元気付けるために自分が明るく振舞っている。
 2人に最後の危険が迫ったのは、村まであと少しの場所で。ガサガサと大きな音を立てて姿をあらわしたのは3つの影。
 パンツルックの盗賊風の2人組と、ボロボロのリザードマン。
「金……飯……」
「嫌だ……」
 胡乱な瞳で焦点を定めないままにスコースコーと怪しげな呼吸音を立てながら近づいてくると、ろくに狙いも定めずに滅多に鉈を振るう。
 2人には掠りもしないものの、周囲の木に鈍い音を立てて突きたたる。
 それを見たピエールは足を振るわせ、それでもフランの前に手を広げて守るように立つ。
「……ピエール、逃げましょう!」
「キミだけ先に! っ…危ない、フラン!」
 フランに覆い被さる様にして地面に倒すピエールの頭を掠めて、危うい所を通り過ぎる無骨な鉈。
 そして倒れた二人にもう1人の盗賊が切りつける。その時、横手から草を掻き分けて飛び出してきた一体の土人形が2人を庇う様に鉈をその身で受けとめる。
「大丈夫!? ケガは!?」
「あ、ありません。ボクも彼女も大丈夫です」
 その後ろから続いて、慌てた表情で額に汗を浮かべながら出て来る2人の少女を見て、フランは怒りと困惑の表情を浮かべながら声を上げる。
「ちょ……っ! 危ないじゃない!? それに何で出て来るのよ、バカ!」
「え……知り合いかい? フラン?」
「知り合いも何も…・・・それより、どういうつもっ……!」
 ガヅッ……鈍い音を響かた土人形は助けを求めるように少女達に手を伸ばし、ボロボロと崩れて土へと帰っていく……
「どういう……つもりよ……これ?」
「ちっ…! なら、これなら……気高き銀狼!」
 エフは宙に浮んだ紋章から輝く狼を産みだし襲わせるが、それも横面を叩かれ消える。
「弾かれた!?  手強いじゃないの」
 エフが呟くのを聞き、ピエールの、そしてフランの顔がさらに曇る。
「ねぇ……私達に危険が無いようにって!」
「バカ、まだわかんないの!? あたし達が用意したんじゃない。本物よ!!」
 一気に青ざめるフラン。訳が判らないといった表情のピエール。
「あなた、逃げなさい! 逃げて、早く村に知らせなさい!」
「あ……いや、フランを置いてはいけません!」
 その言葉を聞いて、はっとした表情でピエールを見るフラン。ピエールは……恐怖に青ざめながらも、それでも唇を噛締めて彼女を守る様に立っている。
「なら、フランボワーズも連れて、村の人に警告を!」
「わ……わかりました。お二人とも、ご無事で!」
「大丈夫、これでもアタシ、強いんだから」
「ほら、フラン。早く……!」
 茶目っ気たっぷりに言って見せるリフィに、意を決したように大きく頷き、呆然としているフランの手を強く握り、走り始める。
「…………」
 青ざめた横顔は、頼り無いけれど。それでも……


「何、考えてるの?」
 村に着いた8人に、全身で不満を表現しているフランが発した第一声はこんな感じだった。
 その横にはピエールと村長もいる。
 ピエールは、と言うと。まだ少し顔はこわばっているものの、ほっとしたのか優しげな表情に戻っている。
「何って……依頼を遂行したんだけど?」
「依頼は、ピエールを脅かす事だったでしょう!?」
「違うだぎゃ。ぴえ〜るの長としての資質を証明するという事って聞いただぎゃ」
 悪びれも無く、飄々と答えて見せる一行。
「すいません、フランさん。でも本当の意気地とかは、肝試しなんかじ見れ無いと思ったんです」
「そうやでー。ホントに危ない時に勇気見せられるかどうかのほうが、重要やろ?」
 むすっとしながらも、言い返すことはせず。フランは黙って聞いている。言葉ほどは怒っていないようで。
 ピエールは、顔を紅くして立ち尽くす。フランは、何も答えない。
「それで、どう? 二人一緒に頑張ってみて、ピエールの事何か判った?」
 リフィがそっと聞いた言葉に、フランは横を向いたままで。それでも、彼の手をそっと、握った。


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作成日:2004/04/17
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