【有頂天な演出家】ロザムンド・マッゴーワン氏



<オープニング>


 彼がいかなる理由をもって、男性らしからぬ言葉遣いを好むかについては、時を数十も遡るという人知を越えた力を発揮せねばならないだろう。
 それは不可能というものである。
 しかしながら、高名な画家との自己紹介を行った依頼者が、冒険者の酒場に立ち入った瞬間から、霊査士の黒髪を気に入ったことは誰の目にとっても明白であった。
 薄明の霊査士・ベベウ、彼たったひとりをのぞいては……。 
「依頼です。その前に、ご紹介いたしましょう。こちらは今回の依頼をお持ちくださったマッゴーワン氏……彼は風景画を得意とされる芸術家で……」
 青年の言葉を遮ったきらびやかな出で立ちの男は、若作りこそしているが、おそらく六十手前の年齢であるのだろう、声にしわがれた響きがしのばされている。それでもマッゴーワンは、せいぜい甲高い声を発して冒険者たちに伝えたのだった。
 『あたし』が取りかかっている作品こそ、畢生の大作となり、真の芸術家『ロザムンド・マッゴーワン』の名を先年に渡って伝えるであろうこと。
 その大半は完成へと近づいているのに、ただ一箇所だけが手数のままであること。
 そして、遅延の原因は不可思議な存在にあるということ――。
「ですからね、その植物ちゃんたちを、ちょいちょいと取り除いていただきたいっていうわけなのよ。わかるわよね、あなたがた? ほら、ベベウちゃんも、何かお話ししてくださらない? あなたのお声が聞きたいわ〜」
 奇矯な人物を横にしても、黒髪の霊査士は平然としており、普段の佇まいに寸分の狂いすらもみせていない。しかしながら、あまりに誓い位置にまで寄せられた『ロザムンド』の顔には、さすがに異変を感じ取ったのだろう、さりげなくカウンターへの用事を作りだすと円形の机から離れ、再び盆を手にしてから戻ってきた。
「こちらのマッゴーワン氏が絵筆を振るっておられるのは、とある邸宅に設けられた長い廊下のすべてなのです。天井にも壁面にも、そして、柱にも美しい風景を描いている……そうでしたね」
「ええ! そうなの! あたしが試みていることは、人工物の内側に自然の眺めを封じこめてしまうということ。儚く移ろってしまう、時には失われてしまう景色を、そのままに留めおくの。ただね、そのままじゃ面白くないから、床は土にしてあるよの。白爪草を蔓延らせて、そこに季節を感じるの……。この仕事はね皆さん。あたしの依頼人のおじいちゃまの願いでもあるし、あたしの理想でもあるのよね。どう、どう、どう? 素晴らしくなくて?」
 鼻息の荒い依頼者の勢いに気圧された同業者が多いなか、ベベウは平然とした様子を保つことのできたひとりであった。彼は、不可思議な存在についての説明を行った。
「廊下に白爪草が植えられていることは、先にお話しした通りです。ですが、そこに、奇妙な力を持った草が紛れていて……。その植物は、日に日に育っては刈り取ろうと試みるものたちを眠らせ、炎のように揺らめかせる先端を天井へと伸ばしているのです」
 天を仰いだ――正確には薄暗い天井を見た――芸術家は声高に言った。
「あと太陽を描くだけなのよっ!」

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参加者
小緑星・リュイシン(a10818)
麗滝の薬師・カレン(a17645)
深淵の流れに願う・カラシャ(a41931)
吟遊詩人・アカネ(a43373)
針の痕・ピジョン(a45211)
青・ケロ(a45847)
黄昏の山猫・エル(a46177)
ノソ・リン(a50852)
熱情の律動・ユヴァ(a53937)
白銀の誤字っ子術士・マリー(a57776)


<リプレイ>

●彼らのこと
 奇矯な芸術家――否、奇矯であるからこそ芸術の道で身を立てる人物となったのだろうか。深緑の髪に雪の白さを綻ばせる小花を咲かせた少女は、屈託なく笑って言った。
「面白い奴だな! どんな意味って、色んな意味でだ。……いやこれでも私は褒めてるんだぞ?」
 熱情の律動・ユヴァ(a53937)の言葉に、華美な身形の芸術家は怪訝に眉をしかめた。だがロザムンドは、言葉の通りに好意を感じ取ると、嬉々とした様子を隠しながら、次のように伸べたのだった。
「可愛らしい顔して、親父みたいな口調ね! 正しなさい!」
 芸術家の、ただでさえ大作り顔に、青や橙や灰といった粉で強調された瞳や唇が、名状しがたい迫力を湛えながら迫ってくると、小緑星・リュイシン(a10818)は、その華奢な肩をすくめたが、手入れの行き届いた画家の指先からはけっして逃れられなかった。片腕を相手しっかりと抱きしめられながら、リュイシンは絵に描いたような微笑みを浮かべている。
「あそこ、あそこ!」
「……はい」
 楽しげに前方を指差す依頼人に、リュイシンは短い言葉を返した。ロザムンドは、あけすけで、馴れ馴れしく、時には図々しい。だが、それでも、この人物には自分を偽ることがないという美点があるようだ。霊査士に対する態度を、咎め立てする必要はないのかもしれない。
(「でも、なぜ……私は腹を立ててしまったのでしょう……」)
 
 遠方からでもそれとわかるロザムンドの姿が、左右にふたりのドリアッド娘を連れだって、こちらへとやってくるのを、銀花小花・リン(a50852)は手を振って迎えた。少女らしいほっそりとした指先で、凍える朝の雪原を思わせる髪を、紺碧を思わせる双眸に触れる位置から耳元へとなでつけ、彼女は見あげる。黒い屋根が峻厳な頂のよう、白亜の壁面は生真面目な感じがした。
「この館の回廊に、外の世界を再現する……か。彼――彼女かな?――の発想は素晴らしいね」
 リンの言葉に応えたのは、先の尖った青白い指先を胸元で絡め合わせ、首の小花の茎を思わせる線を露わとして、館の全景を見渡していた少女だった。
「室内に描かれた『自然』……どんな絵なのでしょう。ものすごくワクワクいたします」
 深淵の流れに願う・カラシャ(a41931)は、まるで濡れた輝石のように煌めく双眸を細めると、超然としたその美貌に暖かな印象の微笑を浮かべた。
 
 回廊へと通じる扉には、一切の装飾が施されておらず、館の主であり、ロザムンドへ夢を託した人物である老人は、この扉の色彩こそが「やがて訪れる夜……もしくは、すでにやってきた夜を示しているのだ」、と説明してくれた。
 白銀の紋章術士・マリー(a57776)は、子供のように嬉しそうな老人を、どこか好ましく思っていた。彼は素直な笑顔が印象的で、しつこいにやにや笑いを浮かべる人間などではなかったのだ。
(「件の作品こそが、ロザムンド様とおじいちゃまの願いであり、理想なのですね……」)
 微笑む少女の、幾千の輝きを散らす紫水晶のような瞳に、老人は自らの夢への憧憬と深い理解とを感じ取ったようだった。彼は黒い扉に取りつけられた、黒い輪へ指先を絡めると、マリーたち冒険者に告げたのだった。
「ささ、敵はこの先におりますぞ! 希望のグリモアを戴く方々よ、くれぐれもご用心を!」
 磨きあげられた寄せ木細工の廊下に、重たい響きが起こり、開かれた『夜』の裏側からは、目映い『昼』が飛びこんできた。
 
●炎のように揺らめく植物のこと
(「時が止まった回廊――」)
 濡れ羽色の髪をしたエルフは、その美しい唇は薄く閉じたまま、紫の瞳だけははっと見開かせて、屋内に封じられた緑の景色を見渡した。視界の中心には、うねる緑の胴体に火焔のように紅い線を交じらせる、奇妙な形の植物が存在していた。
 先の尖った白い耳にかかる髪を払うと、麗滝の薬師・カレン(a17645)のまわりには茉莉花の香気が颯爽と漂った。ルビー・リップスの手袋が掲げられた先で、白い羽根のかたまりような姿の何かが出現していた。その柔らかな輪郭をちらりと見やると、ユヴァは瞳を閉じて、十の指を絡め合わせて、深い祈りの姿勢へと移る。その姿は無防備だが、彼女の胸には皆への深い信頼という絆が存在している。
 茶色の鱗で包まれた太い首には、余分な皮膚がひだとなって集まっている。彼女はリザードマンらしく大きな口をぽかんと開き、足元に広がる白詰草の絨毯を見つめているようだ。吟遊詩人・アカネ(a43373)の興味は、奇妙な植物よりも、床に敷かれた土にあるようだ。
「土をぉ、選ぶのが大変だったでしょうねぇ。いろんな土がありますからぁ。砂利の多いものとかぁ、真っ黒でボクボクした土とかぁ」
 回廊の空間を埋め尽くさんばかりの勢いで、まるで鍋の底に這いずる炎の舌先みたいに、植物は天蓋を覆ってしまっている。アカネはその有様に気づくと、「はぁ〜」と驚きの声をあげつつ、古木の杖を視線の高さに掲げた。吟遊詩人は深呼吸をして胸を膨らませると、惰性と倦怠と後悔からなる、すさまじい詩句の歌を唄った。
 もがき苦しみでもするかのように蔦を痙攣させる植物を、気まぐれ山猫・エル(a46177)は少し気の毒に思っていたが、『夢絶』という美しい名を与えられた銀の弓を構え、そこに、魔炎の灯る矢をつがえると、黒曜の瞳の片方を閉じ、狙いをうねる植物の胴体に定めた。震える弦を頬に触れる髪の先に感じながら、エルフの少女は矢の行く末を見つめた。魔炎は飛びこんだ先で膨れあがり、その爆ぜる衝撃によって、長大な姿となった植物の姿勢を歪めた。
 空の高きを渡る鳥のような素早さを足元にまとうと、青・ケロ(a45847)は緑の絨毯を駆けぬけ、数十もの腕をしならせる植物の、その懐に飛びこんだ。うなりをあげる鞭のような一撃がかすめたが、彼は軽やかな身のこなしでそれを回避した。けれど、伸ばされた蔓の先端は、すでに素晴らしい景色の描かれた壁面の、寸前にまで到っている。少年翔剣士は『緑の盾』を構え、心の裡で呟いた。
(「絵を傷つけるつもりなら、僕が受けとめましょう」)
 魔剣『ファーヴニル』で虚空を切り裂き、マリーは描きあげた紋章から、まるで滴り落ちんかにも思える輝きの魔弾を撃ちだした。その後を追うようにして、揺らめく巨大な植物へと迫ったのは、片足に白銀に冴える輝きを帯びたリンだった。ストライダーの武道家右足は、人間の胴よりも遥かに太い茎へと向かい、そこに鋭い弧状の傷口を開かせる。
(「シロツメクサの絨毯に、建築物に描かれた自然。マッゴーワン氏は面白いことをやっているねェ。さあ僕は彼の太陽が無事昇るように、全力を尽くしましょうか――」)
 闇色の魔炎を駆けあがらせた指先――その青白い甲には精緻な紋様が刺青されている――を、ドール専門仕立て屋・ピジョン(a45211)は揺らめく影へと向かわせた。地と水平に保たれた錫杖から、玲瓏な響きが起こった瞬間、彼は蠢きながら飛翔する火焔の魔弾を放っていた。
 まるで蛇のように、あるいは、燃えさかる火焔のように――禍々しい巨躯へと変貌を遂げた植物は暴れまわった。そこへ、リュイシンが広げた魔道書の項から次々と湧きあがった葉の群が、青から瑠璃へと移ろう腹を煌めかせながら向かってゆく。その後、回廊に鎮座する植物が見せた動きは、ゆらりゆらりと蔦を揺らめかせては目にするものを籠絡する、不可思議なものだった。
 ほっそりとした手足を投げだす格好で、エルがまだ小さな葉しか持たない白詰草の上に倒れこんだ。彼女はすやすやと寝息をたてている。眠ったのはひとりだけではなかった。ケロは仰向けに、リンは壁に背を預けるようにして、瞼を閉じている。
 胸に『害なす魔の杖』を抱きしめ、カラシャは唇をすぼめると、胸一杯に空気を吸いこんだ。そして、はにかんで、しとやかで、愛らしい歌声を響かせた。
「ネムネムの、虫は何処かへ飛んでいけ〜」
 低い姿勢から繰りだしたリンの蹴りが、白爪草の葉を振るわせながら巨大な植物の太い茎へと届けられる。宙をのたうつようにして繰りだされた蔓の鞭で傷つけられた武闘家へと、カレンは仄かに耀う癒しの光波を向かわせた。
「薫風よ傷を洗い清めたまえ」
 指先に絡めた白の連珠『スノーフレークオブシダン』から、黄金の輝きが滴り落ち、それは、ユヴァの目前で光耀の紋章となって瞬いた。伸ばされた幾条もの輝きの槍たちは、暴れまわる植物の胴を貫き、その腕を落としてゆく――。
 ユヴァに代わり、静かなる祈りを捧げる役目に自らを任じたのはリュイシンだった。彼女の傍らには、片方の瞳を閉じ、画家が風景を切りとる際に見せるような仕草で、ピジョンが敵影と左右の壁面との関係を観察している。間隔は十分と判断したのだろう、ヒトの邪竜導士は黒炎の蛇を宙に放った。
 再び惰性と倦怠と後悔からなる詩句を、されど明朗に歌いあげたアカネ。エルは掌中から溢れださんばかりに迸る輝きを、まるで雷光を模したかに思われる美しい矢に変えていた。それは『夢絶』の弧から放たれ、敵の影の中心を貫いた。
 頭上に浮かべた光弾に、ペインヴァイパーの吹きだした紫の霧がまとわりついた。カラシャは『レーヴァテイン』で行き先を示し、輝きのかたまりを踊る植物へと向かわせる。瞬秒の後、ケロが『緑の剣』から放った疾風のごとき刃も、敵の胴を歪めるのにひと役買っていた。
 まるで燃えさかる炎のようであった姿は、もう存在していない。黒ずんだ有様に変色し、腰は折り曲げ、蔓は疎ら――。
「……ここには、可愛らしい白爪草しか必要ではないの」
 魔剣の柄に絡める指先に力をこめると、マリーは白銀から移ろう不可思議な輝きで紋章を描きだすべく、心の力を高めた。そして、中空に静止する精妙なる紋様、その中央から光弾を撃ちだすべく、力を解き放つ――。
「我が呼びかけに集いて、敵を打ち砕け!」
 
●依頼人の依頼人におる、暖かな賞賛のこと
 膝までの背丈しかない幾人かの従者を従えて、ピジョンが回廊かが運びだしていったのは、あの奇妙な力を得てしまった植物の亡骸たちだった。そして、奇妙な植物が残した穴を、肥沃な香のする黒土で埋めたのは、どこか楽しげに尾を揺らめかせながら作業に勤しむリンである。
「あの、草のせいで白爪草が痛んでしまいましたね……少し白爪草の苗を新たに植えなおししなければ……ですね」
 指先を土だらけにしたマリーがそう言うと、老人は笑顔で言った。
「心配いらん、すぐに増えますよ。野に咲く花の時節というのは儚いもんですが、冬にもどっこい生きとる。そこが、私は好きでしてな」
 そこへ、宙をふわふわと浮遊しながらカレンがやってくる。彼女は、下草を踏み荒らすことのないよう、宙を浮遊する獣の背にまたがって作業を進めていた。回廊の中央に組みあげられつつある足場を見あげながら、濡れ羽色の髪をしたエルフは老人に言った。
「ロザムンドさんは、あと太陽だけと……」
「ええ、そのようです」
「晴れるとよいですね……」
「ええ、本当に」
 目映いものでも見つめるかのように、老人は瞳を細めて薄暗い天井を眺めている。そんな様子を、エルは不思議そうに観察していたが、軽やかに跳躍して彼の隣に立つと、こんなことを言った。
「ふ〜ん……この風景画の価値って、どんくらい?」
 老人は悪戯でも仕掛けようというのか、皺のよった瞼はそのまま、瞳を爛々と輝かせて言った。
「私の人生くらいでしょうな。私ひとりの、ではありませんよ。私と関わったすべての人々があってこその人生です」
「ふ〜ん、そうか〜。商売にはできないね〜」
 エルが首を傾げた、ちょうどその時だった。足場の設営が終えられて、その上からアカネが草の絨毯へと飛び降り、鈍くて重たい音をたてた。その響きに、人見知りする少女のような恥じらいを浮かべると、茶色の顔を両手で挟みこみながら、彼女はロザムンドの元へ向かった。
 絵筆を手にする芸術家――彼の傍らには、ユヴァの姿があった。
「マッゴーワン。本当に太陽を描きこむのか? 白爪草を含めこの壁画は素晴らしい。お前の命への愛すら感じる。私も長く生きているが、これほどのものはそうそうお目にかかれまい。だが……いや、だからこそ……これは太陽を描いてしまうより」
 画家は紫に縁取られた瞳を丸くしていたが、その大きな顔をユヴァの小さな顔へと近づけ、ドリアッドの頬に友愛のくちづけをすると、晴れがましい顔でこう言ったのだった。
「まあ、そこで見てなさいな。あってもなくてもいいのよ、偽物の太陽なのだから……でもね、私には必要なの」
 足場を軋ませながら天井へと近づいた芸術家は、そこで助手たちに慌ただしい昇降を繰り返させながら、自分は一度も草の絨毯に戻ることなく、濡れた漆喰の画布に、水で解いた鉱石の顔料を含んだ筆先を用いて、幾千という点を浮かべた。
 やがて――回廊を中心には、太陽が姿を現した。それは、大きすぎる小さすぎぬ円でしかなく、厳かなものだった。そして、けっして華美を繕うものではなかった。
「すごい!」
 と声をあげたのはケロである。彼は太陽の真下に立って、片方の踵を軸にぐるりと身を翻してみた。宙にまった狐の尾が、再び所定の位置である腰の裏側に戻る。
 すごい――と呟きを重ねた後、カラシャは視線をあたりへと向かわせるのではなく、脈管が浮いていてまるで透明な何かでできているかのような瞼を閉じ、こっそりと想像の力を飛翔させた。
(「白爪草の花が咲けば、本当に綺麗でしょうね……」)
 家人たちと賞賛の拍手を絶やすことなく送り続けていた老人は、ロザムンドの骨太な身体を抱き寄せると、芸術家のことを三度も抱擁した。老人は感極まった様子で言った。
「見てくれはこの通りだが、ロザムンド・マッゴーワンこそが! 真の芸術を知る人間だと私は申しあげたい……。なぜなら、あの太陽のように、穏やかで優しい心根の持ち主であるからです!」
 芸術家はきゃっと言って飛び跳ねたり、老人にくちづけをしたり、慌ただしく肩を揺すったりしていたが、やがて皆に指先をわななかせる仕草を見せると、回廊から最初に姿を消す人物となった。
 彼のまなじりに光るものがあったことに、リュイシンは気づいていた。けれど声をかけて呼びとめるような真似はせず、柔らかな草の絨毯の感触を楽しみながら――永き時を生きる麗しの森の人は想うのだった。
(「マッゴーワンさんは、変わっておられますけれど、間違いなく芸術家でいらっしゃいますね。すべては移ろい行くからこそ、美しいのですけれど――だからこそ、その一瞬を留めて置きたいという願いには共感いたします。それはまた、彼の人生を留めたものでもあるのでしょう」)
 それは、どこかにあるが見つけられない――そんな、美しい風景。


マスター:水原曜 紹介ページ
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