蓮台野の向こう側



<オープニング>


●承前
 楓華列島、セトゥーナ州。列島を治めるかの尊きドリアッドが天領と定めた土地の一つである。この地に渡った同盟冒険者らの尽力により、災禍の種であった鬼の多くは打ち倒された。
 だが、それで平和が訪れたと両手を上げられる程、この地は単純ではなかった。過去に幾度も国が滅び、新しい国が立ち、また滅ぶ。自らの一族が天領を守るに足るだけの力となる為に、我が身を磨く手段として最も手っ取り早い手段をこの地に住まう三つの種族は選んだ。けれども、その結果として国が滅ぶ際に武士は異形へと姿を変え、新たな災禍として野に放たれる事となった。それが幾代にも積み重ねて続いたが故に、セトゥーナは他州よりも異形が多く存在する地でもあるのだ。
「皆さんには遠方はるばるお越しいただきありがとうございます。実は少々手に余る事柄がありまして、皆さんのお力をお借りしたいのです」
 コノヱは己の前に揃った冒険者達へ礼を述べると早速とばかりに本題を切り出した。

「皆さんは姥捨て山と言う言葉はご存知でしょうか。これからお話する上で分からない方がいらしたら大変ですから、一応説明させていただきますね。
 姥捨て山と言うのは人里離れた村で年老い、家族の足枷となられた方が向かう場所と言われております。特に飢饉などにみまわれた折には家族が足手まといとなった老人を捨て置く為に向かう場所とも言われています」
 不作が続くなどで、食料が少なくなり、家族の食い扶持が回り切らなくなった時に起こり得るのだと霊査士は眼鏡のレンズ――硝子越しに見える赤い瞳の中に物悲しげな色を浮かべる。
「皆さんにはその先へ向かっていただきます。荒れ果て、猟師も早々立ち入らぬ山中、その更に奥まった場所に幽鬼の如き異形が視えたのです」
 コノヱはゆっくり、はっきりとした口調で告げた。

 異形の姿は黒く痩せ細った古木によく似ており、その丈は冒険者達のほぼ倍。乾いた枝が立てる小気味良い音は、周囲の存在に衝撃を与えると同時に困惑させ、判断を誤らせるという。
 更には鞭の様にしなる腕の一撃を受けると、鎧を通り越して鋭利な刃物で切り刻まれた様な傷を受けてしまう。もし運悪く直撃を受けてしまえば、深手を負うと共に大量の出血を強いられる事になるだろうとも彼女は口にする。
「この異形――モンスターは山に足を踏み入れた者を排除する性質を持っているようです。入山して時が経てば否応無しに遭遇する事になるでしょう」
「待っていれば向かうから勝手にやってくると言うことか」
 これまで黙していた宿望の黒騎士・トール(a90101)が尋ねると、霊査士は静かに深く頷いた。
「そういう事になりますね。ですが、山は冬という事もあってか木々の葉も落ち、裸となった木も多いです。中には倒すべき敵と酷似した古木もあるでしょうから、容易いとは思わずにいて下さい。何よりも、力量的には皆さんにお願いしなければならないだけの存在なのですから」
 告げた後、コノヱは深く頭を下げるのだった。

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参加者
風切羽・シリル(a06463)
青狐・リファゼル(a18551)
黒焔の執行者・レグルス(a20725)
ごはんが大好き・キララ(a25679)
星舞い落ちる夜・マイヤ(a28554)
物語の終末・シャノン(a32103)
剛健たる盾の武・リョウ(a36306)
錬鉄師・ライアス(a47080)
閃風の・ナキア(a57442)

NPC:宿望の黒騎士・トール(a90101)



<リプレイ>

●枯山
 吹き荒ぶ冬の乾いた風が、木々に覆われた山中を行く冒険者達の露出した肌に刺す様な痛みを与える。近隣の村から老人が死に場所として、時には家族に捨てられる場として永い時を積み重ねた姥捨て山。蓮台野とも呼ばれるその土地は多くの木々を宿し、草木生い茂る時期であるならば、自然の豊かさを感じられる場所に思えるのに、今、肌身に得られるのは言い表し難い違和感。何処と無く不吉めいた何かであった。
「こんな場所があるんだな……」
 愛する閣下の狗となる・シャノン(a32103)が重苦しく感じられる空気の中で呟きを漏らす。目に付く雑木林も常緑樹が残す緑より、裸となった木々の方が多い。先行く彼を始めとし、ごはんが大好き・キララ(a25679)や星舞い落ちる夜・マイヤ(a28554)達が冬の寒さに対策を講じて支度した防寒具を身に付け、整えた隊列の中央に位置した黒焔の執行者・レグルス(a20725)や錬鉄師・ライアス(a47080)、閃風の・ナキア(a57442)らが痛みを伴う風を受けながらも霊査士に告げられた怪異――魔物への警戒を絶やす事無く続けている。
「見捨てられた者、忘れられた者が集う山か……」
 暗転の空の下、吹く風に金色の髪を揺らしながらライアスが感傷交じりの声音を漏らす。
「ここに踏み込んだ者の命を絶つのは……慈悲かもしれないのじゃな」
 冬の寒さを凌ぐべく纏った外套の前をキララは閉じた。自らこの場所に向かった者、捨てられた者と処遇に差こそあれど、飢餓に苦しめられる事無く、速やかな死を齎されるのであれば、それは慈悲ではなかろうか。そうして先程から警戒の為にと生成した円環をまた頭上へと飛ばす。
 マイヤ達は辺りの木々と比べて成長度合いの差や、木の根元で動いた痕跡が無いかと言った、周囲の木々に酷似した、動くであろう怪異を見つけるに必要な点に対し、特に気を向けていた。
「家族を捨てねばならない山、なのですね……」
 悲痛な面持ちで風切羽・シリル(a06463)がシャノンの言葉を継いだ。初めてこの地の依頼を引き受けた彼女は、其の緊張感から自然と腕に力が籠められる。
「嫌な因習と思うが、この地がそれだけ困窮してるってことだよな。どうにかできるものならしてやりたいが……」
 沈痛な面持ちで剛健たる盾の武・リョウ(a36306)は自らの顎を撫ぜる。今の自分らに出来る事はこの山に根差した危険を取り去る事だけ。なればせめて、この地を訪れる人々が静かに生き抜けるよう、戦おうとも。
「悲しい山に悲しい者がいたものだね。これは変えねばならんことだ」
 誰に言うとも無く言葉にしたのは指パチン伝説から生まれた閣下・リファゼル(a18551)である。彼は被った帽子を目深に被り直すと、辺りの木々に酷似していると言われていた怪異を見つけるべく警戒に努める。そんな只中、彼らの交わす言葉にただ黙したままの宿望の黒騎士・トール(a90101)が歩みを進めていた。
「痩せ細った古木……今の所は見つかりませんね」
「気になル物が有れバ教えてくレ」
 後方に着いたナキアが静かながらも気迫に満ち満ちたマイヤの言葉に反応する。彼の手には弓と鏃を取った矢が握られていた。本物の木であれば、鏃などで傷つけたくは無いという、彼が持つ自然への敬愛めいた感情がそうさせるのかも知れない。
 辺りの枯木に似た、倒すべき敵の姿を逸早く捉えるべく、彼らは其々の想いを抱いたまま先へと足を進め――そうして一行は、山中に広がる荒れ野へと辿り着いた。


●山積
「ここは……」
「惨い物だな、この光景は」
 辺りの様子にライアスは自然と口から言葉が漏れた。
 青々とした彩を喪って久しい荒れ野の中には、大小の石等に混じって多くの髑髏が散逸していた。冬の厳しい寒さで裸となった木々が点在する野の中、埋葬される事も無く、無残な姿を晒した骸が異様な光景を醸し出す。其の様はまるで地獄へと足を踏み入れてしまった様な印象すら、居合わせた冒険者達に抱かせる。
「背の曲がった骨、か」
「悲しき末路ダナ……老人とハ知恵者、賢者としテ敬われるモノばかりだとおもっていタ……」
 レグルスは足元に見つけた骨の纏まりを見て言うと、ナキアが物悲しさを含んだ声音で其れを継いだ。
「既に奴の縄張りに入っただろう。注意を怠るな」
 緊張した様子で告げるリファゼルの額には何時の間にか汗が浮かんでいた。先程までの刺す様な痛みを与える風とは別に、ピリピリとした殺気を含んだ威圧感が感じられた為だ。荒れ野には先程まで歩んでいた森の中と比べ、格段に樹木の数は減っている。冒険者達にとっては敵を絞り込む負担が減ると言う有利さと共に、敵からは冒険者の存在を認知するのに容易いと云う不利をも内包していた。
「あそこだ!」
「……!」
 術師らを取り囲む様に布陣して警戒に当たっていたリョウが警戒の声を上げると、シャノン達は其方へと意識を向ける。彼らが意識を向けた先にはゆっくりと此方へ歩み寄る、黒々とした枯木の様な姿の怪異であった。木の根に酷似した足と思われる部位を動かしながら、ゆっくりと、だが着実に身構えたマイヤ達へと接近する。
「矢を射るまでも無イナ」
 見た目からして明らかと判断したナキアが、一度は番えた鏃を外した矢を矢筒へ収めた。動く木など存在しないのだから、当然であった。
「全力を尽くさせてもらうよ……!」
「黒炎を……」
「猛き邪竜よ、捧げし我が身と引き換えに一時の力を!」
 鋭利に尖った太く、白刃の斧剣を身構えるシャノンの背後でマイヤが其の身に黒炎を纏うと、倣う様にライアスやリョウ、レグルスもまた自らの身体を黒い炎で包み込む。シリルが細身剣を抜き払い、リファゼルもまた正面に愛刀を構え、黒騎士が蛇腹剣を携えたキララの指示でレグルスの防具に加護を施す事で護りの力を引き上げる。
「往きます!」
 一足飛びで懐に飛び込める間合いへと互いの距離が詰められた時、シリルとリファゼルが駆けた。後を追う様にしてキララとシャノンが走り、二人に次いでリョウが追う。更に其の後ろにはマイヤやライアスといった術者達が、仲間達へ癒しの術が届く範囲を保ちながら進む。命を削りあう、必死の間合いへと逸早く向おうとする彼らの背後からは、援護する形でナキアの手の中には生み出された雷光の矢が弓に番えられ、怪異へと襲い掛かろうとしていた。


●黒腕
 中空を走る雷光の矢を皮切りに、シリルとリファゼルが一息に間合いを詰めた。2人は敵の攻撃を躱す為に巧みな足捌きと得物を手にする事で構えを見せる。鱗状鎧に身を包んだ狂戦士のシャノンは眼前に見える敵の姿を認め、自身の内で静かに闘志を燃やす。
「……全力をつくさせてもらうよ」
「おぬしの様な化生はあってはならないものなのじゃ」
 荒れ野に踏み入る直前に消えてしまった円環を再度生み出す事無く、キララもまた構えを取り、敵との距離を一足一足縮めていく。
「これで!」
 辺りの木々と紛れぬ様にと間合いに入ったシリルが、自ら拵えた塗料入りの袋を投擲する。だが投げられた袋はいともたやすくかわされてしまう。回避に特化した構えを見せたリファゼルが回転からの斬撃を叩き込むが、敵の体躯は硬く、これはと云う手応えが得られない。
「こいつ……手強いぞ!」
「剣の通りが悪いですにゃ!」
 リファゼルの一撃に追随する様に衝撃波をキララが放つ。守りを透過する一撃が吸い込まるが、打倒には足りず。黒い鞭の様な長い腕が返礼に、身躱しをするに長けた構えを突破して彼女に叩きつけられる。打撃に次いで彼女に与えられるは大量の出血を伴う傷。
「んぎぎ……!」
 渾身の力を持って怪異の腕から抜け出すも、強いられた出血による疲労感は並々ならぬ物で、自身の体力が半ば近くまで失われた事を当のキララと足元に広がる鮮血を目にした仲間達は即座に知る。
「早く治療を!」
「分かりました!」
 焦りを露にしたリョウの声に呼応して、マイヤとリョウの体躯から癒しの波動が放たれ、ライアスの凱歌と合わせる事でどうにかキララの受けた異常と深い傷は癒される。
「思っていたよりも手強い……!」
 身に纏った白い外套を翻し、怒りに似た感情を宿した赤茶色の瞳をライアスは向けた。ならばと言わんばかりにレグルスは蛇を模した魔杖を手に、更なる力を引き出すべく言葉を紡ぎ始める。
「地の底より出でし漆黒の焔――全てを飲み込み、砕きて屠れ!」
 叫びと共に三種の獣、其の頭部を模した黒炎が魔杖の先端から生じ、怪異へと撃ち放たれた。炎は違わずその体躯に命中すると、瞬く間に全身に広がっていく。だが、
「――――――!」
 己の危機を悟ったのか、枯野に怪異の放つ声が木霊した。冒険者側へと傾きかけた天秤を自らの側へと揺り戻させるべく放たれた声が、衝撃波と共にリファゼルらの心中に在る意思を砕くべく襲い掛かる。
「……ぐぅッ!?」
「!?」
 音は其の場に居た全ての冒険者の体躯を苛み、直接リファゼルとシャノンの耳朶に響き渡った。途端、酷い頭痛と共に周囲に立つ者達への認識を逆へと移し変えさせる。シャノンは怪異へと向けていた、闘気の籠められた両手の斧を傍にいたリファゼルへと全身の膂力を持って振り下ろす。
 だが握るサーベルで巧みに彼の斧を捌き、咄嗟の判断を持って済んでの所で身を躱すリファゼル。しかし正気を失っている彼もまた、返す刃でその身を回転させ、突撃する。
「っ! 目を覚ませ、シャノンッ!」
 放たれたスパイラルジェイドによって、シャノンに穿たれた傷からは大量の鮮血が噴出した。半分は持って行かれたと察知したリョウが即座に神武を振り翳し、高らかに力強い歌を紡ぐと、2人は失った正気を取り戻すと同時にその身に作られた傷が癒されて行く事を知覚した。
「無事カ!」
「ああ、何とかな!」
「やってくれる……! この礼は高くつくと思え!!」
 確かめる様に声をかけたナキアに怒気の色も露にして、2人は斬り込んだ。足元に転がる骸も石も関係無く、只この怪異を討つ為のみに意識は瞬時に研ぎ澄まされていた。

 戦場で幾許かの刻が過ぎ、黒騎士の鎧聖降臨が一頻り与えられる頃には、戦場は変化を見せていた。一撃の重さや音の攻撃の為、やや劣勢ではあったものの、冒険者達がこれまでに得た冒険の機会で練り上げ続けた経験や判断と言った物が、相対する枯木の様な怪異との闘いで彼らを優位へと導いたのかも知れない。
「一つ、二つ、三つ……!」
 鍛え上げられたシリルの細身剣が、雪崩れかかるかの様に襲い掛かる。しかし――
「っく……踏み込みが足りないっ」
 剣を振るう度に辺りに舞った花弁が霧散すると同時に彼女は後ろへ跳び、間合いを空けた。途端、怪異の腕が彼女のいた場所へ鞭の如く振り下ろされた。
「有象無象の区別無く、我ガ矢は許しはしなイ……」
 ナキアの闘志の籠められた雷光の矢が、その直後に放たれると、瞬く間に怪異の細い身体に突き立った。後方から積み重ねる様に放たれる彼の矢と、更には鍛冶の祖神の名を冠した得物を振るうライアスの描く紋章から放たれた巨大な火球やレグルスが振るう異形の黒炎が襲い掛かる事で、怪異の体躯には着実に大小様々の傷が穿たれていく。
「援護は任せろ、護りきってみせる!」
 黒曜と名付けた盾を構え、手にした神武からリョウが牽制とばかりに黒炎を放つ。
 互いに声を掛け合う事で意識が混濁した者を見分けるリョウ達は、既に戦場の流れが己達に傾いた事を肌身に感じられる空気で察していた。その上で過信を抱く事無く、其々が手にした愛用の、確りと手に馴染む得物を握る力を緩めずに、その身に許された力の全てを注ぎ込む。黒炎が舞い、破壊の斬撃が放たれる。
「治療の方は任せてください」
 更には黒炎を纏う事で力を底上げたマイヤが、藤の花の描かれた術扇を振るう事で仲間に穿たれた傷を癒す波動を生じさせる。彼女やリョウらが用いる癒しの術を後ろ盾に出来た事で、怪異の打倒を望む彼らの勝利への道程までの歩みを更に早める。
「行きますにゃ!」
「……やれやれ」
 キララの振るうCat NineTaleがしなやかに揺れ動く事で衝撃波を放ち、続くトールが手にする天使の加護を宿した銀の剣が、細く頑強な体躯を着実に削り行く。荒涼とした山中で、彼らはただ只管に刃を振るう。其れは、この地で続く因習を断つという想いからか。

 戦いの結果を表す運命の天秤は冒険者達の渾身の努力で、ついに彼らへと傾き切った。癒しの力、その限りに一抹の不安が有り、互いに積み重ねられた傷は決して少なくは無かった。けれども、マイヤ達はついにその不利を克服したのである。
「これで、止めだ!」
「さっきの返礼だ、受けるがいい!」
 ライアスの生み出した最後の一撃となる火球と、シャノンが放った一撃は怪異の身体を捕らえた。刃先が食い込むと同時に斧刃に籠められていた闘気が爆発し、木屑に似た大量の構成物が宙を舞う。
 2人の攻撃を受けた魔物は、受けた深手の為に自重を耐え切れず、圧し折れる樹木の様に頽れた。先程まで放っていた怪音とは明らかに違う、砕けていく破壊の音を立てながら、積み重なった枯葉の上に斃れ臥した。辺りに山積した骸骨の仲間入りを果した其れは、つい先程までリョウ達を苦しめていた姿を徐々に失わせていく。
「弔ってあげましょう」
 せめて土に帰してやろうと考えたマイヤが、荒れ野の中でも石の少ない、穴を掘るに向いた箇所を探すべく辺りに視線を向ける。
 これでこの辺りの村にも平和が訪れるだろう。崩れ行く姿を見つめながら、リファゼルは胸中にて思う。しかし、それは本当に彼らにとって平和と言える事なのだろうか。口減らしの為に訪れる老人達を長く苦しめる事無く、瞬く間に命を奪う存在を誅した事は、寧ろ老人らの苦しみを長引かせる事にも繋がるのではないか。キララはそう考えても居た。そう思うのは彼女だけでなく、マイヤの手伝いをするシリルもまた同様であった。姥捨て山と呼ばれる山に平和が戻る事は果して本当に良い事なのかと。
「世知辛い世の中、ですね……」
「この地に平和が訪れりゃ、こんな山は無くなるかねぇ」
 掘られた穴に移され、握り拳程にまで姿を無くした骸を前に、レグルスが呟く。もし生まれ変わる事があるならば、その時には姥捨てなどと言った事の無い世界になっていれば良いな。そんな事をレグルスは考える。
「手向けの花の一つでもあれば良かったのだがね、それすらも叶わんのか、この山は」
 リファゼルは誰に宛てるともなく、沈痛な面持ちで言う。彼の目には多少の緑が映るものの、冬の花ですら辺りには見当たらない。
 居合わせた其々の者達は、多種多様の想いを抱く。けれども、彼らの想い抱く平和への答えは得られる事は無く。手向けにとナキアが放った鏑矢の音が乾いた空に響き渡る中、荒涼とした風景を前に、冒険者達はただ複雑な想いに囚われるのであった。


マスター:石動幸 紹介ページ
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