<リプレイ>
●村人達 「いやぁ、皆さん! モンスターも、グドンも、人々も……分け隔てなく踊れる平和って、いーもんですねぇ♪ ……って違うんですか?」 キョトンとした表情を浮かべ、鳥トルバドール・タンドリー(a33590)が不思議そうに首を傾げる。 一瞬、村人達がモンスターと一緒に楽しくダンスを踊っているように見えたのだが、彼らがむりやり踊らされている事を知って驚いているようだ。 「村人達の安全が最優先です。……風よ、村人達の壁になって敵を切り裂いて!」 すぐさまリングスラッシャーを召喚し、体はネタで出来ている・ルビナス(a57547)が村人とグドンの間に待機させる。 もちろん、グドンの群れもオドルンの魔力によって踊らされているため、このままにしておいても村人達が襲われる心配は無いのだが、最悪の場合を考えて対策を講じておく事にしたようだ。 「ママン、見ていてくれよ。俺は今日も不幸で大変な人達を守るよ」 拳をギュッと握り締め、澄み渡る空に歌う心と王子・ガトーフレーズ(a63203)がママンに誓う。 ママンに喜んでもらうためにも、村人達を踊りの苦しみから解放する必要がある。 「もう、大丈夫じゃからのう」 村人達に対してフォーチュンフィールドを発動させ、言いくるめのペ天使・ヨウリ(a45541)が高耐久性遮音テント『どこでも☆説教部屋』を設置した。 『どこでも☆説教部屋』は音漏れしないテントで、冒険者が暴れても平気なほどに頑丈である。 「とにかく村人達を安全な場所まで避難させる必要がありそうだね」 グドン達に刺激を与えないように気をつけながら、ガトーフレーズがひとりずつ安全な場所まで連れていこうとした。 しかし、村人達がオドルンの踊るダンスの支配下に置かれていたため、移動している途中でポカスカと殴られてしまう。 「……ごめんなさい。少しの間だけ眠っていて……」 眠りの歌を使って村人達を眠らせ、ルビナスが土塊の下僕を使って安全な場所まで運ばせる。 オドルンの踊るダンスの効果範囲は10メートルなので、村人達の避難が完了したところでタンドリーが高らかな凱歌を歌う。 「ふぅ……、これでしばらく時間を稼ぐ事が出来そうですね」 眠っている村人に安全な寝袋を使い、タンドリーがホッとした様子で溜息をつく。 村人達は疲れ果てているため、安眠空間でグッスリと眠りについた。 「さて……、これでこっちは大丈夫じゃな。後は……、グドン達がこっちに来ないようにしておくか」 東風オリジナル救急箱『梅花舞空』を使い、ヨウリが村人達の応急処置をし始める。 村人達はずっと踊り続けていたため、足の血豆が潰れて痛々しい。 「……そうね。思う存分に踊り続けてあげるわ。……死のダンスをね」 含みのある笑みを浮かべ、ルビナスが瞳をキラリと輝かせる。 仲間達がオドルンを攻撃した事でフールダンスの効果が切れたため、グドン達もフラフラとしながら襲い掛かってきた。 「ううっ……、せっかく村人達にダンスを披露しようと思っていたのに……、許しませんよっ!」 グドンの群れをビシィッと指差し、タンドリーがスーパースポットライトを放つ。 結果的に当初の予定と違った展開になってしまったが、戦いながら華麗なダンスを披露するしか無さそうだ。 「ママン、俺の勇姿を陰から見守ってくれ。ママンのような立派なヒーローになるよ!」 そう言ってガトーフレーズがグドンの群れを睨みつけた。
●グドン 「……何と言う惨状でしょう。ちょっと楽しそうな雰囲気を感じるのは、グドン達の踊りが滑稽だからでしょうか」 生暖かい視線をグドンに送り、煌白の閃光・キュリア(a62285)が乾いた笑いを響かせる。 グドン達はマイムマイムと盆踊りを足して、コサックダンスで味付けしたような踊りを踊っているため、笑いをこらえるのに必死なようだ。 「……踊り狂うグドン……。……可愛くないわね……。踊らされていた村人は気の毒だけれど……、それ以上に、この光景が、目の毒だわ……。……さっさと、カタを付けてしまいましょうか……」 鬱陶しそうにグドンを見つめ、月虹が聴く悠久歌・ウピルナ(a30412)がボソリと呟いた。 どうやら事件を解決する事よりも、グドンを殲滅する事が目的になっているようだ。 「ふふ……、どんな快楽が味わえるのかしら。愉しみだわ……」 妖艶な笑みを浮かべながら、深き蒼穹・ディナンティス(a62487)がグドンの群れに攻撃を仕掛ける。 それと同時にオドルンが仲間達に攻撃され、ダンスの効果が切れて一斉にグドンが動き出す。 「もう少しだったのにっ!」 すぐさまウェポン・オーバーロードを発動させ、バニッシャー・ソル(a37385)がグランスティードに跨ってニヤリと笑う。 そのため、グドンは青ざめた表情を浮かべ、バラバラになって逃げていく。 「あら、逃げるなんて駄目よ。もっと、愉しみましょう――?」 グドンの逃げ道を塞いで黒炎覚醒を発動させ、ディナンティスがニードルスピアを炸裂させる。 大半のグドンは冒険者達が相手と分かった時点で戦意を喪失しているため、次々とニードルスピアの餌食になっていく。 「……やっぱり、可愛くない……」 スーパースポットライトを放ち、ウピルナがグドンの動きを封じ込める。 念のため麻痺したグドンの顔をマジマジと見てみたが、可愛らしさのカケラもない。 「グドンが村人達の避難した方向にっ!」 ハッとした表情を浮かべ、キュリアが眠りの歌を歌い出す。 それと同時にグドンが眠りの世界に誘われ、村人達の避難しているテントに着く前にパタパタと倒れていった。 「ぶっとべええええええ!!」 グランスティードに乗って雄叫びを上げ、ソルがグドンの群れを轢いていく。 その影響でグドンの群れがパニックに陥り、仲間を押し退けるようにして逃げていった。 「絶対に逃がしませんよっ!」 一気にグドンとの間合いを詰め、キュリアがホーミングアローを放つ。 その一撃を喰らって吹っ飛ぶグドン。 生き残ったグドン達も、必死になって逃げていく。 「……豪華に、キルドの魔炎効果付きで……。……文字通り、豪華な業火……?」 キルドレッドブルーを召喚し、ウピルナがグドンを殴る。 もともとグドンはそれほど強くは無いので、ウピルナの一撃を喰らって地面に突っ伏した。 「本当に狩り甲斐のある敵ね。逃げたって無駄なのに……」 含みのある笑みを浮かべ、ディナンティスがニードルスピアを撃ち込んだ。 そのため、グドンは茂みに飛び込み、足場の悪い道を通っていく。 「待てえええええええええ!!!!」 グランスティードに駆け寄り、ソルがトドメの一撃を放つ。 しかし、グドンの群れがバラバラに逃げているため、一匹残らず倒す必要がありそうだ。
●オドルン 「……あれがオドルンか。この手の敵は初めてかもな」 警戒した様子でオドルンを睨みつけ、黒き旅人・ユキミツ(a20509)が間合いを取っていく。 オドルンは可愛らしい顔をしているが、迂闊に近づけばダンスを踊る事になってしまう。 「……オドルン……興味深い……」 土塊の下僕を召喚してオドルンの逃げ道を塞ぎ、セイレーンの紋章術士・ヴァルキリー(a63305)が口を開く。 ヴァルキリーはオドルンの死体を回収して、解剖するつもりでいるらしい。 「……よし、そろそろ終わらせるか」 一気に駆け抜け粘り蜘蛛糸を放ち、ユキミツがオドルンの動きを封じ込めようとする。 次の瞬間、オドルンが地面を蹴りつけ、そのまま木の上に飛び乗った。 「見た目に騙されたら、痛い目に遭うわね」 すぐさまリングスラッシャーを召喚し、紅翔剣姫・ロザリア(a38757)がオドルンを攻撃する。 オドルンは驚いた様子で木から飛び降り、ヴァルキリーの召喚した土塊の下僕を踏んづけた。 「出来るだけ……無傷で……」 解剖した時の事を考え、ヴァルキリーが気高き銀狼を嗾ける。 しかし、オドルンは土塊の下僕を身代わりにして、気高き銀狼の攻撃を避けていく。 「みんな分かってナイネー! HA−! 金曜日はカレー、朝にはコーヒー、ダンスにはアフロと決まっているネー! 踊るネコはホワッツ、ピーッケルだけで十分だYO!」 オドルンをビシィッと指差し、アフロ凄杉・ベンジャミン(a07564)がフールダンス♪を踊り出す。 次の瞬間、オドルンがニヤリと笑い、ベンジャミンのダンスに対抗する。 「す、凄い……。こんなに違和感があるのに……、まるでユニットを組んでいるようだ」 唖然とした表情を浮かべ、ユキミツがダラリと汗を流す。 ……ふたりの背後にはアフロ神の姿がボンヤリと浮かんでいるような気がした。 「……あれってパパイ……」 そこまで言ってヴァルキリーの口が塞がれる。 「言っちゃ駄目だ。ダンスは魂で感じるもの。言葉に出すものじゃない」 険しい表情を浮かべながら、ユキミツがヴァルキリーに警告した。 アフロ神(存在しているのか別として)の名前を口にする事は、ある意味禁句。 その名前を口にした途端、不幸な出来事に見舞われるかも知れない。 「HAHAッ! なかなかやるネー。シッカーシ! 600日耐久ダンスレース。験のあるミーも負けてはいないYO!」 ただならぬ雰囲気を漂わせ、ベンジャミンがアフロの力を解放する。 次の瞬間、ベンジャミンの背後にアフロ神(めっちゃ笑顔)が浮かび上がった……気がした。 そして、それに合わせてダンスが激しくなっていく。 「迸(ほとばし)る汗、躍動する筋肉、DANCEこそ芸術! DANCE is ビューティフル!! この踊りをパパ……、いや! アフロ神に捧げるネー!」 ベンジャミンの雄叫びと共にダンス魂が燃え上がり、その気迫でオドルンが悲鳴を上げて吹っ飛んだ。 「オ、オドルンが……怯えている!? ……トドメをさすのなら、今しかないようですわね」 信じられない様子でオドルンを見つめ、ロザリアがソニックウェーブを叩き込む。 それと同時にヴァルキリーがエンブレムシュートを放ち、逃げようとしていたオドルンにトドメをさした。 「……解剖したい……けど……」 倒れていくオドルンを見ながら、死体を持ち帰るのはいろいろ難しそうだと断念したヴァルキリーは、せめて死体の様子を観察するだけでもと、オドルンに近付いていった。

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参加者:12人
作成日:2007/03/26
得票数:コメディ11
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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