長靴を履いた猫グドン



<オープニング>


●長靴を履いた猫グドン
 チキンレッグの辺境にある村が長靴を履いた猫グドンの群れに襲われ、住民達の多くが地下室に避難したまま身動きが取れなくなっている。
 猫グドンは旅人達から奪った服を着ており、煮干を模したブーメランを使って攻撃を仕掛けて来るらしく、何とか村から逃げる事の出来た村人の背中にも、これがグサリと刺さっていた。
 このブーメランはチキンレッグの商人がカーネル向けに売り出そうとして作っていたもので、放り投げても滅茶苦茶に飛ぶだけで戻ってこない。
 そのため、廃棄処分されていたものを猫グドン達が見つけ、自分達の武器にしているようだ。
 この武器を使用しているせいで、犠牲になった村人の数は少ないが、何処に飛ぶのか分からないので、一斉に投げられるとむちゃくちゃ怖い。
 もちろん、それで猫グドンが自爆する可能性もあるのだが、ブーメランのストックがいくつもあるので、大量に投げられると厄介になる。
 これに関しては運次第だと思うから、最近ツイてないなぁと思っているヤツは覚悟してくれよ。

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参加者
快傑ズガット・マサカズ(a04969)
緑星の戦士・アリュナス(a05791)
たまひよ・コッコ(a21063)
奏でるは悠久の旋律・ククル(a22464)
暁月夜の幻影・ルシエル(a36207)
紅染陽華・イオン(a49716)
月を宿す風の翼・アキナ(a50602)
風浪の蒼き人・レナート(a57461)
青雪の狂花・ローザマリア(a60096)
ヒトの武人・モミジ(a62461)
鋼の戦乙女・カレン(a62590)
好奇心の塊・エール(a63449)
NPC:特定医療食・ラルフ(a90213)



<リプレイ>

●ネコグドン
「な、なぁ……、なんで、みんな隠れているんだ? 何だか嫌な予感がするのは、オレだけか……?」
 青ざめた表情を浮かべながら、特定医療食・ラルフ(a90213)が愚痴をこぼす。
 猫グドンを誘き寄せるための囮になったのは、ふたりだけ。
 他の仲間達は色々な意味で身の危険を感じているため、茂みに隠れて様子を窺っている。
「そういえば……、僕の初依頼はラルフさんと一緒だったっけ。あれから、僕も冒険者としての腕を磨いてきたから……、今回はいいトコ見せたいなぁ。よ〜し、頑張るぞ〜♪」
 満面の笑みを浮かべながら、たまひよ・コッコ(a21063)が気合を入れた。
 仲間達は『危ないから戻ってきてください!』とコッコに警告を発しているが、その事に本人は全く気づいていない。
「何があってもオレは知らねぇからな!」
 ネタ重傷のオーラを漂わせ、ラルフが一人で先に行こうとする。
 しかし、猫グドンが現れたため、慌てた様子で踵を返す。
「ぎゃわー!? 猫グドンが――ッッ!!」
 猫グドンが目の色を変えて追いかけてきたため、コッコが驚いた様子でラルフの後を追う。
「こ、こら! オレと同じ方向に逃げるんじゃねぇ!!!! ぐはっ! こ、こんな時に靴紐がぁぁぁぁぁぁ!」
 靴紐がブチブチと千切れていったため、ラルフが信じられない様子で悲鳴を上げる。
 その隙にコッコが鎧聖降臨を使って守りを固め、ライクアフェザーを使って攻撃をかわす。
「のわああああああああ! ひ、卑怯だぞ! このままじゃ、オレが猫グドンの餌食じゃねえか! そ、そうだ! こんな時こそ、スーパースポッ……ぎゃーす!」
 スーパースポットライトを使おうとした瞬間、一斉に猫グドン達に飛び掛られ、ラルフが断末魔の悲鳴をあげる。
「ラ、ラルフさん。ひょっとして、僕を守るために自ら命を捨てて……! ラ、ラルフサァ〜ン!」
 青空に浮かんだラルフを見つめ、コッコがほろりと涙を流す。
 しかし、本物のラルフはコッコの背後で猫グドンに襲われている事に、彼はまったく気づいていない。
「そ、壮絶な最後だったわね、ラルフさん♪」
 重傷状態になったラルフを見つめ、奏でるは悠久の旋律・ククル(a22464)がなむなむと両手を合わす。
 最初はラルフ達と一緒に囮として猫グドンを引きつけるつもりでいたが、臆病者の勘が激しく警告を発したため、仲間達と一緒にしばらく様子を見る事にしたらしい。
「でも、これで囮役がいなくなっちゃいましたね。コッコさんはラルフさんを連れて避難しちゃったようですし……」
 苦笑いを浮かべながら、新米店長・アリュナス(a05791)がククルの肩を叩く。
「それって、つまり……」
 囮である。
 ククリが心臓をドキリとさせた。
 しかし、チキンレッグなら、もうひとり……。
「えーっと、エールちゃん」
 そう言ってククルが視線を移す。
「助けてくださいー」
 ……食われていた。
「わたし達が猫グドンを引きつけましょう!」
 慌てた様子で鎧聖降臨を発動させ、アリュナスが好奇心の塊・エール(a63449) を助けにむかう。
 それと同時にククルがハッとした表情を浮かべ、信じられない様子で悲鳴を上げる。
 なんとアリュナスが鎧聖降臨を使った事で、彼女達の身につけていた衣服が鶏の着ぐるみに変化した。
「が、頑張るわ」
 自分達が囮役である事を思い出し、ククルが引きつった笑みを浮かべてスーパースポットライトを放つ。
 そのため、猫グドン達はククルに飛び掛る寸前で麻痺し、凶悪な表情を浮かべたまま動かなくなっている。
「無駄な抵抗は止めて大人しく投降するですの!」
 護りの天使を発動させ、エールが猫グドンの群れに警告した。
 一斉にニボシブーメランを構える猫グドン達。
 小動物のような表情を浮かべて瞳をウルウルさせるエール。
 ……その時点で結果は既に決まっていた。
「不幸の女神が高笑いを上げている姿が浮かびますの!」
 青ざめた表情を浮かべながら、エールが必死になって逃げていく。
 それでも猫グドンを倒さねばという考えから、ヒット&アウェイを繰り返し少しずつ敵を倒していった。
「諦めないで! これはチャンスです」
 エールの事を励ましながら、アリュナスがストリームフィールドを発動させる。
 それと同時に猫グドンがニボシブーメランを放り投げ、あっという間に自爆した。
「鳥に煮干……、ひょっとして料理でも作るつもりだったのかしら♪」
 ニボシブーメランを拾い上げ、ククルが疲れた様子で溜息をつく。
 ようやく不幸の女神が何処かに行ったと思いつつ……。

●チキンレッグ
「ラルフさんを中心とした鶏肉班……、じゃない囮班は、身体を張って頑張っているなぁ……。みんなの犠牲を無駄にしないためにも、チキンレッグさん(お嬢さんメイン)を助けなきゃ」
 自分自身に言い聞かせるようにしながら、ほんと適当まじユルい・レナート(a57461)が避難用に掘られた地下室に向かう。
 地下室は食料庫の真下にあり、入り口には大きな樽が置かれている。
 しかし、猫グドンが何匹か残っているため、チキンレッグ達を助けるには戦うしか方法が無い。
「本当にグドンっていうのは、つくづく他人を困らせるのが好きだね。村の人達も困ってるし、早く助け出してあげないと……。チキンレッグの身体って、もふもふしたら、きっとすごく気持ちいいんだろうなぁ」
 チキンレッグ達を助け出した時の事を思い浮かべ、暁月夜の幻影・ルシエル(a36207)が溜息を漏らす。
「お腹を空かせた猫グドンか。だいぶ数が減っているようだから強行突破は出来ないかな?」
 遠眼鏡を覗き込みながら、月を宿す風翼・アキナ(a50602)がボソリと呟いた。
 猫グドン達は囮班が現れた事でパニックに陥っており、ゾロゾロと外に出て行っている。
「……そうね。とりあえず猫グドンのリーダーが居なくなったら、行動を開始しましょ」
 辺りの様子を窺いながら、翠聖剣姫・ローザマリア(a60096)が物陰に潜む。
 食料庫の出入り口以外に脱出する方法が無いか考えていたのだが、その場所を見つける前にチキンレッグ達が餓死しそうである。
「あ……、猫グドンさん達が外に出て行ったよ! チキンレッグさん達を救出するなら、いましかないね」
 すぐさまエンブレムシャワーを放ち、レナードが見張りをしていた猫グドンを倒す。
 猫グドンは笛を吹いて仲間を呼ぼうとしたが、それよりも早く緑の拘束が発動した。
「あちゃー、せっかくのワインが台無しね。まぁ、猫グドンが飲んだ酒なんて、誰も飲もうと思わないけど……」
 猫グドンが倒れた拍子に高価なワインボトルが次々と割れていったため、ローザマリアが頭を抱えて溜息を漏らす。
 しかし、見張りの猫グドンが動けなくなったため、これでチキンレッグ達を救出する事が出来る。
「さ、下僕さんおねがいねー。オレ、イタイの嫌だからがんばれ〜」
 土塊の下僕を召喚し、レナートが樽を指差した。
 そのため、土塊の下僕達が力を合わせて、ゴロゴロと樽を転がして行く。
「ぎゃあああ! 来るなあああ!」
 突然、地下室へと続く樽が退かされたため、村人達が悲鳴を上げて酒瓶を振り回す。
「うわわわっ! ちょっとだけでいいから、落ち着いて! 僕らは味方だよっ!」
 驚いた様子で酒瓶を避けながら、ルシエルが村人達を説得しようとする。
「な、なんだ。助けに来てくれたのか。驚かすなよ、グドンかと思っただろ!」
 ホッとした表情を浮かべ、村人達が酒瓶を下ろす。
 その代わり村人達が派手に暴れていたせいで、アキナの召喚した土塊の下僕がボコボコになっている。
「驚いたのは、こっちよ! 確実に急所を狙って攻撃をしてきたでしょ!」
 不機嫌な表情を浮かべながら、ローザマリアが土塊の下僕を指差した。
 土塊の下僕は頭や首、左胸などが狙われており、チキンレッグ達の必死さがひしひしと伝わってくる。
「まぁ、いいじゃないか。お嬢さん達も無事なようだし……」
 のほほんとした笑みを浮かべ、レナートが娘達の肩を抱く。
 チキンレッグの娘達はウットリとした表情を浮かべ、瞳にはキラキラと星が輝いている。
「うわあ……、ふわもこだぁ」
 幸せそうな表情を浮かべ、ルシエルがチキンレッグ達に抱きついた。
 チキンレッグ達の毛並みは最高で、高級羽毛布団にダイブしたような感覚だ。
「それじゃ、安全な場所まで案内します」
 辺りに猫グドンがいないか念入りに確認した後、アキナがチキンレッグ達を連れて安全な場所まで避難する。
 あとは仲間達が猫グドンリーダーを倒すまで待つだけだ。

●猫グドンリーダー
「猫グドンのくせに、魚じゃなくて鶏が大好物なんておかしいよ。でも、チキンレッグってそんなに美味しいのかな?」
 不思議そうに首を傾げ、鋼の戦乙女・カレン(a62590)がボソリと呟いた。
 ちなみに猫グドンはチキンレッグも大好きだが、魚はもっと好きである。
 この辺りに海がないせいで、魚が主食として食べられていなかった事が、今回の事件に繋がったのかも知れない。
「それにしても……、廃棄処分されたブーメランを自分の武器にするなんて、セコイですね。そのまま自爆してくれないかなー」
 困った様子で溜息をつきながら、ヒトの武人・モミジ(a62461)が物陰に潜む。
 猫グドン達は逃げたラルフ達を捜して、ニボシブーメランを放り投げている。
「……あのブーメラン。ちょっと可愛いかも」
 興味津々な様子でニボシブーメランを眺め、英会話の・イオン(a49716)がウットリとする。
 ニボシブーメランは様々な試作品が作られたらしく、リアルな物からディフォルメした物まで様々だ。
「この季節はグドンが厄介だ。退治して町を救うぜ!」
 鎧聖降臨を使って怪傑ズガットに変身し、快傑ズガット・マサカズ(a04969)が屋根の上に立って格好良くポーズを決める。
 それと同時に猫グドンが飛び上がり、一斉にニボシブーメランを放り投げてきた。
「わわっ! このままじゃ、危ないよっ!」
 鎧聖降臨を使ってフルアーマーをヘルメットつきの防具に変化させ、カレンがグランスティードに飛び乗って猫グドンリーダーとの間合いを一気に詰める。
 猫グドンリーダーはハッとした表情を浮かべ、ニボシブーメランが手元にない事を気づく。
「ふっ……、俺を甘く見ないでくれ。例えニボシブーメランの雨が降ろうとも、俺の炎は消せやしない。震えるぜハート、燃え尽きるほどにヒート」
 猫グドン達をデストロイブレードで斬り捨て、マサカズが無風の構えを発動させる。
 そのため、猫グドンリーダーはギリギリと歯を鳴らし、地面に落ちていたニボシブーメランを拾う。
 しかし、出来る悪いブーメランだったため、明後日の方向に飛んでいく。
「ちょっ、ちょっと! なんで、こっちに飛んでくるんですか〜!」
 大粒の涙を浮かべながら、イオンがニボシブーメランを避ける。
 それに合わせて気高き銀狼を放ち、猫グドンリーダーを攻撃した。
「きゃああ!? 今度はこっちにも!」
 青ざめた表情を浮かべながら、モミジがチェインシュートを放つ。
 ニボシブーメランは真っ直ぐ飛んでこないため、油断していると身体にサクッと突き刺さってしまう。
「とにかく猫グドンリーダーを何とかしないと……」
 猫グドンリーダーが再びブーメランを投げようとしていたため、イオンが緑の束縛を放って完全に敵の動きを封じ込める。
 そのため、猫グドンリーダーは間の抜けた鳴き声を上げ、屋根の上から落下しカレンの仕掛けたトラップフィールドの餌食になった。
「うわっ、痛そぉ〜。でも、悪い事をしたんだから、仕方が無いよね」
 苦笑いを浮かべながら、カレンが猫グドンを倒していく。
 猫グドン達はニボシブーメランを放り投げ、傷ついたリーダーを助けに向かう。
「邪魔です!」
 流水撃を使って猫グドンを斬り捨て、モミジがジロリと敵を睨む。
 そのため、猫グドンリーダーがふらりと立ち上がり、両手に持ったニボシブーメランを放り投げようとする。
「させるか! 山吹色の疾走する波紋をくらえっ、破ぁっ!!」
 雄叫びを上げて一気に間合いをつめ、マサカズが両掌から衝撃破を放って猫グドンリーダーを倒す。
 その一撃によって猫グドンリーダーの肋骨は砕け、ブクブクと泡を吐いて息絶える。
 こうして猫グドンの群れは退治され、チキンレッグの村に再び平和が訪れた。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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参加者:12人
作成日:2007/04/03
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