【白影】ホワイトプリズン



<オープニング>


「どうなっちまうんだろうなぁ……」
 村人がドリアッドの森に続く寂れた街道をみがらため息をついた。
 先日のある事件以来、その街道は封鎖されていた。
「森に残された連中の死体を回収、きちんと葬儀をして……ん? ゼフィル? お前生きてたのか!?」
 村人は顔見知りの男を見つけて驚きの声を上げた。
「森に行って行方居不明になってたから、もう死んだものだと……お、おい何を……」
 ゼフィルと呼ばれた男は、村人の声にも反応を示さず、彼に近寄り……彼の皮膚に歯を突きたてた。
 悲鳴を上げ、倒れる村人。
 悲鳴はやがて聞こえなくなり、動かなくなる。そんな村人に興味が無くなったように、男は何の感慨も浮かべない瞳を村人からそらして歩き出した。
 自分の村へと。
 生者が……襲う者がいる、自分の村へと。

 双面の霊査士・アルフレッドは、『ミストアサシン』と題された報告書を読んでいた。
 それは、つい先日起きた事件の報告書である。
『ミストアサシン』と呼ばれる、霧と共に現れる正体不明の殺人者を追った事件。
 依頼を受けた冒険者は、『忍びの能力を持った冒険者』が実行犯だと考えて、囮作戦を敢行した。
 しかし、その結果は……
「情報こそ手に入ったものの、その正体は未だ謎に包まれている」
 アルフレッドは、呟きつつ情報を整理していく。
「気になるのは去り際だ。
 彼らは跡形もなく消え去る。カラミティエッジをまともに受けても、縛られていても、関係なく霧のようになって消えていくんだ。ハイドインシャドウでは説明が付かない。
 なら、一体どうやって?
 ……一番ありえそうなのは、やはり僕達の知らない特殊な能力を持ったモンスターだと言う事。
 『ミストアサシン』は、森の一部からある程度の範囲に近づくものを襲うようだ。詳しい場所は分からないけれど。
 その性質は、モンスターに良く見られるもの。
 しかし、モンスターだとしても、カラミティエッジがしっかりと決まって、無事でいられるはずも無い。ならば、複数のモンスターが居た?
 否。それも考えにくい。モンスターだとするなら、報告を聞く限り、その数は最低でも五体。モンスターが群れて行動するというのは、あまり聞かない。
 それに、モンスターの特殊能力は、特殊化したものこそあれ、基本的には僕達の使うアビリティから大きく逸脱したものは少ないのだから……
 例外が無いとは言い切れないけど、霊査士の勘とでも言うのかな。モンスターでも人でもない、他の……何と言うか、見知った……でも、そのものを知っているって訳じゃなくて、近いものを知ってるって言う意味で……上手く言えないけど」
 そこでアルフレッドの考えが止まり、その呟きは酒場の喧騒に紛れて消える。
 その時、アルフレッドに話しかける者がいた。

「依頼だ」
 アルフレッドは、酒場の冒険者達に話しかける。
「依頼人は、旧同盟領と旧ドリアッド領の境界近くにある村……そう、『ミストアサシン』が出る街道の近く村、そこの村人だよ」
 その依頼内容は、アンデッド退治とアンデッドに囲まれ、家に立て篭もった村人達の救出。
「……アンデッドは『ミストアサシン』に殺された人達だよ。街道で殺された人達の遺体は回収されているんだけど、森の中に踏み込んで殺された人達は、行方不明扱いで回収できなかったみたいでね。
 アンデッドの数は、行方不明者の数から想像するに十人程度。
 その大半は街道の村……つまり、彼ら自身の村に留まっている。それと、森にも何体か居るようだ。
 ……以上が今回の依頼の内容だけど……ついでに、『ミストアサシン』の調査も頼みたい。此方の方も放って置けない問題だしね」

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参加者
荒野の黒鷹・グリット(a00160)
力を求める者・ニック(a00270)
フレイハルトの護衛士ー紅神の・フーリィ(a00685)
蒼空を渡る翼・ジェイ(a00838)
紅の女子大生・ルビナ(a00869)
白いカラス・カイ(a02188)
幸せを望む歌い手・リフィア(a04222)
蒼穹を見上げ歩む者・イレーヌ(a06766)


<リプレイ>

●アンデッド
 村人達の閉じこもっている家に近寄るアンデッドに、轟雷閃舞・グリット(a00160)は素早く蹴りを叩き込んだ。
「手荒ですまない、だが被害を出すわけには行かない」
 為す術も無く倒れる、かつては村人であった者に向かって小さな声で呟く。
 そして、次の敵に向かって駆け出すグリッドと入れ替わりに、血と涙に濡れし純白の翼・カイ(a02188)が家に近づき、屋外での争う音に怯える村人達に、扉越しに叫ぶ。
「閉じこもって待っていろ」
 そして、彼もまた、アンデッドを追って駆け出した。
 蒼穹を見上げ歩む者・イレーヌ(a06766)の放った居合い斬りがアンデッドの胴を薙いだ。アンデッドの注意を惹き付けようと派手に動きながら、続く流水撃で周りのアンデッドを一掃する。
 他の冒険者達も、各々の攻撃で、アンデッドを屠っていく。
「死者が生者に害を為すな……無念は晴らすから深き眠りの床に付きなさい」
 エルフの薬物士・フーリィ(a00685)の放った衝撃波が最後の一体を打ち倒して、村のアンデッドは全滅した。

「怪我した人いる? いたら治すから言ってちょうだいねぇ〜」
 フーリィと紅の女子大生・ルビナ(a00869)のヒーリングウェーブとイレーヌの応急処置で、冒険者や村人の傷を癒す間、他の冒険者達は、今までの可能性などを話し合っていた。
「さて……前回は、冒険者による犯罪と絞り込んで捜査したがそういう情報は何も無かった。この可能性は今回除外だな」
 カイが言う。
「ミストアサシンの正体は、やっぱり霧が凝固したモンスターでしょうか」
 イレーヌがポツ、と呟く。
「ミストアサシンがモンスターとは思えませんが……」
 それに対して、幸せを望む歌い手・リフィア(a04222)が疑問を上げた。
「私が思うのは、霧を操るモノがいて、そのモノの意志で霧が集まり実体化するとか……。気温と温度が一緒なのは霧そのものだから。
 霧は大気中の水蒸気が凝結して微小な水滴になって浮遊する現象。だから消えれば水蒸気だから目には見えない」
 前回の報告書を読んで推理しておいた事を、もう一度自分の中で租借しながら、リフィアが言葉を紡ぐ。
「ひょっとしたらあの森の奥にモンスターが陣取っている……そういう可能性もあるんじゃないかな?」
 グリッドが言った。
「前回の敵の様子から俺なりに考えたんだが、恐らく森の奥辺りに潜んでいるモンスターか何かに召喚された土塊の下僕の様な『召喚存在』ではないかと見ている。消える所や複数現れた所からして、土ではなく別の物を媒介にして呼び出されているのではないだろうか?」
「俺も、ミストアサシンは土塊の下僕の霧バージョンなのかなって思う。そしたら、操ってるヤツがいるかもーだけど、いないしなー」
 蒼空を渡る翼・ジェイ(a00838)が首を捻る。
「ミストアサシン……たぶん霧状生命体じゃないかしら? 霧状の状態で活動して拡散されそうになると集合して密集し密度を増して実体化する。首を切られたって話は水を高圧で噴出さるとか、そういう原理でしょうね」
 一通りの治療を終えたフィーリィが会話に加わった。
「……ん? だからアルフレッドが霊視した犠牲者は、首に冷たいものを感じたのかな? ミストアサシンの爪じゃ、普通に斬り付けても、金属武器のような冷たさはないだろうしね。それに前回、周りに誰の痕跡も残ってなかった説明もつくか。召喚した者の足跡さえなくて、不思議だったんだよね」
 力を求める者・ニック(a00270)が納得したように頷く。
「ワシは、ミストアサシンの指の形状からモンスターだと思うのう。己の分身を召喚するリングスラッシャー系特殊アビ持ちじゃ」
 今度は、鋼撃手・ソーウェが意見を出した。
「私の意見はみんなとはちょっと違うの」
 そこに、ルビナが口を挟む。
「各種冒険の報告だと、リザードマンを操りドラゴンズゲートを悪用している黒幕一派に近いのよね。この一派は、外見は普通の人間と大差なく知性は極めて高く、心臓が動いておらず、アンデッドを作り出し操れて、いずこかへ転移することができるから、ミストアサシンと類似点が多いわ。そして、もしそうだとしたら、彼らは作り出したアンデッドの性能実験をしているふしがあるから、今回も近くに潜んでいるはずよ」
「……可能性が高いのは、新種のアンデッド、または使役系モンスターか。すると犯人は、件のリザードマンをけしかけてきたヒトの邪竜導士みたいなのが犯人か?……だが使役系だと、カラミティが効かなかった理由が無い。どう言う事だろうな」
 とカイ。
 様々な意見が飛び交う。そのどれもがそれなりの説得力を持っており、一方で、断定できるほどの確証は無い。
「ま、想像だけじゃ結果は出ませんな。もう少し情報を集めないとね」
 ニックの言葉に反応して、イレーヌが言う。
「村人の方たちの治療のついでに、森の奥に何があるかとか、何か古い伝説のようなものがあればをと思って聞き込みをしていたのですけれど……」
「何か見つかったのかい?」
 ニックの質問に、イレーヌは首を横に振る。
「そうか……エステル、一つ頼めるかな?」
 ニックが肩を竦めて、隣にいる蒼き鳥姫・エステルに向き直る。
「別ルートで街道先のドリアッドの村へ入って、ミストアサシンや森の奥にあるものの心当たりについて聞き込みをして欲しいんだ。収穫は無いかもしれないけど、ものは試しだしね。俺達は、森を調べてみるから」

●ミストアサシン
 鹿は、獣達の歌の効果を離れ、森の中を軽やかに走り去って行った。
「重要な情報なのかそうでないのか……」
 リフィアが鹿を見送りながら苦笑した。
 得た情報は、『ミストアサシンは、最近になってから現れ始めた事』『森の奥に遺跡がある事』の二つ。
 ただし、ミストアサシンは何処からやってくるのかは分からず、遺跡の中がどうなっているのかも不明である。

「遺跡に行ってみるか?」
 カイが言い、ルビナが答える。
「私の考えが正しいなら、アンデッドを作るには遺跡や死体が多い場所が必要だから、そこは重要な場所だと思うわ」
「俺は泉の方が気になるんだよなー。霧っぽいから。霧ってーと、やっぱり泉だしな」
 横から出したジェイの意見に、ソーウェとリフィアも賛成した。
「まあ、どっちが先でも大差は無いわよね」
 ルビナも同意し、一向は泉を目指し始めた。

「歩きにくいわね」
 フーリィは生い茂る下草を掻き分けながら、森の中を進んでいた。
 ふと、その足が止まる。
「……来たわね」
 行く先の木々の合間を見据え、杖を構えた。
 冒険者の周りを霧が包み始める。
「それじゃあ、ちょっと試してみるかな」
 ニックがフォーチュンフィールドを発動させた。冒険者達の周囲の地面がぼんやりと光り始め、霧が払われていく。
「と言う事は、この霧はアビリティだって事だね」
 ちょっとした実験だった。ミストアサシンのもたらす霧は、アビリティか若しくは他の何かか。
 そして、霧が晴れた後、その場に残ったのは。
 白い体、長い爪、洞の様な目。
 ミストアサシン。
 八体。
「また増えてやがるな」
 カイが唸るように言って、構えを取る。
「霧の一部を採取して置きたいわ。協力してね」
 フーリィが冒険者達に呼びかける。
「ああ、余裕があればなっ」
 カイはブラックフレイムを放つ。炎の蛇はうねる様に宙を滑り、標的に命中する。だが、一撃では倒しきれず、反撃してくるミストアサシンの爪を避け、連撃蹴を数回叩き込んで仕留める。
「……ダメだったか」
 事前の予測で、ミストアサシンは霧の集合体ではないかと言う意見が出ていたので、ブラックフレイムで消滅させられないかと試していたらしい。
「やはり使役系か?……だが使役系だと、カラミティが効かなかった理由が無い。どう言う事だろうな」
 カイの疑問にジェイが答えた。
「実は効いていたんじゃ無いか? 一度倒されて、元の霧――媒体に戻った。つまりミストアサシンは一体じゃなくて、複数いると言う事かも」
「……ああ、そう言う事なら分かるな」
 カイが頷く。
「とりあえず数を減らさなきゃ、調査の前に私たちがやられそうね」
 フーリィがスキュラフレイムを発動させる。
「蒸発しなさいっ 喰らいつけLeo、Capricornus 爆っ」
 フーリィ詠唱に従うように、三つの獣の頭を持つ黒い炎が彼女の手に生まれ、ミストアサシンへと向かっていく。
 獅子と山羊が深く喰らいつき、蛇が毒を流し込んだ上で、爆発炎上した。炎が治まった後には、ミストアサシンは影も形も残っていない。
「仕留めたか逃げたか……今は数を減らす方が先決かしらね」
 残念そうに呟いて、フーリィは次の対象へと向かう。
 数が多いとは言え、冒険者達の連携によりミストアサシンは一体、また一体と屠られていく。
 最後の一体が残った所で、フーリィは拳大の真綿と密封容器を取り出した。霧の一部を採取するためである。
「お手伝い致しますわ〜」
 剣を振るう手を止めて、イレーヌがフーリィに駆け寄る。フーリィは真綿を取り出し密閉容器をイレーヌに渡す。そして、後方から他の冒険者の戦いを見守りながら、採取のタイミングを計り始めた。
 一方で、ルビナも攻撃の手を休め、懐から香水の瓶を取り出して、ミストアサシンに振り掛ける。強烈な匂いが当たりに充満した。
「もう良いわよ、倒しても」
 ルビナの声とほぼ同時に、不敵な笑みを浮かべ、矢のような速さでグリッドが向かっていく。
「悪いが君らに構っている暇はないのでな。手早く倒させて貰う」
 ミストアサシンの直前で、グリッドは体勢を低くする。彼の速さに付いていけず、ミストアサシンはその姿を見失なった。敵を見失い無防備なその腹に、打ち上げる様に連撃蹴奥義が叩き込まれた。ミストアサシンの体が力無く宙を舞いながら、消えていく。
 其処にフーリィが真綿を突き出す。フーリィは、確かに真綿に湿り気を感じた。
 やっぱり、霧!
 フーリィは真綿を素早く密閉容器に入れ、イレーヌが蓋を閉めた。
 リフィアは、周りに何か変化は無いかと注意を張り巡らせる。単独行動を避け、できるだけ仲間達から離れないように観察をするが、何も見つからない。ミストアサシンの足跡も無い。
「……霧だから、足跡が残らないのかな」
 リフィアのほとんど独り言のような気分で呟く。
 ルビナは、その場に残る香水の強烈な香りを嗅いでいた。立場所を変え、何度も。
「霧はこの場に留まっているようね」
「またミストアサシンが出てくるって事ですか?」
 リフィアがぎょっとしながら辺りを見回す。
「でも、使役された存在だった場合でも筋妻は合うね」
 グリッドが言った。
 結局、冒険者はしばらくその場に留まって警戒していたが、香水の香り他の場所に移動する事は無く、またミストアサシンが出てくる事も無かった。
 冒険者達は、再び泉に向かって進み始めた。

「本当はミストアサシンがこの泉の水分で出来てるのか調べたかったんだけどなー。方法がなー」
 ジェイは泉を覗き込みながらぼやいた。
「とりあえず、泉を中心に周りを探索してみようかのう。古来より白マスクの怪人は湖の周りに潜むものなのじゃ!」
 何やら根拠の無い自信で、ソーウェが言い切る。
 細かいツッコミはおいて置くとして、探索には反対は無く、冒険者達は、あまり離れすぎないように、泉の周辺を探索し始める。
「これ、湧き水で出来た泉のようですね」
 イレーヌが言う。
 続いて、
「げ。これ何だ?」
 ジェイが指したのは泉の周りに付けられた足跡だった。
「これ……蜥蜴かしら? でも、それにしては少し大きいから……。……。ワニとか?」
 動物について詳しい知識を持つリフィアが足跡を見て言った。
「ワニか……何なら泳いで見ようかとも思っていたんじゃが……」
「やめた方がいいと思うぜ」
 残念そうに言うソーウェに、カイが忠告する。
「泉の中を見てたら、さっきでかい影が見えた。さすがに危ないだろ」
「そうですよ、さすがに水の中だと……あっ」
 リフィアが言おうとした時、木の陰に人影があった。
 気付く事ができたのは、泉だけでなく周囲に強く注意をしていたリフィアだけ。
 彼女が皆に伝える間に、その影は逃げ出した。
「ミストアアサシンっ!?……でしょうか?」
 突然の事態に、つい素が出てしまい、取り繕うイレーヌ。
「分かりません。暗くて見難かったもので……」
 申し訳なさそうにリフィアが言う。
 朝から探索していたが、途中慎重に進んでいた事もあり、そろそろ日が暮れる頃だった。
「追うぞっ!」
 誰が言い出したかは分からないが。冒険者は、その人影を追って一斉に駆け出した。
 暗い上に僅かな間が空いてしまったことで、人影を追うのは容易ではなかった。人影を見失い、足跡を探しながら辿り着いたのは、足跡の続く遺跡の入り口だった。
 遺跡の入り口から覗く内部は暗く、先が見えない。遺跡に吹き込む風の音が呼吸音のように響き、その入り口はまるで、化け物の口が冒険者達を食べようと待ち構えているようにも見えた。
「行く?」
 ルビアが冒険者達を見る。
「止めておこう。アンデッドやミストアサシンで消耗してるし、この先にはどんな危険があるか分からないからね」
 ニックの答えに反対するものは無く、冒険者達は帰路に着いた。

●酒場
 エステルが合流したのは、冒険者達が依頼を受けた酒場に帰ってきてからの事だった。ドリアッドの村に大回りして行ったため、時間が掛かってしまっていたのだ。
 彼女がドリアッドの村で聞いてきた話によると、その遺跡は特に重要なものも無い空遺跡だそうだ。地理的には、旧同盟領と旧ドリアッド領の境界よりも、意外にドリアッドの集落に近い場所にあり、かつて、ドリアッドの一般人が一人で入った事もあるらしい。そして、その時は何事も無く無事に帰ってきたそうだ。
「モンスターがその遺跡を守っている……ってわけじゃないのか?」
「モンスターが守っているなら、一般人じゃ……」
 皆が不思議そうな顔をする中、ルビナが言った。
「……私の言った通りなら辻褄はあうわね」
 そこで反論をしたのは、冒険に出ていた冒険者ではなく、霊査士のアルフレッドだった。
「それは……違う」
 その場にいた冒険者達は多少の驚きを持って彼の顔を見つめ、続く言葉を待った。
「本当に驚くほど似ているけど。否定する根拠は、僕の霊査士としての勘としか言えないけど。……それでも断言できる。それは、違う」
 訥々としていながら、それでいて断定的な言葉。
「じゃあ、何なのよ」
 些か気分を害したようにルビナが言うが。
 アルフレッドは、霊視を終えた、フーリィが持ち帰った真綿の入った密閉容器を手の中で転がしながら苦笑した。
「僕には分からない。ただ言えるのは、まだまだこの依頼は続くと言う事だよ。霊視の結果はその時にでも。皆には申し訳ないけど、また機会があれば受けて欲しい」


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作成日:2004/05/07
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