第三次・大惨事SUPERお菓子対戦〜必殺cakeナントカ



<オープニング>


 午後の紅茶をかきまぜながら、二人の霊査士はティータイムを楽しんでいる。
「アイちゃんはケーキではなにが好き〜? いま食べているもの以外でー」
 と訊くのはストライダーの霊査士・ルラル(a90014)だった。ルラルがほおばるのはマロングラッセ、栗の濃厚な甘味がたまらない。
「そうだなあ……」
 葵桂の霊査士・アイ(a90289)がフォークを入れるのはミルクレープ、幾層にもおりたたまれたクレープのやわらかさは絶品だ。 
「私はチーズケーキが好きだな。とくにレアチーズケーキがいい」
「ルラルはねえ、ケーキならなんでも好きだけど、いまの気分はブルーベリーのタルトかな♪」
「それもいいなあ」
 アイは微笑する。この二人が会話すると、いつもお菓子の話になるのはなぜだう?
「ところで〜」
「なにかな?」
「ここでアイちゃんに、ケーキを題材にしたギャグをひとついってもらいたいの♪」
「なんだいきなり!?」
「さぁはやく〜。突発的なうけこたえの能力は霊査士にひつようだよ〜」
「本当か? えー……あー」
 アイはやや頬を染めながらいった。
「……それはまたなんとも、景気(ケーキ)のいい話だな」
「ふにゅ〜」
 ルラルはすさまじく脱力した!
「ちょ、なんだよその反応!」
 ショックを受けるアイを尻目に、
「あ、みんながきたー。じゃ、説明にいってくるねっ!」
 ルラルはケーキをさっと一口にし破顔一笑、口元にクリームつけたまま冒険者のまつテーブルにかけていったのである。

 前もこんなことあったような気がするけどー、と前置きしてルラルはいった。
「大変なの! ケーキとケーキが暴れているの!」
 なんだか正気をうたがいそうな話だが、これはまぎれもなく真実なのだ。
 ケーキといっても巨大、それもうすらばかでかいグレートサイズ! 円形ではなく切り身の状態ゆえ、なんだかケーキ風に飾られた船のようでもある。そんなケーキはじつはモンスターで、どすんばたんと飛んだり跳ねたり、しきりに暴れているという。これが二体いるのだから始末が悪い。一体は真っ赤なイチゴの乗ったショートケーキで、もう一体はザッハトルテと呼ばれるチョコレートケーキらしいのだ。
「おっきなケーキ同士、なかよくすればいいのにケンカしてるの。それも直接たたかうんじゃなくて森の木をバシバシたたき折って、その数を競争してるみたいなのね。かわいい見た目だけど重くて強いから、木だってかんたんに折れちゃうみたい。ほっといたら森がまるはだかにされちゃうよ! こんな悪いケーキは食べて……しまいたいところだけど、みんなでやっつけてほしいの」
 ショートケーキとザッハトルテ、いずれも主攻撃は体当たり・押しつぶしとチカラワザ主体だが、行動にはある習性があるらしい。
「おひさまがでてるとねー、ショートケーキが元気になるんだって。ものすごく力がつよくなるから、おひさまがのぞいているときのショートケーキには気をつけて! あと、ぼんっ、ってイチゴをぶつけてくるかもしれないよ! イチゴ砲弾(?)はとっても痛そうだからくらわないようにね〜。
 逆におひさまがかくれてると、こんどはザッハトルテがおおあばれするの! スピードがはやくなって、分身攻撃までしてくるみたい。分身するチョコレートケーキ……うーん、おいしそうだけどこわいよね。油断はだめなの!」
 遭遇時間帯は昼になるだろう。森が破壊しつくされる恐れがあるため、夜まで待つのはやめておいたほうがいい。むしろ環境破壊をとめるため、なるだけ早く倒してほしいものだ。
 ルラルの霊視によれば問題は、この日のこの地域では雲が多く、太陽が頻繁にあらわれたりかくれたりすると予測されていることだという。しっかり作戦をたてつつも、臨機応変にあたりたい。

 甘くておいしそうな敵二体であるが、モンスターゆえ食べるのは厳禁だ。外観に反して猛毒をもっている可能性もある。そのかわり、といってはなんだが
「ぶじにやっつけてもどってこれたら、みんなをケーキバイキングに招待するよ〜。ケーキめざして、悪いケーキたちをやっつけちゃってね♪」
 といってルラルはニコニコと笑った。

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参加者
斬鬼・ルシール(a00044)
夜天の調律師・リリス(a20616)
黒猫の花嫁・ユリーシャ(a26814)
白と舞う翠櫻・リタ(a35760)
猛き赤鱗・フレア(a41325)
言いくるめのペ天使・ヨウリ(a45541)
桜狐・ヨシノ(a53774)
神風・キャロット(a59243)
大海原に抱かれし月・リシティア(a60434)
血の涙を流すオヤジ・ベルナール(a62391)
姫椿の鐘楼守・ウィズ(a65326)



<リプレイ>

●森と大地とcakeさん〜森は泣いている
 目に決意、胸に情熱を秘め、悪を断つ竜巻・ルシール(a00044)が仲間たちをふりかえる。
「準備はいいか」
「ああ!」
 猛き赤鱗・フレア(a41325)は威勢よく、斧ふりあげて返答した。
「『ザッハトルテ班』はいつでもいけるよ!」
「私たちも!」
 凛(りん)としてこれに応ずるは、無垢なる茉莉花・ユリーシャ(a26814)だ。
「『イチゴショート班』も準備完了ですわ!」
 ……。
「………なんか美味しそう……」
 調律師・リリス(a20616)がぽつりといった。
 敵はモンスター、ケーキの姿したモンスター。ゆえにこの班名称は理にかなったものであるのだが、どうしても珍妙な気分であった……。
 しかもこの感慨は、当のモンスターを目にしてもあまり好転しなかった。
 びょーんびょん飛んで跳ねてするめちゃグレートな巨大ケーキ! ひとつはイチゴの乗ったショートケーキ、もうひとつはパリパリチョコのザッハトルテ、クリームたっぷり、チョコたっぷりな憎いやつらである。
 言いくるめのペ天使・ヨウリ(a45541)は、これを見上げて感心する。
「こりゃ食いで……、もとい、倒しでがありますのう」
「よっしゃー、いただき……いや、アレはモンスターだから食べられないっ?!」
 山オヤジ・ベルナール(a62391)は甘いものに目がない。我を忘れケーキにとびつきかけたのだが、寸前で危うく思いとどまり、わきおこる怒りに全身を燃やす!
「インチキモンスターめ、かならずブッ潰してやるからよォォォ!!」
 怒りの宣言だ! なんか血の涙(?)もながれている!
 大海原に抱かれし月・リシティア(a60434)が、ベルナールの肩をポンと叩いた。
「ケーキを倒したら、ケーキバイキングにいく約束なぁ〜ん? おいしそうなのをやっつけて、おいしいのをいただくなぁ〜ん!」
「そうだ! 祝勝会はケーキバイキングだったぁぁぁ!!」
 またもや大興奮、ベルナールの意気はあがる。
「なにアレうまそ−! って、そんなんゆうてる場合ちゃうな」
 桜狐・ヨシノ(a53774)は率直な感想とともに、チキンスピードをザッハトルテ班にかけてゆく。
 なにはともあれ冒険者たち、二班にわかれケーキに挑む。

 それまで森破壊競争にいそしんでいたケーキ怪物たちは、冒険者に気づくや向かってきた。そのジャンプの高さよ! 大地の振動の大きさよ!
 翠嵐の雲雀・ウィズ(a65326)に雑念はない。ただ義憤があるのみ。
(「何十年とかけて育った、抵抗するすべも、ことばも持たねぇ樹木を壊す……こんな理不尽で無残な話に、憤りを感じないはずはねえ!」)
「お互いに頑張ろうぜ!」
 と叫んでウィズは駆け、イチゴショート班の先陣を切る。
 いま太陽は分厚い雲に隠されている。すなわち、イチゴを総攻撃のタイミングということだ。
 神風・キャロット(a59243)は颯爽とつづく。キャロットはリングスラッシャーを呼び出していた。
「いちごは喰っても喰らわされるのは好きじゃないカラ☆」
 空気の刃は廻転し、キャロットを守るべくしたがうのだ。
 ルシールがデストロイブレードで先制打、ケーキは、ぼっ、と白いクリームを吹いた。
 かれらの後方には、墨染めの桜花・リタ(a35760)がいる。彼女こそこのチームの司令塔であり、回復役であり精神的支柱でもある。
「この暴走は生前には望まぬ悲劇でしょう?」
 リタはおだやかに、されどもはっきりと告げた。
「見た目は愛らしくとも止めなくてはなりませんね」
 そんなリタの身にユリーシャは、鎧聖降臨をかけ信頼を示した。

●豪快! 暴れまくりcake
 変幻自在、ザッハトルテは激しい攻撃を見せた。巨体で分身までする。恐ろしい力だ。
「後衛には行かせんじゃないよ!」
 フレアはたくましい腕と踏みしめる両足、バーサーカーアクスでこの猛攻に耐える。
「おうとも!」
 いまは耐える時期、同じく前衛のベルナールは攻撃をあきらめ防御に専念する。ケーキの一撃一撃は速くそして重い。
 リシティアも必死で身を守っていた。
「おいしそうなのに強い、強いのにおいしそう、これってなんなのなぁ〜ん!?」
 双剣をたくみに用いガードするリシティアだが、このままでは危険だ。
 ヨシノの声に悔しさの色がにじんでいる。
「たまらん速さや! シャレにならんで!」
 つぎつぎにソニックウェーブをはなつヨシノだが、当てることができないのだ。
 ヨウリはニードルスピアでわずかに抵抗したがすぐにやめ、もっぱら癒しの水滴に専念して味方を援護している。
「ホーリーライトが効いてくれればよかったのですがのう」
 曇天を弱めるべくヨウリはホーリーライトを使ったのだが、自然の太陽光でなければ効果はないらしい。巨大ザッハトルテの勢いは落ちなかった。
 もしこのときリリスが後方にいなければ、かれらはとうに倒れていたにちがいない。
「あたし……守ります。みなさんを守り、支えます」
 リリスの功績はいくら評価してもしすぎることはないだろう。黒炎覚醒の状態から、高らかな凱歌で味方を癒し、励ます。窮地にあっても明るさを失わず、温かみを失わない彼女の歌は、とめどもなき活力を仲間にわけあたえていた。
(「せめて全力をつくし、足を引っ張らないよう気をつけなくては……ほかにあたしが、できることもないでしょうから……」)
 リリスはこう考えていた。しかしリリス自身は気づいていないのである。いま、彼女の代わりをつとめられる者など、他にいないということに。
 しかしこの苦境はとつぜん終わる。太陽が顔をのぞかせたのだ!

「あの雲行き……すぐに太陽がでますわ!」
 リタが大声で知らせてくれたおかげで、イチゴショート班は危険を回避することができた。
 ぼんっ、と飛んでくるジャイアントイチゴ、だがルシールはこれをバックステップでかわす。
 キャロットがあわてて
「とんでくるのはつぶつぶじゃなくてイチゴ本体のようだったネ! こんなのきいてないヨ!」
 かく叫ぶくらい、ともかく重厚な一撃だったのだ。鉄球のようにイチゴは大地にめりこんでいる。
「よし、ここからは守りだ」ルシールは味方に告げる。「敵の強弱のタイミングを得られるのは戦闘において最高のアドバンテージといえよう。これで負けては恥ずかしいぞ」
 太陽の出現とともにイチゴショートはすさまじく暴れだした。さっきまではクリームまきちらし逃げ腰だったのが嘘のよう、超重量で突きこみ暴威を、いかんなく発揮する。
「能力まで底上げされているのか!?」
 ウィズは破鎧掌をくらわすも、さっきまでは簡単にはじきとんでいたケーキが、いまは強く押し返してきた。ウィズはこれをしのげず、はげしく撲たれた。
 ストロベリーショートケイクは暴走する。その攻撃はつぎつぎ味方を巻きこみ、リタだけの回復では厳しくなってきた。
「ユリーシャさん、協力をお願いできますか」
「ええ、エヴァンズ様」
 とユリーシャは、リタをその姓で呼び、
「食べ放題が待っています。皆様、ここがこらえどころですわよ!」
 仲間に力強く呼ばわって、ヒーリングウェーブで癒しを与える。

「どーせ食えねーんだ、ハデに行かせてもらうぜーー!」
 ベルナール、ホーリースマッシュをガツンとくらわす。いきなり弱くなったザッハトルテから、チョコがバラバラ飛び散った。くらわせてすぐ、
「次頼む!」
 とベルナールが呼ぶとフレアがタイミングよく飛び出し、
「よっしゃ! デカブツ、覚悟しな!」
 斧でガスガス殴って攻撃、さらにヨウリがニードルスピア、ぱっと散らせて食らわせる。
「まるで二重人格者ですのう」
 そして空駆けるヨシノ、三人に増えるヨシノ!
「俺かて分身攻撃くらいできんもんねー」
 ミラージュアタック奥義がっちりきめると、勢いあまってチョコボディーに突っ込みそうになる。
「あかん! あかんてー! これ怪物なんやってー!」
 といいながら、ぽふっ、とやわらかスポンジボディーにくるまれてしまう。チョコのよい香がした……さすがに口に入れるのは我慢しているが、
「やってもーたー」
 と嘆きながらどこか幸せそうな口調だった。
「緩急のある敵で助かりました……」
 というリリスはこのスキに、どんどん味方を回復させておく。
 数回の攻防はこの調子でつづいたが、
「美味しそうなぁ〜んけど……絶対絶対食欲に負けないなぁ〜ん!」
 リシティアは我慢しながらデストロイブレードでチョコを砕き、ここで空模様がまた変化しつつあるのに気づいた。

 太陽が隠れた。
「行くぞ」
 ルシールが呼びかけるが、
「いえ、太陽はすぐまた出そうです!」
 リタが告げたので、
「訂正、防御だ!」
 といいなおしたところ、
「いや、また隠れるぞ!」
 ウィズが指摘する。
「ええいハッキリしろ!」
 するとまたまた太陽は出……かけてやっぱり隠れた。
 ウキー! と叫び出しそうになるのをこらえて、イチゴショート班、猛攻撃開始!

 太陽は出たり入ったり、だからケーキも攻めたり守ったり。冒険者も寄せては引いて、なんだか波打ち際のごとき展開。
 こういうペースがつづけば本来、疲れて陣は乱れだすものだが、
「いそがしいのヨ! でも、なんだかコツがわかってきたかナ☆」
 キャロットがいうように、むしろ冒険者はこの動きに乗ってきたようだ。

 さて何度目かのザッハトルテ弱体化タイム。
 リシティアは双剣を、しっかと握って斬りこむ。
「ザックリ斬るなぁ〜ん!」
 右手、左手、二本の剣、閃光を描き標的に十時の傷を負わせた。切れ目はスポンジをたっぷり吹いて破裂する。リシティア会心のデストロイブレードである!
 ベルナールもここが決めどころ、ホーリースマッシュ撃ちつくす。
 さらにヨシノが、チョコまみれになりながらミラージュアタックだ。分身のヨシノも全部チョコまみれ。
 火球のごとく突撃する女傑(じょけつ)があった。
「オラオラオラーッ!」
 そう、彼女はフレアだ。
「食えないケーキはお呼びじゃないんだよ!」
 フレアは渾身でデストロイブレードを叩きつけた! モンスターを討つ……これこそフレアの宿命だ!
 すさまじい音をたてザッハトルテは崩壊した。

 イチゴショートの抵抗も、もはや風前のともしびか。太陽がでているから力はあるが、さすがに相当弱っていた。その攻撃をユリーシャはついに捉えきる。
「はぁぁあっ!」
 気合い爆走、ユリーシャがくりだす虎のごとき猛反撃! これぞ無風の構えの威力だ。
 この瞬間、雲が隠れる。リタが空を指して呼びかけると、攻撃、攻撃、味方の怒濤のラッシュがつづいた。
「生クリームをぶちまけろォッ!!」
 キャロットは宣言し本当に、リングスラッシャーでこれをぶちまけさせる。クリームはしぶきのように飛散して、キャロット自身もクリームまみれになった。
 そこへルシールの容赦なき痛撃、ショートケーキにのこったわずかなクリームをすべてふるい落としてしまう。
「さあ、終わらせようか」
 ルシールはふりかえった。
 その呼びかけに応じとどめの一撃をふりあげたのは、自然を愛し姦邪を憎む重騎士……ウィズ!
「可哀想なやつらだ。結末は変わっていただろう、モンブランだったなら」
 と真顔でいいきる。自然とともに、モンブランも愛するウィズなのだ。
 かくてウィズ全力の兜割りは、イチゴを失ったショートケーキを一刀両断したのである。
 
「やれやれ、なんとか重傷者もなく勝てましたのう」
 と、ヨウリは自分をぱたぱたと仰ぐ。ヨウリは汗びっしょりだ。
「まずはお風呂で汗と埃、それとこのクリームを落としたいですわね」
 ユリーシャは苦笑いした。実際、彼女もクリームまみれで真っ白なのだった。 

●cake食べ放題
「……ということで、祝勝会(という名のケーキバイキング)だー!」 
 ベルナールは拳をつきあげた。
 場面かわってここは、ルラルお勧めのケーキ店だ。ルラルはニコニコし、
「みんながんばったからごほうびなの〜」
 どんどん食べてね、と勧めてくれる。
「いっただっきまーっす!」
 ヨシノは尻尾ふりふり、イチゴたっぷりのタルトとチーズケーキにフォークを入れる。
「やはりケーキはぶっつぶすより、食べる方がよいですのう」
 紅茶片手にのほほんと笑むヨウリである。
「まったくだねぇ♪」
 とフレアが応じた。フレアの好みは苺のムースだ。各種フルーツタルトにも目移りして困る。
 にしてもすごいケーキの種類であった。
「女だけど……二十五歳だけど……いっぱい食べるなぁ〜ん!」
 リシティアはどんどん食べた。オレンジケーキ、ガレット・デ・ロワ、抹茶カステラもエクレアも! リシティアは断言する。
「ケーキは別腹なぁ〜ん」

 リリスは最初、遠慮気味にすこし取るだけにしていた。だがティラミス、ロールケーキ、ドボシュ・トルテ、つぎつぎ目に飛びこむ誘惑に、
「ケーキ食べる分のカロリーは戦いで消費したはず。食べすぎちゃっても太ったりしないですよね!?」
 といって、リリスは遠慮をやめることにした。
「俺はまず、このふたつだな」
 ルシールが皿にのせたのは、「せっかくだから」と選んだ二品……イチゴショートとザッハトルテだ。
 ぎょっとしたような視線をうけて、
「……どうした? 皆食べないのか?」
 ルシールは微笑してブラックコーヒーを口にはこんだ。
 持って帰りたいくらいだが、リタはやめておく。
「生のケーキでは傷んじゃいますからね」
 そのかわりここでおいしいケーキを覚えて帰って、友人や大切なひとに手作りしてあげようとリタは思った。「学習」は楽しくしっかりやるつもりだ。
 ウィズはモンブラン、一心不乱にモンブランばかり食べている。
「ウィズ、モンブラン好きやな〜。一口もらってええか?」
 とヨシノに声をかけられ、
「うん?」
 ようやく我に返ったウィズだった。
 ユリーシャはドレスに着替え、とても上品にケーキを口に入れる。
「やはり動いた後の甘い物は格別ですわ〜」
 そのマナーは完璧、優雅……といえないこともない、常人の三倍の超高速でなければ!
 どのケーキもすばらしいが、なかでもイチゴのタルトは大人気で、すぐに最後の一個になってしまう。
(「これは逃せないヨ☆」)
 これに気づきキャロットは、取りにいこうと駆け足する。だがゆくてにベルナールがいて先に取りそうな気配……このとき
「あら、アオイ様」
 ユリーシャが顔をあげた。なぜか少女のようなドレス姿(リプレイ『お洒落めさるな』参照)で、霊査士アイが来店したのだ。アイはルラルにむかい勝ち誇ったようにいう。
「考えてきたぞ、ケーキを題材にした最高のギャグを!」
 しかしここで
「チャンスなのネ! てへっ♪」
 とキャロットが風のいたずらを発動し、アイのスカートをめくりあげた!
 ばさっ。
「わっ!」
 一同の視線が「そこ」に集中したのはいうまでもない!
 かくしてキャロットはこのスキに、ゆうゆうと最後の一個を手に入れたのである☆

(終)


マスター:桂木京介 紹介ページ
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