【お姉さま天獄】チェリーのお姉さま



<オープニング>


 皿に盛られたサクランボ、宝石のように赤いたわわな果実だ。いま、はじまりは・プルミエール(a90091)と葵桂の霊査士・アイ(a90289)は、そんな果実を前に興味深い(?)会話をくりひろげていた。
「アイさん、サクランボの枝、口の中でむすべます?」
「え? そんなことそもそもできるのか?」
 できますよー、とプルミーは果実ではなく小枝のほうを、ひょいと口の中に入れた。しばらくもごもごやっていたが、
「ほーら」
 と口をあけて枝をとりだす。たしかに、枝はむすばれていた。
「器用なものだな、うん」
 アイもまねしてみるがどうしてもできない。
「舌をつかうんですよん」
「うーむ? どうしても……むー」
 懸命に舌をつかうが、どうしてもできないアイなのだった。
「知ってました? これができる人って、キスが上手なんですって♪」
「なにっ!」
「つまりアイさんは……うふふ」
「そ、そんな意味ありげな笑いはよせっ!」

 サクランボをテーマにした美女怪物が出現したという。今回はそんな依頼である。

●ナメナメいやしけいのおねえさま
「えー、コホン、このなかで舌でサクランボの枝を結べるものは挙手……なるほど。いや、そんなことは関係ないのだがな」
 と、アイは咳払いして話をはじめた。

 真っ赤なサクランボの群生地に、その娘はひそんでいる。ほわっとしたピンクの髪の娘、なぜか和装、それも、行者のような白い薄衣の娘。……人が住まぬ僻地のこの娘は、じつは怪物なのである。
「たいへんな美女だが、以前退治してもらった苺怪物とはまたちがうな。つねに穏やかな笑みをうかべており、ややたれ目、いわゆる『癒し系』といった雰囲気になるかな……まあ、正体はぜんぜん癒してくれないが」
 癒すどころかむしろこっちを食べようとする! 近づくと催眠作用のある甘い香を吹いて、とろんとなった相手を襲い……舐(な)めるのだそうだ。
「幼い少年のやわらかい肉がいちばん好みらしい。舌でぺろりと舐め、許されるなら舐めて舐めて舐めつくし、そうしてかぶりついたりするぞ。とんでもない癒し系もあったものだな」
 怪物――プルミー風に『チェリーのお姉さま』とでも呼ぼうか――が優先するのは幼い少年、でなければ怪我をした者だ。なぜか傷口を舌で舐めるのが好きらしい。ぞっとしない趣味ではないか。しかもこの舌で舐められると、毒性の麻痺を受けることになる。全身舐められればそれだけで死に至るかもしれない。
「しかも手癖が悪いというのか、とかく攻撃が機敏だ。手には武器らしいものはないが、突きのラッシュを繰り出してくる。回転して数人を一気に攻撃することも得意なようだぞ」
 怪物は、ころころと丸い真っ赤な狛犬を二頭呼び出し、下僕とする。狛犬らもつぶらな瞳で、とてもキュートな姿なのだそうだが、その実はお姉さまの小型版といったところで、舐め麻痺毒、噛みつき、俊敏、いずれもかねそなえているようだ。警戒すべきだろう。
「恐怖のぺろぺろですね。たぶんこのお姉さまも、舌でサクランボの枝をむすべると思います」
 なぜだか大まじめな顔でそんなコメントをするプルミエールであった。アイは、複雑な表情をした。

 アイにとってはたいへん腹立たしいことだが、やはりこの怪物も胸はとっても大きいそうだ。和装はもともと胸の大きな女性を想定していないデザインゆえ、そのあたり(どのあたり?)には厳重注意!
 プルミーがいう。
「私は今回はいけないけど……怪我して戻ってきた人には、お姉さま怪物のかわりにぺろぺろしてあげましょうか?」
 アイはじろりとプルミーをにらむ。
「そういうデンジャラスな冗談をいわないように」
「てへへ……じゃあ、戻ったら、舌をつかったサクランボの枝むすびのコツを教えてあげます♪」
「うーん」
 またまたアイは、複雑な表情をした。

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参加者
朱の蛇・アトリ(a29374)
奏でる弓・レイチェル(a30882)
嵐を呼ぶ蒼き雨・レイニー(a35909)
天に抗う誓約者・トワイライト(a43304)
チキンレッグの伊達ペンギン・マカロニ(a43490)
戦争屋・ヒレン(a47525)
数多の武具を求める収集家・シルト(a48677)
夢紡・ルーエ(a57153)
手のひらの鼓動・アールコート(a57343)
ただの人・グリッド(a60472)


<リプレイ>

●でっけー!
 たどり着いたは桜桃の園、ただの人・グリッド(a60472)は腕を組む。
 グリッドの外観は温和な二枚目、涼しい目して、俳諧の文句でも考えているように見えるがそのじつは、
(「やってまいりましたね、皆でよってたかって美女のみぐるみを剥(は)ごう企画第二段!……もとい、青少年に有害なモンスターを退治しよう企画第二段。敵は和装のおっとり美人。そのうえ癒し系というではないですか。ああ、癒されたい……」)
 と、たいへん正直な気持ちをいだいているグリッドさんなのだ。
 武具の収集家・シルト(a48677)は緊張の表情、脳裏に浮ぶは恋人の姿。
(「今日は絶対にメビュルスさんにチェリーを持って帰る必要があるんだ……忘れたら、前のこととあわせて殺される……」)
 前回の顛末(てんまつ)をかれは隠したつもりだが、恋人にはどうやら筒抜けだったらしい。
 一同は園をすすむ。まだ敵影はないがいつあらわれてもおかしくない。強化アビリティなど準備をはじめておく。
 奏でる弓・レイチェル(a30882)は、眼鏡をクイっと直し表情をひきしめた。そんなレイチェルがまとうのは、なんと前回、イチゴのお姉さまから奪った羽衣だ。軽さもさることながら、そのたいへんな薄さ、布生地の少なさに注目! レイチェルの玉の肌も白百合のごときうなじも、夢のようにやわらかな谷間までも、惜しむことなく堂々とのぞいている。
(「この服は最大効率の所作を身につけさせてくれるはず……着こなしてみせます!」)
 この衣装で戦うのなら、無駄な動きは厳禁だろう。無駄はすなわち死、いや、「露出」につながるからだ。えっちな目的はなく純粋に、自己鍛錬のための着衣なのである。とはいえ男性陣にとっては、たまらない見栄えなのも事実、チキンレッグの伊達ペンギン・マカロニ(a43490)は正直に、
「敵は美しい女性だという。だが味方にも美しい女性……罪なものだね」
 といってしきりにトサカをかきあげていた。尻尾はふるるん、クールを装うマカロニだがハートはドキドキだ。
 さてそんなマカロニとはまた別の意味で、胸を高鳴らせている少女がひとり。彼女は手のひらの鼓動・アールコート(a57343)、今回がはじめての冒険行となる。
「これが初依頼なんです☆ よろしくおねがいします」
 たとえ小さくても相手は練磨の先輩である、アールコートは丁寧なものいいをこころがける。話相手は嵐を呼ぶ蒼き雨・レイニー(a35909)だ。レイニーはこれに気をよくしてふんぞりかえっていた。
「うむ、困ったらなんでも妾に相談するがよい」
「童(わらべ)に相談?」
「ちがう! 『妾(わらわ)』じゃ! 先輩として頼るがよいぞ」
 レイニーは気分がいい。そういえば自分を子どもあつかいしない大人(彼女にとってはアールコートも大人に見える)は、プルミエールのような者をのぞけば久しぶりだ。
「あそこにいるな」
 天に抗う誓約者・トワイライト(a43304)がゆくてをしめす。がさと木々がゆれ、そこからふらりと魅力的な肢体があらわれた。かたわらにはまんまるな狛犬が二頭、なるほどアイの霊視通りの姿である。
「あー。ナニか? 最近俺の相手こんなんばっかか?」
 トワイライトはひとりごち、いそいそと土塊の下僕の召喚にうつる。
 誓いの朱・アトリ(a29374)が思わず叫ぶ。
「うっはー! でっけー!」
 最初にアトリの目にとびこんできたのは、敵に二つある神秘のふくらみ、垂れたりへしゃげたりしていないのが大変よろしい。柔和な笑顔もたまらない魅力だ。敵じゃなかったら押し倒したくなったかもしれない。
「んじゃ、おっ手柔らかにぃー、おねーサマ!」
 アトリは黒炎覚醒で、燃え上がる心境を表現した。
 戦争屋・ヒレン(a47525)はスッと音もなく上体を沈め、スパイラルジェイドにて先制する。
(「今度はチェリーかよ、ったく……女ばかり散らすのも複雑だぜ」)
 とは思うが顔色にはださない、ヒレンはヒレンの勤めをはたすまで。回転飛翔、鋭い一撃を狛犬にきめた。
 夢紡・ルーエ(a57153)も戦闘姿勢にはいる。黒炎覚醒身にまとわせて万全のかまえだ。ルーエは敵の衣装をみて思う、まるで滝に打たれにいくような薄衣ではないか。
(「……濡れたりしたら大丈夫でしょうか」)
 そういえば正式な和装は下着をつけないと聞く……まさか、いや、しかし。前回が前回だけに、心配になるルーエであった。

●わかってくれるかい?
「ふん、またもや妾を差し置いて美女を名乗る不埒者かえ?」
 レイニーはかく断じて、「不埒者」を成敗すべくデストロイブレードを叩きつけた。別に敵は名乗っていないが気にしない。
「そのなりで『美女』を名乗るのは十年早い……わっ」
 レイニーの勢いは空振りする、かわされたのだ。レイニーはどたっと倒れてしまった。
(「まだ六歳のレイニーさんのほうがよほど十年早いような気がしますが……いいますまい」)
 グリッドはこう思ったが、賢明にも口を閉ざした。
 戦場にただようのは甘い香だ。シロップにつけこんだサクランボさながらの香。闘志が萎え、気がゆるんでくる。だがシルトはそんな自身を叱咤して、
「惑わされちゃいけない! 僕の愛する人はメビュルスさんだけなんだああ!」
 だがそんなシルトの服は、鎧聖降臨でつくった浴衣だったりする。和装のチェリーのお姉さまとペアルック……もしかしたらもう惑わされているのかもしれない。
 シルトは電刃衝で斬りつける。しかしお姉さまはこれを受け流し、シルトの背を地面に叩きつけた。お姉さまはその上に馬乗りとなり、
「え、な、なにを……」
 がば、と大胆にもシルトの浴衣をはだけ、鎖骨のところに顔を近づけてくる。誘うような笑みを浮かべながら。
「や、やめろ。僕には愛する人が」
 というが声音も顔もしっかり喜んでいるシルトである。ちろ、と真っ赤な舌がふれた瞬間、シルトは思わず「あー……」と吐息をもらした。そしてそのまま、麻痺した。
「女が舐めて攻撃とは……破廉恥な、恥を知りなさい!」
 しかし官能的なひととき(?)は瞬時にしてやぶれる。レイチェルがライトニングアローで射たのだ。いまのレイチェルはうまくバランスをとって、服がめくれないようにしている。
 だがチェリーお姉さまはシルトを軽々と抱きかかえ、跳んで後退しようとする。ツバつけたからもう自分のものだと主張しているのか!?
「させませんっ」
 とっさにルーエが飛びだした。私がしっかりしなくては、とイリュージョンステップを発動する。
「こんなことなら、ひらひらしたではなく鎧を着てくるべきでしたか」
 ロングスカートのメイド服、舞わして敵を幻惑する。お姉さまはこれに腹を立てたか、シルトを投げ捨ててルーエを追った。揺れる揺れる、ルーエのスカート! もっと揺れる、お姉さまのバスト!
 トワイライトは今回も土塊の下僕をつかう作戦だ。
「しっかし絶対動きづらそうだと思うんだがな、あの胸。じゃなくて」
 ぽん、と土塊の下僕の背を叩いていう。
「さあ、派手に散ってこい! ラス・マーク3(スリー)!」
 相棒(女好きのラス)のために、今回も代理をつくってあげたトワイライトなのである。ちなみに今日の代理『ラス』には、舐め攻撃対策としてタバスコやらマスタードやらをぬりたくってある!
 グリッドがこの隙にシルトを救う。
「チェリーの癒し系美女もいいですが、こっちの癒し系も清純派美少女でいいですよ」
 グリッドが召喚した癒しの聖女は、まさにその通りの外見、シルトの麻痺を取り去る。
 ころころ丸い狛犬たちも果敢に攻めた。だがアトリはこれをうまく牽制している。
「噛みつきもぺろぺろもノーさんきゅ! ちと大人しくしてもらえっと嬉しーぜ」
 炸裂アトリのニードルスピア、狛犬たちは痛みに吼えた。
 これに追い討ちするように、ヒレンが薔薇の剣戟をふるう。狛犬の一頭に腕を噛まれるがヒレンは構わず、逆にその噛みついた敵にいいはなつ!
「ハンッ! 邪魔くせぇ、愉しませねぇなら散らすぞテメェら!!」
 まさに戦争屋、戦闘マシーンのように、精確に残酷に鋭く速く、逆手斬りにて皇剣見舞う。みじめな声を発し狛犬は、腹を上に倒れ動かなくなった。
「ヒレンさん、お姉さまに目もくれないなんてストイックで格好いいです♪」
 アールコートは敬意のまなざしで、ヒレンにヒーリングウェーブをはなった。冒険者たるものやはりこうでなくてはと彼女は思う。
 そのとき『ラス・マーク3』がお姉さまの足にすがりついた。お姉さまはこれを蹴り砕いてしまう。残念、さすがに土塊を舐めてはくれないようだ。
「ら、ラス……マークスリィイイ!」
 トワイライトは叫ぶが、直後、
「まあ、思ったよりあっけなかったな」
 けろりと元に戻ってたりする。だが『ラス』の死(?)は無駄ではなかったようだ。つぎの瞬間……!
「とったぁぁあ!」
 クチバシきらん☆ まさに疾風迅雷! このとき生じたわずかな間隙をつきお姉さまの背後に飛びこんだマカロニは、手にしっかりと帯をにぎっていた。いうまでもない、チェリーお姉さまの腰のものだ!
「けっして見たいからやるんじゃないんだ。わかってくれるかい?」
 などと言い訳口調でのべて、力まかせに帯を引く! あーれー、と回るお姉さま! 回れ回れ!
「回せ回せ! ぼ、僕は純粋に味方を応援しているだけなんだ! でも見た……いやいやいや」
 叫んでしまってから後悔しきり、なにかと複雑な心境のシルトであった。グリッドも思わず本音全開!
「そ、それは伝説のお代官様ごっこー! 私もやりたい……ていうか、がんばれー!」
 身をのりだして敵の要注意ゾーン(どこ?)を見守る!
「なぜかしら、同性のはずなのに妙な気分になるわね」
 花咲くように乱れ回転するお姉さまに、レイチェルもつい目を向けてしまう。しかしそれでもお姉さまの和服から、危険な部分はギリギリこぼれない。
 回る! 回る! ピンク髪の女性がコマのように! 帯がどんどんとけていく。胸元ひらひらの起伏もじゃんじゃん大きくなる! だけどマカロニ、忘れちゃいないか、そもそもお姉さまの得意攻撃は、回転攻撃だったということを!
「うお……先端が見えるまであと少……!」
 とまでいったところでボガッ、マカロニは顔面に強烈な裏拳をうけ、たてつづけにボガボガボガッ、回転の動きのままにラッシュを浴びる! きりもみしながらマカロニはふきとび、ズン、とさくらんぼの木の下に落ちた。
「しっかりせい、生きておるか」 
 レイニーが助け上げ、マカロニの最期(?)のことばをきいた。
「くっ……アイ君にキスの実戦指導をしてあげたかったよ……」
「そうか。だが妾がおらなんだら助からなかったことを覚えておくように。ちなみに妾はメロンが大好きじゃ」
 残念ながらマカロニは、レイニーの台詞の途中で気を失っていた。

●Sweet Dreams
 どうやら帯が弱点だったらしい。お姉さまは目に見えて弱体化した。
「こんな状況でも美人……見習いたいわ」
 レイチェルがいうように、たしかに苦闘するお姉さまには独特の美がある。癒し系笑顔はたやさないが、見えそうな体を隠すのが優先のようで、どうしても動きは小さくなる。そこを矢やアビリティ、前衛職の直接攻撃が攻めてゆく。
「マカロニめ、助けてやったのに寝おってー! メロン食べたいのじゃー!」
 ほとんど八つ当たりに近いことをいいながら、レイニーの攻撃も派手にヒットしはじめた! シルトもつづく。
 その一方で狛犬班も大詰めになったようだ。トワイライトは緑の束縛で狛犬を束縛した。これを見てアールコートが呼びかける。
「そこです、アトリさん♪」
「よっしゃ、丸焼きだぜぃっ!」
 アトリの宣言が実現する、かれの本気デモニックフレイムによって、残る狛犬も丸焦げになって倒れたのだ。
「見事。では全員、モンスターを全力攻撃だな!」
 ヒレンはすばやく転戦する。つねに冷静にして全力、ヒレンの技は成功し、粘り蜘蛛糸をつかってお姉さまをぎゅうぎゅうに縛り上げた。
「あ、縛っちゃったらポロリがなくなってしま……」
 味方を回復させつつもグリッドは悔しがる。だが、とグリッドは考え直す。美女が縛られている(しかも都合良く胸を強調するような縛られ方になっている!)光景も悪いものではない、と。
 この瞬間、ルーエは無意識のうちに装備から水筒をとりだしその栓をひねっていた。
「動けないお姉さま……! ここは私の出番ですねっ」
 走る。走るルーエ!
「理由はありませんがこの水をかけてみたくなりましたー!」
 って、あんな薄い服のお姉さまに水をかけたらスケスケになっちゃうのではないか! それでいいのか、ルーエ!?
 しかし! 残念ながらルーエは……水筒をもってきていなかった! 水筒と思って一生懸命、操り人形の首をひねっていたのだ。
「ああっ、私としたことがっ」
 そんな事情を知るはずもなくレイニーが飛び出す!
「必殺! 『メロン食べさせろ両断波』じゃ!」
 デストロイブレード、その一撃、お姉さまを頭上から足元まで一気に切り下げ、破裂する! 
 モンスターはつぎの瞬間ボロボロと崩壊し、無数の小片となって煙をあげた……。

 かくしてお姉さまはその肌をさらすこともなく消滅し、冒険者(とくに一部男子)は宿望を果たせなかった……とはいえもちろん、かれらの勝利であることにちがいはない。
 ともかく皆、ケガしたマカロニをいたわりながら休憩となった。
 はちきれそうな身を抱いてレイチェルはそっと座る。なんとかこの服装でも活躍できた。つぎは、チェリーのお姉さまが残した和服を試してみようか?
「サクランボの小枝を舌で枝結べっとなんだって? ちゅーがうまいとか?」
 ポロリないしハラリがなくてつくづく残念だが、アトリは立ち直りいまは、サクランボの小枝を結ぶのに集中している。
「あ、それ俺できるぜ。ほら」
 トワイライトは器用に結んでしまう。しかも二重結びになっているというテクニシャンぶり。
「はぅ、役に立てたでしょうか……」
 アールコートはぺたりとすわりこむ。そんな彼女の肩にレイニーは手をおいて、
「うむ、まあ、よくやったんではないかの」
 といいながら、もそもそサクランボを食べている。メロンがいいとかいっていたがもう忘れたようで、口いっぱいにほおばっている様子がなかなか可愛らしい。
「ならいいんですが」
 アールコートはふと、本日の女性陣をみやった。自分と体型がちかいのは……六歳のレイニーだけだ。冒険者としての鍛錬はもちろん、女性としての美しさも磨きたいな、とアールコートは思った。
 だけどそんな日も、そう遠くはないかもしれない。しばらくもごもごやっていたアールコートは、ふと舌をだしてみる。
「あ、やった、結べました☆」
 彼女のピンク色した舌の上には、しっかり結ばれた小枝があった。

 今回は、これまで。


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手のひらの鼓動・アールコート(a57343)  2009年08月30日 23時  通報
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