【First Step!】……to the Next Step!(B part)



<オープニング>


「あのときのメンバーが再結成ですって!?」
 はじまりは・プルミエール(a90091)が、意気揚々と飛びこんでくる。テーブルを見回し、見知った顔がすでにあることを見てにっこりとした。
 しかしプルミエールが再会を喜ぶより早く、葵桂の霊査士・アイ(a90289)が口をひらいた。
「たしかに、再結成にちかいものになるかな。だが同窓会の気分を味わうのは終わってからにしようか。じつは大変な事態になっている。ゆえに諸君に集まってもらったというわけだ」
「大変な……こと?」
 プルミーはきっと表情をひきしめテーブルについた。ただならぬ気配を察したようだ。

 移住を目指す集団があった。十数もの家族が新たな土地を求め、粗末な家財を手押し車に積みひとかたまりとなって、ゆっくりと移動していた。行程はけっして楽ではないが、それでもかれらの胸には希望があった。
 しかし、かれらを狙う「目」もあった。アイはいう。
「いやな連中に見つかってしまったようだな。かれらの周囲に、コヨーテの頭をもつグドンが幾度となく姿を見せている。コヨーテグドン、この連中は、残酷な一方で計算高いところがある。仲間をあつめて民を死地に追いこみ、皆殺しにしようとしているようだ」
 アイは霊視によって、予断ならぬ現状を知ったという。
「コヨーテという動物は、大規模な群れをつくることはあまりないという。しかしこのコヨーテグドンは百ちかい数の集団であり、しかもグドンとしては驚異的なまでに統制がとれている。どうやらピルグリムグドンに率いられているようなのだ」
 総数で百となる集団は、ほぼ五十ずつにわかれている。ひとつの集団は民らの背後から襲いかかってかれらを狭い谷に追う。谷はちょうど、すり鉢の底のような構造で、残り五十は外周で待ち伏せしているようだ。かくて民が狭い峡谷の底ににはいりこんでしまえば、両者は合流して谷の上から、岩や矢を降らせ殺しつくそうと考えているらしい。
 ゆえにそうなる前にグドン集団を撃滅すること、これが冒険者に課せられた使命となる。

 だが敵は数が多く二派にわかれ、しかもピルグリムグドンまで混じっている。これだけの人数では対処しきれないだろう。
「そこで私はもうひとつの冒険者グループに、民を追う側のグドンを殲滅するよう依頼している(※A part参照)。このグループはかつての諸君と同様、おもに初心者によって組織されたパーティだ。かれらも何度も経験をつみ、いまでは強固なチームになっている。その実力は信用してもらっていい。
 さて諸君にお願いしたいのは、峡谷の周辺に待ち伏せする五十近いコヨーテグドンを撃破することだ。数は五十、高い戦意をもち統制もあり、武器もグドンの平均をこえるものを持っている。そして、ここにはピルグリムグドンが二頭も混じっているらしいのだ」
 ピルグリムグドンは二頭とも、奇怪な外見をしているという。
 一頭は、頭のほかに腹部にも顔をもつという。下の顔は黒い霧状の風をふきつけてくる。これを受けてしまえば視界が暗転したり、スピードが極端に落ちたりするだろう。
 もう一頭は腕が長い触手になっている。しかも触手にはトゲのようなものがびっしりと生えており、これで叩かれれば無事ではすむまい。これを巻きつけ締めあげる攻撃も得意とする。
「問題は、谷で待ち伏せするグドンをどうやっておびき出すかだ。下手に峡谷の外側から攻めれば、こちらの動きを察知して多数が逃げ、回り道して民のところに殺到するかもしれない。それは絶対に避けたい」
 アイは自身の考えを述べた。
「かといって民を守りながら移動するのは、その状態で敵集団に襲われれば極端な防戦を強いられることになるだろう。あるいは、民そのものに化けあえて虎穴にとびこむという手もある。しかしそれを選べば、谷の上からの一方的な攻撃をたえしのがなければならなくなる……思案のしどころだ。
 よって作戦は、諸君の知識と判断力にまかせるものとしたい。私が考えた以上の手だてがあるかもしれないし、そのどれかを選んだとしても、もっとうまく運用できるだろうから。それは信頼している」
 さっそくプルミーも、うーん、と、腕を組んで思案している。
「谷はすり鉢状でしたよね? すりばちすりばちすりばちでゴマすりゴマすり……ごまどうふ……」
 どうやら思考がショートしてきた模様。しかしそこは慣れたもの、仲間がプルミーの方をゆすって目をさまさせている。
 
 かつてここから巣立った冒険者たちよ。あるいは後輩を助ける気概をもった冒険者たちよ。民を守り難敵に挑む気概もいだきつつ、この試練に挑んでほしい。敵は強大、だがそれ以上に頼もしい味方がそろっていることを忘れずに!

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参加者
猫又・リョウアン(a04794)
灼熱の竜騎兵・ドーラ(a18621)
光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)
黒銀の闘士・シルフィード(a46196)
灼炎の歌音・カノン(a50135)
金色の閃光・フェイト(a50291)
紫天黒狗・ゼロ(a50949)
彷徨影翼・サマエル(a54204)
プーカの武道家・シャルロッテ(a59846)

NPC:はじまりは・プルミエール(a90091)



<リプレイ>

●Gimme Shelter
 粗末な服こそ着ているが、近くで見るならばわかろう、かれがただの民ではないということが。
 理知的な切れ長の瞳、寸毫の隙なき引きしまった物腰、かれの名は、黒羽の紫電・ゼロ(a50949)。
(「また集まることになるとは」)
 移住の民を狙うグドンを退治する、目的はきわめてシンプルだ。しかし敵の規模、それに条件が厳しい。それだけの脅威ということか、とゼロは考える、自分たち――数度にわたる戦いをくぐりぬけてきたチームに、霊査士アイが再結集を要請した理由はわかる。
 新たな血を加え、かれらはふたたび結集した。黒銀の闘士・シルフィード(a46196)もその新たな血の一人である。かぶったフードより鋭い視線をのぞかせ、シルフィードは仲間に告げた。
「……さて、そろそろ入り口のようです」
 プーカの武道家・シャルロッテ(a59846)は、峡谷を見あげて肌に寒いものを感じた。
「たしかに、すさまじいものだね」
 見事なまでのすり鉢状地形、峡谷の周辺はぐるりと囲まれている。入り口は狭く出口もまた狭い。天然の死地であろう。
 シャルロッテは心中につぶやく。
(「順当にいけば、回りこんだ別働隊がグドンに奇襲をかける手はず。期待してるよ、みんな」)
 三人はそのまま、あえて虎口へとふみこんだ。武器を隠し、わざと大きな胚嚢(はいのう)を背負い、民に偽装した三人の役割は囮。進んできた道を何度もふりかえって、かばいあう民を演ずる。

(「グドンにしては見事な作戦ね……これだけの好地形を見つけたという偶然もあるでしょうけど」) 
 野望を蹴散らす魂の騎兵・ドーラ(a18621)は思った。彼女は別働隊、その一方の陣頭にある。コヨーテグドン隊の側背をつくため、かれらは二手にわかれグドンに接近していた。
 泥や草木による消臭、それに消音装備も全員徹底している。風下からの接近もこころがけた。グドンに勘づかれずこれだけの距離を稼げたのはそのためだ。とはいえ戦闘がはじまるまでは、細心のうえに細心をかさねるような時間の連続となる。緊張ゆえドーラの口中はカラカラに乾いている。
 リョウアンは遠眼鏡を置く。身にすりつけた草木の、むんとする匂いにもすっかり慣れた。
(「相手に勝てると思わせて、自分の望む結果に誘導するのが策というもの。したがって、敵の動きが決定的になるまで動けないのがつらいところですね」)
 じりじりとして待つこと長きにおよぶが、いまだ敵に動きらしい動きはない。
「あたた……」
 はじまりは・プルミエール(a90091)が蚊の鳴くような声でいった。
「どうしました?」
 おなじくささやき声で閃光の刃・フェイト(a50291)が問う。
「緊張のあまり、お腹が痛くなってきて……」
「大丈夫です、プルミーさん。みなさんつとめを果たしてくれています。もう一方のチームもみな、強い子達ばかりですよ……だから安心して」
 フェイトはこのチームはもちろん、もう一方の作戦を担当するチーム(※民を追うグドンを返り討ちにする部隊。すなわちA partのこと)と冒険をともにしたことのある唯一の冒険者なのだ。ゆえにそのことばには高い説得力があった。
「すこし痛みがひいてきました」
 プルミーはほっとしたようにいう。フェイトの先輩のはずのプルミーだが、いまやすっかりフェイトに補助されている。
 その直後である。コヨーテグドンが一斉に動きだしたのは。

(「動きはじめたっスね!」)
 灼炎の歌音・カノン(a50135)は音もなくたちあがった。目で仲間二人に合図する。それにしても、立ち上がったカノンを見ちがえずにはおれない。服装に大きな変化はないはずだが、戦士として、また、旅団長として大きく成長したカノンには歴戦の風格がただよっている。
 彷徨影翼・サマエル(a54204)も表情をひきしめる。
(「囮班への攻撃に敵が熱中しだしたら襲撃開始、だったよな」)
 つまりは、浮き足だってすぐに行動してはならないということ。サマエルは唇をかんだ。攻撃にさらされる谷底のシャルロッテたちのことは気になるが、焦りは失敗をうむ。機が熟すまでこらえなくてはならない。
 コヨーテの視線はすべて峡谷にむかった。駆け降りていくものがある。重い石をもちあげようとするものも。
「好機到来、いまじゃ!」
 といって飛びだしたのは矢か人か、一直線、ぐんぐんと駆ける姿!
 光纏う黄金の刃・プラチナ(a41265)である!
(「妾のように家族を奪われる悲しみを、けっして民に味あわせてはならぬ!」)
 プラチナは駆ける。流星のように。閃光の尾を引いて!

●Domino Effect
 まず投石、それに矢が谷底に降ったがあくまでまばらだった。囮がわずか三人であることから、容易に片づけられるとグドンは判断したのだろう。
「……来たな。注目を集めるべく、なるだけランダムに派手に行動するぞ」
 ストリームフィールドを展開し、ゼロは味方に呼ばわる。
「派手に行動? 望むところだとも!」
 シャルロッテはウェポン・オーバーロードで得物のブーメランを呼び出す。手におさまったダブルブーメラン、重すぎず、軽すぎず、良い加減だ。
 ダークネスクロークがマントをひろげ、シルフィードに飛んできた石をはじきかえした!
「コヨーテども本気になったようだ。守りをかためようか!」
 といってシルフィードは、シャルロッテに鎧聖降臨をつかう。
 投石と矢はどんどん勢いを増している。わずか三人なれど修羅のごとく、守り、かわし、はじく冒険者たちにグドンがいらだちを感じはじめたのだろう。ついにはすり鉢状の崖をくだってくるものまであった。こうなってはさすがに三人では苦しくなってくる。だが!
 崖をすべりおりようとしたグドンが、背を炎で焼かれ悲鳴をあげた。
「あ、当たった!?」
 ナパームアローだった。攻撃の主は、弓を装備したプルミーである。
「いいですね、その調子! 今日は援護お願いしますよ」
 プルミーの背をポンとたたいてリョウアンが飛びだした。
「私もナパームアローです。ただし、弓矢を使わないところが変わり種でね」
 リョウアンの繰り出すは鋼の爪、敵の中心にて炎を発す!
 ドーラもひっきりなしにナパームを炸裂させている。
「どうだい、谷底に追うつもりが追い立てられる気分ってのは!?」
 ドーラは敵を、谷底に追いたてるべく攻撃していた。
 フェイトも狙いは同じ、
「峡谷から出してはいけない。谷底へ向けるよう、プレッシャーをかけます」
 味方の窮地にすぐ回復をつかえるよう、前進しながらエンブレムシャワーを発射する。
 ドーラとは別の側面からも、サマエルらが同様の攻撃をしかける。
「行くか!」
 サマエルもストリームフィールドを発動している。風の守護を身にまとい、赤刃の槍『サーペントファング』で突入する。その姿、若き戦神のごとし。
「ザコは俺がひきうける! カノン、プラチナはピルグリム野郎に警戒してくれ!」
 槍の赤は情熱の色、サマエルの髪もまた炎のよう。烈火のごとく攻めたてる。
 初手は成功したが、期待ほど敵は混乱していない。したがって谷底に追うのも期待通りにすすまなかった。その理由は明白、グドンたちには「将」格がいて状況を沈静化させているからである。それも二体。
 黒い霧状の風をまともに浴び、プラチナは思わずたたらを踏んだ。
「くっ……この風……っ」
 ふらつく身に拳の一撃を受け飛ばされる。プラチナは背を、どっと地面に叩きつけられてしまう。
 見あげると、そこに顔がふたつ。ひとつは首、ひとつは腹部に――ピルグリムグドンだ!
「プラチナさんっ! 後ろもいるっス!」
 カノンは矢をはなつ。ライトニングアローはピルグリムグドンをかすめた。といっても、二つの顔をもつ個体ではない。それは、長い鞭のような触手をもつピルグリムグドン。そう、プラチナはピルグリムグドン二体から挟撃されているのだ。
 ピルグリムグドンの包囲には、谷底のゼロ、シャルロッテも加わる計画であった。冒険者の作戦はなかば成功していたとはいえ、大将格二体を谷底に追いこむまでには至っていない。すなわち、現在ピルグリムグドンを相手にしているプラチナとカノンの負担はとてつもなく大きいということだ!
「ぐっ!」
 またもプラチナは横面を張り飛ばされた。
(「か、家族を奪われる悲しみから……人々を守るのじゃ!」)
 一瞬、意識が遠のきかけた。しかしその身が倒れることはなかった。
「ご無事で!?」
 円周の反対側からリョウアンが駆けつけたのだ。リョウアンは即座にプラチナを背にかばって、
「さあ、今度は私が相手になりますよ! どちらからお仕置きしましょうか?」
 と無風の構えをとった。
 さらに援護がある。
「プラチナっ! 無事でいて!?」
 プラチナの姉フェイトである。気丈にも敵のただなかに走りこみ、妹にとどくようにヒーリングウェーブを投じた。
「なるほど、ボス二匹は谷底にいく気はない、と。なら、イヤでも行きたくなるようにしてあげようか」
 ドーラはグドン群にむけ、力の限りナパームアローを発する。プルミーもつづいた。ドーラはアドバイスして、
「そうよプルミー、単体を狙う必要はないの。集団の中に撃てばナパームの炸裂で大きなショックを与えられるから、落ち着いて撃ちなさい」
 かく連発されてはたまるまい、わきおこるは炎につぐ炎の狂宴だ。これでついにグドンたちも恐慌をきたすにいたり、多数が谷底に逃げはじめた。これを見て二匹のグドンは激昂、目の前のリョウアンたちを忘れ、味方を引き戻さんと狂ったような叫びをあげ谷底へと駆けた!

●Falling
 谷底は恐怖が渦を巻いていた。ただしその恐怖は、グドンが感じるものだけだ。グドンはつぎつぎと谷をすべり落ち、あるいは落とされ、それを半狂乱のピルグリムグドンが追ってくる。
「ようやく団体さんのお出ましか。九割といわず全部叩きのめしてくれる!」
 落下に巻き込まれないように谷の入り口付近に移動していたシルフィード、心は静かなれど口調は雄々しく、銀の髪おどらせグドンを迎え撃つ!
 シャルロッテも本領発揮、ブーメランで轟然、空を凪ぐ。
「グドンは許さない。ピルグリムグドンは、もっと許さない!」
 滑空せしシャルロッテのブーメランは、二つ顔ピルグリムグドンの横腹を深く切り裂いた!
 触手ピルグリムグドンはその腕ごと蜘蛛糸で縛られ、バランスを崩し倒れてしまう。
「地獄へようこそ、といったところかな」
 ゼロである。両手に戦輪『黒紫輪・鳶鷲駆矛外』を回転させ、冷徹な目でピルグリムグドンを見おろした。
 谷の上に残ったグドンの混乱もすさまじい、逃散しようとするものも数多い。だがそれは無駄なこと。
「ここは抜かせない、轟け雷光一閃!!」
 フェイトの脇をすりぬけようとしたグドンは、エンブレムブロウを叩きこまれ絶命した。
 カノンもまた、逃げるグドンを追尾矢で狙う。
「谷底の地獄でなきゃ、どこの地獄が好みかな……地獄の焔に抱かれ、眠るがいいさ」
 グドンは一撃で地獄へ転落した。
 武器を棄て身軽になって逃げるグドンもいたが、
「スティードの本領はこの、圧倒的な移動力よ!」
 グランスティードに乗るドーラにたちまち追いつかれ、残らず討ち取られている。
「おっと、そこにも逃げようという不埒者がいるようじゃな」
 プラチナも黒炎を放つ。一匹の逃亡とて許さない。

 谷底の戦いも殲滅戦に近い体を示している。
 撃破につぐ撃破! シルフィードが守る谷の出口は、グドンの死骸が山と積まれる。
「我先に逃げようとするから、ますます窮地になっていると知るがいい」
 味方同士おしのけあい、自分だけでも助かろうとするグドンの姿はひどく醜悪なものにシルフィードには見えた。シルフィードは、このような敵にはいくらでも非情になれる。
 シャルロッテが斬り、リョウアンも斬り、二つ顔のピルグリムグドンは半死半生だ。しかしそれでも力の限り抵抗している。わずかずつ後退し、逃げる隙をうかがっているようだ。
 だがサマエルはこれをよく見ていた。
「タフだよね、まあ、おかげで退屈しなかったけど」
 すぐさま粘り蜘蛛糸をはなち、サマエルはこのピルグリムグドンをとらえる。
「逃げるなよ」
 サマエルの口元に、抜き身のナイフのような笑みが浮かんだ。
「……ここがお前らの墓場なんだからさ」
 これが、二つ顔のピルグリムグドンがこの世できく最後の音となった。 
 
 拘束をとくと、触手のピルグリムグドンは必死に逃げようとした。手下が逃げれば怒るわりに、結局は自分も逃げようというのだから始末が悪い。
「逃がす気はない」
 ゼロから背に斬りつけられたが、それでも触手のピルグリムグドンは走る。しかし、
「悪いな。ここで終演だ!」
 ぴぃん、とピルグリムグドンの姿勢がかたまった。
 腹部に風穴が開いている。風穴からは、二度、三度、雷撃の残光が昇った。
「アンコールはねぇぜ!」
 カノンはクロスボウをおろした。

●High Hopes
 結果的には大勝利といっていい。かくしてコヨーテグドンは一匹残らず退治された!
「成功してなによりだ。移民たちにも知らせないといけないな」
 ゼロがいうと、シルフィードが苦笑気味にこたえる。
「だとしたら、移民の皆さんには峡谷は迂回していただいたほうがいいでしょう。戦場跡、すさまじいことになってますから」
 リョウアンも首をすくめて同意した。
「ですね……ともかく、グドンの企てを未然につぶすことができてよかったですよ」
 そうね、とドーラは笑む。
「冒険者たるもの、民を護る事こそ誇りよね。今回は皆と一緒に戦えて本当によかったわ」
 ここでフェイトがおずおずと切りだす。 
「えーと……では、久々となりますが」
 すると、 
「姉上、いつものあれか。やるとしよう……ま、多少恥ずかしいがな」
「いいっスねえ、またこうやって集まれる日がくることを信じて、やっておくっス」
 プラチナとカノンはすぐに反応した。きょとんとするシャルロッテにゼロがいう。
「儀式、というほどのものでもないが、これまでこのメンバーで勝利したときはいつもやっていた行動だ」
 プルミエールが明るい声で、
「はーい、じゃあみなさん、リレーみたいにまわしていきましょー♪」
 フェイトがプルミエールとハイタッチする。プルミーがカノンに、カノンがサマエルに……やろうとしたところで、サマエルがひょいと手をひいてカノンを空振りさせ、
「へへっ、ひっかかった♪ 俺はプルミーから直接タッチしてもらうぜ」
 ニヤリと笑ってプルミーからタッチをうけ、プラチナに回していく。

 かくてハイタッチの輪を回しながら、一同の戦いは幕を閉じたのだった。
 かつて最初のステップを踏みだした者たちは、すでに大きく前進していることを示したといえよう。
 もう一方の作戦チームの成果を知るべく、十人は移動を開始する。

(A partにつづく)


マスター:桂木京介 紹介ページ
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参加者:9人
作成日:2007/07/09
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