R指定



<オープニング>


 事件は、とある村で起きた。
 その日、紳士に扮した男が、宝石商を名乗り、怪しい男達と連れ立って村へとやってきた。
 その村には、代々伝わる宝石がどうのこうの……という伝承があったそうな。曰く付きの宝石というのは、上手くすればそれなりの値で売れるもの。男はそれを何処からか聞きつけやってきたらしい。
 しかし、それはあくまで伝承、昔話。
 村にはそれに該当する宝石は存在せず、無いものを渡すことは出来ない。
 だが男達は、村人が宝石を渡したくないがために嘘を言っていると思い込み……強硬手段に出たのであった。
 近くにいた少女を一人捕まえると、身代金として宝石を要求したのである。
 それでもやはり、無い物は渡せない。本当に無いのだからどうしようもない。必死の村人の説得にも耳を貸さず、業を煮やした男達は、村はずれの古城へ立て篭もると、再度、宝石を要求したのであった。

 そして一昼夜。
 男は城の最上階に、少女とともに現れ言ったのだ。
「宝石をもってこい! この小娘と引き換えだ」
 言いながら男は、少女を滑車のようなものにぶら下げる。
 それは、城にあったありあわせのもので作った、簡単な仕掛け。
 壊れた水車を城のテラスに持ち込んで、そこに縄を15回巻きつける。終端は水車の真中、逆端に少女を結び、中庭の井戸の真上へと迫り出させる。
 今は、別の縄がかけられて、その回転は止められているが……一度縄を切れば、水車は動き出し、徐々に徐々に少女の身体は下へ落ちていき……最後には縄が尽きて、その身体は井戸の中、という寸法。
「宝石なしで一歩でも城に踏み入れば、この縄を切る。滑車が15回回りきるまでにここまでこれなければ……」
 少女がいるのは、最上階、三階中央のテラス。
 一方の男達は、別の場所に潜んでいるらしい。全体で何人いるかは不明らしいが、両手で足りる程度ではないかと、村人は言う。
 少女の命綱は、何処からでも見える位置に張られていることから、誰かが踏み込んだと同時に、別の場所から刃物を投げて、その縄を断ち切る算段なのだろう。そうやって少女の落下に余裕を持たせてあるのは、助けが入るまでの時間を利用して、逃走する為に違いない。

 そして、その当の古城には濠があり、通行できる橋は一箇所。その橋も、城の側からしか開閉できない。超人的な能力を持っているならまだしも、農耕酪農が主体の一般人には、そう易々とは超えられない。
 尚、水車の一回転はおよそ10秒ほどだという。それが15回転……つまりは、150秒以内に少女を助け出さねばならない。
 濠の10m前後。深さもそれくらいあると思われる。また、内部は、複雑な迷路のようになっているらしい。村人の話では、最上階へも中庭へも、迷わず突っ切ってぎりぎり150秒くらい……だという。

 宝石が存在しない以上、強行突破は免れない。
 一般人の足でぎりぎりということは、冒険者ならば或いは……そ村人達は、そう考えたのだ。
 更に言うなら……正攻法以外の方法も、取れるはず。

「さあ、答えを聞こう!」
 強気な男の声が、城の何処からか木霊した。

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参加者
想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)
深淵の白龍・ノリソン(a29633)
笑顔のヒーロー・リュウ(a36407)
赤眼の黒龍・アキ(a42926)
リザードマンの武人・ユウテ(a49610)
ヒトの忍び・イキル(a62410)
瑠璃茉莉・フェリーチェ(a63102)
綾なす火炎の小獅子・スゥベル(a64211)
赤守・サシャク(a65313)
太陽と大地の狭間に・ミシャエラ(a66246)


<リプレイ>

●伝承の村?
 疾風のような黒と青の影が村に現れたのは、朝早く。
 『闇風』と名付けたグランスティードに跨る、笑顔のヒーロー・リュウ(a36407)。後ろには、ヒトの武道家・サシャク(a65313)が相乗りし……リザードマンの武人・ユウテ(a49610)は青い鎧のグランスティードで伴走、三人は一番乗りで村へと到着した。
 早速、村人から聞いた城の内部を紙に書き起こすリュウ。
 しかしながら、この作業は、多分に難航を極めた。
 農耕や酪農を生業にする者にとって、人の住まない古城など、無用の長物。出入りは殆どなく、内部を完全に把握している者がいないのだ。最も信頼できるのが、そこを遊び場にしていた子供達だというのだから……複数人の証言が食い違うなど、ざらであった。
 と、そこへ、足並み揃え辿り着いた後続七人が、続々と姿を見せ始める。
「どんな按配かしら?」
 頭を悩ませるリュウの脇から、太陽と大地の狭間に・ミシャエラ(a66246)が覗き込むと……なんとか割り出した順路とその周辺の壁のみという、なんとも味気ない図柄が、紫の瞳に映る。
 だが、救出のみならばこれでも十分。深淵の白龍・ノリソン(a29633)は、そこに記されたテラスまでの道を、しっかりと脳裏に焼き付ける。
「一緒に乗せていただけませんか? お邪魔はしませんから」
 同じくルートを頭に叩き込みつつ、想いの歌い手・ラジスラヴァ(a00451)が尋ねれば、ノリソンは相判ったでござるなぁんと、頷きを返した。
 中庭へ向かう予定のリュウは、更に壁を突っ切っての最短を考え、地図に線を書き加える。
「まず右、次は左、次の角は右の壁を壊して……」
 一方、索敵の関係もあって、ユウテはテラスを見ることの出来る場と、城門を見ることの出来る場を見取り図から読み取っておきたかったのだが……
「外から確認する方が、確実でござろうか」
「見てきましょう」
 幸いにして、手元に遠眼鏡もある。ヒトの忍び・イキル(a62410)は、一端その場を離れ身を忍ばせると、古城の外観が良く見える辺りまで、慎重に歩みを進めていった。

●三分だけ待ってやる?
 それぞれがそれぞれのやるべき事を脳裏に描き……
 筋肉を極めし者・アキ(a42926)が声を掛けると、皆は頷きを返し、ついに城へと歩み出す。
 ある者はハイドインシャドウ、ある者は自然の障害物を盾に、じりじりと潜み、距離を詰める。
 スイスイ・スゥベル(a64211)は、着衣や持ち物にぱたぱたと土や埃を付け、仕上げに召喚獣を隠せば……その出で立ちはいかにもな村娘。
 天を染める青花・フェリーチェ(a63102)も、他の皆がおよその配置についた事を確認すると、準備してきた偽の『宝石』――そもそも本物が存在しないので、偽と言うのも妙な話だが――を手に、スゥベルと城へ向け歩き出す。
 徐々に見えてくる橋。フェリーチェは困惑気味に、スゥベルはそんなフェリーチェの腕を掴み、まるで引き摺るかのようにして進む。
 はやくはやく。やっと着いた。あぁ、えぇっと、でもちょっと怖い……そんな、わざとおどおどした仕草を見せるスゥベル。
 しん、と静まり返る古城周辺。
 やがて、意を決したように――勿論、演技だが――スゥベルはテラスに向かって、顔を上げた。
「ほ、宝石を持ってきましたっ! お願いします、い、入れてくださいっ!」
 木霊する声と、俄に走る緊張。
 どの部屋に居るのか……イキルから聞いた窓の配置に素早く視線を走らせ、ユウテが潜む敵を探す。縄を切る手筈の者はともかく、橋の上げ下げをする場所は決まっている。最低でも、そこに一人居るはずだ。
 と、窓の一つに、黒い影が差した。
「見せてみろ!」
 帰ってくる声。わざとびっくりした素振りのフェリーチェに、スゥベルもまた慌てた様子で、テラスの少女・声の主・フェリーチェの三点を、何度も何度も視線で往復する。
「ほ、ほら、出してあげて」
「たぶん……この宝石のことだと思います」
 言われたフェリーチェは何処か躊躇いがちに、手元の荷を解き、術手袋を填めた手で、とてもとても、それはもう大切そうに、『宝石』を取り出した。
 それは、中央に淡い光を湛えているように見える、不思議な宝石……曰く有りとして、十分な見栄えである。
「嘘をついていたのか!」
 宝石の登場に、男は目を見張る……同時に、無い物は無いと散々に拒否された怒りゆえか強い語調で返って来た声に、フェリーチェはとんでもない、と首を振る。
「我が家の家宝ですが、まさか村に代々伝わるものだとは思いませんでした」
 皆で心辺りを探したら、これに辿り着いた……とかなんとか、適当なことを言って誤魔化す。スゥベルも、本当です、皆も知らなかったんです、とがたがた震えながら、絞り出すような声で訴える。
「……まあいい」
 男が何かの合図をした。
 途端に、鈍く軋む音を立て、降りて来る橋……あともう少し。身を潜める全員が、構える。
 ……と、橋が堀の上を跨ぐ直前、目の高さ位で停止した。
「宝石を橋の上に投げるんだ!」
 ……どうやら、完全に降ろすつもりはないらしい。
 途端に、慌てた様子で、橋に擦り寄るスゥベル。
「ま、待って下さい! 宝石を持ってきたんですから、さ、先にあの娘を降ろしてあげて下さい! お願いしますっ!」
「五月蝿い、さっさと石を投げろ!」
「そんな乱雑な扱いをしたら、傷ついてしまいます!」
 フェリーチェも大切そうに宝石を握りながら声を上げる……橋は相変らず、目線の位置で止まったまま。
 持っていく、という申し出に対しても、相手は「投げろ」の一点張り。
 これ以上、橋が降りてくる様子もない。フェリーチェはちらと周囲の皆の様子を窺ってから……至極残念そうな動作で、遂に宝石を投げ上げた。

●R15
 かつん、と。
 石の跳ねる音を合図にするように、リュウは遂に召喚獣を呼び出した。すかさず、脇で共に身を潜めていたミシャエラが、その背に飛び乗る。
「ミシャエラさん! しっかり捕まってて!」
「頼むわよ」
 時同じく、呼び出して即、騎乗状態の召喚獣に跨ったノリソンが、ラジスラヴァを背に、橋へと駆ける。
「行くでござる!」
「駆けろ! 闇風!」
 がっ、と四足の獣が力強く地を蹴った。
「冒険者だ!」
「謀ったな!」
 城内から響く声。そして。
「きゃあ!」
 テラスから響いた甲高い悲鳴。
 動き始める滑車。
 道を塞ぐように……いや、恐らく宝石の回収の為だろう、扉を潜って現れた賊の一人を、サシャクが行き掛けの駄賃とばかりに、デコピンで沈め、早駆けの仲間に続いて中庭へと急ぐ。
 うおあーと額を押さえて悶える賊は、フェリーチェが虹色に明滅する緑の束縛で絡め取る。
「大人しくしていてください。命を脅かすようなことはしませんから……」
 一刻も早くテラスへ!
 ノリソンはひたすら、青い風のように城内を駆けた。
 頭の中に刻み込んだ地図に沿い、進む。
 一方のリュウは、中庭を目指す。城門を越えてすぐ、すかさず手にした武器へ力を注ぐ。
「万物を砕く闇となれ!」
 ウェポン・オーバーロードされ、新たな外装を得て力増す剣。そして、角を曲がり……道を塞ぐ邪魔な壁を目にした途端、刀身へと有りっ丈の闘気を纏わせた。
「打ち砕け! ダークソウル!」
 召喚獣が振り落とす刃に突撃の力を与える。
 炸裂するデストロイブレード。衝撃音が辺りに散り、積み上げられていた石が、向こう側に弾けて崩れる。
 遠く聞こえる破砕音。
 だが、それを上書きするかのように、城内をアキの咆哮が突き抜けていった。
「おおおおおおー!」
 ……なぁ〜ん。
 自らの脚でそこかしこを駆けずり回って、紅蓮の咆哮を撒き散らす。なお、紅蓮の咆哮に声を大きくするような効果はないが、それで気合が入ってより大きな声を出せるのなら、結果オーライであろう。
 しかしながら、アキは『誘き寄せる』為に叫んでいるのであるが……わざわざ恐ろしい冒険者に寄って行こうとは思うまい。
 ユウテはその行動を逆手に、アキの居ない場所を周り、逃げてきた賊を探して回る。
「やれやれ、居場所の見当が付いても、こう入り組んでいると、中々目的の部屋に辿り着けぬでござるな」
 唐突に狭まった通路、不意に小さな置物へと姿を変えたグランスティードを頭の上に乗せ……人影!
「そこまででござるッ!!」
「ぎゅあ!?」
 窓から逃げるつもりだったのか、縄をかけていた賊にすかさず紅蓮の咆哮を浴びせ掛けると、相手は腰砕けになってその場にへたり込んだ。
 その縄を拝借、ユウテは麻痺した賊をちょちょいと縛り上げ、表の様子に目をやると……
「ふふ……死にたい奴から渡ってこい!」
 いつの間に下ろされたのだろうか、黒炎覚醒の炎を纏ったスゥベルが、足止め用に召喚した土塊の下僕と共に、橋の上に仁王立ちしていた。少し視線をずらすと、橋を支える鎖の巻き取り部にはイキルの姿。恐らく、速攻で確保し、橋を降ろしたのだろう。
 と、そのイキルの後ろで、突然声がした。
『賊が一人、出口に向かったわ』
 それは、中庭へ向かう道すがら、ミシャエラの射放った声の矢文。言葉を込め、咄嗟に見えた窓の外へと飛び出した矢は、城門の柱に突き刺さって、橋の周辺にいる者達の耳に届く。
 そして、その当のミシャエラは……
「時間がないわ」
「大丈夫、もう少しだから!」
 幾度目か炸裂する、デストロイブレード。
 最短を突っ切れるなら、それを補って余りある時間が作れるはず、だったのだが……誤算は最初の地図が不完全だったことだろうか。部屋の間取りなどの微妙な差は、後になるほどに誤差を大きくしていく。通路伝いに庭へ向かうサシャクとどっちが早いか……二人の進行は、そんな様相を呈していた。
 正確だったのは、順路ともいえる、最短の道。
 入り組んではいるものの、城だけあって、通路は何処もそれなりの広さがあった。
 曲がる回数、扉の数、突き当たりの数……脳裏にある地図とそれらを照らし合わせ、遠慮無く早駆けるノリソンは、あっというまに三階へ達していた。
 その余りの速さに、テラスから引き返す途中の男と、三階の通路でばったり出くわすことに。
「そこまででござるなぁん!」
 咄嗟に光り輝くノリソンの頭。照射されるスーパースポットライトの眩さに、男は咄嗟に両目を覆い。
「目がー、目がぁー!」
「お縄につくでござるよ」
 しかし、ここで男に構っている暇は……瞬間、相乗りしていたラジスラヴァが、縄を手に飛び降りる。
「この人は私が。少女を早く」
 この距離なら走ってもすぐ追いつけるわ。その言葉にかたじけないと返し、ノリソンは一気にテラスまで駆け上がった。

●空から少女が?
 宙吊りの少女は、ただ固く目を閉じていた。
 軋む縄。不気味な音と共に回る滑車……
「きゃ!?」
 突然の揺れに、少女が悲鳴をあげる。
 何事かと上を見上げると……そこには、鎧進化で防具の一部を楔状に変化させ、それを滑車に突き入れているノリソンが居た。
 状況が飲み込めずに目を瞬かせる少女。そんな少女を、直に追いついたもう一つの影が覗き込む。
「もう大丈夫、私はラジスラヴァ、彼はノリソン。私たちは村の人に頼まれてあなたを助けに来たの」
 安堵の表情を零す少女。その耳に、突然、二階の窓から響き渡るアキの雄叫び。
「とーったどぉぉぉぉ!」
「安心して。あなたをさらった人は他の仲間が捕まえているわ」
 続けて優しく声をかけ安心させると、ラジスラヴァは幸せの運び手を舞い踊り、少女の空腹を満たす。
 その様子を窓から確認したサシャクは、中庭へ急ぐ足を止め、賊の確保へと目的を変え、
「全く、アキ兄の咆哮は効果覿面っす」
 上手い具合に追い込まれてきた賊の動きを封じ込める。その耳に、段々と近付いてくる……
「……シャック何してんだ、なぁ〜ん?」
 角を曲がった先で、フールダンス♪するサシャクと、強制髭ダンスさせられて疲弊している賊を発見、思わず眉をひそめるアキ。
「丁度よかった、こいつ縛って欲しいっす」
 ほいきたと手際よく相手を捕縛。それでもなお暴れる相手は、サシャクがデコピンで黙らせておいた。
 不意に。
 炸裂音と共に、庭に面した壁の一部が吹き飛ぶ。
 舞い上がる砂煙の向こうから、急ぎ足で姿を見せたのは、リュウとミシャエラ。
「助けに来たよ! もう大丈夫!」
 笑顔で少女を見上げるリュウ。ミシャエラは急ぎ井戸へと駆けつけると、投射した粘り蜘蛛糸を投射、その上から投網やテントの天幕を被せて、井戸上部を塞ぐ。更にリュウが戸板を渡し、二人して縁に乗り上げて、少女へと手を伸ばす。
「これで、もし落ちてもクッションになるわ」
「大丈夫? 怪我は無い?」
 足場の確保と同時に、ノリソンが楔を抜くと、滑車は再び動きだす。
 こうして、少女はゆっくりと、地面に降り立ったのであった。

●泣き言なんか聞きたくないね?
 どうか無事に少女を助けてあげてください……
 祈るように城を見つめるフェリーチェ。その表情が、俄に明るくなる。
「怖かったね。でも、もう安心だよ」
「酷い目に遭っちゃったわね、お嬢さん」
 リュウとミシャエラに付き添われた少女が、そこに居たのだから。
 その後、捕縛された賊は、スゥベルの土塊の下僕や、一巡り終えたユウテ、アキに抱えられて、続々と橋に運び出されてきた。
 橋の裏手から縄を渡して脱走しようとした奴も居たが、それを発見したサシャクのフールダンス♪で空中髭ダンス強行、濠に落ちて流れてきた所をイキルが回収する一幕も。
 最後にノリソンが首謀者を三階から輸送して……こうしてお騒がせな一味は、全員がお縄についたのだった。
 橋に一列に並べられる一味。
 ノリソンはその正面に陣取ると、強く握り締めた拳を振り上げ……
「この……うつけ者がぁぁ!」
 発射された光の拳が、首謀者を射ち据える!
「ぐぁー! ……あれ?」
 イタクナーイ。
 むしろ気持ちいい。
「何故、ノソリンでなく宝石を愛でるでござるか!」
 ……癒しの拳なのだから当然なのだが、そんなことが賊に判るはずもなく。困惑する相手を他所に、ノリソンはノソリンへの愛を懇々と、それはもう根掘り葉掘り、懇切丁寧に説きまくる。
 少女の疲労自体は、ラジスラヴァの幸せの運び手と高らかな凱歌でおよそ回復していたが、スゥベルは念の為も考え、自身のグランスティードに相乗りさせて、村まで送り届けることにする。
 賊?
「勿論歩きに決まってます」
 どきっぱり。
 だが。
 輸送の前に!
「おまえらも宙吊りになればいいんだと思う、なぁ〜ん」
 既に縛られている賊の背に、長〜い縄をかけていくアキ。
「な、なにをする気だー!?」
 そして、一列に並んだ賊の背を。
 三、二、一。
「バンジー!!」

 ぎゃーあーぁーぁー……!

「一件落着、でござるかな」
 ずずっと茶を啜りつつ、何だか遠い眼差しで、濠に落ちていく賊達を眺めるユウテであった。


マスター:BOSS 紹介ページ
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冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:10人
作成日:2007/07/13
得票数:冒険活劇6  コメディ21 
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