【暁の星】髪道:『玻璃石』を守れ!



   


<オープニング>


●三人寄れば……(ツッコミ無し)
「いいなあ、さらさらストレート……」
 レモネードを手に、白月の霊査士・ミニュイがぽつりと呟いた。
 視線を感じて片眉をほんの少し上げて、彼女を見つめ返したのは能面の霊査士・ロウだった。
「ストレート、といいますト?」
「私、超癖っ毛で髪下ろすと大変なことになっちゃうの。いいなあ、真っ直ぐストレート」
 じーとミニュイの視線は、動き回るに不適なこと間違い無しのロウの髪に注がれていた。
「アヤノさんも綺麗な髪よね。いいなあ」
 急に話題を振られ、月夜の剣士・アヤノが驚いたような表情を返した。
「そうだねーアヤノちゃんもロウちゃんも綺麗な髪してるよねっ」
 ずずいと身を乗り出してきたのは金狐の霊査士・ミュリンだった。
「私の場合逆に超癖っ毛で真っ直ぐなんですヨ……まあこれだけ長いと先がとてつもなく痛みやすいので面倒なんですガ」
 なら何故伸ばしている。
 普通ならそうツッコミが入るのだが、悲しいかな、ツッコミがいない。
「いいなー私普段頑張って手入れしてもこんな風だし。それこそ一日サボるともう大変だもの」
 はあ、と悩ましげに溜息をつくミニュイ。
「手入れ……わたしは尻尾のお手入れは色々やってるよ? ブラッシングとか結構念入りにしてるかなあ……」
 ちゃっかり席に着いたミュリンが自分の尻尾の手入れについて語り始める。
 ミニュイには同意するところがあったのだろう、うんうんと聞き入っている。
「私は……そういう話には疎いのだが」
 巻き込まれたアヤノが困惑したように言う。
 だがこの霊査士三人はあんまりそういうことを気にしない。
「あ、そういえばアレ食べると尻尾がふさふさになるんだよー」
「アレって?」
「あれ? 思い出せない……海草だった気がするんだけど」
「それは『真珠草』じゃありませんカ?」
 口を挟んだのはロウである。ぽんと手を叩き、ミュリンが頷く。
「それ!」
 よくわかったね、とミュリンが言うとロウは不敵に笑んだ。
「御存知ですカ? 髪に関わる三種の神器」
「?」
 二人はきょとんとロウを見つめた。そもそも王道外道って何ですか。
「海の奥底に生える『真珠草』のサラダ、『玻璃石』を細かく砕いて水にしばらくつけた特性の水、ドリアッドの森の奥に存在する『碧針樹』で作られた櫛、だそうデス?」
「それを使えば髪の毛真っ直ぐになるかな?」
「尻尾にも効くかな?」
 ミニュイが首を傾げる。身を乗り出すミュリン。
 さあ、と曖昧な返事を返すのはロウである。
「実はコレ、どれも困った事件に巻き込まれていまして……ヘタするとどれも手に入らなくなってしまうかもしれないんデス」
 という依頼が来ているんですよ、ロウが言うなり、ミュリンが立ち上がった。
「大変、『真珠草』を絶対守らなきゃ!」
「じゃあ私『玻璃石』を守るためにみんなにお願いしてくるよ」
 真っ直ぐストレートヘアーのため、とミニュイはレモネードを一口飲んだ。
「では、私は木を護ってもらいますネ」
 そんなこんなで今回の依頼である。


●『玻璃石』を守れ!

「玻璃石は山で取れる水晶の一種で、実は標本を一つ持っているのだけどね」
 エマイユは言うとそっと布に包まれた結晶を取り出した。
「綺麗」
 透明な水晶の中、七色に輝く針がいくつも見える。光を当てるとそれぞれの色を反射して美しい。
「昔はゼリージュの山岳一帯で割と良く見られたらしいのだけどね。今はファリドの採掘場で採れる玻璃石が知られているかな。これは、岩場で私が採掘したものだけど」
 そこまで言うと、エマイユは玻璃石を大事そうに、テーブルに置いた。
「贅沢だけど、ロウさんの言っていたように、これを砕いて浸した水を使えばつやのある美しい髪が得られると信じられているね……私は試した事はないけど。……ミニュイ」

――つやつや、まっすぐ、美しい髪。

 玻璃石をそっと手に乗せてみたミニュイは、にこにこ笑顔のエマイユを振り返る。
「それを砕くのは、勘弁しておくれね?」

「……は〜い。…で。ファリドの採掘場は山の上にあるのだけど、最近になって、カラスが採掘場の人を襲い始めたみたい……カラスと言っても勿論只のカラスではなくて、とても大きなカラスなの」
 ロウから預かった、被害者の荷物を手にミニュイは呟く。
「このままでは、採掘場が閉山されてしまうかもしれないわ」

 採掘場付近の山村では鉱石の採掘で生計を立てている者も多い。確かにこのままでは、生活の為に、採掘場を諦めて山を下りなければならないだろう。

「お願い。髪、じゃなくて尻尾、ううん玻璃石を取って来て……でもなくて………」

 にっこり、と愛想笑いをするミニュイ。

「採掘場の人達の為に、巨大カラスを退治して欲しいの。……どうか、気を付けてね」
 言うと、きゅっと片目を瞑った。

マスターからのコメントを見る

参加者
胡桃の森の双子・ディアナ(a00022)
剣の刃塵降雨・アネット(a03137)
星影・ルシエラ(a03407)
深遠を視通せし者・ユイス(a03427)
朱天・エリオノール(a03631)
冬夜奏鳴・エリーシャ(a03760)
輝燐桜・メイノリア(a04098)
采無き走狗・スィーニー(a04111)
NPC:晨明の紋章術士・エマイユ(a90062)



<リプレイ>

 小さく、山々が連なる一帯。裾野の方には森。木々が根付いているが上へ行く程その緑が疎らに見えた。
「「どうもありがとうございました」」
 扉に手をかけながら小さく頭を下げると薄暗い室内に、少し困ったような顔が浮かんでいるのが見えた。
「どうやら、おおよそ一致しているようですね」
 村人達には山岳地帯のおおまかな地図を簡単に描いて貰った。宵闇宿す月晶華・エリオノール(a03631)は地図を広げて軽く指で叩くと胡桃の森の双子・ディアナ(a00022)に頷いた。
「カラスが現れるって時間帯は、特に決まってないみたいね……」
 出来れば、それを一番知りたかったのだが。ディアナは閑散とした村を見渡した。
 大カラスを倒す事が出来れば、村人も戻ってくるのだろうか。
 それはまだ、分からなかった。

 一方、こちらは採掘場近くの岩場。
「光る物を食べるカラスとは、驚きですね……」
 澄んだ空を見上げながら深遠を視通せし者・ユイス(a03427)が頭を振った。
 足場の悪い岩場で、しかも山の上である。きっと、採掘場から石を運び出した者は、大カラスの姿を認めるとすぐさま石を投げ出しただろう。人肉をついばむ鳥でなかったのが、まだ救いであるような気がする。
「実際に戦闘するなら、この辺りかな」
 剣の光将・アネット(a03137)は、採掘場に近い、なるべく開けた場所を探した。
「割と平坦だし、いいんじゃねぇの? こけたら、笑い話っぽいし…」
 言って渺遠の翠霞に在りし宿儺・スィーニー(a04111)は、空にカラスを想定し、右足を後ろに踏み込みながら少し屈むと飛燕刃を放つ真似をしてみる。
 その足元は登山用にと、月華の白焔・エリーシャ(a03760)が皆に用意した荒縄で、靴の上から足の裏全体をぐるぐると巡らせてある。ディアナが短い釘で地を引っ掻くように登山用に細工した靴には劣るかもしれないが、縄の摩擦分、随分滑らなくなるのだ。
 「念のため」と、きゅ、きゅ、と足が止まるのを改めて確認するエリーシャの隣で星影・ルシエラ(a03407)も「確認ね、確認」と、同じように、きゅきゅ、と足を地にすらせてみた。
 普段は割とうっかりさんだけど……、本番はちゃんと出来るはず。
 うん、大丈夫。とエリーシャに頷いてみせる。
「土塊の下僕に鉱石を持たせて、ヒカリモノでカラスを誘き寄せるのだな」
 こちらは、もう一度酒場での相談を確認する輝燐桜・メイノリア(a04098)。『ヒカリモノ』の言葉に、ルシエラは酒場でちらりとだけ見た玻璃石を思い出した。
「玻璃石もきらきらなんだよね。欲しいなぁ♪」
「上手く倒す事が出来れば、礼にいくつか貰えるかもしれないな」
 そう言ってルシエラに頷いたエリーシャに、アネットはち、ちと指を振る。
「その事なら考えがある」
「それはともかく、今は目先のヒカリモノ、でしょう」
 ユイスは岩陰を見ていたエマイユの肩を叩いた。
「すまない、エマイユ。おびき寄せる為の品を提供してくれないかな?」
 出来るだけ沢山あった方が良いでしょうからね。ユイスはにっこり笑った。
 少し惜しそうに、エマイユは苦笑しつつも懐から幾つかの石を取り出した。
「土にその石を混ぜるとぴかぴか土塊さんが出来るかな?」
「出来れば面白いでしょうけど……どうでしょうね?」
 いつの間に帰って来たのかディアナとエリオノールがエマイユの手元を覗き込んでいた。
「私も子供向けのイミテーションをいくつか持って来たので」
 ディアナが受け取った石たちと一緒に、土肌が見えるところにそれらをばらまく。石混ざりの土を触媒にメイノリアは試しに一体の下僕を作って見るが…。
「……これは、普通の下僕だな」
「ね……」
 残念、と言った風情でディアナは頭を振った。
「囮にするなら、手に持たせてウロウロさせるしかないかな」
「だねえ」
 顎に手を当てて言うと、ルシエラも頷いた。
 

――山の丁度北側だ。大きな木が並ぶ森が見えるだろ。そこらへんから、どうやらカラスはやってくるみてえだけどな。

 閑散とした山村、カラスのせいで足を怪我したという村人にエリオノール達は話を聞いた。山を下りずに残っている村人は少なかったが、念のため、と採掘場には近寄らないように伝えて貰う事も約束した。
 岩陰にメイノリアと隠れながら、エリオノールはその森の方角を眺める。高地には、風が気持ち良く凪いでいた。
「適当に幾つかヒカリモノを持って来たけど、カラスの気がこっちに逸れるといいな」
 逃がしてしまうと、次に会えるまでが厄介なのである。


「あの、黒い影は……?」
 土塊の下僕達をうろうろさせてからしばらく。遠眼鏡を使って岩陰から森を伺っていたエリーシャが口を開く。
「来ましたね」
 風が運んだカラスの羽音を、エリオノールも掴んだ。
 その声に、鏡で森の方角に光を送っていたディアナは素早く岩陰へと引っ込み、石飾り付きのフードを脱ぎ捨てる。自分まで突つかれるつもりはない。
 ばさり、と今度は大きく羽ばたく音が皆の耳にも届いた。
 採掘場近くの岩壁にハイドインシャドウを使って身を潜めながら、スィーニーは空を見た。少し離れた空に、遠近感の狂いそうな大きさのカラスが浮かんでいる。
――下僕の囮だとあんまり持たないかもだしな。
 空に逃げられては元も子もないのだ。念のための囮用に…改めて開いたスィーニーの手の平にはルシエラ達が用意してくれた石が光っている。
 採掘場から、今採掘して出て来たように。
 ユイスの提案で、両手に種々の輝く石を持たされた土塊の下僕達は、採掘場の入り口から平地をわらわらと歩き回っていた。

 森から山頂まで上って来たカラスは、土塊の下僕達の頭上で、翼をひとつ羽ばたかせた。大きく、風が凪ぐ。
「知恵者、か」
 メイノリアは呟いた。
 空を黒く覆う影。採掘場の人々はきっとその姿を目にすると石の入った袋を放り投げて逃げたに違いない。
 カラスは空でその巨体を見せつけると石が手に入る事を覚えたようだった。しばらくの間、空を旋回し続ける。
「そろそろか?」
「いや、まだですね」
 アネットにユイスは弓を準備しながら、首を振った。
 もうすぐ、逃げもせずただうろつき歩く下僕にしびれを切らしたカラスが降りて来る筈だ。
「来たよ」
「ああ」
 シルバーソードを構えたルシエラ、その隣ではクリュサオルを手にエリーシャが降りて来るカラスに照準を定めていた。
「……今だ! 皆、行くぞ!!」
 アネットの一声に、岩陰に隠れていた全員が陽の下に姿を晒す。
 ゆるやかな下降のために広げられた片翼に、武人達の一斉のチェインシュートが放たれた。後を追うように、ユイスも弓を引く。
「突き刺され! 我が弓よ!」
 風を操る舵を穿たれたカラスは、体制を崩して地に打ち付けられる。そこへ素早く駆け寄ったのはディアナ達。
 ディアナが放ったエンブレムブロウの一撃も、翼を狙う。
 メイノリアとエマイユが銀狼で、スィーニーが影縫いの矢でカラスの拘束を試みると、翼と足は空へと逃れようともがく。
 エリオノールの眠りの歌は時折効いていたようだが、攻撃の衝撃に目を覚ますカラスにはあまり意味がないようだ。岩地を幸いに、ブラックフレイムでの攻撃に切り替えた。
 無傷の片方、黒い翼が大きく広げられると、その風圧にメイノリアが後方へ弾かれる。足を滑らせた間一髪で、気付いたエリオノールがその手を引いてやった。
 カラスの方はそのまま脚で地を蹴ると素早く身を巡らせて、前方に近付いていたいエリーシャへと鋭く嘴を突き出した。
 盾を持たないエリーシャは素早く剣で防ごうとするが大きく一撃を喰らう。
 エマイユがヒーリングウェーブで援護した。
 両脚で体を起こすと、カラスは両翼を大きく広げてもう一度羽ばたいた。
「逃げる気か?」
 アネットは両手の降魔の剣に雷の力を込めると、傷ついている翼へ雷神の一撃を放つ。連なるように、スィーニーの作り出した刃も次々に翼へと向かう。アネットの後ろではルシエラが再度のチェインシュートを放った。
「まだ、逃げようとしてる?」
 指先で描く紋章越しに、ディアナがカラスを見つめる。時折、嫌な声をあげながら、カラスは良く動く瞳で周囲を見渡していた。
「こっちだ…!」
 手にした石を陽にかざすとスィーニーはカラスの目の前を駈ける。カラスの意識がスィーニーへと向かった一瞬、翼が羽ばたきを止めた。
「逃がしませんよ」
 キリ、と引いた弓。
 ユイスの放った赤い火矢は、翼に当たると同時に爆ぜた。
 爆風を耐えながら、エリーシャが居合い切りで大きく翼を流し斬ると、ばき、と固い手応え。
「ここまで、だな」
 スィーニーが爪牙を構えて呟いた。
 集中攻撃を受けた片翼は、無惨にも中央付近からただのぼろ切れのように、ぶらりと垂れてしまっている。
 空にあるから素早く動けるその体は、地を這うにはやはり向いてはいない。
「早く、楽にしてあげましょう」
 エリオノールのスキュラフレイムに魔炎で燃え続けるカラスの体に、さらに幾つもの刃が重ねられた。


「カラスは、森に…土に還してあげようね」
 ルシエラの言葉にディアナが頷く。
「巣も、念のために壊しておいた方がいいだろうな。……ミニュイ達への土産に、玻璃石を持って帰ってやりたいが…」
 エリーシャは採掘場をちらりと見る。カラスを倒し、採掘場にもこれから人が戻って来るだろう。カラス退治の礼として玻璃石を都合してもらう事も可能だとは思っていた。
「採掘を再開した先から、石を分けてもらうのもな」
 スィーニーが言うと、エリーシャは頷く。
 ここの人達は漸く生活を立て直そうという所。少しくらいなら、と思わないでもないのだが、ディアナ達の話を聞いた後では、そうも言えない。
「始めにも言ったが……玻璃石ならきっと沢山あるはず…」
「……成る程、ね」
 思案顔の皆を見渡して、アネットは笑う。彼の言わんとしている事に気付いたエマイユが軽く頷く横で、エリオノールは首を捻った。
「一体……どこにあるんですか?」
「ここだ」
 言ってアネットが剣で指した先には、横たわる大カラスの腹があった。


「やあ。皆、お帰りなさい」
 酒場の扉をくぐると、目敏くユイス達に気付いたミニュイが立ち上がった。
「ミニュイちゃん、手、出してみて?」
 にこにこしながら、ルシエラがミニュイに近付くと、広げられた手の平に、両手で幾つもの玻璃石を落とした。
「ふわ、こんなに沢山?」
「かなりの量を飲み込んでいたみたいでしたね」
 驚くミニュイにユイスは笑った。倒したカラスの腹を開くと、大量の石が出て来たのだ。元々は採掘場のものだから、と山村の人々に引き渡し、礼として玻璃石を選んでいくつも分けて貰って来たのだ。
「ミュリンとロウにもお土産だ」
 アネットがそれぞれ包んで来た玻璃石を二人に手渡す。
「わーい! ありがと〜! これで尻尾がツヤツヤ〜♪」
「ありがとうございましたデス」
 大喜びのミュリンに対しロウは淡々としかも無表情だったが、分かる人の話によると相当に歓喜していたらしい。
「真珠草のサラダも食べてねv」
 良い事をしたな、とミュリンの笑顔を見てアネットは思った。
「リボンとか紐とかピンとかクリームとかいっぱい持って来たの♪」
 ルシエラが抱えて来た袋包みをテーブルに広げると、色とりどりの小物達が溢れた。
「玻璃石も綺麗♪ 綺麗な石は空から落ちてきたって思えて好き♪」
「うん。そうだね」
「エマイユさんも綺麗にして、ミニュイちゃんも髪遊びしようね♪」
 言って笑うルシエラの『綺麗』の言葉に、にっこり笑い返しながらもエマイユは少し後ずさる。
「……しかし、本当にまっすぐな髪になるのだろうか?」
 集めて来た玻璃石の一つを手に取ると、アネットは片目を瞑った。
「俺の髪も後ろで結んでる一房は『さらさらストレート』だから見事にそういう悩みは判らんのだが」
 スィーニーが覚えている限り、ここまで大喜びのミニュイは記憶にないような気がする。ちょっと、アレだな、等と思いつつ暖かく見守ってみる。
「宝石を砕いて粉末にしたのを水に溶かして飲むっていう美容法を聞いた事があるから…」
 ディアナは人差し指を唇にあてる。
「玻璃石の効果にも期待できるのかな…? わたしの場合は毛先が少し荒れているんだよね……櫛も欲しかったな」
 呟いて、ディアナもミニュイとルシエラの髪談義に混ざる。
「さらさらストレート……」
 エリーシャは改めて思案すると、ミニュイの頭をぽふぽふ叩いた。
「癖っ毛治らなくても落ち込むなよ? ……癖もミニュイらしくてかわいいと思うけどな」

「ストレートヘアか……私の場合もちょっと癖っ毛なところがあるからな」
 テーブルについてエリオノールとレモネードを飲みながら、メイノリアは小さく首を傾げる。自身はこれでも良いと思っているのだが、エリオノールはどう思ってるのだろうか。ちょっと気になるメイノリアだった。
「僕も伸びるとストレートになる髪の毛ではあるけど……困ってないなあ」
 ね、メイ。と話しかける。
「確かにぐしゃぐしゃにされるとブラシも通らなくなったりするけど……て、ロウさんと同じ系統の癖っ毛って事かな……」
 一瞬、遠い目のエリオノールは遠く、ロウの視線に気付いて顔を上げ、「嫌って訳じゃないけども」と、少しフォロー。危ないです(嘘です)

「俺は効き目が確認できたなら素直に誉めるよ? うん」
「まあ……どうなるだろうね」
 スィーニーの隣で、普段の倍以上に賑やかな酒場を見渡しエマイユが笑った。
「ところで……」
 その後、エマイユが何故かユイス達4人に囲まれていた。


 後日。
 ほんの数日、見慣れない髪型の霊査士の目撃情報が聞かれたらしいが、詳細の程は定かではないらしい……。


マスター: 紹介ページ
この作品に投票する(ログインが必要です)
冒険活劇 戦闘 ミステリー 恋愛
ダーク ほのぼの コメディ えっち
わからない
参加者:8人
作成日:2004/05/14
得票数:冒険活劇4  ほのぼの18  コメディ1 
冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
   あなたが購入した「2、3、4人ピンナップ」あるいは「2、3、4バトルピンナップ」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 マスターより許可を得たピンナップ作品は、このページのトップに展示されます。
   シナリオの参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。