≪百門の大商都バーレル≫白い悪魔



<オープニング>


●白い悪魔
「だ、第三部隊全滅!」
「何っ!? また第三部隊なのか!」
「敵は包囲網を突破し、東に移動中!」
「駄目だっ! あっちには村がっ!」
「あの白いヤツは、バケモノか!」

 赤色の鶏冠はチキンレッグ領の南方国境を守護する護衛士団である。
 先日の戦いによって多くの護衛士を失ったが、緑色の鶏冠をサポートするため西方国境に派遣されていた。
 普段は国境を越えてやってきたグドンを退治するだけなので、それほど難しい事ではなかったのだが……。
 ……今回はそうも行かなかった。

 無数に生えた触手状の尻尾。
 まるで翼のようにビッシリと生えた鋭い棘。
 その顔は鶏の仮面を被っているかのように不気味な雰囲気を漂わせている。
 シャモ達はこの存在が何なのか知っていた。

 ……ピルグリムグドン!

 ピルグリムグドンの数は全部で3体。
 沢山のグドン達を率いて、チキンレッグ領に入り込んできた。
 何とかプリマスロックと協力し、一体のピルグリムグドンを仕留めたが、その代償としてシャモ達は重傷を負って二体のピルグリムグドンとグドンの群れを逃してしまう。
 そのため、シャモ達は協力を求めて、赤狼の霊査士・ガイ(a90048)を頼るのだった。

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参加者
貧乳様の巫女・イチカ(a04121)
ヒューマンフェンサー・ライル(a04324)
快傑ズガット・マサカズ(a04969)
蒼首輪の猫・ルバルク(a10582)
緑の記憶・リョク(a21145)
翠麗花・リアンシェ(a22889)
バーレルっ娘・ユミ(a30003)
蒼天の守護者・ツカサ(a30890)
嵐を呼ぶ魔砲少女・ルリィ(a33615)
小さな探究者・シルス(a38751)
光纏う白金の刃・プラチナ(a41265)
高機動爆撃騎・ミーヤ(a63081)


<リプレイ>

●村
「ここがピルグリムグドンの現れた村っすか。……また、厄介なのが現れたっすね。それにしてもっす。ピルグリムグドンを倒して去って行った男……やはりっす、あの方なんすかね? これがっす、あの方ならつじつまは合うっす。あの方が黙って居なくなった理由っす。あの方は、国境警備より、数多い村を守れる人間が必要だと感じたっす。だからこそ遊兵として動ける様に、1人でいなくなったんすね」
 行方不明になったレグホンの消息を探るため、リョクがピルグリムグドンの現れた村にむかう。
 村人達の話では手負いのピルグリムグドンの襲撃があった、その日。
 1人のチキンレッグが現れ、この村に現れたビルグリムグドンを倒したらしい。
「まずはピルグリムグドンを倒した人物が誰なのか、先に確かめておきましょう。この村に必ず目撃者がいるはずですから……」
 険しい表情を浮かべながら、小さな探究者・シルス(a38751)が聞き込みにむかう。
 まずシルス達がむかったのは、村長の家。
 村長はシルス達に気づくと、ニッコリと笑って頭を下げる。
「出来れば村の人達を広場に集めて欲しいにゃ」
 ピルグリムグドンを倒した人物について詳しい話を聞くため、蒼首輪の猫・ルバルク(a10582)が村長に頼む。
 その間にルバルクは仲間達を引き連れ、ピルグリムグドンの死体を確認する事にした。
「あ、あれですか? うわわ、でかいですね。それにしても、ピルグリムグドンを一人で倒すなんて、ただ者じゃないですね」
 驚いた様子で悲鳴をあげ、シルスがダラリと汗を流す。
 ピルグリムグドンの死体は既に腐っており、その胸には見覚えのあるナイフが突き刺さっている。
「こ、これはレグホン様のナイフ!? ま、間違いないっす! ここにレグホン様が来たっすよ! 誰かレグホン様を見た人はいないんっすか!」
 興奮した様子でナイフを引き抜き、リョクが村人達にむかって問いかける。
 しかし、ピルグリムグドンを倒したチキンレッグは、鶏の仮面を被っていたのでレグホンがどうか分からず、鶏冠の色も曖昧で『夜だったから、よく見えなかった』と村人達が答えを返した。
 ちなみにチキンレッグが被っていた仮面は、ピルグリムグドンの顔から引き千切ったものらしい。
「これじゃ、ピルグリムグドンを倒したチキンレッグが、レグホンちゃんだと断言するには早そうにゃ。もう少し証拠があるといいんにゃが……」
 念入りにピルグリムグドンの死体を調べながら、ルバルクが困った様子で溜息を漏らす。
 ピルグリムグドンは赤色の鶏冠の包囲網を逃れて村に来たため、村人達が冷静でいられる時間がほとんどなかった。
 そのため、目撃者が多いにも関わらず、証言が異なっているらしい。
「本当にこれってレグホンさんのナイフなのでしょうか? レグホンさんが弱かったとは思いませんが、ここまでの力を手に入れるなんて信じられません。それとも、まだ……記憶が戻っていないんでしょうか?」
 心配した様子でナイフを見つめ、シルスがボソリと呟いた。
 ピルグリムグドンの死体を見る限り、レグホンにしては戦い方がやけに荒々しい。
「……その可能性が高そうにゃね。本能の赴くままに動いているのだとしたら、レグホンちゃんが次に行くのは……」
 嫌な予感が脳裏を過ぎり、ルバルクがハッとした表情を浮かべる。
 記憶を失ったレグホンが戦いを求めているとしたら、行く場所は一ヶ所しか存在していない。
「それでレグホン様は何処に行ったんすか!? 何か知っている事があったら教えて欲しいっす!」
 レグホンに関する情報を集めるため、リョクが村人達に対して大声を上げる。
 そして、村人達が指差した方向は……、グドン地域であった。

●緑色の鶏冠
「……予想以上に繁殖スピードが速いようですわね」
 全身に泥を塗って体臭を消し、翠玉の祈花・リアンシェ(a22889)が物陰に隠れて遠眼鏡を覗き込む。
 グドンの群れは洞窟をねぐらにしており、何匹か腹の大きなグドンもいる。
「今回の駆除は徹底的にやらなければなりませんから、ただの1匹も逃してはなりません。例え、それが赤子だとしても……」
 険しい表情を浮かべながら、バーレルっ娘・ユミ(a30003)がクロウボウを構えた。
 ここでグドンの群れを全滅させる事が出来なければ、チキンレッグ達にとっても脅威になる。
「赤ん坊だとしてもピルグリムグドンですからね。脅威となる前にグドンは一匹も漏らさず退治しておきましょう」
 茂みに隠れてグドンの様子を窺いながら、蒼天の守護者・ツカサ(a30890)がゆっくりと近づいていく。
 しかし、グドンの群れは食事に夢中で、ツカサ達の存在には気づいていない。
「ボクが合図を出したら、グドン達の逃げ道を塞いでね」
 緑色の鶏冠護衛士を引き連れ、弓騎兵・ミーヤ(a63081)が臨時分隊長として指示を出す。
 しかし、緑色の鶏冠は吟遊詩人をメインに構成されているため、グドンに襲われた場合は助けに行かなければならない。
「それじゃ……、行きますよっ!」
 ウェポン・オーバーロードを発動させ、ユミが仲間達に向かって合図を送る。
 そのため、見張りのグドンが鳴き声をあげようとしたが、ミーヤの放った斬鉄蹴が命中し血反吐を吐いて絶命した。
「ここはよろしくねっ!」
 緑色の鶏冠を洞窟の入り口に陣取らせ、ミーヤが警戒した様子でランタンをかざす。
 次の瞬間、グドンの子供が悲鳴をあげ、洞窟の奥へと逃げていった。
「いまさら逃げる事は出来ません。これも……運命ですっ!」
 鎧聖降臨を使って守りを固め、リアンシュが洞窟の中に入っていく。
 洞窟の中はいくつもの部屋に分かれており、冒険者達に気づいてパニックに陥っている。
「一気に片付けますよっ!」
 グドンの首を軽々と刎ね、ツカサが大量の返り血を浴びた。
 その光景を目の当たりにして、腹の大きなグドンが腰を抜かす。
「ええ、ここで躊躇っている暇はありませんからね」
 迷う事無くホーミングアローを放ち、ユミが腹の大きなグドンにトドメをさした。
 その間にミーヤが洞窟の奥へと進み、次々とグドンの群れを切り裂いていく。
「こ、子供がっ!」
 物凄い速さでピルグリムグドンの子供が逃げていったため、リアンシェが慌てた様子で悲鳴を上げる。
 洞窟の入り口に立ったまま、緑色の鶏冠護衛士達が固まった。
「逃がしちゃ駄目よっ!」
 2匹のグドンを相手にしながら、ミーヤが緑色の鶏冠護衛士に警告する。
 そのため、護衛士は達あたふたとした後、眠りの歌を使ってピルグリムグドンの子供を眠らせた。
「念のためグドンの死体を焼却しておいた方が良さそうですね」
 ピルグリムグドンの子供に蛮刀を振り下ろし、ツカサがホッとして様子で汗を拭う。
 しかし、これで安心する事が出来なかったため、グドンの死体を集めて焼却する事した。

●ピルグリムグドン
「グドン地域を……どうにかしようとした矢先に……、ピルグリムグドン事件とは……。彼らも本能的に……危機を感じ取っているのでしょうかね……?」
 警戒した様子で辺りを見回しながら、貧乳様の巫女・イチカ(a04121)がピルグリムグドンの目撃された森に入っていく。
 七色鶏冠の活躍で何とか2体のピルグリムグドンを倒す事に成功したが、残り一匹を無傷で逃がしてしまったので確実に退治しなければならない。
「もしかするとグドン地域が制圧される前に、新しい棲み処を探してチキンレッグ領に来たかも知れないにょ! だとしたら事態は深刻! 一匹残らず退治するにょ!」
 何者かによって薙ぎ倒された木々を見つけ、嵐を呼ぶ魔砲少女・ルリィ(a33615)が息を殺す。
 辺りには大きな尻尾を引きずった後も残っており、食い散らかされた野生動物が虚ろな表情を浮かべて空を見上げている。
「……俺には三つ嫌いな存在がある。一グドン、二ピルグリム、三秘密。つまり今回の敵を必滅しないと気がすまない」
 同行した赤色の鶏冠護衛士に指示を出し、ヘタレ・ライル(a04324)がまわりを囲んでいく。
 ピルグリムグドンは飢えた様子で涎を垂らし、頭をユラユラと知らして獲物を探している最中だった。
「ふむ、白い悪魔ですか。……負けませんよ?」
 儀礼用の長剣をギュッと握り締め、光纏う黄金の刃・プラチナ(a41265)がハンドサインを使って合図を送る。
 それに合わせて赤色の鶏冠が武器を構え、ジリジリとピルグリムグドンに迫っていく。
「……シャモ、お前の仕事は俺が引き継ぐぜ」
 鎧聖降臨を使って怪傑ズガットに変身し、快傑ズガット・マサカズ(a04969)が斬鉄蹴を炸裂させる。
 次の瞬間、ピルグリムグドンが咆哮を上げ、羽根のような棘を広げて攻撃を仕掛けてきた。
「クッ……、油断……しました……」
 無数の棘が右腕に突き刺さり、イチカが悲鳴をあげて膝をつく。
 その隙にピルグリムグドンが間合いをつめ、勢いよく触手状の尻尾を振り下ろす。
「大丈夫ですか? ……気をつけて下さい!」
 黒炎覚醒を使って邪竜の力を完全に制御し、プラチナがピルグリムグドンを攻撃する。
 その一撃を喰らってピルグリムグドンの身体が魔炎に包まれ、辺りの木々を薙ぎ倒して逃げていく。
「ピルグリムグドンが逃げるぞ! 逃げ道を塞げ!」
 イリュージョンステップを発動させ、ライルがソニックウェーブを叩き込む。
 しかし、ピルグリムグドンが尻尾を振り回してきたため、ライルの攻撃は当たらなかった。
「しょ、触手まで伸びてきたにょ!」
 青ざめた表情を浮かべながら、ルリィが紋章筆記で強化したエンブレムノヴァを放つ、
 そのため、ピルグリムグドンは触手を伸ばす事が出来ず、悲鳴を上げて大量の血を吐いた。
「喰らえ、ズガットトルネード!」
 グランスティードの能力で攻撃力を底上げし、マサカズがデンジャラススイングをお見舞いする。
 それに合わせて赤色の鶏冠護衛士が茂みから飛び出し、草むらの上に落下したピルグリムグドンに剣を刺していく。
 次の瞬間、ピルグリムグドンが咆哮をあげて大量の棘を飛ばし、赤色の鶏冠護衛士の命を奪って森の奥へと逃げ出した。
「逃がすかっ!」
 すぐさまスーパースポットライトを放ち、ライルがピルグリムグドンを麻痺させる。
 その間にイチカが紋章筆記で強化したエンブレムノヴァを放ち、ピルグリムグドンの尻尾を破壊した。
「……残念だったな。これは戦いで散った赤色の鶏冠護衛士の分だっ!」
 ピルグリムグドンの両足をガシィッと掴み、マサカズがデンジャラススイングを放つ。
 そのため、ピルグリムグドンは受け身が取れず、巨大な岩に頭をぶつけて悲鳴を上げた。
「毎度おなじみバスタースパークでふっとぶがいいにょ!」
 次の瞬間、ルリィの放ったエンブレムノヴァが炸裂し、ピルグリムグドンの右腕が吹っ飛ぶ。
 それでもピルグリムグドンは逃げようとしたが、瀕死の重傷を負っているので逃げ切れない。
「チキンレッグ領に来たのが間違いでしたね」
 ピルグリムグドンの行く手を阻み、プラチナが助走をつけて飛び上がり兜割りを叩き込む。
 その一撃を喰らって仮面のような顔が砕け、ピルグリムグドンが血反吐を吐いて絶命した。
 こうしてピルグリムグドンが退治され、バーレル護衛士達はグドン制圧へと乗り出すのであった……。


マスター:ゆうきつかさ 紹介ページ
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