<リプレイ>
●ビーズボトル披露会 「香水を納めたペンダントなんて洒落てるな」 ちょうど使って欲しい香水があるし、贈り物にも良さそうだと、ラズリ(a11494)は並べられたボトルを見ていく。硝子細工を生業としている村だけあって、どれも綺麗で迷ってしまう。やがてシンプルだけれども洗練されたボトルを手に取り、細めの銀鎖を通してもらうと、持って来た香水をポケットから取り出し、入れてもらえるかなと職人へ手渡した。香るのは、冬の澄み切った空に掛かる、虹の彩を思わせる菖蒲。気に入っているのだと告げれば、素敵な香りだと職人は笑顔で肯いた。 初めて見るパヒュームボトルを楽しげに見てまわりながら、イスズ(a27789)が探すのは太陽の描かれたボトル。動物や植物の絵柄ばかりが並ぶ中には残念ながら太陽らしき絵柄のものは用意されていなかったけれど、『太陽の恋人』という持って来た香水の呼び名に合わせたボトルが欲しかったのだと話を聞いた職人は、それならと、望む絵柄になるよう新たな細工を請け負ってくれた。 アーズ(a42310)も初めて知ったそれらに興味を惹かれつつ、垂らした青いビーズが連なるものを探して、置かれたテーブルの上を順に見ていく。近くに居た職人へも訊ねてみれば、これはどうかと一つのボトルが差し出された。しゃらりと揺れるビーズが微かな音色を奏で、アーズは満足そうに瞳を和らげる。これを入れてください、と職人へ手渡した香水はラベンダーの香り。色で目を、音色で耳を、そして香りで心を――ゆっくりと、癒せそうだった。 プレゼントを探しに来たセリア(a28813)は、どれが良いかと迷った末に、紫苑の花が描かれたボトルを選んだ。職人へ入れてもらえるよう頼んだのは、霞がかった月の淡い光のように、ふんわりとした甘やかな香り。贈り相手が気に入ってくれることを願いながら、追憶の花言葉が示すよう、これからの楽しい想い出を、香りを嗅ぐ度に思い出してくれたらとも思う。 (「虹色のお花が咲いている、わけではなくても。ひかる硝子、虹色のお花のよう――ですね」) いくつもの並ぶボトルを目にするうち、フォーティア(a48532)が思い出したのは、友達と見に行った花と虹。記憶を辿るようにして、似た色のボトルを探した。花の香りはここになくても、きっと心に香る気がして。くすんだ色のボトルを手に取り、陽の光にかざせば、それは色とりどりの硝子よりも、映る光だけがさらに鮮やかな虹色に弾ける。 なかなかに綺麗じゃないかと、レナータ(a62039)は硝子細工の多彩な色合いを興味深げに見つめていた。微妙な色加減に感嘆し、しばらくあれこれと見比べてから、はたと我に返って本来の目的を思い出す。いけないいけない、と呟きながら、改めて選んだのは青くグラデーションした十字型のボトル。銀の鎖に提げたそれには、爽やかな柑橘の香りを入れてもらった。 「お嬢様……くすっ、きっとお喜びになりますね」 笑みを浮かべてアリューン(a66481)が選ぶのは、最愛の主人への贈り物。彼女の好きな可愛らしいクマが描かれたボトルに、彼女のために作った『忠誠の誓い』を称する香水の香りを入れてもらう。そうして手渡した時の彼女の顔を思い浮かべるだけで、幸せな気持ちになった。目的のボトルペンダントを手に入れたアリューンは、一刻も早く主人の元へ帰ろうと、早々に会場を後にする。
ビーズの形や細工、色合いなどについてを語らいながら、ボトルを見てまわるのはラジシャン(a31988)とフィード(a35267)。あれが綺麗、この模様が惹かれる、と感じるままを口にしながら探していくと、二人ともが磨り硝子のような柔らかな青硝子に目を留める。ラジシャンは月光を思わせる繊細な薄い青に、夜の空に合いそうな銀の鎖を通してもらった。入れたい香りはまだ持っていないけれど、これから探すのもいいだろう。 碧の天然石で花の模様をあしらった、透明感のある優美な蒼を選んだフィードは、香りは細工に見合ったものにしたいと笑った。繊細な百合の花、あるいはラベンダーのような甘い香りでも良いかもしれない。一人でのんびりも好きだけれど、こうして誰かと一緒に同じものを見て、感想を分かち合うのも、とても楽しいことだった。心を許した相手なら尚更だと、傍らの相棒を見てそう思う。 「む、見ろガルスタ! この瓶は……!」 ボトルの並べられたテーブルの前で、アネモネ(a36242)は先ほどから硝子細工への感想を事細かに述べている。 「しっかし、教主も硝子が好きだな。この手の催しには必ず居るだろ」 返事を待つことなく次々とボトルを見ていく彼に呆れたような呟きを返すガルスタ(a32308)も、人のことは言えなかったりするのだが。 「……おお、これは良い。見た瞬間に元気をもらうような感じがする」 ようやく気に入ったものが見つかったらしく、アネモネが手に取ったのは紅花が勢いよく描かれたもの。紐を付けてもらい、満足げに懐へ仕舞い込む。 一方のガルスタは、妻への贈り物として、水色の柱に巻きついた蔦を思わせるボトルを手にしていた。入れる香りは贈った香水を使ってもらおうと思い浮かべ、ふと、前にアネモネと一緒に香水を見に行ったことも懐かしく思い出す。久しぶりに揃って出かけた相棒へ、これからもよろしく頼むよ、と笑いかけた。
ナティル(a65912)は、持って来たラベンダーの香水を手に、デーブルの上に並ぶボトルを見ていく。探すのはホワイトガーデンに居るフワリンが描かれたもの。近くの若い職人にも話しかけてみたけれど、ランドアースに住む一般人でしかない職人達には、ただフワリンの絵柄とだけ言われても困ってしまう。ナティルもどう説明するか考えていなかったものだから、結局、職人は「期待に応えられなくて申し訳ない……」と彼女に頭を下げた。 並べられたボトルを前にして悩むシエラ(a59476)は、共に見てまわるギルバート(a64966)へと、どのようなボトルが良いのでしょうかと問いかける。 「悩まずに、心が『いい』と思ったものが良いと思います。心は正直ですから」 穏やかにそう返した彼は、月の描かれたものを探していた。けれども、動植物とは違う絵柄のものは見当たらず、職人の意欲を促せるような理由も特には考えつかなかった二人は、どうしても好みに合うボトルを見つけることはできなかった。
●甘く涼やかな時間を 硝子細工はキラキラしていて好きだとシエヌ(a04519)は思う。香水はあまりつけないから、今回の目当ては硝子のほう。時折職人からの説明も聞きながら、並べられたボトルの一つ一つを全て見てまわると、これが一番いいかな、と夏らしく水色に透き通ったボトルを手に取った。ちょうど良い感じにお腹も空いたところで、振舞われているチョコレートのケーキと果実水を抱えて、ふう、と涼みながら一息つく。 オリエ(a05190)が選んだのも、水色硝子のボトル。白い天然石のあしらわれたそれは、青空に雲が浮かんでいるかのようで、そっと口元に笑みを浮かべた。 「香水はいくつか持っているけど、ボトルに詰めて香りを持ち歩くというのはちょっと思いつかなかったね」 選んだボトルに銀の鎖を通してもらい、持って来た香水を職人に渡す。どことなく寂しげな、心を揺さぶる白梅の香りをボトルに入れ、オリエは果実水とバニラのケーキを静かに味わう。 無地の長方形をしたボトルを手に取り、ノリス(a42975)はホワイトガーデンに自生する黄色の花を描いてほしいと職人へ頼んだ。持って来たファルランの香水を見せ、その時の想い出も語る。 「この香水に詰められた想いも一緒に写すのを頼んでいる気分です」 冗談混じりにそう伝えれば、それじゃあやってみましょう、と職人は細工の追加に取り掛かった。待っている間に持ち込んだパウンドケーキを差し入れて、ふと、硝子に合う料理はどんなものだろうと思案しながら、ノリスは並べられたビーズボトルを眺めていた。 久しぶりに訪れた虹色花の里にまた二人で来られたことを嬉しく思いながら、スウ(a22471)は垂れ耳の白いウサギが、ルルナ(a51112)は黒猫がそれぞれ描かれたボトルを選ぶ。いつか香水の似合う素敵な人になれる時まで、大事に持っておきたい。ペンダントの形にしてもらったそれらを持って、二人でケーキを味わいに向かえば、見覚えのあるリス尻尾を見付けてスウは挨拶代わりにもふっと突撃した。ふさふさで気持ち良かったのですとルルナも前にじゃれたお礼を言うと、二人とも楽しんでくれて何よりだとフェイバーは笑う。互いに味わうバニラとチョコレートを一口ずつ交換しながら、美味しいものと仲良しの友達と一緒に見る空はとても幸せだと、スウは思った。 前の披露会で話した職人を見付けて、マイシャ(a46800)は声をかけた。贈りたい相手は、いつも明るく笑顔が素敵な、妹のような存在で。自分は何度も彼女に励まされたのだと話す。 「だから彼女にも、貴殿の優しさに溢れた作品を持っていて欲しいのです」 職人は嬉しそうに笑顔を見せると、木槿の花が描かれたボトルをペンダントの形にし、マイシャから預かった香水のバニラの香りを入れて手渡してくれる。 ウィズ(a65326)は驚かせないようにと注意しながら、職人にグランスティードの姿を見せる。ボトルの絵柄かデザインに使えないかと頼んでみれば、興味深そうにそれを見つめた職人は、やってみよう、と碧に透き通ったボトルへ細工の追加を始めた。待っている間に、声をかけてきたマイシャと共にケーキを味わう。食べ過ぎてお腹壊すなよ、と兄のように世話を焼くマイシャに笑い返し、ウィズは親友で戦友の彼と二人で会話を楽しむ。 贈り物にとモイモイ(a51948)が探すのは、ラベンダーの香りに合いそうな、可愛くて大人の雰囲気もあるもの。あれこれと考えながら、紫をベースに透明なビーズをあしらう卵型のボトルを手に取った。さっそく職人に紐をつけてもらうと、持って来た香りも入れてもらえるようお願いする。 並べられた繊細な硝子細工に見入っていたリネット(a57940)は、桜が描かれた淡い緑のボトルを目に留めた。香水はまだ持っていないからと、選んだボトルをペンダントの形にしてもらう傍らで、職人に香りの入れ方だけ聞いておく。 そんなリネットの様子を気にしながら、コルフォ(a64678)は振舞われているケーキの載った皿やジュースの入ったコップを抱え、涼みに入ったモイモイやライネリア(a66559)の元へと運ぶ。楽しんでいる彼女達の姿は、コルフォにはとても輝いて見えた。 出来上がった首飾りを手にリネットも合流したのを見てから、ライネリアはそっとモイモイを呼び、二人きりにしてあげましょう、と耳打ちする。 「あの二人……上手くいくといいですね……」 コルフォとリネットからこっそりと距離を取り、ライネリアは小さく願って瞳を和らげた。
素敵な異性とのデートを楽しむのは人生の潤いだとメロー(a48163)は考える。今日は一日限定の恋人。私を楽しませてくださいませね、と試すかのような笑みを浮かべたシエスタ(a60004)と二人、硝子細工を眺めながらケーキを味わう。 「シエスタ、オレのも食べてみるか?」 一口、フォークに刺して彼女の口元へ持って行けば、あら、とシエスタは楽しげにメローからフォークを取り上げた。 「メロー様、それは私の役割でしてよ?」 てっきり不慣れな反応が見えるかと期待したメローの思惑をさらりと返して、にっこりと笑顔を向けてくる。どうにも彼女のほうが上手らしい。結局、メローのほうばかりがシエスタに『あーん』をされてしまった。 「模様の細工を加えることは出来るか?」 淡い水色のボトルを手に、ヴァイス(a50698)は職人へ話しかける。傍らのルミナ(a55176)に選びたいのは、彼女が好きな雪の結晶が描かれたもの。できれば、どこにもないオリジナルのペンダントがいいと頼めば、職人は了解して肯いた。 「ビーズボトルのアクセサリーが作れるとは素敵ね……」 ゆっくりとヴァイスのためのボトルを選んでいたルミナも、透明な硝子に白い鳥が描かれたボトルを手に取る。陽暮れまでには彼の頼んだ細工も仕上がるだろう。そうして互いに交換したボトルペンダントに収められたほのかな香りと、冷たく甘いバニラの味とをゆるやかに楽しむことにする。 ジーニアス(a02228)と共に訪れたルディ(a00300)は、二人で訪れた記念になる絵柄がいいと職人に相談する。たとえば、彼女の白と自分の黒。二つの色を雫の形にして、円の中に閉じ込めた――陰と陽を表すような、そんな絵柄のボトルにそれぞれ金と銀の鎖を通す、揃いのペンダントだ。なるほど、それは面白いと満足そうに肯いて、職人は手頃なボトルへ新たな細工を施していく。そうして出来上がったボトルペンダントを着け、二人は互いの誕生日をケーキとジュースで祝う。そういえば、とルディは揃いでボトルに入れる予定の香りについてを訊ねた。 「う、あ、ええと、それはー……」 顔を真っ赤にして口篭るジーニアス。その香水の名前が『甘い生活』という意味だとは、どうしても言えなかった。……もちろん、ルディもそれを知っていてわざと訊いたのは内緒である。 突然の誘いにはびっくりしたけれど、とっても嬉しいと楽しげな表情を見せるアールコート(a57343)に、エンジェル同士、文字通りの羽根休めだとアスラ(a65123)も瞳を和らげる。 「あはっ、それじゃ、私の分は、アスラさんが選んでくださいね☆」 アールコートは彼の分として大きな縞瑪瑙のついたシンプルな楕円のボトルを選び、にこりと笑う。我にはどうもセンスがないのだが、としばらく困ったようにいくつものボトルを見つめていたアスラは、やがて鳩の描かれたものを手に取った。後で入れる予定の香りは、二人とも同じラベンダー。夕暮れまで職人とも言葉を交わした後は、二人でゆっくりとハーブティーでも飲みながらくつろぐことにしよう。 (「普段、香水なんてつけないけど……私も一九になったし、な」) 少しだけ大人っぽくして、白いレースのワンピース姿で訪れたユユ(a27098)は、夕焼けのような透き通る深い朱色のボトルペンダントを身に着ける。宵闇に灯るランタンの明かりの下、見付けたフェイバーへと声をかけた。赤は元気になれる気がして好きなんだと笑顔を見せれば、「ああ、綺麗だな」と肯きが返る。もぐもぐとケーキを頬張る姿は、まだ少し大人のイメージには遠いけれど。口の端に付いたクリームを拭われて照れたりもしながら、やがてユユはうとうととリス尻尾を抱えて眠ってしまった。
空には星が瞬いて。 川辺には、夏の夜の灯りに、身に纏われた硝子達が、そっと煌いている――

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参加者:34人
作成日:2007/08/08
得票数:冒険活劇1
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冒険結果:成功!
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