全ての人に愛の手を 良く分かる山賊対策講座



<オープニング>


●山中の道で
「なるほど、その山道でよく山賊が出るってことなのね」
 無双華・リョウコ(a90264)が頷く傍には我は破滅を断つツルギなり・ルビナス(a57547)を始めとした冒険者たちが歩みを進めていた。
「そういった奴らは尽きないってことなのかしらね……」
 溜息の訳はヒトの持つ悪意を思ってか、山中の村へと向かうその道には身を隠す場所や拠点に出来そうな場所なども多くあり、退治されても暫くすれば新たな山賊が現れたり、幾つかの山賊団が同時に出現したりするのだという。
「なんとも不運な村だな、そんな土地なら引っ越せばいいだろうに」
「そういう訳にもいかないでしょ」
 目的地の村へと向かいながら口々に話す冒険者たち、そんな中でルビナスがぽんと手を打った。
「それじゃあ退治するだけでなく、村人の人たちに自衛の手段を指導してあげたらどう?」
 戦える所まで行かなくても、身を守ったり逃げたりする方法を学べば少しでも被害を減らせるのではないかというのだ。

 そうして冒険者たちは山賊の脅威に苦しむ村人達を救うべく、その村へと足を進めるのであった。

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参加者
闇夜を舞う影・ヒリュウ(a28973)
旋律の探求者・エルシード(a53109)
我は破滅を断つツルギなり・ルビナス(a57547)
瑠璃の太公望・アリア(a57701)
漢気あふれる女傑・フィリス(a58598)
人形乙女文楽・フランドール(a59837)
青雪の狂花・ローザマリア(a60096)
奉納剣舞の巫女・ファリナ(a68797)
NPC:無双華・リョウコ(a90264)



<リプレイ>

●困難な道のり?
『……』
 山中の村へと向かう冒険者たちは、誰からとも無く歩みを止めていた。
 辺りに漂うは敵意――いや、殺気か。剥き出しのそれはこの辺りに山賊が出没すると聞いていた冒険者たちからすれば、主を予想するのは容易いことだった。
 がざざっ!
 山道の脇から飛び出してくる数人の男へ、瑠璃の太公望・アリア(a57701)は即座に大型魔楽器を掻き鳴らす! 生み出された無数の針はニードルスピアとなってばら撒かれ、山賊たちの身を穿つ。
「なんだと!?」
 挟撃するつもりだったのか、針に倒れた山賊たちとは逆側から驚愕の声が漏れる。狼狽するそいつらに向けて、我は破滅を断つツルギなり・ルビナス(a57547)は眩い光を輝かせた。
「村を襲う暇があるなら、畑でも耕しなさい!」
 スーパースポットライトの光に注目し、眩さに立ち竦んでマヒする山賊たち。位置が良くその光の効果を受けていない輩には無双華・リョウコ(a90264)や翠聖劍姫・ローザマリア(a60096)が向かい逃げ道を塞いでいる。
 ぎぃん!
 ローザマリアの長剣が山賊の手にしていた山刀を弾き落とし、もう一本の剣が喉元に突き付けられる。
「はいはーい、命が惜しかったら暴れない暴れない」
 鋭い刃の輝きに、男はひぃと小さく声を漏らして降参するのだった。
「はてさて、いつの世も尽きぬは人の業、かね」
 闇夜を舞う影・ヒリュウ(a28973)は大勢の山賊たちに粘り蜘蛛糸を浴びせかけてその動きを拘束してゆく。
「まぁ、今の僕たちなら負ける気もしないけど……油断は禁物、かな」
 何かのはずみで動き出しそうな山賊が居ないかチェックしつつ、旋律の探求者・エルシード(a53109)は幻惑の剣舞で戦意を消沈させてゆく。
 かっ!
 逃げ出そうとしていた山賊の目前に矢が突き刺さる! 放ったのは漢気あふれる女傑・フィリス(a58598)だ。
「……」
 矢に行く手を阻まれた男の背に七色の光が突き刺さり、打ち倒す。寡黙な人形使い・フランドール(a59837)の放った攻撃は偉大なる衝撃だったので、同時にファンファーレが鳴り響く。
 先陣を切るつもりだった奉納剣舞の巫女・ファリナ(a68797)だが、仲間達のイニシアチブは全員が自分より高く、何かを待つように考えていた者も居ない。ともあれ相手は十分に怯んでいるため、長剣で斬り伏せてゆく。
「こっちを怠けるわけにもいかないもんね」
 向きを変えてアリアがニードルスピアを放つ。次々に針に貫かれて山賊たちはまさに一掃されていった。
 ……じゃり。
 だがそこに新たな気配が生まれていた。見ればいつの間にか現れた男が走り去ってゆく所だ……先に現れた奴らの中から抜け出した訳ではなさそうだが……?
「山賊をやっているからには、やられる覚悟も出来てるわよね?」
 追って走るルビナスの剣が振り下ろされる。そのまま振り返って仲間達に呼びかけた。
「多分……別の山賊グループよ!」
 何でもこの辺りにはちょくちょく山賊が発生するらしいので、一つ目の山賊と冒険者たちがやり合っている場面に別の山賊の見回りが遭遇したといった所だろうとルビナスは予想したのである。
「なら、そっちも潰すわよ!」
 リョウコの言葉に冒険者たちは頷き、その男が向かおうとしていた方向へ駆け出す。いくらも行かぬうちに山賊がたむろしている場面に遭遇し――。
「アタシの魅力に、痺れてみる?」
 ばぢばぢばぢっ
 ローザマリアの放つサンダークラッシュが、リーダーらしき男のすぐ目前で地面に落ちる。わざと外したものであり、次は外さないと意志を込めて睨み付けるローザマリアの視線に山賊親分も竦み上がった。
「山賊に悩まされるのもこれっきりにしてあげたいものだ」
 浮き足立ちパニックになりつつある山賊たちをヒリュウの粘り蜘蛛糸が絡め取り、エルシードが残像生み出しミラージュアタックで駆け抜け、片付けてゆく。
 フィリスの矢が一人の服を貫く。びくりと驚く男の正面にはフランドールが回り込み……、
「あははははは!」
 笑いながら胸に光を撃ち付け、倒す。オロオロしながらヤケクソで剣を振り下ろしてくる山賊も居たが、そんなものが当たるわけも無くファリナはすっとかわす。そのまま無駄な動きを抑え、引き抜くように長剣を走らせた。
 次々に断ち切られる、悪事に染まった運命の糸たち。
「悪人に人権は無い、遠慮なくやっちゃってください!」
 風の如く駆け抜けるルビナスから檄が飛ぶ。そうして冒険者たちは二つの山賊グループを壊滅させ、被害を受けていた村へと到達するのであった。

●傾向と対策
「いつでも僕たち冒険者を頼ってくれても良いんだけど。でも、たしかに、自分達で自分の村を護れるようになるのは大切なんだろうから……」
 エルシードは村人から話を聞きながら周辺の道について図を作成していた。逃げ方や対策がしやすい場所が無いかチェックするつもりなのだという。
 村の周囲に柵を作って防衛しやすいようにとはヒリュウからの案。村人達と協力して作成を進めていた。
「堀を作って外敵の侵入箇所を絞り込みます」
 ルビナスは加えて堀を作成するとリョウコと共に土を掘る。エルシードの図に加えてもらわないとと小さく頷いて。
「教えられることなんて、あまり無いけど……」
 ルートを特定できるように木を削ってバリケードの役割を果たすようにとローザマリアは言って作業を行っていた。
 山賊に奇襲されにくい村に近づいたかとファリナは小さく頷く。
「予め逃げる所を決めておくと混乱しなくていいよ」
 アリアは危険を察知するための高台、見張り台の設置を検討しており、同時にそこから逃れる方法についても伝え始めていた。
「……」
 仲間達が塀の作成や指導を行っている間、フランドールは子供達が邪魔をしないように相手をしていた。一緒に指導を聞いたり、飽きている子には人形を作ってあげたりしている。

 ヒリュウとファリナは多対一になるようにして山賊に対抗できるよう指導しつつ、リョウコの協力も得て訓練を行っていた。
「変に自信をつけて立ち向かうことよりも、逃げること考えた方がいいよね」
 一方ではアリアが逃げ方について説明していた。
「相手は山賊だから戦おうとしてもボクたちみたいな冒険者じゃないと厳しいから兎に角逃げること優先ね」
 ………。
 一方では戦い方を、一方では逃げ方を。この辺り、冒険者たちで指導方針を統一しておいた方が良かったかもしれない。教わった先生によって村人達の動きが変わって混乱してしまう可能性があった。
 ともあれフィリスは村から離れた場合、サバイバルで役に立つ知識についてレクチャーしていた。周辺の植物を調べてきて有毒なものや食べられるものについて伝えている。
「絶対に無理はしないで、生きてください。困った時は僕たち冒険者をいつでも頼ってくれて良いんです」
 エルシードは村人達にそう告げて今回の指導を締め括った。

 この村がこれからどうなるのか、山賊はまた現れるのか。未来のことは分からないが、冒険者たちは少しでも状況が改善される為に考えられる最善を尽くしたと信じ、帰路につくのであった。

 (おわり)


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参加者:8人
作成日:2007/10/07
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我は破滅を断つツルギなり・ルビナス(a57547)  2009年10月03日 10時  通報
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