≪オレンジの丘の洋館≫IN紅葉の温泉……その前に一仕事!?



<オープニング>


「皆で紅葉の見える温泉に行きたいと思いますの」
 ある日、オレンジの丘の洋館の団長である永久の華の歌姫・ソウジュ(a62831)がそう呟いた。
 その呟きに答えたのは、その旅団に、少し前から所属していた幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)だった。
「山の奥に、『紅葉の温泉』と名の付けられた温泉があるらしいのなぁ〜ん」
「名前からして、紅葉が素敵なのでしょうね。早速、皆で行きましょう?」
 ソウジュの問い掛けに、団員たちは集い、その温泉へと向かった。

 けれど、その温泉を求めていたのは、ソウジュたちだけではなかった。
 辿り着いてみれば、湯船に浸かっている先客――巨大化し、少し力の強くなった変異猿――の姿がある。
「むー……温泉……入りたいですの〜!!」
 ソウジュの声に、変異猿はそちらを振り返った。冒険者たちの姿に、自分の縄張りが荒らされる、とでも感じたのか、変異猿は不機嫌そうに、重い腰を上げるのであった。

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参加者
やわらかな陽光・アリステア(a41392)
ちび騎士・ペペ(a61526)
仁吼義狭・シリュウ(a62751)
落花流水・ソウジュ(a62831)
草を撫でる風・スージィ(a63178)
生と死の調律者・ケイト(a63733)
暗闇の道化師・グリドリー(a64558)
技心剣士・スーウェル(a65722)
光と闇を見守る武道家・テイル(a66994)
闇を裂く氷狼・ルキシュ(a67448)
誇り高きオネェ武道家・ティーベ(a68403)
我儘女帝・ミヨ(a68730)
NPC:幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)



<リプレイ>

●温泉浸かる前に一仕事
 温泉に浸かっていた変異猿が重い腰を上げ、温泉の脇に立つ『オレンジの丘の洋館』一行の方へと向いた。
「温泉入りたいですの〜」
 永久の華の歌姫・ソウジュ(a62831)はそう言いながら、甘く囁きかけるような魅惑的な歌声を披露する。
「ここは人間が作った温泉です。奥に天然の温泉もあるでしょう? 危険がいっぱいですのでどいてくださいね?」
 微笑みながら、やわらかな陽光・アリステア(a41392)は変異猿へと向かって説得を試みる。
「危険……?」
 変異猿は、アリステアの言葉を聞き、呟き返す。
「そうよ、このままここに居ると、危ないのよ。でも何処かへ行ってくれれば、危なくはないわ」
 誇り高きオネェ武道家・ティーベ(a68403)も隣で、説得するために、言葉を紡いだ。
 更に説得の言葉を紡ぎ出そうとするソウジュの傍らに、我儘女帝・ミヨ(a68730)と、大きめの籠を背負った暗闇の道化師・グリドリー(a64558)が控えるように立つ。
 変異猿は、湯船の中を歩き、一行の居る方へと徐々に近付いてくる。
「ここは人が使う温泉ですの、だから人の来ない所へ行った方がいいですわ、でないと怖〜いお仕置きですわよ?」
「お仕置き……」
 呟きながら、変異猿は湯船から上がってきた。
「今まで、ずっと……浸かってた。でも、危険じゃなかった……危険は、そっち……ウッキイイイイイィィィィィッ!!」
 魅惑的な歌声の効果が切れたのか、変異猿は叫ぶと一行の一番前に立っていたソウジュへと襲い掛かった。
 彼女の傍に控えていたグリドリーが間に入って、繰り出された猿パンチを受け止めた。
「なるほど。確かに、図体はでかいが、まるで雑魚だ」
 怒り出した変異猿を一瞥し、仁吼義狭・シリュウ(a62751)は呟きながら両手剣の峰で攻撃を仕掛けた。
「ウオオオオオォォォッ!!!」
 闇を裂く氷狼・ルキシュ(a67448)は、裂帛の気合と共に雄叫びを上げる。叫びを聞いた変異猿は身体が麻痺してしまい、動けなくなってしまった。
 光と闇を見守る武道家・テイル(a66994)は、赤い帽子を取り出して、それを被ると傍らの姉、光と闇の調合医術士・テイル(a66310)の方を見た。テイル(a66310)はこくりと頷いて、テイル(a66994)に微笑みかける。
「行くなぁ〜ん!」
 テイル(a66994)は疾風のように軽やかな身のこなしで、強靭な蹴りを繰り出した。蹴りを繰り出す彼女の足は、まばゆい光の弧を描きながら、変異猿へと痛みを与える。
「なるべく傷つけないで出て行ってもらえればって思うよ〜!」
 プカプカプーカ・スージィ(a63178)はそう言いながら、粘着性の強い蜘蛛の糸を作り出すと、変異猿に向かって投げつけた。糸は変異猿の身体に絡みつき、身動きを取れなくさせる。
「みんなをつよくするから、あっというまだよな」
 そう言って、ちび騎士・ペペ(a61526)は前衛に立つシリュウの纏う金属鎧に力を注ぎ込み、その強度を増させた。
 生と死の調律者・ケイト(a63733)は聖なる光でグリドリーを包み込み、先ほど変異猿の拳を受けたときの傷を癒すと共に、彼の武器、魔道書を強化させた。
「まぁ、仕方ないか」
 技心剣士・スーウェル(a65722)は呟き、太刀を構える。そして、不思議な剣舞を舞い、変異猿へとそれを見せた。麻痺、拘束を受けながらもまだ怒りをむき出しにしていた変異猿の様子が変わる。
「彼方へ星になって飛んでっちまいな!」
 声を上げ、ミヨは鍛え上げた拳に力を込めて、変異猿を真っ直ぐに殴りつけた。
 痛みを与えられ、身の危険を漸く感じ取ったのか、麻痺が解けた身体でもがき、その身を絡め取る蜘蛛の糸から逃れると変異猿は、山奥へと逃げていった。
「子供の様に人騒がせな猿だ」
 やれやれとため息を漏らしながらシリュウは呟く。
「これで猿と混浴せずに、温泉に入れるのなぁ〜ん」
「そうですの〜♪」
 見送りながらソウジュへと微笑んだ幼さ残る白き交渉人・レイメイ(a90306)に、ソウジュは嬉しそうに微笑み返した。

●紅葉を楽しみながら温泉に
「タオルがないなぁ〜んっ!?」
 男女分かれて、脱衣所に入った一行。そこで、テイル(a66310)は荷物の中にタオルが入っていないことに気付いて、声を上げた。
「お姉ちゃん、どうしようなぁ〜ん?」
「これを使うしかないなぁ〜ん」
 テイル(a66310)は大きなタオルを取り出して、それを2人で纏うという。念のため、予備で持って来ていた下着を身に付け、2人で1枚のタオルを纏いながらテイル(a66310)たちは脱衣所を出た。
「でっかいおふろー♪」
 海パンをはいたペペはお風呂セットを手に、脱衣所から出てきながら声を上げた。アヒルのおもちゃを湯船に浮かべながら、早速、温泉に浸かって温まる。
「紅葉の紅が綺麗ですね。気持ちいいです」
 紅葉の紅色とは対照的な緑の草模様のビキニを着たアリステアは、呟きながら徳利からお猪口へ中身を注ぐ。まだ未成年のため、中身はお酒ではなく柘榴ジュースが入れられていた。
「ミヨさんお手製のお饅頭はいかがですか?」
 グリドリーは背負っていた籠の中から、ミヨの作った饅頭を取り出し、団員皆に配り歩いていた。作ったミヨはというと、饅頭の配布をグリドリーに任せきりにして、湯船に浸かりながらお酒を飲んでいる。
「泳げちゃうかな! ……でも、風流って言うか静かに楽しみたい人も居るのかな……?」
 ワンピースの水着にパレオを巻き、スージィは広い温泉を眺めた。静かに紅葉を見ている仲間たちを見て、泳ごうかどうしようか迷う。
「いや、悪くない。悪くないねぇー」
 湯船に浸かるまではピリピリした雰囲気を出していたスーウェルは、湯船に浸かった途端、態度が軟化し、風情を楽しんでいた。
「良い景色だ♪ これでお酒が飲めれば万々歳なんだがなぁ……」
 一番景色の良いポイントを選んで湯船へと浸かったシリュウは、ミヨの方を恨めしそうに眺める。
「はぅ〜〜、温泉ですの〜気持ち良いですわ〜」
 傍らでは、水色に白いレースのホルターネックのビキニを着用したソウジュが、気の抜けるような声を上げていた。
「紅葉を眺めながらのお風呂なんて、風流だねぇ……」
 ケイトは、湯浴み着を着て、湯船へと浸かる。お酒を飲みながら楽しもうかとも考えたけれど、年長者だという手前、酔っ払って見っとも無い真似をしてしまわないよう、今回は紅葉を眺めることで満足させる。時折、仲間たちの様子を見て、上せたり転んだりしていないか注意を向けた。
「癒されるな……」
 泳ごうかどうしようか悩んでいるスージィを見つけ、そこから離れた場所を陣取ったルキシュは呟く。
「レイメイさん、スージィさん、ちょっと良いかしら?」
 ある程度、身体を温めたティーベは、女性2人を呼ぶと、彼女らを腕に掴まらせ、その腕を上下させた。
「な、なぁんっ!?」
 レイメイはいきなりのことで驚く。その後もティーベは、足を支えてもらって腹筋、背筋のトレーニングをしたり、スージィを肩に乗せ、スクワットをしたりしていた。
(「それにしても、ソウジュさんもレイメイさんもアリステアさんも綺麗で良いなぁ〜。私も大きくなったらみんなみたいになれるかな〜」)
 ティーベの肩に乗せられたまま、スージィは女性たちのプロポーションを見て、そんなことを思う。
「やっと終わりました……」
 饅頭を配り終え、グリドリーはミヨの傍に浸かると、酒を貰って、それを飲みながら紅葉へ目を向けた。
「……。えいっ!」
 酒を飲むグリドリーとミヨに、それを恨めしそうに眺めていたシリュウが、指で水鉄砲を作って、湯をかけた。
「なっ!?」
 湯がかかったミヨは、仕返しにシリュウに向かって湯を跳ね上げる。
「……やはり、ただでは済まなそうですわね」
 予感していたのかソウジュは呟き、湯を掛け合う2人の様子を見ていた。
 湯上りに、スーウェルは特製レモンジュースを飲む。
「……ぷは。風呂上がりはやっぱりこれだね、うん」
 こくりと頷くスーウェルの横で、ペペは腰に手を当て、山羊ミルクを飲んでいた。

●お土産、作ろう
「うふふ、モミジの栞、良い記念になりますわ♪」
 ソウジュはレイメイに教わりながら、皆を集めて、モミジで栞を作る。
「出来ましたの……はい、これはレイメイさんへ……感謝の気持ちですわ」
 出来たばかりの、淡いピンクの色紙にモミジが貼り付けられた栞をソウジュはレイメイへと渡す。
「それじゃあ、私が作ったのはソウジュさんにあげるのなぁ〜ん」
 見本に作った、深い緑色の栞をレイメイはソウジュへと渡した。
「ありがとうございますの」
 それを受け取り、ソウジュは手伝いのために、他の皆の様子を見て回る。
「こんな感じでしょうか……」
 見よう見まねで、アリステアも栞を作っていた。
「きれいにはれたらかんせー♪」
 綺麗な形の葉を探して、慎重に貼り付けたペペは出来上がった栞を高く持ち上げ、喜ぶ。
 スージィは真っ赤なモミジの葉の下に細い緑の草を貼り付け、自身の髪とマフラーのようになった栞を見て、嬉しそうに微笑む。
「私も記念に作ってみようかな」
 ケイトも呟き、ソウジュに教えてもらいながら、栞を作った。
「えっと……シリュウへプレゼントですわ……御守代わりに貰ってくださいですの」
 一通り見て回った後、シリュウの隣で白い色紙に一際紅いモミジを貼り付けた栞を作ったソウジュは、周りを気にしながらそっと彼へその栞を渡した。
「それじゃあ、俺のはソウジュに」
 淡い緑の若草色の色紙を使った栞をシリュウはソウジュへと代わりに渡す。手先を使う作業が苦手な彼が作った栞は少し不恰好だけれど、ソウジュは嬉しそうにそれを手に取る。
 栞を作成した後、辺りの散歩に出ていたルキシュが戻ってくる頃、皆の栞作成も、温泉の堪能も終わっていて、一行は夕日が沈む中、山を降りるのであった。

終。


マスター:暁ゆか 紹介ページ
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